のどならして眠る 一日はいつもすてきだ

 昨夜の56回生飲みは確かに楽しかった。メンバーには(Yくん・Oくんの不在は残念でしたが)全く問題はありません。ただ。
 わざわざ五反田のホテルを選んでまで出かけた旗の台「舟武」(初訪問)は、確かに東京ならば「こんな値段でこんな海鮮が!」となるのかも知れませんし、店の雰囲気も店員さんの動き(気働き)も良かったのですが、再訪再々訪必至みたいな感動があったかと言われれば、正直う~ん……と。海鮮なら博多に「太郎源」があるしなぁ。
 と書きつつ、これは店の責任ではないということも分かっているのです。平松洋子さんの筆力がありすぎるんです。平松エッセイで絶賛されているのを読んで「絶対に行きたい!」となった店だったんですけれども、エッセイの中に登場していた「完璧」な海鮮居酒屋と実際とでは少々差がありました。私に現地で感動する力が足りなかったのかもとは思うんですけれども、エッセイの「中の店」については読みながら実際に席に座って飲み食いしているかのように感じつつ確かに感動出来たんです。後で振り返ったら、エッセイの内容に所謂「盛って」いる部分は無かったんですけれども、それでも「中の店」に軍配を上げさせる筆の巧さがあるんだと思う。
 何が言いたいかというと、要は平松さん凄ぇ、ってことなんですけど。

 ゆったりと起床して、一昨日夜に続く昨夜の飲み方の愚かさを後悔……は全然していないけれども反省。今日は朝からカラオケに行くというのに、声、ガラガラです。入浴、荷物の整理、チェックアウト(大きなバッグはフロントで自宅まで宅配の手続き)、山手線で五反田から待ち合わせの渋谷へ。一度部屋に荷物を忘れたのに気づいて戻るという時間のロスがあり、待ち合わせに10分程度遅れてしまうというポカ。相手はVIP中のVIPだというのに。

 ハチ公で待ち合わせたお相手は麗しのオツカル様。一度はK市においで下さって懐石「G」で4時間話したこともありましたが、コロナ禍の2年半は私が東京に行けず(2月の出張時はお声がけいただいたのに仕事だったので血涙を飲んでお断りして)、2人での東京デートはずっとお預けでした。本日は、オツカル様のお仕事休みの土曜日を狙って、朝からカラオケ~ランチの流れです。
 「遅れてごめん! この声もごめん!」という挨拶で笑っていただいたあと、先ずはスクランブル交差点の薬局で「響声破笛丸料」を購入、ペットボトルの水で服薬。電車内ではのど飴をなめ続けて、起床後3時間(待ち合わせは9時)で声は(ベストにはほど遠いですが)ある程度は回復しました。土日なら「カラ鉄」が9時に開くことを調べておいたので、2人で早速センター街へ。

 何度も書いていますが、オツカル様と2人の時のカラオケでは、ここ10年ほど貫いている鉄の掟がありまして、それが
 ①過去に一度歌ったことのある曲は禁止。
 ②同じ日に同一アーティストの曲を2曲歌うのは禁止。
 という2箇条。これを墨守し続けて、2人のカラオケで歌えなくなった曲は既に450曲を超えています(この「はてなブログ」を降りられなくなったのは、2018/8/4のエントリで曲目を更新し続けているのを2人のカラオケの度に確認するため、というのもあります)。2年半で貯めに貯めた「新ネタ」は50曲を超えていますので、やろうと思えば5時間でも6時間でも保つんですが、本日はランチの予約までという時間制限があるために2時間弱、お互い10曲程度ずつと分かった上で選曲をします。曲目、以下。
 池①和田アキ子「YONA YONA DANCE」(2021年)
 オ①チームしゃちほこ「抱きしめてアンセム」(2014年)
 池②海道はじめ「スナッキーで踊ろう」(1968年)
 オ②mahina「羊」(2020年)
 池③桑田佳祐「東京ジプシー・ローズ」(2002年)
 オ③パスピエメーデー」(2016年)
 池④髙橋真梨子「はがゆい唇」(1992年)
 オ④Mr.Childrenシーラカンス」(1996年)
 池⑤米津玄師「Decollete」(2020年)
 オ⑤バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI「ゴッドソング」(2020年)
 池⑥松任谷由実with荒井由実「Call me back」(2022年)
 オ⑥HAKUEI「ダブル ラブ ショック」(1997年)
 池⑦吉田拓郎「雪さよなら」(2022年)
 オ⑦竹原ピストルサンサーラ」(2020年)
 池⑧レキシ「GET A NOTE」(2018年)
 オ⑧コレサワ「君のバンド」(2015年)
 池⑨上野博樹「ベスト・フレンド」(1982年)
 オ⑨B'z「衝動」(2006年)
 池⑩中島みゆき「流星」(1994年)
 オ⑩神宿「グリズリーに襲われたら」(2019年)
 池⑪ガチャピン「たべちゃうぞ」(1975年)
 オツカル様、盛んに「Spotifyで聴いて良かったから覚えた」というお歌を披露なさいます。ATOKが勝手に変換してくれるんで知ったように書いていますが、私、「すぽてぃふぁい」というのが何なのか知りません(検索もしてません)。私は全てCDで購入して覚えた歌ばかりです(MVがバズる方が先だった和田アキ子の曲ですら、結局ミニアルバムが発売されるまで覚えられませんでした)。先日ユーミンが「60周年があるならその時にはCDは確実に存在していない(大意)」と仰有っていたので、私はあと数年で新しい曲を覚えることが出来なくなってしまうのかも知れません(そうなっても、所有している古い曲から「新ネタ」はバリバリ掘れると思いますけど)。それとも、いつか本当に配信や動画サイトで音楽を聴くような人間になるんでしょうか。
 閑話休題(それはさておき)、オツカル様とのカラオケ、楽しい! 私も出来るだけオツカル様と会えなかったここ2年半の曲を歌おう歌おうと努力したんですけれども、結局2022年の曲も⑥や⑦やということになってオツカル様からは「終活ソング」と言われる始末でした。純粋に新しい曲は①⑤⑧あたりだけでこれが限界。そう言えば、2人のカラオケで貫いている鉄の掟はもう一つありまして、
 ③最後には池ノ都が必ず井上陽水「夕立」を良音で歌う。
 というのが。本日も(喉が嗄れてるというのに)最後まで叫びました。ラスト「夕立だ」と歌い終えた後の泣きのギターをオツカル様がエアで披露するというのも2人の約束になっています。厄年終えた中年2人が何をやっているんでしょうか。

 20分程歩いて、センター街から青山大学前へ移動。ランチは「LATURE」を予約しています。流石の人気店はコロナ禍でも勢いが衰えることなく、どうやら近くに別店舗も開いているらしく、私たちの前に到着していたカップルはそちらの方に案内されていました。私たちは本店(?)の2人がけテーブル。ランチ用のフルコース、料理名は分かりませんが、覚えている範囲で、以下。
 ・塩で作ったケークサレ
 ・山羊乳ブラマンジェ、イクラ貴腐ワイン
 ・鯵と輝太郎柿のマリネ、ブルーチーズにアプリコットのソース
 ・石垣産孔雀のパテアンクルートにフォアグラ、鬼灯、冬瓜、山葡萄
 ・ウマバハギのポワレ、パセリバター、パセリソース
 ・蝦夷鹿モモのステーキ、スグリのソース
 ・黒イチジクとサングリアゼリー、ホワイトチョコの器
 アルコールは無し。パンは可愛い鳩のデザインのバターナイフを使って、最後の飲み物はハーブティーを選択(他は珈琲か紅茶か)。飲み物と一緒に出てくるフィナンシェの油にもジビエの食材が使われている凝りようです。私はジビエが特に好きだという訳ではないのですが、ここの蝦夷鹿は最初に食べたときに余りの美味しさに絶句した記憶。何度食べてもたまらないくらい好きで、今日も最初にご挨拶に来られたシェフ兼ハンター氏(確か、私よりも年下でしたよね、凄い)からメインが鹿だと伺った時に小さくガッツポーズ。
 カラオケでもレストランでも、話の内容は他愛ないものばかりなのですが、考えたら友達の少ない私が仕事以外の話をこんなに長くする相手は、もうオツカル様くらいしか居なくなっているかも知れません。職場の同僚と飲めば話題は95%仕事の話になりますし、「もりき」の常連さんとお話をする時も最低一つ二つは仕事の話を聞かれますし。オツカル様だけ、私の仕事に(「カリスマ先生略してカリせん」みたくネタにしてからかう時以外)全く興味をお持ちでないのです。

 11時半に入店で13時半の退店。通常より短い時間ですが、予約時に飛行機の時間のことをお伝えしていたのでスムーズに行きました。渋谷駅改札前でオツカル様とお別れ……したのですが、改札を潜った私が山手線ホームへの階段を上っていたらオツカル様からスマホに「逆!」とメッセージが届きました。余程帰りたくないのか、品川乗り換えで羽田に行くのに、池袋方面へ向かうホームに行こうとしていたのです。「サンクス!」と返して慌てて反対ホームへ。電車に乗ってから、「ホームに上るとこまで見送っててくれたのか~」とじんわり嬉しいあたり、我ながらキモいくらいオツカル様大好きっ子です。
 品川駅の書店で漫画を1冊購入、乗り換えて羽田空港着。殆ど時間が無かったので、先ずは搭乗口まで直行して、搭乗時刻まで10分の間に「もりき」及びF校関係者へのお土産をササッと買い込みました。飛行機の中では購入した漫画を読んだり、ユーミンを聴いたり。

 福岡空港着、高速バスの丁度いい時間を逃していたので、躊躇わず地下鉄で博多へ。新幹線でK市まで戻り、タクシーで自宅へ。お湯を溜めている間に荷解き、入浴後に着替えて出発。行き先は決まっています。

 10/22は自粛御膳をお休み、居酒屋「もりき」で独酌。
 小鉢2種〜冷奴〜鰤照焼〜土瓶蒸し。
 「もりき」にお土産を届けるまでが旅行です。