東京 コミニュケーション 人見知りするか

 昨日の67回生飲み会、元C組勢の想い出を補完してあげたの「だけ」はオッサンのGJでした。高3現代文の授業でのセンター過去問演習、解答用紙の埋め草に載せていた4コマ漫画が面白過ぎて、数人が演習・解説ともほぼ全無視で50分間ずっと悶絶してたそう。吉田戦車伝染るんです。』の国宝4コマ「新しい字を発明しました」。画像検索してお見せしたらやっぱり昨夜も悶絶してました。

 ゆったりと起床、流行病を疑う程に喉がガラガラですが、5時間でビール7リットル超トイレ約10回という「身体マカロニなんじゃねぇのか」みたいな飲み方をした訳ですから然もありなん。昼前の待ち合わせにパンクチュアルな到着をしただけで自分をベタ褒めしたい。待ち合わせの相手には、会った瞬間に「先生、泣いてるの?」と言われました。「目、真っ赤ですよ」「宿酔い、っつかまだ酔ってる」「ぅわ、声ガラガラw」
 お相手は、63回生我ら文系A組「日常性の維持」担当、東大教育学から現在はR社勤務のEくん。今日は、昼にお寿司を食べてから舞台『キンキー・ブーツ』を観に行きます。コロナ禍の前に三浦春馬(再演)版を一緒に観た時に大感動して、今回の城田優(再再演)版も観に行こうと話していたのです。

 待ち合わせ場所は初めて降りる梅ヶ丘駅、目的の店は「美登里寿司 梅ヶ丘総本店」です。ランチコースを1ヶ月前に予約。総本店は初めて。大学時代にはここぞの日に背伸びして渋谷店を訪れ、社会人になって以降も度々。ここを「リーズナブルだなぁ」と感じてしまうのには正に思えば遠くへ来たもんだ、の感が。
 前菜三種盛りのあん肝と白子とはEくんに回して(3品中2品がポン酢ってのはどうよ、と思う)、巻物のいくらもEくんに。大学時代ほどではないですけれども、彼は胃袋宇宙さんですのでどれだけ食わせても罪悪感は湧きません。実際、「肥ったからダイエットしたいんですよ」とか言いながらもりもり食べてまして、前菜・お作り・蒸し物・お椀の後で寿司12貫というコースに、更に握りを5貫追加しましたからね(しかも、最後は「炙りサーモンチーズ」とかいう脳に悪そうなネタを選んで)。
 前菜のカニ味噌サラダ(名物)を一口食べた瞬間に「ビール……」と言いそうになりましたが、この後の観劇に集中するために鋼の意思(←他人が言わないから己で言う)で我慢しました。

 食事中の会話、話題はゲーム。ジェネギャ。
 E「俺ドラクエやったことない」
 私「へぇ。EのRPGっつったら、何なの?」
 E「……ロックマン?」
 私「ロックマンのどこがRPGだよガチガチのアクションだろえ何僕のRPGとEのRPGは違うもんなの?」
 E「あ~、多分、RPGが違うんじゃなくて、俺のロックマンと先生のロックマンが違う。で、ドラクエってどんなんなの?」
 私「どんなんって、まぁ純王道? 勇者が魔王を倒す」
 E「勇者が主人公で、司令出すの?」
 私「司令? 誰によ? 勇者っつったら闘うもんやろ」
 E「主人公が闘う、って面白いね。普通は集めて命令するのに」
 E「闘わない勇者って何だよどこが『勇』だよ」
 『ポケモン』がデフォなのかな、本編が非王道で『テリー』が王道、考えたら面白いですね。

 「チケット代かランチ代かは(自分の分を)出してね」と言ったら「どちらかの二人分を」だと勘違いしたEくんが寿司の代金を全額もってくれました。勘違いには乗っかります。R社だし、●ーモくんだし。退店後、梅ヶ丘からは電車で下北沢、そこで電車に乗り換えずに、下北沢から(駒場経由で)渋谷まで歩こうという流れに。歩きながら、喋る。
 私「炙りサーモンチーズとか頭の悪いネタを貪って、このくらいの散歩でダイエットになるつもりなのがもう」
 E「うるさい」
 私「ダイエットっつったら、渋谷から品川まで1時間歩くくらいはしないとさ」
 E「前に歩きましたねぇ、そう言えば前回の『キンキー・ブーツ』の時だ」
 私「渋谷のフレンチでランチして、その後で観劇、更には品川で水族館。このままだと完全にラブラブデートになってしまうというところで」
 E「渋谷から品川の移動を徒歩にしただけで途端にデートじゃなくなった!」
 私「今日は、寿司ランチから演劇だからデート」
 E「やめろ」
 私「舞台の後で松濤美術館に行くんだけど、一緒に来る? 『異性装の日本史』ってイベント」
 E「あ、行く。『キンキー・ブーツ』にぴったりだ」
 私「もう完全にデート」
 E「やめろ」

 東大駒場キャンパスは駒場祭準備期間らしく。立て看はまだそんなに多くはなかったですが、サークル紹介よりも大学運営批判だったり政治批判だったりのアジテーションが目立っててほぅ、と思いました。「国葬阻止」「KF飲食制限の決定プロセス開示を 弱小サークル潰す気か」、等々。「本郷に部室を 駒場には寮を」というのは20年前と同じでクスッとしてしまいました(因みに、「寮」はうかんむりの下にRと書かれていました)。構内には人が少なく、正門から裏門まで歩いてもF高卒業生には出会わず。
 裏門を出て松濤を通り、Bunkamuraエリアから渋谷駅、ここまでで15分。入ったが最後二度と出られない迷宮と化した渋谷駅の中には絶対に入らないと決めて迂回、銀座線の入り口がこんなところに! と驚くお上りさん状態の私、そう言えば東急のビルもなくなってて渋谷が渋谷じゃないような。ヒカリエのエレベーターを上って「東急シアターオーブ」着、開演15分前。グッズ売り場でパーカーが売り切れていたのに絶望の表情だったEくんですが、通販で購入できるんだからと切り換え(っつっても、届くのは来年になるらしいです)。観客の95%は女性ですかね、少なくとも男2人連れってのは我々を含めて数組しか居なかったんじゃないかな(外つ国の本家公演の観客席には男性も多かったんですけれどもねぇ)。

 『キンキー・ブーツ』再再演版、良かったです。
 城田優無茶苦茶でけぇ、ソニン無茶苦茶巧ぇ、セリフ変わってる(本当の自分を探し求めているあなた)、レイズユーアップ熱い!
 休憩中も終わった後も二人で感想を喋りまくる、ってのが面白かった証拠です。Eくんは最後の「Raise You Up」にヒール役の玉置成実(ニコラ)が絡んでくるのだけはどうしても違和感があるそうで、確かこれは前回の時も言ってましたね。私は、それよりも小池徹平(チャーリー)が意外に酷いやつなんじゃね? という感想が2度目の鑑賞にして初めて。玉置成実(ニコラ)との別れ方も、終盤の城田優(ローラ)に対する暴言(←これ、ドン引きするほど酷いです)も、それぞれ相手方の立場になってみたらかなりえげつないような気がするんですけれども。もう一回観たら感想が変わるのかなぁ(再再再演希望)。

 松濤に戻って松濤美術館『装いの力 異性装の日本史』。これは『キンキー・ブーツ』に合わせたんじゃないのかと思ってしまうほど余韻に打って付けの企画。夕方過ぎの時刻でしたが館内には100人程度の鑑賞者、賑わっています。異性葬1500年超の歴史のクライマックスはピーター池畑慎之介で、映画『薔薇の葬列』の映像展示に目が釘付けになってしまい20分くらい動けなかったのですが、「頭がクラクラする」と数分でダウンしたEくんから後で「途中で映ってたあのお爺さん誰?」と聞かれ、彼が淀川長治を知らないという事実には私も頭がクラクラしました。勿論、展示には森村泰昌も登場(11月にK市で森村氏の講演に行きます。楽しみ)。
 暗くなってからの「松濤美術館」噴水(白井晟一)は上から見下ろすと美しくも恐ろしいです。吸い込まれそう。

 夜は同僚と飲み会だというEくんと渋谷駅で別れ、山手線で五反田へ。ホテルで荷物を降ろして軽く入浴、上がるタイミングでホテル入口に呼びつけた(それまで五反田で時間を潰していた)56回生Nくんと合流して池上線へ。エンジニアNくん、高校時代と見てくれが全く変わりません(今日のために午後を半休にしたという気の遣い方も全くです)。茶色のジャケットにジーンズというコーディネイトが私と全く同じだというのに(池上線6分間の間)ずっとウケてました。旗の台駅は初めて、目的地は海鮮が売りの居酒屋「舟武」。

 10/21は「自粛御膳」をお休み、旗の台「舟武」にて56回生「いつメン」3人と飲み会。
 アジフライ・はまぐり酒蒸し~刺盛り~焼き魚~お浸し。
 半休のエンジニアと2人で座った4人がけテーブルは、取り箸・割り箸の2種類が一人ずつに置かれている気遣い。Nくん生ビール、私瓶ビールで乾杯。最初は大きなアジフライをシェアしてNくんはハマグリの酒蒸し。カウンター越しに見える厨房奥の黒板には日替わりのメニューがびっしりで、店員さんに促されたNくんが最初にスマホで映していました。飲み始めたら直に「今職場を出ました」という2件のメール、30分後に住友商事Kくん、警察庁Mくんが到着です。その後は、社会人(社畜)あるあるトークに華、気づけば昨夜の反省も忘れて深酒しています。企業戦士Kくんのお仕事午前様コース(私の毎日の起床時刻まで、彼は毎日働いているそう)、警察庁Mくんの政治家ディス等、中央で働いている方々の話は面白うて(いちばんホワイトな環境で仕事をしているNくんはいつも相槌で盛り上げる係、高橋留美子の漫画のコマの後ろで扇子持ってるような感じです)。これに中学受験戦争牽引のYくん、業界裏話満載のフリーランスライターOくんがいたら「完璧」な56回生いつメンになります(年末には会いたいなぁ)。
 一次会の全額を(私がトイレに行っている間に)サラッと払いつつアプリでタクシーを手配してくれた住商は超イケメンでしたし、二次会(五反田で中華を食べながら、またまたビールの後で紹興酒2本というアホっぷり)を払ってくれた警察官僚による「だって、先生がいちばん給料が安いんですから~」という笑顔の顔面殴打は全治2週間くらいじゃきかないパンチ力でした。

 二次会会場から徒歩1分のホテルにて、健康睡眠。
 板尾創路は確かにコ「ミニュ」ケーション、と歌っていたはず。