誰かがお前に毒を盛るかもと 怯えて怯えて

 本日は、教員免許更新のための講義を福岡教育大学に受講しに行く日。日曜ですので扱いは分かりませんが、平日だったら「職免」ということになります。これ、出張扱いになりません。日当が出ないどころか、交通費の5000円超、及び1日受講費の6000円、合わせて10000円超は手出しということになります(それを2年間で5回も!)。
 っざっけんな、って話ではあるんですけれども、まあタクシーの運転手さんが車の免許を更新する費用を会社が出すのかどうか、ってのと同じって考えたら良いのかな(車の免許を持ってないのでよく知りません。因みに私が車の免許を取らなかったのは、①F校に就職すると決めていたから、②絶対に飲酒運転をするから、③面倒くさかったから、というのが理由です。理由に占める割合は、①>②>③)。

 本日は、国文学者による古文指導の方法講義。受講者は定員50人の半分にも届いてないんですが、私としては是非受講したかった科目。私、現代文は高3だけで4回、漢文も同じく高3だけで4回、とぺーぺーの割には結構場数踏んでるんですが、古文に関しては中1・2という文法以前の学年を2回ずつと中3・高1を1回ずつとしかやってないど素人なんですね。でもって、怖いのは今日の講義が「高卒程度の古文文法知識」前提なこと。自信無いぞ……

 ……と思ってたら、予想を遙かに上回る「大仏」先生で大いに助かりました。先生が講義冒頭のオリエンテーションで仰ったように「あぁ、生徒たちはこういう気持ちで机に座っているのね」というのを「身分け」る体験は貴重です。全18人の受講者の内、35歳は4、5人というところ。他は私の一回り、若しくは二回り上の方々ばかりです。私の前に座っていた同じ年(だと思われる)方が、講師が「アンチョコ」という言葉を使った時にメモの手を止めたのが面白かった。古文用語よりも「古い」言葉があるんですね。

 本日の教官の名言2つ。
 ①「古文の教師用指導書は是非読んで下さい。出典の活字本で行われている校訂を、勝手に校訂し直して本文を書くので、現代語訳が独自にならざるを得ないんです。出典だと言われている活字本と訳が変わることがよくあるので、チェックしておくべきなんですね。別に、指導書の指導に従えと言っているわけではありません。従わなくていいから読むのは読むべきです。というか、本当に従わない方がいいですよ。あれ、本文の校訂までは教授がやって、指導書はバイト代目当ての院生、なんてことよくあるみたいですから」

 ②「古文をなぜ学ぶか? 異文化を知るために決まってるじゃないですか。きちんとした日本語を知った上で、千年前の日本という異文化に触れる。異文化と言えば外国、っていう安直はどうなんでしょう。グローバリズムだから英語英語、とか言う前に、先ず英語教師の書いてる現代語訳見よ、と言いたいですね。日本語無茶苦茶な人多いでしょ?」

 最後の試験は、B4解答用紙の表裏両面を使うものだったのですが、両面に鉛筆書きをさせる時にはザラ紙でも上質紙でもなくコピー用紙を使う、という教員的常識は押さえて頂きたかった、と感想欄に書くか書かないかを迷って書きませんでした。

 帰りは、JRの二日市駅で下車、西鉄二日市駅まで歩いて駅近くの絶品焼き鳥屋「G」(63回生のお父様のお店)にて独酌。このお店、8月から店名が変わったんですけれども変わる前も変わった後もイニシャルは「G」のまま。瓶ビール2本、日本酒1合、焼酎水割り。

 昨日の日記に書くべきでした。旅行中に読了した本。
 パオロ・マッツァリーノ『「昔はよかった」病』読了、★★。既に大倉幸宏が『「昔はよかった」と言うけれど』でやっているからというのもありますけれども、初マッツァリーノは楽しい読書ではなかったと言わざるを得ず。話芸になってない毒舌は見苦しい。
 武田砂鉄『紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす』読了、★★★★。まだこっちの方が毒舌が様になってるかな。目次がいちばん面白いです(これが褒め言葉だということは、本を読めば直ぐに分かります)。
 松中権『LGBT初級講座 まずは、ゲイの友だちをつくりなさい』読了、★★★。まっぴぃに教わって購入、少し前の本ですがジュンク堂で面陳列されていました(推してるのかな?)。タイトルにある通り、ライトな「啓蒙書」としてはOKですが、書き手の文章力に難あり(プロではないので当然ですが)。あと、ジョークのセンスは致命的に欠落。との感想をまっぴぃにお知らせ。ま「関西人とゲイなら誰でもおもしろい、は幻想ですと」 私「関西人とゲイなら~、という考え方が差別!」
 森博嗣『本質を見通す100の講義』読了、★★★★。この講義シリーズがどんどん面白くなって来ていて、直にこの方の新しい文章が読めなくなるんだなぁ、という想いがどんどん強くなって行きます。
 水木しげる『わたしの日々』読了、★★★★★。幼いときから天才だった水木サンが、93歳にして日常エッセイ漫画を刊行。鶴見俊輔亡き後、反戦について説得力をもって語れる文化人ってこの方くらい、って言って多分少ししか過言じゃないような気がする。
 サメマチオ『そういえば&といえば サメマチオ随筆集』読了、★★★。
 木下晋也『もここー(2)』読了、★★★★。この人の笑いのセンスは本当に好き。下ネタは……。
 峰なゆかアラサーちゃん 無修正(4)』読了、★★★★。