サマチャンが通わにゃ あだの花 サノヨイヨイ

 本日も通常出勤で9時から職員研修。時間割案の変更作業、浪人中の卒業生の答案添削(今日は京都大学現代文)等々の業務も。終了は11時。

 昨日に引き続き、後輩数学先生に運転をお願いしてお昼御飯、今日はラーメン「H」にて大盛りラーメン(1号……という書き方で店名が知れるかも)とやきめし(2人でシェア)。ここはK市の豚骨ラーメンの中でもかなり上位に位置する人気店なのですが、場所が市街地(及び私の住所)から遠いために免許を持たない私は縁が薄く、今日の訪問が7年ぶり2回目。ほぼ初体験の感覚でしたが、スープは普通よりもあっさり(但し「有」化調を清々しいほどはっきりと主張)、麺は普通より細くて茹で方はやや固め。やきめしはしっとり。

 半ドンの業務の後は、K市から西鉄特急で30分の大牟田駅に向かいました。地区の保護者会での講演など、仕事で訪れたことは数回ありますが、今日は初の観光目的です。目的地は「大牟田市動物園」。特急が到着する約10分後に駅からやや歩いた所にあるバス停に動物園行きが停車するという接続、動物園まではバスで10分弱です。
 入口の手書きボードに「ぞうはいません」と大書。その下に小さく小さく書かれた理由が「ぞうは群れ社会で生きています。当園は群れを飼える広さがありません」というもので、これは多方面をこっそり煽っているんじゃないのかしらん、と入場前から香ばしい予感(真面目に補足をすると、大牟田市動物園のコンセプトは「動物福祉を伝える動物園」というものです)。敷地は4.5ヘクタールで、これは上野動物園の約1/3、到津の森の半分弱という規模。動物種も50種強とそう多いという訳ではなく。
 土曜午後ということで、地域の子ども会(?)の集団や幼児を中心とした家族連れなどそこそこの人出……とは言っても、園内に100人が居たかどうかという感じ。少しだけ驚いたのは園内の順路が完全に一本道になっていて、来園者はどん詰まりから同じ距離を引き返さないと園から出られない構造になっていたこと。これは、幼児抱っこにおんぶ勢をほぼほぼ殺しにかかってるんじゃないかというレベル(開園の80年前と違って、今は夏が地獄ですからねぇ)。

 さて、動物園ですが、とても愉しかったです。
 マスク必須のご時世で動物たちの臭いを感じることが出来なかったのはご愛敬、灼熱アスファルトの散策で汗達磨になったのも我慢。動物との距離感という意味でかなり展示に工夫が成されているようで、様々な動物を観たり写真に撮ったりというのが時に夢中になりそうな程愉しく。例えば、檻無しで動物に接近接写が出来るコーナー(4箇所ほどありました)では初めてナマケモノ(脚力半端ない!)を観ることが出来たり、ツキノワグマの檻では運良く飼育員さんのレクチャーを聴くイベントに立ち会えたり(年若い女性の飼育員さんだったので、おっさん独り客の凝視は「圧」だったかも知れませんが)、他にも色々。
 そしてこれは完全にノーマークの不意打ちだったのですが、園内にあった施設「ともだちや絵本美術館」が素晴らしかった。休憩所を兼ねている場所なのですが、飲食自由のスペースに大量の絵本が並んでいて全て読み放題なんですね。これは日本(語)で育った全ての人間の童心を喚起して殆ど我を失わせます。大牟田出身の絵本作家・内田麟太郎の原画を大量展示した企画展も素敵でした。
 「美術館」に童心を喚起されてしまった結果、勢いで誰も乗っていない観覧車(小さな小さな遊園地も併設)に独りで乗ってしまうなど。300円払って1周8分、ゴンドラの中は暑いので乗り込む前に団扇が手渡されるというのも「あるある」ですね。上昇していくゴンドラから見下ろした遊園地コーナーは、メリーゴーランド以下全てのアトラクションに子どもの姿は無く、小さなゴーカートに乗って遊ぶ兄妹が僅かに1組だけ。そんな中で厄年脱出したばかりのおっさんが独りで観覧車に乗ってユーミンの「かんらん車」を口ずさんでるってのは客観的にどうよとも思われるのですが、最終的には「淋しい」とか「痛い」とかに「そこそこ怖い」が勝ちました。

 大牟田市は「世界遺産のまち」であることを、動物園目当てに下車した駅の看板で初めて思い出したので、動物園からの帰りに少し寄り道をして「宮原坑(みやのはらこう)」を見学しました。三池炭坑でお月さんが煙たがった時代、その名残ですね。
 ここには、1898年・1901年に竣工した第一・第二竪坑のうち、現在は第二竪坑と煉瓦造りの巻揚機室が遺っており(日本では現存最古の鋼鉄製櫓)、排水路や三池炭坑専用鉄道敷跡と合わせて、ボランティアガイド氏の解説案内を受けつつ見学することが出来ます。
 以下、大牟田市のHPの記述を引用。【ここ宮原坑は、当初、坑内の湧水を汲み上げて排水することを主な目的として設置された坑口ですが、この坑口から三池集治監(今の刑務所)に収監されていた囚人たちが採炭作業に従事するようになると、その厳しい労働から別名「修羅坑」とも呼ばれていました。施設は、国指定重要文化財・史跡であり、世界遺産一覧表に記載された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産です。】
 さて、今も遺るその第二堅坑、明治時代後期から昭和6年までは石炭採掘、その後も排水のために確りと稼働を続け、平成10年まではエレベーターが動いていたというのだからお見事。現在は来年3月完了に向けた補修工事の最中で櫓の下までは入れなかったのが残念でしたが、補修完了後に再訪問して、今回は時間切れで訪問できなかった「大牟田市石炭産業科学館」で勉強するのも良いかなぁ、と。

 西鉄特急でK駅に戻った後は、駅ナカのスーパーで買い物をしてから帰宅、入浴、炊事。

 8/20の「自粛御膳」。
 ミニトマト雑炊~塩秋刀魚焼き~鯛刺し~温豆腐。
 597蔵目・山梨「櫂」(本醸造 生酒)。ずっと気になっていた(小さな小さな)蔵をとある通販サイトで見つけたんですが、うっかりアル添を注文していました。でも美味しい、★★★、今度は純米を飲みたいなぁ。