永遠を思う時に あなたの笑顔 抱きしめる

 暫く、漫画以外の「読了」本は出てこないと思います。柴田宵曲『完本 妖異博物館』(角川ソフィア文庫)、昭和38年の正・続を索引までつけて1冊に……まとめたら650頁超のレンガ本に。和漢の資料を縦横に逍遙、1種の妖異につき文庫3~4ページの短文が幕なしに続いて厭きないのは文体芸、そこはかとないユーモアのために「妖異」と言いながら怖くはないんです。
 前述の「漫画以外の……」という記述に半分反していますが、中村明日美子榎田ユウリ『先生のおとりよせ』読了、★★★★★。ドラマは2話で離脱してしまったんですけれども、原作を買ったら滅法面白くて離脱(録画消去)を少し後悔しています。漫画もそうですが、初めて読んだ榎田ユウリさんの小説パートの芸の細かさに何度か腹筋をやられました。2巻も近所の小さな本屋で即購入したんですけれども、小さな本屋にすら確りとBL棚があり、この本も確りBL棚に鎮座してました。

 3時半起床、未明の書斎で昨日の特講の答案添削。合間にちょっとネットを漁り、福岡市美術館に『鳥獣戯画』がやって来ているのを知る。こんなもん、観に行かずにいられるかっつー話です。土日祝の訪問はあり得ないので、授業が無い日に年休を取って朝から出掛けることにしましょうかね。そう言えば、映画『LOVE LIFE』も公開になりますから(K市の映画館では公開されませんので)、せっかくなら市内で鑑賞しておきたいですね。
 9月も遊びます。9/10(土)と9/17(土)にはサークル後輩・F校卒業生との飲み会、下旬には長門湯本温泉の旅行、大阪で高橋真梨子のラストツアー。そして10月、新居昭乃・折坂悠太のライブが福岡で。そして東博『国宝展』のための上京!

 6時の徒歩通勤は汗をかかずに快適、始業前には週明けまでの授業準備(プリント作成)を全て終了させました。体育祭順延の場合の時間割変更は、作ったもののこのままお蔵入りにさせることに。絶対晴れますから、発表したら逆に混乱させてしまいます。
 始業後は中3の授業が4コマ。完全講義型の授業は苦手だったり興味がなかったりする生徒には酷なはずですが、頑張ってついてくる(時々スイッチがオフになったり船を漕いだりする)のは立派だと思います。若林幹夫を2時限かけて読み、明日からは鷲田清一の文章に(これまた教科書外の投げ込みです)。

 9/08の「自粛御膳」。
 野菜2種~鮭塩焼き~土鍋ご飯~味噌汁~茄子豚肉煮。
 604蔵目・富山「風の盆」(純米酒)。
 大根ポン酢漬け・茄子豚肉煮は作り置き。味噌汁(キムチ・茄子・葱・豆腐)は2食分を作って半分は明日に。鮭は滅多に(それこそ旅館泊の朝食とかでしか)食べないのですが、土鍋を食卓に置くなら何だか合いそうだという理由だけで2切れ購入。鮭・味海苔・昆布・土鍋ご飯・味噌汁の「御膳」はそれこそ旅館の食事の分量が多いバージョンみたいでした。日本酒ガンガン飲んでるんですけど。

 おおたか静流さんのCDを聴きながら思い出をつらつら。四半世紀以上ファンをやっていると言いながら、私、彼女のライブにはこれまで5回しか行ったことがないんですね。特別に印象深いのは、大学時代に東京で観た3公演。
 最初は、幡ヶ谷の今はなき居酒屋「酒処たまははき」でのライブ、山口ともさんとの共演だった記憶。ベテランが支える居酒屋の居心地に慣れない(二十歳前後の)緊張を、彼女が歌い始めた途端身体ごと引き込まれすっかり忘れてしまったことを、今でも確りと覚えています。この居酒屋でのイベントは、元たまの知久さんのライブが映像作品として残されているんだったかな。
 次は、江古田のライブハウス(屋号失念)で長谷川きよしさんとのジョイントライブ。椎名林檎さんと共演するよりも前の時代、静流さんと歌われた「灰色の瞳」も素晴らしかった。私は中学時代から長谷川さんが好きだったので二人の共演は正に「俺得」状態、最初に登場した長谷川さんが「バラのルムバ」を歌った第一声もこれまた忘れられません。
 3度目は、駒込の「三百人劇場」(ここももう閉館したんですね)でVOICE FROM ASIAが一日限りで再結成された時のライブ。dido結成と前後して静流さんが参加したバンドは、アルバム1枚が残っており今も愛聴。岸本一遥のフィドルに乗って、彼女の無国籍歌唱の原点に触れたような感覚のステージでした(特に、「Çava Tokio」のインパクトはCD音源よりもなお強かった)。
 思い出すだにもう一回の後悔、やっぱり会える間に会っておかなくてはならないんです。