行かないでと 泣いて追いすがって

 63回生Iさんは九医に現役合格、2月26日の前期試験終了翌朝には職員室の数学先生に後期試験用の添削答案を出しに来たという猛者で、職員室口を揃えて「そら、通る」 そのIさん、合格発表後の職員室訪問の時に、地元熊本からお土産のシュークリーム(某有名店のもの)を携えて来てくれたのですが、その数が……何と50個! 職員室口を揃えて「そら、通る」の根性者でした。
 その、弟くん。高1Aで私が担任をした後、理系Eクラスで2年間頑張って、昨日の合格発表で見事医学部に合格、という弟Iくんが本日の職員室訪問にシュークリームを……やっぱり50個! 出勤していた職員のほぼ全員に行き渡りました。根性者の姉弟です(実は、65回生にもご兄弟がいらして、こちらも医学部、でもってシュークリームは3人合わせて150個!)。

 本日は中1・中2と高1・高2とが午前中に修了式。中3は午後に卒業式、その後で学年行事として「F高校生になるために」という説明会が行われます。「F高校生に~」の進行を務められるのは現中3学年主任(多分そのまま高1学年主任になるはず)の体育先生で、彼は私と同じ1980年生まれの出世頭でいらっしゃいます。その体育先生から「俺のべしゃりを拝聴しに来いや」と命じられ(←実際にはこんな人ではありません)、私はへえこらと体育館へ出向き後ろの方で90分間ひたすら行事を見学しました。
 堂々の貫禄で司会進行を努めるタメ年体育先生のお姿を仰ぎながら、「そう言えば職員室にいるタメ年5人衆、体育・同窓数学・世界史・英語・国語私という男5人の境遇を考えるに、私以外の全員が奥様と可愛らしいお子様(方)とのお幸せなご家庭を築かれており、且つ担任・部主任・学年主任という形で着々とキャリアをアップさせている働き盛りであるのに対し、勤続年数だけはいちばん長いはずの私一人だけが『はい授業はじめま~す』と言ったら生徒に『授業中に私語をするな』(←56回生)と返され『たまには日直が黒板を消してもよくない?』と言ったら『お前はウンコした後で人にケツを拭かせるか?』(←63回生)と返されるような土下座接客を強いられつつ出世レースから完全に脱落し、というか始めからレースに加えてもらえすらしないまま15年間ちまちまと働き続けて来たのだなぁ」と、歳月とそれがもたらした帰結とを噛みしめつつ、「そうだ同窓数学は我々F校47回生の生徒会長だったではないか学年カーストの頂点だったではないか既にあの時に勝負はついていたではないかヤツが頂上に立って民草を睥睨していたあのピラミッドを築くべく鞭打たれながらレンガ運んだのは我々だったではないか」とか懐かしい時代にしみじみと思いを馳せていたら、90分の行事なんてあっという間にやり過ごせます。

 夜はその中3担任団のお疲れ様会があったのですが、主任体育先生から「俺のビールを注ぎに来いや」と命じられ(←繰り返しますが、実際にはこんな人ではありません)、へえこらと野菜料理「B」に出向き端っこのほうで150分ひたすら宴会を見学しました。二日振りの「B」ですがここの会場を押さえたのも私で、一昨日主任体育先生から「俺らの慰労会会場を押さえろや」と命じられ(←くどいですが、実際にはこんな人ではありません)、「年度末の祭日前日にやる10人単位の宴会予約が実施2日前なんかに取れるわけねーだろがっ!」などと言い返す権力や度胸やがあるはずもなく、へえこらと20軒くらい電話したんですけれども果たして全滅(どこも予約満席)で、一昨日63回生Iくんと「B」に行ったときにマスターに直接交渉して何とか席を空けてもらったという次第(予約済みテーブルを鮮やかに15ゲームして下さったマスターに感謝。我々が入ったことで「B」は満席になりました)。で、今夜の私はビールを注ぎに来たのだからと近くの座席3人に瓶ビールを注いで注いだ端からご返杯というやり取りを繰り返していたら当たり前ですがこちらは3人分のビールを飲むことになるわけで、久しぶりに1軒目でガッツリ酒にやられました(二次会幹事すら出来ぬまま逃げ帰るようにタクシー帰還)。