ほんにそやそや そやないか 大阪ブギウギ

 本日から大阪1泊2日。主たる目的は、ビルボード大阪で「矢野顕子トリオ」の1st Stageを観ること。コロナ禍で2年連続の休止(その間は矢野さんソロの弾き語り公演でした)を経て、満を持しての復活です。オンライン予約開始1秒後にサイトにアクセスして、前から2列目のテーブル(ライブハウスなので、ドリンクやフードを楽しみながら観賞できるんですね)を押さえました。

 5時起床、荷物は昨日の内にまとめているので旅行準備らしいものは必要なし。母君のお供えは普通通りの御飯と湯茶にして、明日の帰宅後(15時過ぎ)に新しいものに取り替えることにします(親不孝が服を着て歩いている人間ですので)。
 7時過ぎにタクシーでJRのK駅に到着、7時営業開始の「みどりの窓口」で予約済みのチケットを発券して、新幹線はK駅~博多(乗り換え)~京都。新幹線の車内では、本を読む、音楽を聴く、車窓を眺める、ワゴン販売の珈琲を飲む(今回はコカ・コーラは飲まず)。8/15という日付「だけ」を特別視することの善し悪しは取り敢えず脇に置いて、読書は水木翁の『総員玉砕せよ!(新装完全版)』、近頃遺品の中から発見された構想ノートが追加収録されている講談社文庫版です(水木氏が特定の作品の「構想ノート」を作るのは例外的に珍しいことだと思われます)。CDは山下達郎『SOFTLY』。充電中のスマホを駆使して、10月に上京する時の予定も幾つか。2泊3日の最終日はオツカル様と朝カラオケ~青山「LATURE」。2夜のどちらかは67回生Kくん(7月半ばに突然のメールで何となく約束)になるのかな。

 先ずは京都駅まで出てから(大荷物をコインロッカーに預けて)二条駅へ移動。大阪でライブを観て大阪で宿泊するのに、少し先まで足を伸ばした理由は、二条駅エリアにある、日本では珍しく耳にご利益のある観音様を祀ってあるという「地福寺」を訪れるためです。国語科恩師先生が最近ご不調を訴えられた(幸いなことに大事には至らなかった)と伺ったので、お祈りをしてから耳の御守を求めました。
 昼食は二条駅最寄りで人気の「町中華」(詳細は後程)、京都訪問ならマストの酒屋「タキモト」(知らない銘柄の酒を中心に5種類を自宅まで配送)からの東本願寺(経由で京都駅に戻る)というルートも恒例になりつつ。

 ランチは二条駅の中華「大鵬」。
 麻婆豆腐(小・1200円)、てりどんきんし(1100円)。
 開店20分前は到着が早すぎた、と思ったら既に先客1名、直後に後続3組。人気店らしく、待っている間に店員さんから名前・人数の確認と冷たいお茶のサービスとがありました。
 所謂「京都の町中華」を初体験。麻婆豆腐は深い味だけれども臭みや刺激は極力抑えられています。以前、姜尚美『京都の中華』で読んだように、食事後の舞妓はんが仕事のできる料理という制約が生んだ味なのでしょうか。一口でノックアウトはされないけれど、ずっと食べていられるし食べ終わってもまだ食べたいし、水分もそんなに要らない(まだまだお酒は我慢です)。「てりどんきんし」は漢字にするなら「照り丼錦糸」、こちらは優しい甘さ。2膳分くらいをペロリと食べて、42才ちょっと後悔の満腹です。因みに、麻婆豆腐は牛肉、てりどんきんしが豚肉でした。

 京都から大阪までは鈍行で移動、駅に到着した時点で14時を過ぎており予約したホテルのチェックインが始まっていたので、フロントまで直行です。何しろ、歩き通しと走り雨とで既に着ているシャツはぐちょぐちょ。直ぐにお風呂に入りました。フロントで、夜と朝との2度入浴するからと、バスタオルのセット一式を追加で受け取っています。ホテル横のカフェで本を読んだり、部屋でだらだらとFacebookを更新したりと時間を潰します。今日は、もう特別な観光をするつもりはありません。

 ホテルからライブハウスまでは徒歩15分、会場17時の30分前に部屋を出て、途中駅構内の書店で便箋・封筒・ボールペンを購入してからビルボード大阪へ向かいました。到着時が会場17時ジャストで、私は(自由席ではなく)指定席なので待たずに直ぐ入場できます。テーブルに着いたら直ぐに黒服の方がシステムの説明とメニューの注文確認に。殆どの客はアルコールと軽食とを注文していますが、私はライブに集中するためにノンアルコール。最初に烏龍茶(ホット)を注文して、その後(ライブ開演直前に)ホットティーを追加しました(これで、1500円強だと思います)。
 矢野顕子さんには自作曲の「おてちょ。」や「David」、それからカバー曲にもそのものずばり「The Letter」のように手紙にまつわる歌に好きなものが多く。ライブの始まりを待ちながら、恩師先生に(お守りと一緒にお送りする)お手紙を書きます。耳に御利益のあるという観音様のお話、今日の車内で読んだ『総員玉砕せよ!』のお話、等々。何度か反故にしてしまい、書き上がったのは結局ライブの開演5分前でした。

 2022/08/15、矢野顕子トリオ@ビルボード大阪。
 01.ラーメンたべたい
 02.David
 03.Just the Two of Us
 04.ゴジラ vs モスラ
 05.ドラゴンは昇る
 06.音楽はおくりもの
 07.津軽海峡・冬景色
 08.ひとつだけ
 09.Gasoline and Matches
 10.在広東少年
 Will Lee氏、Chris Parker氏(コンビで演奏を始めて50年!)はコロナ禍を経て3年ぶりの来日、トリオ復活最初のステージを生で味わうことが出来た(しかも2列目で!)幸せ。
 いきなりのセンターマイク歌唱(ピアノ無し)が意外だった01、Will氏の歌唱が渋い03・09(最後は火の着いたマッチを投げる演出)、ザ・ピーナッツのバージョンを崩しまくって激烈に格好いい04、野口聡一宇宙飛行士の作詞という新曲05(本邦初公開、タイトルの表記が合っているかは分かりません)、イントロベースから観客が総毛立った10、等々80分間が途切れなく濃密、(ちょろっとグダったMC以外は)テーブルの紅茶を注ぐ暇すらありませんでした。
 因みに、新曲05については、来年に大きめのプロジェクトがあることを匂わせる発言が。2026年の50周年まできっと止まらぬ活躍、追いかけます。

 ビルボード大阪から夕食のお店までは歩いて15分、途中「お初天神」の付近で道に迷い、店に電話をかけてしまいました。

 8/15は「自粛御膳」をお休み、串カツ「知留久 本店」にて独酌。
 セット(野菜とソース5種類)・ネギ(口直し)、及び串22種。
 瓶ビール2本・日本酒2杯・芋焼酎1杯。
 カウンター8席の小箱に、カップル2組と私(途中、私の席に近い方のカップルが退店して飛び込みの3人組と入れ替わり)。店員は串を揚げる大将とお運びの男性の2人のみ。コロナ禍なので店内では会話ヒソヒソ、ですからお互いの話は聞こえていない風を装うのが礼儀……ではあったのですが、私の席から遠い側のカップルの男性が帰りしなに私を指してこっそり女性に「よう飲みはんなぁ」と話した、のには目を合わさない方向に一礼。したら2人で「「聞こえたんのや」」ですって。はい勿論、男性の方がちょっと前に「独りで東横インとってんの? 勿体ない、2人でラブホにしよ!」って女性を誘ったのまで丸っと聞こえてます。女性誘う口実が「勿体ない」って凄い土地柄だなぁ、と思ってしまいました(勿論、単に属人的なものかも知れませんけれども)。
 串羅列、22種。稚鮎が美味しくてアンコールしたので本当は23本です。
 牛ロース~海老~豚カツ~帆立占地~鱚~紫蘇巻~烏賊雲丹数の子~蓮根~稚鮎~茗荷~水茄子蝦蛄~鮭イクラ~蛤~アスパラ~鱧ブルーチーズ~鱧卵~玉葱燻製鮭~松茸~甘鯛~クリームコロッケ~子持ち昆布陸蓮根生姜~マスカット鯛擂身。
 衣で包んだらもう逃げられませんから、同じ串物である焼き鳥よりも色んなネタ(食材)を併せたり混ぜたりし易いのかな、と思いました。因みに、この「知留久」は1946年屋台創業、大将お任せで客が「ストップ!」をかけるまで続々串が出てくる形式はここが元祖なんですって。私は甘鯛の段階で「あと3本でお願いします」と言いました(デザートまでの助走が2本ですね)。総合的に、味も雰囲気も値段も、かなりの高級店という感じ(串カツ=庶民派、という先入観は払拭)。

 ホテルに戻って健康睡眠……ですが、梅田構内の地獄迷路で迷う観光客あるあるに引っかかって、途中でホテルのフロントにヘルプの電話を入れています。スマホの地図機能とか経路表示とか、よく分かんないのよ。