好きなことをやりなさい

 山口県に実家のある寮生から、NHKローカルの番組をDVDに焼いた物を貰いました。ご両親が録画して下さったそうです。鳥取で製作されている25分間のドキュメンタリー番組「フェイス」、の水木しげる翁特集回。先ごろ、水木翁がノートに書きためておられた直筆の日記が大量に発見されたということで、その記述内容から翁の幸福観を探ろうという試み。ゲストは佐野史郎と足立倫行。
 「あんまり面白くなかったそうですけど」と、仲介の寮生氏がわざわざ言った通り、番組は資料は貴重で(結論への)方向性・コメントは凡庸という出来栄え。しかし、ファンにとってはこの「資料は貴重」というのだけで既に十分なのです。因みに、名越康文が一瞬だけ登場しており、彼の動く姿・声に初めて触れました。

 本日は授業4コマ(高1B~E組)、A組だけ7限授業でその7限は本来私の現代文だったのですが、どうしても1時間足りないと関西数学先生が仰った(っつっても、ご自分が授業をお忘れで35分間くらいロスをしたのが原因なんですけどね)ので泣く泣く(?)差し上げることに。
 7限の開始時に先ずSHRを終わらせて(今日は外部模試の成績表返却がありました)、それから7限を数学先生にお任せ。授業が終わったら、掃除・下校の支持をそのまま先生にお願いしています。

 で、私は16時から1時間の年休で帰宅。本日はオツカル様とディナーデート。
 福岡出張の要件は昼過ぎには終わって、その後プロ野球の2軍の試合(開幕戦)を観戦してからK市入り、今夜は熊本のご実家に戻られてお母様に顔見せをなさるとのこと。
 私「出張って何の仕事だったの?」
 オ「柳川のやまと学校ってところ、競艇選手の養成学校なんだけど、そこの卒業式に来賓として」
 私「何つながりで?」
 オ「そりゃ、笹川財団つながりに決まってる」
 そうでしたそうでした、オツカル様の職場(公益財団法人・日本吟剣詩舞振興会)は、日本船舶振興会からの援助で成り立ってるところでした。
 オ「職場の後輩は日帰りで東京に帰ったけど、ウチ(←一人称)は実家に帰ろうか、と」
 私「……今、後輩っつった?」
 オ「あのねぇ、後輩が出来たのよ」
 私「きみが、14年ぶり2度目の就職をしたのが去年の5月とかで」
 オ「そうそう、既に後輩が1人」
 私「10人とかの規模の職場だったよね?」
 吟剣詩舞、盛り上がってるんでしょうか。

 17時の開店と同時に私のお気に入りの肉料理屋「I」に入店。やまと学校卒業式の面白話を聞いたり、3月の上京で(がっ様も合わせて3人)一緒に水森亜土ちゃんのライブを観に行く手筈を整えたりしながら、カウンター懐石コースは一切野菜なしの逆精進料理。掛け蕎麦でもネギを抜くオツカル様のために、マスターにお知恵を絞っていただきました。椀物の肉吸いにすらネギも何にも入っていないと言えば、その徹底ぶりが分かるでしょうか(固形の形で出てきた植物は山葵だけだったんじゃないかな)。私は流石に途中で耐えられなくなって、単品でピクルスを追加しましたが。

 2次会は文化街(K市を代表する飲み屋街)までタクシーを飛ばして、行きつけの小料理屋「S」。常連の平均年齢は60代超というお店で、初対面の先輩方に喜んでいただけるような昭和歌謡を色々と歌いました(オツカル様もその手の選曲はお手の物です)。
 常連らしき小母様が都はるみ「古都逍遥」をお歌いになりまして。
 常「この『逍遥』っていうのは何なのかしら」
 私「あ、お散歩って意味ですよ」
 常「まぁ、知らなかった! じゃあ、坪内逍遥っていうのは、随分と謙虚な名づけなのかしら」
 あ、面白いな、と思いました。

 2軒合わせて4時間弱、オツカル様の熊本帰省と私の明日の仕事とを考慮して、解散は割とあっさり。まぁ、10日後には会える訳ですし。

レッツゴー! かっこいい世界

 帰りのSHRの時、教室の外に高2の女子が二人で立ってて、何事かと出て行って尋ねたら「Aくんを待ってるんです」というお答え。「出待ちする程に?」と聞き返したら苦笑いでしたが、後から気付いた、ひょっとして「男く祭」のカッコメン(F高美丈夫品評会)の勧誘だったのか。え~、でも、高3に混じって高2の一人枠を、外進のA組から選ぶか~?
 私「ねぇねぇ、昨日の出待ち女子、もしかしてカッコメンの勧誘?」
 A「あ、えぇ、はい」
 私「やっぱり」
 A「普通、内進から選びますよね?」
 私「返事は?」
 A「断ってるとこです。メチャ恥ずいことさせられるんでしょ?」
 私「高3での2連続出場も前提で」
 A「嫌だ~」
 サッカー部が当日試合で公欠なんですね、それで候補が減ってしまう。

 64回生Nさん(この春、一浪で国立医学部合格)が職員室にお出でになり。
 N「私、先生に言いたいことがあるんです」
 私「はぁ」
 N「先生、私たちが高3の時の現代文の授業で、『かわいいはきゃわたん つらいはつらたん』って仰有いましたよね」
 私「確かに」
 N「64回生の女子って、それ聞いて『面白い!』ってなって、結構仲間内で『きゃわたん』『つらたん』って使ってたんですよ」
 私「ほうほう」
 N「そうしたら、予備校で他校出身の人に『F校生って、そんな俗語使うんだ……』って引かれちゃって」
 私「大変申し訳御座いません」
 オツカル様から得た情報「辛いはつらたん、可愛いはきゃわたん(抑揚は「パピヨン」と同じ)」をまんま授業で話したら、無垢な女子に受けてしまったという故の悲劇。

 一日授業無しでのんびりとデスクワークの日。夜は、土曜の「純米の会」用に注文しておいた「喜楽里」が届いたのを「もりき」に届けがてら独酌。

一刹那のうちにおいて懈怠の心あることを知らむや

 小林信彦『おかしな男 渥美清』読了、★★★★★。渥美清に関しては、かつてお昼のワイドショー番組に彼の死去の第一報が入った時、コメンテーターの市川森一が仰天して叫んだという記憶があります。さて本書の話、渥美清の出演作品を通して観たのは『八つ墓村』だけ、本書に興味を持ったきっかけも『トットてれび』だったくらい真っ更な状態で読みました。すると、先ずは筆者の造詣と筆力(文体の魅力と対象との距離感との絶妙!)とに圧倒され、その記述を全幅信頼すると仮定した場合に立ち現れてくる渥美氏の心の暗渠に戦くという流れ。全然知らない俳優なんですけれども、現役の誰に比することが出来るかを強引に考えるならば、やはりタモリなのかなぁ、などと。

 本日は授業が1コマで一日の流れは緩やか。放課後に、ちょっと重要な案件についての保護者面談があったのが唯一のトピックかな。
 仕事の後は、帰路にあるお気に入り「I」(肉料理)で読書独酌。マスターと、明後日の予約について細かい打ち合わせをして料金も先払い。

 2年半の母君の大病以降、ちょこちょこと年休を取る癖がつき始めました。以前は浪人生への添削郵送とか家庭訪問とか殆ど仕事の為以外に年休を取らなかったのですが、最近は引っ越し以来増えた家事(!)だとか、明後日みたいな飲み会だとか、酷い場合は上京旅行だとか。仕事舐めてんのか! って感じでしょうか。
 で、「明後日みたいな飲み会」ですよ。肉料理「I」にてマスターお任せの懐石2人前、お相手は愛しのオツカル様でして、福岡出張に絡めた熊本実家帰省の一環でわざわざK市にお出でになるというね。で、マスターと打ち合わせたコース料理内容は、オツカル様の食性に合わせた「完全野菜抜き」。薬味すら使わないという『ミスター味っ子』もかくやの注文を、マスターは割と面白がって引き受けてくれました。「精進料理」の逆ですから「懈怠料理」、年休取りまくり仕事舐めてんのか先生には相応しいネーミングなんじゃないでしょうか。

よくぞ日本人に生まれけり

 松任谷由実ユーミンとフランスの秘密の関係』読了、★★★。ファンとして、ユーミンのルーツを覗きたく。掲載誌の性質故か(フランス愛からの逆照射だとしても)やや日本を誉めすぎるのが鼻についた感あり。とは言え、ユーミンの居る時代の日本を生きられたのは幸せなことです。

 5時に学校入り、デスクワーク。8時過ぎからは、職場の様々な人にホワイトデーのプレゼントを配って回りました。8時30分に学校を出るため、朝のSHRは副担任先生に依頼。
 学校からタクシーで20分、F校親玉大学の大学病院へ。呼吸器内科の待合室で、既に血液検査とレントゲンとを終えられた母君と落ち合います。9時いちばんでY先生の第4診察室に呼ばれて、「今回も異常なしでしたよ」とのお言葉を頂いて胸をなで下ろす。もう2年以上に渡ってこれを続けています。

 通い始めた当初は、大学病院からJRのK駅まで、1メーターの距離をタクシーで移動し、K駅構内のパン屋でイートインというのが恒例でした。そのパン屋も1年前に潰れてしまい、また母君が通院に慣れたこともあり、今では駅までは徒歩、その途中に或るパン工場のイートインでお話をするというのが恒例になっています。本日も、仕事のことや病気のことなど色々。何しろ働けるということが一番だと、これは毎回同じ結論。

 11時過ぎにタクシーで職員室に戻り、4限の学年集会で少しだけお話、本日は午後に長い職員会議(生徒の卒業・進級認定について)があるので生徒は半ドンです。職員会議後は、2時間ほどデスクワークをしてから帰宅。夕食は「もりき」で、肴は湯豆腐。

窓の近くのあなたの机

 3時前起床、入浴・出勤準備、5時職員室入り。
 始業前は担任業務・授業の板書準備・生徒面談、始業後はSHR、1~5限が高1現代文の授業、昼休みは会議資料の印刷、6限は会議、SHR・掃除の後は生徒の追試監督、18時に職員室日直で校内巡回。仕事が詰まり過ぎていると逆に何も考える必要がなくて楽。校内巡回が終わる18時15分には事務室前に予約のタクシーが待機しており、学校訪問の63回生A組Oくんと二人で欧風居酒屋「B」へ直行です。

 「和洋中印韓メキ(←メキシコ)」、のK市飲食店選択肢でOくんが「洋!」とお答えになったので店は「B」。カルパッチョ風サラダ、馬鈴薯のアンチョビバター、エビグラタン、マルゲリータ、チキンのカレー煮、等々を肴に、私はビールとワイン、Oくんは(流石ロシ語選択の)ウォッカ。
 明日は母君の検診介添があるので、2軒3軒のハシゴは出来ませんでしたが、Oくんの東大での(4月から法学徒)生活について色々。そういう大学生ってあんまり多くないんですけれども、真面目に生活してるからなんでしょうね、面白かった授業や興味のある本や将来の進路志望等々の学究活動についての話ばっかりだったんですけれどもそういう話題で話が途切れることも飽きさせることもなかったのが立派。楽しかったので、別れ際には次(3月上京中の昼食)の約束もしてしまいました。

 そう言えば、明日はホワイトデーなので、本日生徒下校後、タクシーで学校を出る前にOくんに手伝ってもらって、A組51人の机の上にプレゼントを置いときました。男女別なく51人に洋菓子を1つずつ。女子19人の机の上には、バレンタインのお返しとして一昨日購入した栞も。

杏仁豆腐とジャージャー麺が 食いてぇ

 小学校6年生の私、夏休みの思い出。鍵っ子の夏休みは、自宅と塾との往復の日々。毎日500円の昼食代をもらって、Z塾のF中講座に通っていました。
 鍵っ子の昼食は「梅の花 小倉店」。500円×2=1000円、ということで隔日のランチが900円。当時は本店がK市にあるなんて知りませんでしたが、F校教員としてK市に在住している今でも本店の常連、12歳の時から、豆腐しゅうまいも嶺岡豆腐も湯葉揚げも生麩田楽も湯豆腐も変わらずのご愛顧です。
 ただまぁ、12歳の時と違って、36歳の今だと同じ独りランチでも、読んでる本は人文学書だし、飲んでるのはお茶じゃ無くて冷酒なんだよねぇ、と16時。

 本日は4時起床、6時~12時で職員室デスクワーク、13時に西鉄に出てデパート巡り(ホワイトデーの為の買い物。お菓子や本やコーヒーや、等々)、14時~16時で「梅の花」読書独酌、18時までウォーキング、入浴後、20時就寝。

 近藤史恵『マカロンはマカロン』読了、★★★★。善意や悪意、齟齬や秘密、人間心理の様々を三舟シェフが巧みに料る、人気(少なくとも「読書メーター」界隈では人気)シリーズの久々第3集。料理の説明が丁寧且つ魅力的なことと、短編にしても短い分量で「日常の謎」への答えがサラッと語られることとで、料理と心とを絡めて説教臭くならなかったのが手柄ですね。

なんどめだナウシカ

 午前中4時間の(12時半までの)年休。家事をこなしたり、珍しく「ココイチ」で昼食なぞ摂ったり。ここ数日の飲み会ラッシュを利用して、増量大作戦。来週火曜日に母君の検診でお会いするに際して、私が痩せてるせいであちらがご心配なさったらいけませんので。いや~、それにしても昨夜は飲んだ。

 12時過ぎに出勤して、半ドン4限後のSHRと掃除。帰りのSHRでは1分間の黙祷がありました(もう6年がたったんですね)。放課後は、A組生徒のお母様とお電話でお話ししたり、第5回定期テストのデータ処理を行ったり。16時過ぎまで仕事。

 高2の「男く祭」校内企画Pからまたまた体験授業の依頼を受け、仮承諾のお返事を(確約できないのは、来年度の所属が中学担任団だった場合、文化祭当日に中学の方に拘束される可能性があるためです)。高2の生徒には担任団としても授業でもこれまで一切関わっていないので、今回は離れられるかなぁと思っていたのですが。
 生徒「先生は人気なので」
 私「違う違う。僕ばっかりやってるせいで、他の先生の魅力が知られてないだけ」

 16時半に学校を出て、西鉄電車で天神へ移動。
 ジュンク堂に立ち寄って数冊の本を購入した後、地下の丸善で栞を19人分。A組女子生徒にホワイトデーのプレゼントです。何にしようか考えたときに、この後のコンサートが「図書館」をテーマにしていることが影響したんでしょうね、これ以外思いつかず、国語教師としては余りにもベタなんですが。

 松任谷由実コンサートツアー『宇宙図書館』@福岡サンパレス。セットリストは以下の通り。
 ①宇宙図書館 ②あなたに会う旅 ③影になって ④AVALON ⑤BABYLON ⑥夢の中で~We are not alone,forever ⑦ひこうき雲 ⑧Midnight Scarecrow ⑨リフレインが叫んでる ⑩月までひとっ飛び ⑪ルージュの伝言 ⑫何もきかないで ⑬Smile for me ⑭残火 ⑮満月のフォーチュン ⑯破れた恋の繕し方教えます ⑰真夏の夜の夢 ⑱ダンスのように抱き寄せたい ⑲気づかず過ぎた初恋 ⑳GREY EC①星になったふたり EC②メドレー(DANG DANG ~ 14番目の月 ~ 守ってあげたい ~ 埠頭を渡る風 ~ 真珠のピアス ~ オールマイティー ~ 春よ、来い ~ カンナ8号線 ~ DESTINY) EC③卒業写真

 『宇宙図書館』ツアー、良かったです。『Road Show』の時の奇蹟には及ばずでしたが、最早1回1回のツアーが敢行されたこと自体が奇蹟だと言えましょう。「AVALON」~「BABYLON」の流れは容易に予想できましたし、「満月」~「破れた」~「真夏の」の流れなどは往年のファンならお馴染みですし、ラストに至っては8曲のメドレーですから。要は、敢えて「ベタ」も厭わずに観客を楽しませることに集中する構成だったわけで、これには素直に好感。題材が「図書館」ということで、読書に関するMCや演出がふんだんに使われていました。

 K市に戻って「もりき」で遅い夕食。隣に座っておられた自衛隊OB市は、吉田拓郎の前座で歌う荒井ユーミンを生でご覧になったこともあるそうで、その当時の音楽の話題で盛り上がりました。
 来週18日の純米の会についての相談も少し。私は、10年来飲みたいと思って叶わない「喜楽里」をこの機に久しぶりに飲んでみよう、とインターネットで注文しています。

 久米田康治『かくしごと(3)』読了、★★★★。同業他者へのツッコミ攻撃の激しさは密かにサイバラを超えた感も。最初は単なる設定認識だった『きんたましまし』を最近はちょっと読みたくなってきている自分にふと気づきました。

春が待っているのさ つまづいて学ぼう

 本日3月10日は、毎年恒例「F校のいちばん長い日」。東大・京大の合格発表です。高3担任団緊張の朝。私も、2年前(高3担任)・去年(同副担任)は気が気ではありませんでした。高2以下は通常授業で私も高1現代文が4コマありますが、高3二次漢文の授業担当として結果が気になる所。夜は恒例、高3担任団慰労の(公式の)大宴会です。

 2・3・5・6限が授業で、ドンズバで空いてる4限の時間が合格発表。ということで、受験生の○×チェックに立ち会うことが出来ました(これについての詳細は、2015/3/10の日記に書いています)。高1Aの生徒の中には、お兄さん・お姉さんが東大を受験した生徒が2人いたのですが、そのどちらも合格していました。1人は65回生現役、昨日の日記に書いた4月に転校する女子のお姉さんです。そして2人目が凄かった。別の女子生徒のお兄さん(Yくん)は64回生で1浪生、現役の高3時に現代文を担当したので見知った生徒ではあったのですが……。

 そのYくん、合格発表直後に来校なさっており、ご挨拶。
 私「あのさ、Yくん、合格してたよね?」
 Y「はい」
 私「あの、えっと、御目出度う御座います……なんだけどどうしても信じられない! どうして、センター720(8割)から逆転が出来たの?」
 と、とてもお祝いとは言えないくらい失礼なことを言ってますけど、いやほんとに進路指導室でも現役生を差し置いて話題の中心になったのはこのYくんのウルトラ大逆転劇(後で電話でお話をしたお母様も「奇蹟ってあるんですね……」と)。
 私「合格したから何言ってもいいと思うけど、正直自分でも受かるとは思ってなかったよね?」
 Y「えっ、自信ありましたよ?」
 私「嘘っ!」
 私の失礼さよりもYくんのメンタルの強さの方が目立つ勢い。聞けば、初日の1限(国語)の時に腕時計が壊れたから目覚まし時計を持ち込んだら試験開始直後に没収されたとかいう聞く方の腹筋に厳しいエピソードまで持ってる(2限以降は、「めっちゃ腕時計持ってた」友達から1つ借りたそうです。これもまた香ばしいエピソード)。

 さて、折角なら実験。凱旋のYくんを授業後の教室に案内して、我ら高1Aに在籍の妹君(←多分、不合格を予想している)に合格の生報告をさせたら、どうなるか?
 妹「えっ、お兄ちゃん、どうしたの?」
 兄「……受かった」
 妹「きゃーっ!」

 放課後の掃除中。
 私「ねぇねぇ」
 妹「何ですか?」
 私「兄妹って、本当に『きゃーっ!』って抱きついたりするんだね」
 妹「(崩れ落ちながら)いやあれは……」
 御目出度う御座います。

 夜は、市内のホテルで高3担任団の慰労会。大勢の先生方の集いは、忘年会ならぬ所謂「忘年度会」でもあり。中華料理で存分に酔っ払って解散。高3担任団は当然二次会ですが、高3体育先生から「お願い!」と言われて幹事即諾。2日前の高3担任団飲み会と同じ「K」に電話したら個室OKだったので予約。同じ店だから徒歩10分の順路を説明する必要もなく全員が集まれます。参加者全員に「K」集合をお伝えした後、赤い顔の先輩方がその徒歩10分を歩いているだろう直線路を通らず、ちょっとした迂回路を全力疾走して5分で「K」に着。人数を伝えて最初の料理を注文した後、店の外で待ってやって来る先生方を深々と辞儀にてお出迎え。「いつの間に追い越したの?」と大笑いの先生たちですが、担任団でもないのに参加するんだからこの程度の「芸」は見せないとねぇ……って、年度末だからか、何だか私は幹事の仕事しかしてないみたいな日記になりつつあるような気も。

タマネギ目にしみても 涙こらえて

 昨日、春休み中の60回生Hくんが職員室に遊びに来ており、私・世界史先生との会話。東大工学部で4月から院に行くということで。
 私「所属はどうなるの?」
 H「社会基盤学科です」
 私「解る?」
 世「さぁ」
 H「解り易く言うと『土木』です」
 私・世「「解る!」」
 H「最初『土木』って名前の時はずっと底割れしてて、『社会基盤』に改名した途端に学生が殺到して」
 私「やっぱり、世の中は文系が支配してんだねぇ」
 世「ねぇ」
 夜にK市で友達2人と飲む、5000円の和食でいい店はありませんか? と聞かれたので、その場で「梅の花」に電話して春のコースを個室で予約したげました。パシらされる文系。

 さて、本日の私は学校に行かずに出張。F校親玉大学の看護学科棟に高1A組の生徒50人(1人だけインフルエンザで出席停止)が集まって、家庭科先生指導の下で調理実習です。
 作るべきメニューは親子丼・味噌汁・マドレーヌ、の3品。規定のメニューの他にも余裕があれば材料持ち寄りで作っても……の「余裕」も様々。9班に分かれた生徒たちはキャアキャア言いながら、焼肉だ麻婆豆腐だ鶏飯だロールケーキだチョコパイだホットケーキだみたらし団子だスイートポテトだドッグフードだ(!?)色々遊んでました。でもって、大体成功して結構美味しいものが出来てました。例えば「鶏飯」なんてのは来年度の「男く祭」食品バザーの予行演習だそう。色々考えてますねぇ。
 普段から「お手伝い」でお料理スキルを持っている生徒を中心に、マドレーヌの卵を「リボン状」に混ぜるという加減に困ったり、ガスの元栓がどこにあるのか分からず捜し回ったり、「余裕」の調理の方に我を忘れて熱中した結果肝腎の課題料理の方を忘れてしまってたり……先日のテーブルマナーみたく食べてる生徒を観察するだけでなく、作ってる生徒を観察するのも割と面白いですね。

 女子生徒の何人かは、(塩分のことを気にしているのか)自宅の食卓には絶対に味噌汁が上がらないと言っていました。躾色々ですね。味噌汁は出るけれども、具だけしか食べてはいけないという家訓がある家庭も。
 話は脱線しますが、A組に『クレヨンしんちゃん』禁止令の家庭が少なからずあるというのを知ってこれまた驚き。私なんて、『おとな帝国』『戦国大合戦』『ロボとーちゃん』の3作が人生の映画ベスト10に入ってるのに。

 片付けやお駄弁りや、解散は13時でしたが何となく残ってた生徒たちが全員帰宅するまでには更に90分ほど時間がかかりました。高校生あるあるです。
 高1Aはあと一週間ほどで解散して、4月からは文理別の新しいクラス分け、外進と内進とが混ざることになります(高2から高3にかけてはクラス変えがないので、次のクラス分けが最後)。解散前最後の集合写真を、(卒業アルバム用の写真撮影をなさっている)カメラマンさんにお願いしたり、何人かの生徒の携帯で撮ったりも。実は、A組の女子生徒が1人、3月いっぱいで(お父様の転勤で)東京に転学することが決まっています(同じくF高生のお姉さんは今年現役の3年生として東大を受験しており、たぶん合格しています)。その最後の想い出作りを兼ねての集合写真です。

 東京で銀行マンしてる55回生TくんとTwitterでやりとり。3月末の上京で飲む約束をしているので、エリアと時間とを確認しました。今回は、奮発して東京駅の焼き鳥「瀬尾」を。
 東京とK市とでこんなに気軽にやりとりが出来る(Twitterだけでなく、私はやっていませんがLINEやFacebookやもある)時代だから、件の女子、東京に転学してからもF高同級生との繋がりがなくなるわけではないんです。だから、淋しくはないです……いや、やっぱり淋しいかな。

すべてがFになる

 5時入りで授業準備。8時からは、高1現代文の授業で使う文章の朗読テープを作成するために生徒と二人きりでLL教室録音ブース。SHR、授業は現代文1コマ。

 今週は前期入試の合格発表が10日まで。受験者の数的に最初の盛り上がりを見せるのが本日8日で、九州大学の発表が本日行われるんですね。文系教員としては医学部だけ見てんじゃねーよ、と言いたいところですが世間様の注目は九医に何人通るのかというところに尽きましょう。
 で、九医に何人通るのか。
 28人。
 驚きましたね。現役15、浪人13の圧勝。1浪の64回生が男女とも面白いくらいに通ったのがこの人数を支えたと言っていいのかな。我らが63回生(2浪)の女子が1人合格したのですが、高1~3まで担任をされていたベテラン体育先生にお伝えしたら、ガッツポーズで喜んでおられました。体育先生は本日中学送別球技大会。恐らく、有志打ち上げがあろうかと思われますが。
 私「今夜のビールは美味しいでしょうねぇ」
 体「アイツの合格で100杯は行けるな」

 高3担任団で進路担当、同窓同僚数学と。
 私「100とかの人数しか居ない医学部1年生の中の28人がF高出身者。というか、どうせ今1年生のF高出身者の2~3人くらいは留年するだろうから、実質的には30人がF高出身」
 数「お前、こういう時、碌なこと言わんよな」
 私「一回目のお祝い、行っとく?」
 数「あぁ、進路指導部長が行こうか、って」
 私「お店なら、あるわよ?」
 ということで、高3担任団有志と進路指導部長、と賑やかしの私、で合計7人。当日というか3時間前の予約なのに飲み放題付きコースを出して下さるという良店「K」を予約。昨日、保健室のベッドから3月末の国語科慰労会を予約したのと同じ店です。
 完勝に、乾杯……う~ん、でも、やっぱり完勝じゃなくて「圧勝」かな。入試ですもんね。