子供はいつもそれと知らないうちに 大人に変わるよ

 7時起床(昨日は昼と夜と2度も飲んで流石に疲れました)。入浴後、出張の荷物をバッグに詰め込んで学校へ向かいます。今回は生徒引率の校務出張なので格好はずっと仕事着で、替えの服もカッターシャツ・ネクタイ等真っ当な(?)ものばかり。
 日本政策金融公庫が主催する第5回「想像力、無限大∞ 高校生ビジネスプラン・グランプリ」において、エントリー3247件中のファイナリスト10組に選出された67回生高2のメンバー4人(我らがB組3人と、C組1人)が明日出場する最終審査会(@東大本郷キャンパス)に、一体誰が引率をするのかという問題です。多くの高校(大会の性質上、水産・農業・商業系が多いです)は学校を挙げて、或いは授業の一環として教員の密な指導の下で行ってる(それが証拠に一校から複数エントリーという学校ばかりな)んですが、ウチのF高、全然違いますから。教員、ぜ~んぜんコミットしてませんから。学校としても別に特別に勧めているわけではありませんから。生徒が、学校の(受験だとか文化祭だとか高文連高体連だとかいう)文脈とは「全く」(←ここ強調)無関係に、自らの興味好奇心で取り組んで独自に(学校からしたら「勝手に」?)応募したら、初参加の高校の生徒がお手本もなしにジタバタしたプランが10傑に選ばれて「しまった」という流れですから。学年としても困っちゃって、誰が引率に行くんだよ始業式・課題テスト直前の連休とかいう怒濤のように忙しい時によぅ、ってなったら何だか東京が好きそうで独身で暇そうで一応メンバーの大部分を占める学級の担任をやってるという私に白羽の矢というのがまぁ確かに自然な流れではあるのね。

 午前中は学校で新学期を控えた会議があるのでそれに参加、の後は直ぐに西鉄バス福岡空港。年末に続きまたもや空路往復ですがこれは私が決めたのではなく政策金融公庫がチケットを送り届けて下さったのでそれに従うだけ。顎足つきじゃなかったらそりゃ行き(け)ません。
 で、その空港へ向かう高速バス、に漫画『異世界居酒屋「のぶ」』を片手に乗り込んだら、前の停留所から乗ってた引率生徒の一人がプリント広げて冬休み課題テストの勉強をしていて、なんかこうのっけから汗顔ここに極まれりみたいな。「ビジコン」ファイナリストですから、優等生だらけですから、連れて行く方が気後れしちゃいます。

 15時の飛行機、16時半に羽田空港に着いたら、「羽田空港→浜松町→秋葉原お茶の水」という順番で鉄路移動、公庫が押さえて下さったホテルはお茶の水にあります。飛行機は無事に滑走路に着陸(今日のパイロットは年末往復の時の人よりも「下手」な気がしました)。予定通り生徒4人を引率したのですが、若干の時間的余裕があったので「秋葉原お茶の水」の移動は電車か徒歩かどちらの移動が良いかを聞いたら4人とも徒歩を選択。
 今回の2泊3日、コンテストにまつわるイベントが詰まってて、可哀想に生徒は観光をする時間を全く与えられていないのです。だから、電気街を15分ほど歩いた(17時台の秋葉原レベルでも生徒たちは「人が多い!」と驚いていました)のが僅かな「東京観光」。その後、万世橋から聖橋へもう真っ暗な道を歩いて移動、ホテルにチェックインをした後は、直ぐに着替えて神保町の学士会館へ移動します。

 以前、63・64回生の演劇部が高文連の大会で日本一になった時もそうだったのですが、決勝の前日に東京在住の同窓会(OB諸氏)が壮行会を開いて下さるというのです。K市の市役所にお勤めで今回の「ビジネスプラン・グランプリ」の活動においても多大なるご協力・ご指導を頂いたK先輩(31回生ですから私から見ても大先輩です)が幹事を引き受けて下さり、31回生の先輩諸氏や生徒に年近い大学1年生(年末にランチをご一緒のHくんからは彼が作ったお米をお土産に。多謝!)、そして何と同窓会長までいらして20人弱の中華宴席です(勿論、未成年はお酒はなしです)。
 高文連・演劇部は学校の「正式な」活動の文脈ですので壮行会相当なのかも知れませんが、今回のコンテストは実際には非正規の活動なので同窓会を挙げてというのはやや大袈裟な(過分な)扱いなのですが、このコンテストの開始に尽力された中に(「ガ○ホー」の)S先輩がいらっしゃるとか、或いは諸先輩方にとっては演劇よりも「ビジネスプラン」の方が解りやすく魅力的であるとか、まぁ色んな理由があるのでしょうが、兎に角OB諸氏が今回の名誉を我がことのように喜んで下さっているのです(何だか大それたことをしてしまったの? と当のメンバー4人は苦笑い)。
 そうそう、今回のメンバー4人の中には来年度の「男く祭」の実行委員長と副委員長とが含まれているので「同窓会」の雰囲気をちょっと知っておく(これが「大人」の世界だ!)という点でも得るものはあったかも。

 19時~21時の壮行会の後は、タクシーでホテルに戻り、K先輩とメンバー4人とで軽く打ち合わせ。その後、彼らは自室に戻り……私は夜の街に消える! 許して! 東京まで来て何もしないなんて耐えられないの! Twitterでゆる募(だけど切実)かけたらがっ様がわざわざ22時とかいう時間にお茶の水まで来て下さったの!
 ……という訳で、がっ様と駅前の居酒屋「一」にてさし飲み。未踏のお茶の水でちょっと気になっていた立ち飲み。実際にはテーブル席ありで、創作イタリアンがK市の価格帯で楽しめる名店でした。満・喫!

君のこと 想ってるから 誇り高く生きよう

 前川ヤスタカ『勉強できる子卑屈化社会』読了、★★★。タイトル即ち着眼が秀逸(全て)で、中身がそれを超えないという典型的な例。真摯に書かれた本だとは思うけれども如何せん「空気」の研究なので傍証連打だけで終わってしまって説得力がやや弱い。読者の「あるある」頼みなんですね。
 で、実際に「あるある」なんですよこれが。世間は「勉強できる子」に有形無形の圧力を(無意識の内に)かけてくる。スポーツや芸術やコミュ力における有能は素直に(屈託なく)誉めそやすのに。例えば。
 交通マナーや乗車マナーでF校にかかって来る苦情の電話に高い割合で「勉強ができても常識がない」というやや見当違いな批判がくっついて来る世間の「あの感じ」ですね。勉強ができるかできないかと常識があるかないかとって、独立の事象じゃないですか。言う側は「勉強だけさせられて常識を持っていない子ども」という典型に捕われている、というよりかできればそうあって欲しいとすら思っているんでしょうけれども、残念、学校の勉強に真摯になれる生徒は他者への配慮や恥じらいの意識も兼ね備えている傾向がありますよ(という意味では「独立の事象」とも言い切れないかもねぇ)。私が生徒指導部なら、交通マナーや乗車マナーで検挙された生徒(そういう生徒、確かにいます)には、厳しく「もっともっと勉強をしろ」と言い渡します。たぶん、その手の常識のない輩は高い確率で勉強が足りてない。勉強しなさい、あなたがやっている勉強が何の役に立つのかを考えることが「為他」の第一歩です。

 さて、偉そうなことを言いながら汚染性(「お先生」と打とうとしたら最初の変換がこうなりました)の今日の一日は本当に泥のようなね、まさに「汚染性」そのもの。
 12時に天神に呼び出されたんですよ。これは昨年から決まっている予定で、56回生主任のベテラン英語先生からのお呼び出しだから万難を排して馳せ参じるわけです。我々とランチを共にするのは、56回生の才女(金融庁)Bさん……ご結婚で苗字が変わったそうですが職場では旧姓で通しているらしいのでBさん。彼女は私が担当している67回生(高2)のための進路講座に来てくれたこともあります。K市の書店で彼女への結婚祝い(絵本と図書カード)を購入して特急で移動。
 で、例えばBさんのお母様もついて来られて4人のテーブルになるとか、行く店はソラリアの上の焼き鳥屋だとか、全ての成り行きはその場で決まって知らされるという流れでした。ということは、朝の時点で仕事(学校には行かず自宅の書斎で行いました)を全て終わらせておかないといけないということなのですね。だって、お酒飲むならそれで今日一日が「終わる」から。

 でもって、「俺と同じテーブルについて呑まんとかありえんもんねぇ」という鶴の一声で生を1杯、そこからはジョッキ椀子蕎麦でこちとら固より望むところでぃ。やっぱり仕事を終わらせておいてよかった。で、2時間で一日が「終わり」ました。
 宴席では、彼女の結婚式(主任先生のスピーチは大爆笑ものだったそう。ありありと想像できます)の話、高校時代の思い出、お母様による子育て(Bさんの妹さん)の話、等々。私はもっぱら聞き役。

 「ジュンク堂」と「タワレコ」とを軽く見学して、特急でK市に戻ったのが16時。自宅で少し仮眠をとって、本日が今年初営業の「もりき」に出向いて日本酒を飲みました。明日から2泊3日で東京出張でお店に寄れないので、今日の内に年始のご挨拶だけでもしておかなくてはおさまらなかったので。
 常連Tさんに連れられて初来店の男性が、偶然にもHさん(飲み友達にしてK市の母)の同級生で、しかもその方がF校55回生の生徒保護者で私も臨席した卒業式謝恩会で司会を務められていたという偶然。世間は狭い。

"I want you" 忘れないでね

 1月2日の日記、最初のタイトルは「耳寄せれば あなたがいる また逢いましょう」でした。これは松任谷由実「Bueno Adios」の一節なのですが、後でもしやと思って検索をかけたら既に2014年12月30日の日記で使っています。重複は避けたいので、タイトルは「いつか来たこの場所に 多分5年は前」に変更。これは、キノコホテル「回転レストランの悲劇」の歌詞からです。
 1月3日のタイトルは、某TVバラエティ番組での中村メイコの発言。1月1日のタイトルは、キャロル・キングの曲名。このように、毎日の日記のタイトルは、芸能・文学畑で印象に残った(つまり、私が「てにをは」レベルまで暗記している)フレーズの中から、その日の記述内容に合いそうなものを選んでいます。1700日以上も続けていますから、ネタが切れることはなくても誤って重複してしまうことはたまにあります。

 私「きみらはさ、美空ひばり宇多田ヒカルとが同じ『古い』って箱に入ってて違いがないわけでしょ?」
 Y「そうですね。例えば、RADWIMPSは新しいけど、BUMP OF CHICKENは古いです」
 私「それ、ロキノン系つながりだよね。僕の中では、両方とも新しい人たちだわ」
 Y「だって、10年違いますよ。十年一昔ですよ」
 私「僕ときみとで年が11違うって年齢差もあるかも知れないけど、10年とかいう長さが問題じゃないの。新しい古いの基準は、長さじゃない」
 Y「じゃあ、何なんですか」
 私「記憶。具体的記憶。例えば、僕は『君の名は。』を観てないから『前前前世』は知らないけど、ボーカルの人が去年ドラマで歌った『ユメマカセ』って曲は好きなんで、僕にとってはRADWIMPSは具体的な記憶に残ってます。BUMP OF CHICKENは、確か天体を観測した人たちだよね?」
 Y「それが10年以上前」
 私「バンドは全然知らないんだけど、確かあの歌が主題歌に使われたドラマが小池徹平のデビュー作だったのは覚えてる。多分、僕が大学生の頃」
 Y「細か」
 私「そういう細かい具体的な記憶で残ってる人たちは新しいの。更にその10年以上前に、ユーミンの『ANNIVERSARY』って曲を小学校のクラスメイトがリコーダーで吹いてて、これも具体的記憶だから新しいの」
 Y「25年くらいが新しくないです?」
 私「そう。で、そういう具体的な記憶が薄れてなくなってる人はいつの時代の人だろうが古い人になるの」

 「古い」箱に入ったら、10年前の人も50年前の人も何らかの形で(例えば活躍時期で)順列化されることなくのぺ~っと一緒くたになる。58回生Yくん(26才)の頭の中では、宇多田ヒカル松田聖子松任谷由実美空ひばりとが同じポジションで区別無く抽象的に存在している(るつぼの中でごちゃごちゃになっている)んです。
 「新しい」箱の中では、各アーティストが具体的記憶と共に独立して存在していて、整然と並んでいます。古い人でも、保存状態の良いアンティークみたいな感じでピカピカ・活き活きしている。だから、そういうアーティストの曲のフレーズは即座に思い出すことが出来ます。日記のタイトルのネタが枯れない所以。

 さて、何の話をしているのかというと、Yくん(野村総研)のお仕事の話。最近は音楽業界の人相手に仕事をしているそうで、聞けばCDが売れない(プレス工場が稼働しねぇ!)と悩んでいる業界人に(上から目線で?)助言するお仕事。
 私「筆者忘れたけど、『ヒットの崩壊』って読んだ?」
 Y「読みました読みました」
 私「あれが全てだよね。CDはもう売れない」
 Y「でも、業界の人って、売れない理由が分かんないというか考えようとしてないというか」
 私「50代とか60代とかの人なんでしょ? じゃあ、98年(CDが最も売れた時代。宇多田ヒカル椎名林檎aikoMISIA浜崎あゆみのデビュー年)が『古い箱』に入ってないんでしょう」
 Y「だって、20年前ですよ? 十年一昔ですよ?」
 私「同じ話、もっかいする?」
 個人で音楽を楽しむレベルだったら、「古い/新しい」の区分なんて個人の記憶レベルで考えりゃいいんでしょうけれども、モノを売るとなりゃ話は別ですよねぇ。
 ここから話は、CDは売れないのに何故JASRAC著作権使用料は右肩上がりな(音楽業界自体は一貫して活性化している)のか、というお話へ……。

 Yくんと2人でお話をしているのは近所の肉料理屋「I」のテーブル。本日は、58回生「いつメン」と年に一度の飲み会です。昨年、東京で開催されたユーミンの記事展の図録を代理購入してくれたのがYくんで、本日はそのお礼を兼ねて新年会を開くのです。で、参加のMくん(銀行)・Iくん(医者)・Oくん(医者)がそれぞれ時間差でやって来る(五月雨式に乾杯をする)のを待つ間、Yくんと仕事のお話をしていたんですね。

 Yくんは高校時代からTVを全く観ていないそうです。パソコンゲームにはまって部屋に籠もりきり、居間のTVには見向きもしない高校生活を経て、大学でも社会人になっても家にTVを置かない。
 私「じゃあ、どうしても観たい番組があればスマホで?」
 Y「いや、だから、そのどうしても観たい番組という概念が存在しないんです。どんな番組をやっているのかを知る手立てが無いから」
 私「あぁ、そうか。愚問すまん。あ、僕も同じ。『CDデータ』も『WHAT's IN?』も『オリ☆スタ』も休刊になって、紙媒体でのアーティスト情報がなくなったら、TV観ないしネットも巧く使えない情弱のオッサンに新しいアーティストを知る手立ては無いです」
 TVとCDとがこんなに弱くなる時代が来るってのは、確かに20年前は想像してなかったよなぁ。

 Oくん(医者)は緊急オペが入ったということでドタキャン、これは医者あるあるですね。Yくん(商社)のお代は私が全額負担するとして、Mくん(銀行)とIくん(医者)とからは、Yくんとの差異化のために参加費を徴収します。で、乾杯の前に任意の金額を出すようにいったらMくんが4000円も出そうとして、Iくんに至っては7000円も出してきてびっくり。医者凄ぇな(二人からは3000円ずつ貰いました)。
 お金の話。社会人2年目が同窓宴会なら給料ネタは不可避で、11才下のIくん(福岡で医者)・Yくん(東京で野村総研)は当然のように私より上。K市内で銀行員のMくんは私より下でしたが、もしも同じ年なら彼の方が遙かに上です。Yくんからは「(月収手取りが)年齢万円ないんですかっ!?」と驚かれました(んなもんあるわけないやないか)。Iくんは「金があっても使う暇がない」とこれは医者・自衛隊あるあるです。

 何だか時系列がぐちゃぐちゃですが、本日の日記、以下。
 午前中、学校で高2冬休み課題テストを作成。昼食は市内の居酒屋「U」にて、ビール2本・日本酒1合、良い感じに酔っ払う(この席にて今年に入って初めて本を開きました)。市内を2時間散歩、帰宅後に入浴、書斎で書き物。19時から58回生3人と飲み会、二次会はK市内のラーメン「M」(現在のF校生の魂食)にて麺とビール。Iくん・Yくん曰く、彼らのソウルフードはやっぱり「大砲」じゃないとダメなんですって。

忍ちゃんね後輩にそういうツッコミはダメ

 年越し蕎麦・雑煮用に買っていた材料は全て使い果たし、お節も昨日の夜で完食、と完璧な塩梅で3日の朝を迎えました。母君の朝食はコンビニで弁当・即席の味噌汁を購入し、私はお茶だけです。
 自宅近所のコインランドリーに羽毛の掛け布団を持って行き、洗濯機に入れて回します(50分)。母君が誤ってお茶を溢してしまったためですが、全脳照射・抗癌剤以来どうも自分の身体が思うように動かないのがもどかしい様子です。5月の歩けない(車椅子)・物が持てない(袋や蓋が開けられない)という最悪の時期は過ぎましたが、やはり治療前から考えたら10は年を取ったと言わざるを得ません。頭はクリアですが、短期記憶はちょっと悪くなっているかな。

 洗濯機で布団を回している間に、母君をタクシーでリハビリステーションに送り届け、私はそのまま「岩田屋」へ。書籍コーナーで今年の分のカレンダーを購入、これは私用ではなく母君のお部屋に架けるものです。自宅に戻って荷物を部屋に置き、コインランドリーで(ぺっちゃんこになった)羽毛布団を乾燥機に移します。乾燥には1時間ちょっとかかるということで、その間に近くのラーメン屋「M」で昼食、及び買い物を。乾燥機から布団(ふっかふか!)を出して部屋に入れた後、12時過ぎに徒歩で学校へ。今日が出勤初日で、デスクワークは冬休み課題テスト(高2現代文)の作成です。

 三が日の職員室になんて誰も居ないだろうと思っていたら、バスケ部顧問先生がお出でになっており、聞けばOB戦が行われているとのこと。63回生の文系Uくん、理系Sくん・Nくんの3人も来ており(3人とも中3で担任をやって、高2・3年の時にはUくんが文系なので私のクラスでした)、4人で少しだけお話。Uくんは一橋3年、Sくんは九医2年、Nくんは東大2年(学年の違いについてはお察し)、ですのでUくんはもう就活だということ。
 S「同期が就職とかちょっと信じられんわ」
 N「まじそれ」
 私「Nくんはそうだろうけど、Sくんは違うだろ。医学部なんて専門学校、6年間就活なんだから」
 S「そうかぁ」
 ちょっと前に会ったときにUくんは「デベロッパー」になりたいとか言ってましたっけ。不動産って言えよ、と思いましたけれども。
 私「そういえば、Sくん、取りあえず一発殴っていい?」
 S「え、何で?」
 私「駿台の広告インタビューでさぁ、文化祭の副実行委員長だったことが浪人の原因、って」
 U「最悪やわ(注・Uくんは文化委員長)」
 私「文化委員が文化祭のネガキャンを張るという愚」
 S「いや、それ、ちょっと待って、聞いて」
 まぁ、聞けば要するに自分のインタビューがズタズタに選択編集された結果だというあるあるな理由でしたけれども(想像通りでしたね)。

 バスケ部3人と入れ替わりに職員室にやって来たのは、年末に東京で飲んで今日もK市で飲む63回生文系Eくん。サッカー部のOB戦も今日行われるそうで、OB同期に挨拶しに来たということ。参加しないのかと聞いたら、PCを使った作業があるのでスタバかどっかに行って作業するということ。
 そこで、2人でタクシーに乗って移動することに。私の自宅経由で市内のスタバまで。私は仕事場を自宅に移して課題テストの作成をする、Eくんはスタバで自分の作業をする、時間が来たら今度はEくんがスタバからタクシーに乗って私の自宅経由で(私を拾って)飲み会の会場まで行く、という流れ。

 西鉄K駅のミスドの前で待ち合わせた4人は、私と63回生我ら文系A組3人、計4人。卒業生は、東大教育学部3年Eくん、京大法学部3年Fくん、京大法学部2年Kくん(学年の違いについてはお察し)。私・Eくんが最初に着き、続いて時間ぴったりにFくん。Kくんからは2分ほど遅れるというメールが届いています。
 F「お~、E、久しぶり~」
 E「わ~、Fだ~、全然変わってない~」
 私「2人は卒業以来?」
 E「いや、成人式で会ったかな」
 私「あ、Fくん、そういやKくんってさ、例の彼女とまだ続いてんのかね?」
 F「いや、2ヶ月前に別れた……というのを1ヶ月前にAから聞いた。本人からは聞いてないから、俺たちが知ってるということをKは知らんと思う」
 私「ほうほう。それでは自然にそっちに持って行って本人の口から言わせて」
 E「飲み会ではその話題で盛り上がる、と」
 ……2分遅れでKくん登場。
 E「お~、Kだ~。久しぶり~。卒業以来~。っつか痩せたな~」
 K「ども、遅れてすみません」
 F「あれ、お前、髪染めた? こないだ金髪だったよな」
 K「あ~、染めてたやつをこの前黒くした」
 F「え、黒くしたん? 髪色変えたん? K、お前、もしかして何かあったん?」
 私「お前、下手かよ!」
 そうそう、Fくんは、こういう天然で残念なところ、あったわ。

 大学の話は、例えば就活の話(EくんのスタバでのPC作業は就活の資料作りだったそうです)とか、どれくらい授業をサボってるかとか、63回生の誰が留年した(しそう)だとか、そういうのが中心。一次会の居酒屋「S」は禁煙なのですが、今日の3人は全員ノンスモーカーだったので大丈夫でした。喫煙を始める(た)ことと留年した(しそうな)こととは親に言えない話なんですって。
 大概飲んでから2軒目に移動したんですが、場所はEくんの希望で「おばさま(オブラート!)がやってるような渋い小料理屋」になり、それならばと行きつけ「三ねんや」のママさんに電話をしたら、お店は休みで今飲んでいるからそこへお出でというお誘い。ママさんの知り合い(昔経営していたスナックの従業員)の女性がやっている「渋い小料理屋」で、これはEくんの要望通り。京都で行きつけのバーがあるというおされ生活のKくんは「こういう所は初めて」と珍しそう。手作りのお惣菜で飲み直したり、カラオケを回したり、こういうお店の楽しみ方を探り探りの学生諸氏が初々しいです。私が入った時にカウンターで独酌をしていた若い男性が、実はF高卒業生(55回生で市内S病院勤務)だということが判明して初対面のご挨拶など、和やかな夜でした。

 鳥栖から来ているKくんの終電に合わせて解散。帰宅後は即就寝。

いつか来たこの場所に 多分5年は前

 昨日と同じく普段の正月ならやらないことなのですが、「ベスト電器」の初売りに出かけました。家電で不足しているものを買い足したいという(生活を充実させることというよりも、何か買うことの方が目的のご様子の)母君の命に従って、パソコン用のプリンターを購入。一般家庭用はA4サイズの用紙が対応機種としてはベースなのだそうですが、学校教員が使うプリントはB4でそれが印刷できなければ全く意味が無いので、対応機種が殆ど無く却って選ぶのは楽でした。帰宅後にセットアップやパソコンとの接続を行いましたが、これも全て画面説明の誘導で10分の(作業とも言えないような)作業。楽です。

 年末上京のホテルから送った荷物が届きましたので、中身の仕分け。洗濯物をまとめ、未読・既読の本を分類しました。既読の本は更に自宅本棚に収蔵するものと学級文庫におさめるものとに仕分け。明日は今年の初出勤ですが、デスクワークに加えて学級文庫の精選を行います。次々に本を足している内に中身がやや「薄い」ものになって来たのですね(それはそれで悪いことではないのですが)。

 午前・お昼のテレビ番組には相変わらず良いものがありませんが、NHKブラタモリ」の再放送・録画に救われました。夜は、テレビ東京の「池の水~」を観ましたが、確かにこれは面白いですね。

 本日最大のニュースは、行われないんじゃないかと半ば諦めていたTQCの35周年パーティーが開催されることが正式に決定したという速報。3月11日(日)に学士会館(@神保町)で行われるそうです。JTCYさんから連絡があり、即座に18期のアラリン・リンリン・北白川くん・でっくん・がっ様に連絡を回しました。さて、何人集まれるかな。
 私は何を置いても最優先で参加しますが、前日の10日(土)が東大合格発表→高3担任団慰労会というF校の「いちばん長い日」なので東京への前乗りは不可能ですね。11日当日に上京してパーティー・二次会(やるよね?)に参加して、翌日12日(月)にK市に戻るしかありません。12日は通常授業の日ですが、これは年休にして時間割を空けてもらうことにします。

 母君がお休みになった後、一日フライングで独酌。「月桂冠」の清酒は、雑煮用の料理酒として買ったものをレンジで燗つけにしてみました(実験も兼ねて、ですね)。やっぱり「もりき」で呑むものほどは美味しくなく、これは酒の質もあるし場の雰囲気もありますね。明日は63回生文系我らがA組の面々との飲み会ですが、大人が私一人なので(参加予定の数学先生がインフルエンザに)、そこで羽目を外さないように練習・助走の独酌です。しかし、大人が減った分、出費が痛いことになりますね。

ホーム・アゲイン

 6時起床。母君も(どうやらもっと早く目は覚めていたようですが)同じ時刻に起き出して来られました。母君に(国語科恩師先生からいただいた)棒茶を注いで、朝食の準備です。
 解答済みの餅はオーブンで焼きます。鶏・鰤の下ごしらえは日本酒と(塩の代わり? になるのかならないのか分からない)刺身醤油で。昆布と鰹節との出汁をとったら雑煮は簡単に完成。具は餅・鶏・鰤・長ネギに加えて、私だけは個人的に大好きなとろろ昆布を。雑煮と一緒に昨日届いたお節(2人前の二段)を出しました。
 雑煮とお節とを出したら、急須・湯飲み・オーブントレイ・鍋・タッパーを洗ってから、2人分の棒茶を入れ直し。雑煮を食べ終わったら、雑煮椀を洗ってからコンロとシンクの掃除をして湯飲みを洗います。たまに(というか20年ぶりに)やったら実感できますが、炊事って、延々と洗い物が続きますね。

 10時にタクシーで市内のH神社を往復。お詣りの行列には10分ほど並びましたが、K市内でベスト3の人手が見込まれる成田山・水天宮・高良大社を避けたので人では少ない方。母君の健康と67回生の躍進とを祈願。お守りは、母君に健康祈願、私には酒厄除け(なんてものがあるんですねぇ)。
 帰宅後、もう一度お雑煮を作ってお節と一緒に昼食(要するに、朝と全く同じものを食べたということ)。洗い物も朝と同じです。ホットミルクを飲みたいという母君は雪平鍋で温めてお出ででしたが、これは電子レンジでやった方が洗い物が出なくて便利なんじゃないかな(生活臭!)

 炊事は「非日常」及び「為他」限定ですから1月4日以降はやりませんし、初詣などという行事も母君と一緒で無かったら行わなかったでしょう。要するに、今日の日記は本当に珍しい(別人のもののような)内容なんですけれども、2018年1月1日、明けましておめでとうございます(←あなたに語りかけ口調)。今年も「向上心より恒常心」を心がけて現状と日常性とを維持、昨年に引き続いてこれを唯一の抱負に生きていきます。こうするとやり残しの後悔もありませんしね……あ、あったわ。2017年のやり残し、去年は「秋味」はアホほど飲んだのに、「冬物語」を飲んでませんね。これはけしからん。

 3ヶ日は仕事をしない。本を読まない。(年賀状以外の)書き物をしない。普段は観ないテレビをひたすらだらだらと観るという行為を通じて大衆的正月の「典型」を演じるというのが恒例で、今年も基本的にそれを踏襲。
 ただ、テレビ番組に面白そうな物が全くなくて本当に困ります。今日は、昨日録画した『孤独のグルメ』のスペシャルと、ちょっと前に衛星放送をエアチェックした時に押さえておいたキャロル・キングのライブ映像に救われました。名盤『つづれおり』の再現ライブには母君もいたく感動なさった様子。後は、これも母君が大変お好きな『格付けチェック』を。『格付け』を観ながら、本日届いた年賀状の中で、私が出していなかった何人か(10人ほど)に返事を書きました。TQCの北白川くん、F校同期のIくん、56回生Mくん等々。大学・高校の同期も教え子も、律儀なのは私が披露宴に招かれた相手が中心。結婚ってそういうことなんですねぇ。

3.2.1.○

 31日の私的恒例の記録。本とCDとのベストを列挙です。

 漫画5作品。作者名50音順(以下同じ)。
 A.安藤ゆき町田くんの世界(1~6)』
 B.此元和津也『セトウツミ(7・8)』
 C.田中圭一『ペンと箸』
 D.安田弘之『ちひろさん(1~6)』
 E.よしながふみきのう何食べた?(13)』
 ベストは昨年に引き続いてBで完璧。漫画家の子供を選んだ着眼と、模写力に象徴されるインタビュイーへの愛情とで、Cは作者の代表作になりました。少女漫画ではAの穏やかさが拾い物。D・E、孤独な人々が辛うじて支え合う姿は、他者の主観で「ごっこ」に見えようが「異端」に見えようが、やはり普遍なのだと思います。

 今年発売の書籍5冊。
 A.小川剛生『兼好法師 徒然草に記されなかった真実』
 B.斉藤美奈子『文庫解説ワンダーランド』
 C.野矢茂樹『大人のための国語ゼミ』
 D.森博嗣『道なき未知』
 E.前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』
 Aの執着、Bの至言(これって、あれじゃん)、Cの理知、Dの誠実、Eの文体(研究費を稼げる芸!)、にそれぞれ感服。C・Eは既にブーム、Aも『応仁の乱』に続いてブームに乗れるのかどうか。

 昨年以前発売の書籍5冊。
 A.井出孫六『抵抗の新聞人 桐生悠々
 B.小林信彦『おかしな男 渥美清
 C.最果タヒ『きみの言い訳は最高の芸術』
 D.平岩弓枝『肝っ玉母さん』
 E.米原万里『打ちのめされるようなすごい本』
 最大の収穫はCでこれは天才の筆。A・Bは偏に人物の魅力。E→Dと続けて読んだのは偶然、米原氏の喜怒哀楽にあてられて平岩小説で涙腺をやられるなど珍しい体験でした。

 今年のCD5作品。
 A.ANATAKIKOU『3.2.1.○』
 B.絵恋ちゃんと楽器『ERERGY』
 C.戸川純『わたしが鳴こうホトトギス
 D.中島みゆき『相聞』
 E.RHYMESTER『ダンサブル』
 最高だったのはB、次点がEです。Eは確かにダンサブルでライブでの客も大盛り上がりだったのですが、Bのライブでのヲタ芸の方がはるかにダンサブルだったというのが実際で、後ろから(客ごと)鑑賞して面白いのは圧倒的に絵恋ちゃんと楽器(とえれにすと)の方でした。Cは福岡ユタカの仕事が凄い、昨年の発売ですが聴いたのが今年だったので選びました。ANATAKIKOUの才能を埋もれさせなかったサポートメンバーの力に感謝。Eは久しぶりに(『I Love You,答えてくれ』以来10年ぶりに)全曲好きなアルバム。

 ここから、通常の日記。

 8時前までたっぷり睡眠を取って、入浴後に着替えて、家から徒歩3分の場所にあるディスカウントストアに。本日最初の仕事は、母君の命に従ってオーブンレンジを購入すること。選ぶのが面倒なので、よく聞くメーカーで20000円在庫1つというのを迷わずに選択。選択10秒、倉庫から商品を取り出してくるのを待つのが10分でした。行きは3分、帰りは5分かかったのは、商品の入った段ボールが持ち運びしにくいからです。こういう時には、車を持っている人の方が有利ですね。
 設置は簡単で、今はアースの接続にもドライバーが要らないという時代。冷蔵庫の上に設置する1分よりも、箱から取り出す方に時間が掛かったくらいです(発泡スチロール類が大量、包装は厳重)。さてさて、これで我が家の文明度はまた一つステージを上げることと相成りました。餅が焼ける(正月用)、冷凍食品が食える(どうでもいい)、燗つけができる(果てしねぇ。現在、冷蔵庫には純吟の4合瓶が3本)。どうしましょう、職場に弁当とかを持って行くようになったら(なりません)。

 でもって、オーブンレンジよりも、こっちの方が重大事かも知れない買い物が、サイズの違う雪平鍋2つ。就職と同時に全ての自炊を手放して鍋釜はおろか皿箸の類も自宅に置かない生活を15年続けた私が、2年前にこの自宅に引っ越して以来一度も使っていないガスコンロを、母君正月3泊を機会についに使用することに決めたのです。先ずは、年越しそばですね。
 16時に来宅の母君と、先ずは近所のスーパーマーケットに買い物に。とは言っても、1・2日に食べるお節は既に宅急便で届いており、購入する必要があるのは今日の夕食のお蕎麦、及び正月中に食べる雑煮の材料のみです。要するに、蕎麦・出汁・餅、及び具材のブリ・鳥・葱・とろろ昆布、のみが必要。後は、飲み物やら果物やら甘味やらを適当に。蕎麦だけでは寂しいので、今日の夕食には刺身を食べようと、切り落としを購入しました。我が家には一切の調味料がないので、小さな刺身醤油も購入。

 急須・湯飲み・蕎麦雑煮用のお椀、の3つは母君が新しい物を購って持って来て下さいました。
 3泊4日の母君は上げ膳据え膳。
 先ずは、「紅白」前のニュースが流れるTV前の炬燵に座って頂き、先日国語科恩師先生から頂戴した棒茶を入れて一服してもらう。私は台所に立ち雑煮の準備です。昆布で出汁を取っている間に、切り分けた鶏肉を日本酒(月桂冠を1合買ってます)で下ごしらえ。塩が無いので、代わりに刺身醤油を少し垂らしてみました(ヅケになったりして)。長ネギは予め切ったものをタッパーに大量に入れているのでそれを使って、蕎麦をゆでる時間は母君に4分を計ってもらいました。

 鶏肉・葱・とろろ昆布だけのシンプルなかけそば、それと刺身とで夕食。母君が1人前の炭水化物に加えてタンパク質も摂るというのは、やっぱり「非日常」年越し期間故の奇跡ですね。普段の食事量は、これの半分でしょう。
 私の食事スピードは母君の2~3倍というところなので、母君がゆっくり食べている間に、鍋・まな板・包丁・急須・湯飲み・タッパー等々の洗い物は全て終わらせ、お茶っ葉を入れ替えて新しいお茶を……って、人の為だと思ったら意外とやれるもんですね(面倒くさいけれど)。お茶を出すと同時に、食べ終わった母君のお椀を洗ったら炊事はおしまい。箸は割り箸ですし、刺身はタッパーから出さずに醤油皿はお椀の蓋で代用するという卑怯な技を使っていますので、他に洗い物はありません。食後には、ロールケーキ(4切れ入り)を1切れずつつまみました。

 さて、『紅白』ですけれども。ここまで興味が湧かないと却ってチャンネルを切り替えるタイミングが判らず、結局流しっぱなしになってしまいます(『ガキ』と『孤独のグルメ』とは録画です)。お陰で年賀状のコメントが捗り、年明け(元旦)を待たずに全て終わってしまいました。紅白の歌手に関しては、名前すら知らないグループが一定数以上居て、TWICEだとかWANIMAだとかいう情報ゼロのアーティストは興味の有無を問わず取りあえず観ちゃう(確認しちゃう)という。三浦大知は凄かったし、エレファントカシマシ高橋真梨子とは流石だと思いました。椎名林檎安室奈美恵桑田佳祐石川さゆり等々の「鉄板」は、まぁこんなもんだよなぁ、という感想。

 母君は「紅白」の終了を待たずに寝室(和室)に入り、私はジャニーズのカウコンまで観て寝ました。05年の「ファンタスティポ」は歌えます。56回生の(昨日も忘年会にいらしていた)ジャニ好きSくんが推してて、私も良いなと思って購入。当時はまだ仕事をしながらジャニ系の曲に目を通す(体力・精神的)余裕がありました。それ以降の購入は嵐「truth」だけでそれも……えっ、10年前っ!? 20代って、若かったしもう遠いんですねぇ(しみじみ)。あ、KAT-TUN再始動は素直に目出度いですね。

珍しくもないと通りすぎるはず 宝物は平凡な場所に

 未明のベッドで、羽田空港に居るオツカル様とtweetのやりとり。
 オ「出発遅れとる」
 私「いってら!」
 オ「欠航になったぞ!」
 私「はぁ? 台湾断念!?」
 オ「わからんけど今から振替やらなんやらの手続き」
 私「むぅ……振替で乗れる便があればいいのぅ」
 オ「どうなることやらねえ」
 私「最悪新宿で会うかぁ」
 オ「それはそれでありだけどもな!」
 私「成り行きなりな。ではでは、後でどうなったか教えてね~」

 「最悪新宿で会う」というのは、本日12時半から西新宿のライブハウスで行われる地下アイドルイベントに絵恋ちゃんが出るというのを指しています。今年に入って6回も絵恋ちゃんのライブを観ている私が、オツカル様抜きで7度目の絵恋ちゃんライブ参戦を果たすかどうかというお話ですね。

 オ「名古屋行って飛ぶことに……」
 私「名古屋に縁があるのぅ(注・オツカル様は名古屋のアイドル居酒屋の常連)。まぁ、行けるなら良かったのかな。んでは、良いお年を!」
 オ「出費つらいお。最後に味噌がついたけど良いお年になればいいな!」
 私「味噌……名古屋だけにな!」
 オ「はいおわり」

 ホテルで健康起床、入浴、福岡に戻る準備(荷物は宅急便で自宅に郵送)。ホテルをチェックアウトした後で東口のネカフェで書き物。昼食は池袋「サフラン」でカレーとランチビール(えったんこ飯の写メをオツカル様に送りました)。
 その後、池袋→東新宿。徒歩5分のライブハウスで行われる地下アイドルイベントに単身参戦。とは言っても、絵恋ちゃんの出番(ライブ)は20分だけで、その20分に4000円を払うことまではしなくて良いというのがオツカル様の意見……だったので入り口の看板の写メを送ったらオツカル様から「マジすか」という返し。

 50人が入るか入らないかという狭いライブハウス、最前列の席とライブスペースは段差無しで距離は10cmというところ。途中退席が決まっている私は立ち見スペースですがこれも舞台から1mです。客席には、何度か(も)お顔を見たことのあるえれにすとさんたちがちらほら。
 オ「マジすか」
 私「狭い! にすとさん達に混じって座る勇気がない!(早退するし)」
 オ「入り口でもぞもぞするのがオススメ」
 私「してま~す。トップバッターの眉村ちあきさん、変だったよ~」
 オ「2018間違いなく来る人だからね、変人だけど」
 私「ライブ写メ」
 オ「楽しんでるな」
 私「レジ・すっぱい・とばっ塵・メンタイコ、の4曲。寝起き絵恋ちゃん、2曲で盛大に入りを間違える→来年から頑張る宣言」

 tweetのやり取りだけで説明を済ませる雑な日記です。さて、トップバッターの眉村ちあきさん(変人)20分、絵恋ちゃんさん20分(狭い箱満員のえれにすとさん達のヲタ芸は密度が濃かった!)、を観終わったら殆ど全力疾走に近い勢いで西新宿に。
 西新宿→渋谷→品川→羽田空港国内線ターミナル。渋谷駅構内を走りに走って、品川駅での乗り換え1分に奇跡的に間に合ったので、15時発の飛行機に乗る空港に14時25分に着くことが出来ました。品川乗り換えに失敗してたら飛行機に乗れなかったかも。

 飛行機内では小説1冊に集中。終盤で急に飛行機が揺れたと思ったらそれが福岡空港の滑走路に着陸した瞬間で、怖いとかなんとか感じる暇もありませんでした。飛行機怖くないスピーチのB組某さんの年賀状は、着陸滑走路を移動中の機内でさらさらと。
 福岡空港から地下鉄で天神へ。「ドトール」で1時間ほど年賀状を書いて時間を潰してから、本日のメインイベントであるところの56回生同窓会(卒業10周年記念)の会場「H」へ。

 幹事Iくんは九医6年生(京大4年卒後にそのまま九医へ)、京大在学中にはF校に教育実習にも来ているので教員免許と医師免許との二刀流になります(現役のF校九医勢の中ではカリスマなんじゃないかなぁ、と勝手に想像)。会うのはそんなに久しぶりではなく、多分夏あたりに飲んだばっかりですよね。
 ……飲んだばっかり。そうなんですよ。確かに年の瀬の忙しい時期に60人超の卒業生が一堂に会した。これはもう幹事Iくんのお陰で、偏に多謝。なんですけれども、その60人超のメンバーを見回してみたら……ほんの5日前に雀荘で飲んだOくんを始め、どの子もどの子も最低一回以上は一緒に飲んでるメンツばっかりで(中にはOくんみたいに偶然池袋駅で会った程度の邂逅で終わってそれ以来みたいな人も居ますが)、卒業以来初めてお会いしますお懐かしやというメンバーは……Aくん・Yくん・Eさん、の3人だけっ! 同窓会感が無いっ!

 とは言え、それは私が動かない(F校・K市に張り付きだから来さえすれば絶対に会える)教員だからそうなる訳で、日本中(世界中?)を飛び回っている卒業生同士の場合は卒業以来10年ぶりという関係性は至るところで見られて要するに生徒の同窓会であって私は添え物に過ぎないので、ちらほらと声をかけて下さる方々とお話をしながらだら~っとビールを飲み続けるばかり。

 教員の参加は国語・私と化学先生との二人で、主任英語先生は二次会から参加(一次会は別会場で49回生と飲んでらっしゃるそうです)。私と化学先生とは63回生で組んだ(化学先生が主任)間柄で、一次会の途中で化学先生の携帯に同じく天神で飲んでいるという63回生D組同窓会から連絡があったので出向くことに。
 二次会に向かう56回生たちと一端分かれて、63回生D組二次会会場の串カツ屋「O」へ徒歩5分。D組担任でもあった化学先生が主賓で私はそのお伴。D組同窓会と言っても10人程度の小規模なものだったそうで、結構一緒に飲んでるTくんを始め4、5人とはテーブルを一緒にしたことが既にありますね。外進出身のKくん・Nくん(医)・Nくん(理)とは卒業以来でした。30分ほどテーブルについたあと、化学先生を残して私は56回生の二次会会場へ(結局、化学先生は63回生に捕まって一日を終えられました。まぁ、主任でクラス担任だからそうなりますね)。

 二次会会場にはタクシーで5分の移動を選び徒歩を回避した程度には疲れていましたので、余り人と話をすることもなくまったり。1時間ほどで終電の時間が来たので、K市在住のUくん(文系→医学部)と2人で会場を出ました(オールで麻雀とかのメンツも多かったでしょうね、あのノリだと)。西鉄電車内では、今日の同窓会には来ていなかった56回生Hくん(文系)と偶然一緒になり歓談。私とUくんとがF校トークをしているのを横で聞いて、「もしかして、U?」と話しかけてきたんですけれども、そういう展開って本当にあるんですねぇ。
 K市からはタクシーで帰宅、これにて長い長い上京(+α)は終了です。

 旅行中に読了した本は9冊。
 ロマン優光SNSは権力に忠実なバカだらけ』読了、★★★。文体はご自分でも言うとおり達者ではない(少なくとも皮肉は不得手)ですが、逆に考察の誠実は際立つかな。小沢健二に関する一章とか、今回は余計な飾り(嵩増し)が目立った印象。
 今村昌弘『屍人荘の殺人』読了、★★★★★。これは先日書いた通り。明日の日記に挙げる今年の5冊に、あと一歩のところで入らず、という位置。
 シタラマサコ『おそ松さん(5)』読了、★★★。
 森博嗣『道なき未知』読了、★★★★★。若者向けの助言集。感情ではなく論理で語られているのはいつも通り。膝がヒリヒリするくらい打ち続けました。生徒に全部まるごと紹介したいです。今回の旅行ではこれが一番。
 はしゃ『さめない街の喫茶店』読了、★★★。
 むぎわらしんたろうドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~』読了、★★★。
 寺沢大介ミスター味っ子 幕末編(2)』、★★★。『ミスター味っ子』は確実に自分の血肉の一部だと断言できますが、続編や番外編に関しては……。
 若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』読了、★★★★。これは面白かったし私情がムクムクと喚起されました。この主人公は母君ではない、と言い聞かせながら。
 水木悦子『ゲゲゲの娘日記』読了、★★★★。家族から見た翁の姿。これだけの人ですから、娘氏がファザコン丸出しの「お父ちゃん大好き」でも仕方がない。
 読みさしは伊藤潤二の研究本、前川ヤスタカのエッセイ、中島義道の日記、等々。

そのせいじゃなく 疲れてるみたい

 ホテル健康起床。居心地が良い部屋で、空調(暖房)は一切使っていません。大浴場を使ってからホテルを出発、東口のネカフェで書き物。本日はオツカル様とデート、夜はがっ様も合流です。

 10時30分に渋谷に出て、昼はちょっと並んででもいいから神泉「リトルショップ」でカレーを、と思っていたのですが残念なことに臨時休業。少し悩んだ後、道玄坂「長崎飯店」で日本風中華のランチをすることに。私は初訪問でオツカル様は何度目か、でもオツカル様はここが『孤独のグルメ』で取り上げられたことは知りませんでした(入り口に五郎さんのサインが飾ってあります)。11時開店の直後に入店(先客1組)でしたが、ものの10分もしない内にほぼ満席だったんじゃないかな(10組ではとてもきかない数のお客さんがぞろぞろぞろぞろ、奥広間の円卓で相席状態になっているのでしょう)。
 オツカル様はラーメンとチャーハンのセット、私は特上ちゃんぽん(1140円)。蒸し餃子と水餃子とを追加して、ランチビールで乾杯。料理は東京にしてはやや安い、飲み物は完全な東京プライス(生・瓶ビールが670円)。普通のちゃんぽん(930円)を食べていないので違いが分かりませんが、エビにホタテに牡蠣にと海鮮がこれでもかの勢いで入っていたので具材が違うのかな、と想像(ビールが進みますね)。餃子は5つ670円は高いよなぁ、とオツカル様と言っていたのですが1つがデカくてお見それ申し訳ありませんでした、という結果。

 オツカル様を、叱る。
 私「おーちゃんさぁ、痩せるっていってたのはどうなったのよ。完全に諦めてるでしょ」
 オ「とんでもない。ついこないだもジムでいい汗をかいて」
 私「マッチポンプなんでしょ? 昔と違って、確実に酒の量が増えてる」
 オ「それは、ある。飲み会の数が飛躍的」
 私「アイドルファンのオフ会でしょ?」
 オツカル様、地下アイドルイベントの打ち上げの頻度が凄いことになってて、これが今年最大のトピックなんだと想像(去年のトピックは就職ね)。

 オツカル様が、叱る。
 オ「何なのよ、あの『VRウユニ塩湖』ってのは」
 私「もうね、500円払った初体験だったんだけど、あれだね、VRって全然面白くないね」
 オ「それはね、きみが面白くないVRを選んだというだけ」
 私「塩湖だけにしょっぱいVRデビュー」
 オ「そんな形でVR童貞を捨てるなんて」
 私「VRDT!」
 オ「って、ウチ(←一人称)もまだVRやったことないんだけど」
 私「んだよそれ、そっちこそ完全にVRDTなんじゃないか」
 オ「あのね、そんな形で清らかさを失うくらいなら、貫くよ」
 オツカル様がVR未体験だというのは意外。

 昨日の夜をご一緒した61回生のSくん・Aくんから、オツカル様と2人で行く恒例のカラオケについてお褒めの言葉をいただきました。「かつて一度歌った歌は選ばない」「一日に同じアーティストの曲を2曲入れない」という縛りがストイックに見えるそうです。ま、確かにきつくはあります。
 という訳で、オツカル様との次なる目的地は「カラ鉄」で、2.5時間の新曲乱打戦、お互いに3~4曲しか準備していない状態で、さてレパートリーはどこまで保つのでしょうか?

 オ①DOTAMA「謝罪会見」(2017年)
 池①SOIL&"PIMP"SESSIONS feat. Yojiro Noda「ユメマカセ」(2017年)
 オ②打首獄門同好会「きのこたけのこ戦争」(2017年)
 池②サザンオールスターズ「ポカンポカンと雨が降る(レイニー ナイト イン ブルー)」(1992年)
 オ③BiSH「オーケストラ」(2016年)
 池③小谷美紗子「嘆きの雪」(1996年)
 オ④渡辺はま子霧島昇「蘇州夜曲」(1940年)
 池④伊藤君子「FOLLOW ME」(1989年)
 オ⑤ハナ肇クレイジー・キャッツ「ドント節」(1961年)
 池⑤中島みゆき「人生の素人」(2017年)
 オ⑥ASKA「けれど空は青」(1991年)
 池⑥影山ヒロノブ「夢光年」(1986年)
 オ⑦酒井法子「夢冒険」(1987年)
 池⑦ゲルニカ「海底トンネル」(1989年)
 オ⑧たま「こわれた」(1988年)
 池⑧松任谷由実「影になって」(1978年)
 オ⑨レミオロメン「粉雪」(2005年)
 池⑨なぎら健壱「花いちもんめ」(1981年)
 オ⑩ぱいぱいでか美「私の名前を呼んでください!」(2015年)
 池⑩ヤプーズ「急告」(1992年)
 オ⑪アンジュルム「ドンデンガエシ」(2015年)
 池⑪椎名林檎「少女ロボット」(2017年)
 オ⑫タッキー&翼「夢物語」(2003年)
 池⑫円広志夢想花」(1978年)
 オ⑬中西圭三 feat. 米倉利紀「非常階段」(1994年)
 池⑬井上陽水奥田民生アジアの純真」(1997年)
 オ⑭姫乃たま「ねえ、王子」(2014年)
 池⑭由紀さおり「ルーム・ライト〈室内灯〉」(1973年)

 後で聞いたらがっ様もご存じなかったDOTAMAさんは中高生に人気のラッパーさんなんだとか。勿論私も全然知りませんでしたが、そんなのをご存じのオツカル様が「ユメマカセ」を知らないというのにも驚き。それだけアンテナ張ってる人が紅白歌手が歌った民放ゴールデンタイムのドラマ主題歌を知らないということがあり得るというのが、昨今の音楽流通事情を如実に象徴しているとかいないとか。私が絶対に歌いたかったのは③・⑤・⑥・⑨。「夢光年」から始まった「夢○○」縛りは、「夢冒険」「夢物語」「夢想花」と続くことになります。「夢芝居」は、多分オツカル様も私も歌ったことがありますね。ネタが無くなると私はアニソンに走るし(④・⑥・⑨)、オツカル様はアイドルに走る(③・⑩・⑪・⑭)。オツカル様は途中でアンジュルムという人の「大器晩成」という曲のイントロだけ流して、それがAW&Fに捧げられていることを教えて下さいました。次は、多分それを歌うな。私の課題は⑭で、これは全然歌えなかったけれどもちゃんと練習していつかF校カラオケ倶楽部(か、63回生体育先生との二次会か)で披露したいなぁ。

 渋谷からは都バスで往復すれば行きやすい、よっすぃの職場があることでも知られる六本木ヒルズ、目的は「THE ドラえもん展」。日本を代表するアーティストが「ドラえもん」をモチーフに制作した作品を一堂に。
 ……これが、何とも微妙なものだったんで感想が難しい。私は森村泰昌の「ドラス」一点だけでも満足なんです。オツカル様曰く「ドラえもんの生皮を剥いで作ったエド・ゲイン的な何か」でまぁそれで説明としてはドンズバなんですけれども、10年以上前に初めて観て大笑いしたあれがリターンズだというだけで森ビル52階に(並びに並んで)訪れる価値はある、と。
 で、この「並びに並んで」というのも曲者で、これは展示内容とは別にオツカル様が批判していたんですが、「ど」がつく観光地に美術館なんか作ったら殺到する客は素人ばかりになるわけで、そうするとスタッフの仕事の全てはその誘導に回されることになり、あっちに行けこっちに行くなという指示の声がひたすら五月蠅く鑑賞の邪魔をする、という。成程。因みに、展示内容についてオツカル様の曰く、「他の全ての人々と違って村上隆だけが自分のワールドを一切壊すこと無くドラえもんを客扱いしてて鼻についた」そうです。成程。
 結局、グッズ購入と合わせて2時間くらい滞在してましたから、結構堪能してる方だと思うんですけどね。

 さて、夜飲み前に半端に余った1時間を渋谷で潰すなら、ということでオツカル様に案内されたのは「ビレバン」。名前くらいは聞いたことのあるこの店舗に私は足を踏み入れたことがなく、書籍が置いてある(全体の1/4くらい?)コーナーを除いたら残りの雑多な商品棚(キャラクターグッズ多数)について私には「ドンキ」との違いが分からない。確かに見てて面白いものはいっぱいあって1時間弱があっという間に過ぎはしたものの、じゃあ実際に何かを買うかと言われたら全然。「ねほりんぱほりん」のキャラクターグッズで1棚、TENGAのコーナーで1棚、懐かしのファミコン系列で1棚、サンリオグッズで1棚、「バカサイ」コラボTシャツで1棚、虹のコンキスタドールのグッズやメンバーの寄せ書き・写真で1棚(渋谷店が事務所非公認で激推ししてるそうです)、みたいな感じ。

 がっ様と合流して入った居酒屋は「三魚洞」で3人とも初訪問。ちょっとお高めの老舗居酒屋は、店内にクレイジー・キャッツの色紙が貼ってあり、奥の額には青木繁「海の幸」が飾ってあります。どういうことかというと、2代目店長がクレイジー・キャッツを脱退した後の故・石橋エータロー青木繁の孫にあたる人物)だったお店で(現在はその奥様が代表)、クレイジーの熱狂的なファンであるオツカル様といい、「石橋=ブリヂストン」に縁がある(というかそこから提供された敷地内にある)職場で働いているK市在住の私といい、一回は訪問しておいた方がいいんじゃないのという成り行きで。
 岸惠子みたいな雰囲気の女将さん、我々若造3人のグラスに瓶ビールを注いで下さりながら、「これするたびに『M-1』の和牛を思い出してねぇ」と大笑い。これでお笑い大好きオツカル様の魂が一気に持って行かれます(オツカル様、それを確か元カリカの人がやってるスナックで観てたはず)。ブリ大根、刺し盛り、明太子(えったんこ飯!)、あさり酒蒸し、等々の上品なお料理の数々、とビール・日本酒を一通り注文して2時間、これで1人5000円だったからネットの事前情報より随分リーズナブルだった印象。

 普通ならカラオケの流れなのですが、オツカル様が(よく2.5時間も歌ったなと思うくらいの)喉潰れ状態だったので回避、渋谷駅近くの居酒屋「G」で2次会。ここは使い勝手がいいので、卒業生とよく行くところ。がっ様は炙りしめ鯖に感動でしたが、本当は(本日売り切れだった)ハラミの量り売りを食べて欲しかったのですよ。
 さて、オツカル様は本日ず~っとキャリーケースをガラガラ引きずっておいでだったのですが、これは明日5時に羽田を発つ飛行機で台湾へ向かう必要があるため。年明けを、お母様・お姉様との家族水入らずで過ごすその場所に、オツカル様が一家を挙げて愛して止まない台湾が選ばれたそうです。
 オ「ウチ(←一人称)の母親、ほぼ間違いなくインフルエンザなんだけど、めっちゃ勇んでるから」
 私「テロじゃん」
 現地で家族合流前の丸一日はノープランの台湾滞在なんですが、絵恋ちゃんつながりで仲の良い台湾の方がアイドルイベントに連れてってくれるそう。日本の(地下)アイドル文化を元にして向こうでもアイドルが続々デビュー。日本由来の証拠に、ヲタのコールは全部日本語なんですって。だからオツカル様、いきなりヲタ芸に参加出来る。
 5時発の飛行機に乗るためには始発では間に合わないということ、解散後のオツカル様は終電で羽田に向かい、空港で夜を明かすそうです。お疲れ様!

もう愛だとか恋だとかむずかしく言わないで

 6時起床、湯浴み。湯船に浸かって数を数える……代わりに、頭の中で高2Bのメンバー41人の名前を出席番号順に漢字で書いていく。これは易しい。続いて、昨年度担任を務めた旧高1Aのメンバー51人の名前を出席番号順に漢字で書いていく。これはやや難しい、上に思い出せず時間が経てば経つほど頭がぼ~っとしていくので何とか51番の「也」の字を書き終わる頃にはちょっとふらふらしています。長く長く浸かっていたい時には、4年前の63回生高3A組で同じことをやってもいいかも知れません、1番A・Rくん、2番A・Tくん、……、43番B・Sくん、44番F・Rくん。
 お気に入りのネカフェで昨日の日記を更新した後、山手線で池袋→渋谷、徒歩で松濤へ向かいます。

 松濤美術館ルネ・ラリックの香水瓶 アール・デコ、香りと装いの美」を鑑賞。それまで単なる薬瓶状に過ぎなかった香水瓶は、1910年頃からジュエリー作家のルネ・ラリックの手によって繊細で美しいデザインへと生まれ変わっていく。不可視の「香り」を幻想的に(神話的モチーフを多用して)客観形象化するという「文化」の定義ずらり、小汚いアラフォー男性の心も洗われるようです。ルネ・ラリック30年の作風の変遷が、たとえば第一次大戦や恐慌等々の歴史的事件にどのような影響を受けたものかという芸術家と環境との通時的関係とともに語られるのも面白く。

 美術館から徒歩5分強で井の頭線神泉駅。高校65回生は大学1年生、本日のランチは東大文一の3人組。Hくんは農業と地域おこしのサークル「東大むら塾」の幹部、Sくんは最近脚光を浴びている「襖」サークルにて職人芸修行中、Sさんはバドミントンで身体を動かす毎日だそう。選んだ店は「ビストロBINGO」、パエリアメインのランチコースです。3人は(未成年!)ジュース、私はついついグラスビールを……3杯ほど。
 職員室でもそうですが若手ほど飲酒喫煙の文化から遠い、身体も綺麗なら心も綺麗。もちろん若い世代(現役の大学生とかね)ほど貧しいという因果も分かりますが、やっぱり徐々に世の中がクリーンに(物理的にも精神的にも)なっているのは間違いのないところで、例えば昨日の55回生Tくんも部署の火消し仕事はおじさん世代のツケであって(40代以上とかかな?)、若手はそれを後続に残したくないという倫理観を持っているということ。で、本日の大学一年生3人も無垢。私「必要悪、って解る?」 H「えっと、高校の授業で聞いた気が……」 面従腹背、腹芸、清濁併せ呑む、等々の言葉は知らず多分概念自体が不要なんじゃないかなぁ、と。私「ピュアだよね。嫌味ではなく」 二文目の余計は私がピュアではない証左で、この意味も彼らには通じないのかな。
 しかし何より驚いたのは、文一から法学部に進む枠はほとんど定員割れの状態だという話。3人の内でも法学部を希望しているのは1人(他は教養学部・経済学部)です。何故定員割れなのかと聞くと、法曹は勿論、官僚や政界も若者には魅力がない(そりゃそうですよね、現状の悲惨を見れば)。就職にも強くない法学部が避けて通られるのは理の当然だという話。じゃあ文一の旨味は何なのさと問えば、「行きたい他学部に失敗しても、セイフティネットとしての法学部はあることかな」と返答。実際、文一以外から法学部に進学した「外進組」が熱心で文一から進学の「内進組」はやる気がないという(KO大学的?)逆転現象すら見られる現状の中、学部は「外進枠」を増やすのではないかという動きすら見せているという終末状態で、ここはプライドにかけて堪えて(我慢と何よりも工夫)欲しいなぁ、と。

 さて、Sさんの妹は、昨年度高1Aで私が担任を務めたのですが、お姉様の進学とともに家族ぐるみで東京(S高校)に転学。という訳で、渋谷駅にて今日が9ヶ月ぶりの対面、お元気そうで何よりのご挨拶。その後2人でショコラの喫茶、久々の「面談」です。新環境には慣れたものの関東の受験事情が判らずお困り(戸惑い)の彼女、来年の抱負は「東大受験を知る」かな。過去問は送付のお約束、生徒ですから添削も、ですね。

 卒業生とのランチ、生徒とのカフェの後、昨日の下町銭湯体験が面白かったのの続き、渋谷駅徒歩15分の銭湯は100年の歴史を持つという「改良湯」。昨日と同じくお風呂とサウナで汗を流します。雰囲気は昨日の早稲田と同じでしたが、唯一違う点は早稲田とは違って「刺青・タトゥーお断り」の表示がなかったこと。実際、背中に見事な彫り物という小父様が気持ちよさそうにサウナで漫画をお読みでした。
 その後、都バスで渋谷駅まで戻り、山手線で渋谷→新宿。昼は文一3人組とランチでしたが、夜は61回生の理三(から医学部)・理二(から文学部!)コンビと飲み会です。進学校ですねぇ。

 新宿「十徳 本店」にご来店は61回生のSくん(医学部)とAくん(文学部)で、Sくんとは何度か飲んだことがありますがAくんは(飲みでは)初めましてかな。もうお一人是非来たいと仰っていたというGくんとは、また別の機会にお会いする機会があるんじゃないかなぁ(これをお読みだかどうだかは判りませんが、リップサービスです)。
 「十徳」を選んだのはこの店が自家製の豆腐を作っているからで、Aくんが豆腐や揚げが食べたいと仰ったのに合わせて。残念ながら豆腐があまり残っておらず(人気なんですね)、ゆず豆腐・揚げ・湯葉刺し、程度しか注文できませんでした。次は思い切って「梅の花」とかでもいいかも(他に、高田馬場にも豆腐居酒屋があった記憶)。

 脳と顔、首から上のスペックが高いSくんですが、自認するところの性格は「陰キャ」だそうで。
 S「僕はですね、twitterのアイコンにプリクラどや顔を使うような陽キャが許せないんです」
 私「……と、俯き眼鏡で言うのは陰キャをぐいぐいアピールしてるわけで、押しの強さじゃ陽キャ軍団とそんなに変わんないんじゃない?」
 A「大体お前、彼女いるし」
 私「居るんじゃん、もう十分じゃん、世を拗ねるっぽいの要らないじゃん」
 A「お前、まだモてたいの?」
 S「……モてたい」
 私「正直この上ないな。もうモててるから彼女がいるんじゃないの?」
 S「褒められたいんです、みんなから」
 私「わぁ」
 A「東大理三合格で散々褒められ倒してんちゃうんか」
 S「そういう過去の結果とかいうのは違うやんか、こう……現在進行形というか?」
 私「二人ともちょっと関西弁入れて来だしたよ。『セトウツミ』っぽくなってるよ。僕、鼻に赤いのつけた方がいい?」
 A「バルーンさんや」
 【中略】
 A「俺がカラオケでガガガSPを歌うのがそんなに悪いか?」
 S「ガガガSPが問題なんやなくて、相手が誰であろうとガガガSPで押し切る我の強さが問題なわけで」
 A「俺が誰にも気を遣わずにガガガSPを選んでるという根拠はあるんか。大体俺のカラオケに毎回お前がおるわけでもないし」
 私「それはガガガSPにも失礼。『にんげんっていいな』なんてウケルよ、2分しかないから時間調節にもなるし」
 A「お前だって毎回毎回My Hair is Badばっかり入れるやろが」
 私「何それバンド名? 俄然気になる! カラオケ行こっか」

 結局カラオケは行かなかったんですけれども、書き起こしてるだけで私の中の2人の好感度が爆上がりしていくようなど酔っぱトークです。でもって、二次会に選んだお店は中華。私「豆腐、あんまり食べらんなかったよね。豆腐……食べる?」 A「僕は豆腐が好きです!」
 という訳で、新宿西口の中華料理。店名は失念したんですが、「舫」の字が入っているのは覚えていたので「新宿 麻婆豆腐 蓮舫」で検索したらヒットしました。後日がっ様から「経験のない大学生を連れて行く店かよ」と突っ込まれてしまいましたが、ここの料理は全部が赤い、白組は杏仁豆腐その多数種類しかないという状態。要は辛い、というか痛い。次の日に座った便座でホイットニーみたいな叫び声が出る(かも知れない)。

 教員「えっと、バンバンジー(赤組)と、ジャガイモ細切り炒め(白組)と、麻婆豆腐(赤組、団長)を……辛め(ドーピング)にして下さい」
 店員「麻婆豆腐、辛め?(フッ、と笑う)」

 店員女子の蔑笑に近い表情に既に何かを予感しかかっている大学生2人、ですが出てきたバンバンジーの色が我ら日本人の常識とはまるで異なる真紅だというインパクトに絶句、でもって一口食って悶絶。漫画か、みたいな咳が出てます。
 私は「知音食堂」とか「韓二郎」とかで慣れてる(そういえば、今回はどちらにも訪問しないんですよね)んですが、大学生は未体験ゾーンの拷問に半泣き状態。まぁ、何というか、私「一次会の酔いも醒めるし、後で話のネタにもなるし、良いよね?」

 新宿から池袋は山手線、ではなく丸の内線で超遠回り。本郷三丁目で下車するSくんと、電車内でトークの2.5次会。ホテルではコンビニスイーツの2.6次会で、本日も充実の健康睡眠です。