町が綺麗ね 町が綺麗ね 町、綺麗

 一条ゆかり『不倫、それは峠の茶屋に似ている』読了、★★★★。10年以上前に漫画家としての活動を退いておられるゆかりお姉様のショート漫画「その後の有閑俱楽部」が収録されている、というだけで購入の価値ありと判断(実に「らしい」後日談でした)。そして、お姉様の金言の数々。お姉様の中には「昭和のおっさん」も(「も」です)住んでおられるので、特に仕事に関する自他への厳しさに端坐して首肯再三。特に、「打たれ弱い」ではなく単なる「打たれ嫌い」の人間がお姉様の言葉に傷ついたように泣くシーン……私はそれをマウンティングならぬ「スライディング」と呼んでいるんですけれども……でお姉様が相手を「プロめ」と一言で衝いたのには大笑い。この本、読む人選ぶよ。

 高3漢文の授業が1~3限。その後、メールでアポを取って来校した(←これ、この手順を踏む気遣いが素晴らしい!)67回生Hさんと90分程お話。

 Hさんは21年6月から22年6月までスウェーデンに留学なさっており、今回は帰国後の母校訪問。留学中に撮られた様々な場所(留学滞在地のみではなく、観光で訪れたヨーロッパ中の街)の写真を見せて下さいました。どこの国も街そのものが絵画、殊にストックホルムの市立図書館(世界一美しいと言われています)なんて思わず「あああっ!」と叫んでしまい少し恥ずかしかったくらい。でまた写真が巧いんですよ(若者は皆プロかというくらい写真が巧い印象)。そして、現地で交流した様々な国籍の友人との写真……の「誰もマスクしてないね」と私。
 聞けば、21年6月の渡航時から、彼の国ではマスクなど誰もつけておらず、それと知らず暫くマスクをしていたHさんは周囲から(コロナではなく)何かの病気だと思われて奇異の視線を浴びまくったそう。コロナは流行っているけれども誰もそんなの気にしていない、話題にもしない、ただ順繰りに感染して自宅療養したらそれで終わりなんですって(Hさんも罹患したそうです)。自国のコロナなんかより、人々の関心はロシア・ウクライナ問題に集中。Hさんの滞在地は大学街でスウェーデンの中でも田舎だったので、普通に通りを歩いていたら他者との距離が2m以上なんて当たり前だったそう(日本と比較して道路幅が広いんですね)。逆に、道が狭く人と次々にすれ違う日本の方が、喩えマスクをしていても「怖い」とHさんの証言でした。
 因みに、Hさんは留学中、当地の日本語愛好家(日本留学経験があったり、ネットを通じて日本語を覚えたりという若者)を集めてコミュニティ「日本語カフェ」を作り、定期的に交流していたそう。充実! 私「そういえば、ミラ・ジョボビッチの娘さんも日本語完璧で歌謡曲愛好家だったよねぇ」 H「よくご存じ、日本は漫画アニメと音楽とは手放したらダメだと思います」 それしかない、という風に言い切るHさんに思わずにっこり。因みにHさん、メディア関係の就職を希望しておりこれからインターン就活生活が始まるそう。就活を1秒もやったことがない人間が言うのもあれですが、ご成功をお祈り致します。

 その後は、東京から『東大王』のスタッフの方2名が来校なさり(日帰り!)、高校生大会に出場する部員3名を取材するのに立ち会いました。短い時間なのかと思っていたら、意外にも2時間超をかけてじっくり撮影をなさっておられ(使われるのは数秒なのでしょうが)。番組の放送内容のネタバレになってはいけないので詳細は秘しますが、恐らく放送されないであろうところに関して2点ほど書くなら、顧問である私が『東大王』の人々の巣窟(東京大学クイズ研究会)に嘗て所属していたことはツッコまれましたし、部活で「早押し風」のことをやっている絵が欲しいと言われ私が問読みを命じられた時には20年前の東京大学クイズ研究会が開催した大会「東京大学問答會/東京大学全人代」の冊子を流しました。

 16時過ぎに退勤、帰宅後に入浴。今日は、夜の独酌の店(初訪問)を既に電話予約しているので、自宅前を17時6分に出る西鉄バスに乗って大学病院方面に向かいます。

 7/26は「自粛御膳」をお休み、医大通りの料理居酒屋「O」で独酌。
 麻辣冷奴~小鉢~鰻ご飯オムライス~雲呑スープ(自宅)。
 ランチ大人気の新店舗(1回満席で入れなかった経験あり)に偵察を兼ねて夜の訪問。マスターワンオペ。料理はそこそこだけれど、マスターの挙措を見るに酒を美味しく飲ませるのには慣れてない(っつかそこにあんまり興味がない)んだな、という感じ。ランチで大人気の映え写系オムライス(夜はランチと同価格で小鉢類がつきません)を目当てに、夜なのにお酒を飲まない年若いお客さんが沢山やってきてました。鰻を混ぜ込んだ山型ご飯の上に美しい楕円形のオムライス、卵の中央にスプーンでスーッと直線を引けば、中から半熟トロリの卵が溢れ出してご飯全体を覆います。確かに映えますわ。