身体はお爺で心が小学生、未明起床は身体の自然でもあり旅行が楽しみ過ぎるせいでもあるんでしょう、二度寝できそうにもなかったので起き出して旅行準備。着替え、書籍(読了本は最終日にまとめて書きます)、衛生用品、漢方、タオル、スマホ充電器。今回もCDは持って行かず。
自宅前の路線バス(通勤客でぎゅう詰め)で西鉄K駅。構内のLAWSONで缶のアイスコーヒーを購入して高速バスに乗りました。どうでもいいですけれど、構内大リニューアルの西鉄K駅、バス乗り場にあんなにたくさん並んでいた自動販売機が一掃されたのは何故なんでしょうねぇ。高速混雑で空港到着はやや遅れ、荷物検査は離陸の25分前とギリギリの時間に。いつもの、翼が見える(というか、「下」が見えない)窓側の席に座って、90分のフライトは『孤独のグルメ』を1話観た後で読書をして過ごしました。ドリンクは旅行恒例のコカ・コーラを選択。飛行機は11時に空港に到着です。
ランチで行ってみたい店があったので今日は品川ではなくモノレールで浜松町へ出ました。駅から徒歩数分の場所に、油そば(食べたことがありません)の人気店があるとのことで、名前は「MENクライ」。5/29(上京中)に「ところざわ桜タウン」の「ラーメンWalkerキッチン」で食べた(クソ高くて味は普通の)塩ラーメンは「中華そば 和渦」という店名だったのですが、そこのネクストブランドだそう。
カウンター11席、鰻の寝床。東南アジア系の若者が完全なワンオペ作業。11時半過ぎの到着時には運良く1席空きがあり、食券を購入して着席した少し後には(会社の昼休みなのか)店外行列でした。油そばってよく知らないんですけれども、要は汁なしラーメンなんですよね? 注文は特製1350円(高い!)。麺を完全に隠してしまう具材の多さ、チャーシュー・メンマ・ワンタン・白ネギ・煮卵(こんなに濃い色の煮卵は初めてで、見た瞬間に「『egg』だけにガングロかよ」と43歳親父ギャグが)。で、その下に隠されたもっちり太麺は饂飩を超えて最早だご汁。知識ゼロでもこれは多分油そばの王道ではないな、と直観できます。因みに、ちゃんと美味しかったは美味しかったんですけれども、量が多くて途中でちょっと嫌になりました(根性で完食)。蕎麦猪口みたいなやつで一緒に供されたスープはかなり好きな味。
浜松町から山手線で品川、ここでは改札を出ることなく「サザコーヒー」でHさんへのお土産購入。バッグに余裕があったので、今回は宅配にせず持って帰ることに(配送代、馬鹿にならないし)。
品川から池袋、今回はJALパックで最も安かった東口の某ホテル(全然知らなかった)を予約しています。ネット上の評判は最悪で、東口・西口に1軒ずつあるんですけど、東口は幽霊やら侵入者やらと書かれ、西口は発展場(←良い子は調べちゃ駄目ですよ)だとか言われ、あまりのこき下ろされっぷりに逆に興味が湧いたくらいです(というか「大島てる」に記載がありました)。しかも、東口の方は、聖地「ジュンク堂」の前の横断歩道を渡って直ぐという素晴らしい立地条件ですし。
雑居ビルなの? ラブホなの? という建物の1階からエレベーターで2階フロントへ……と、動き出したエレベーターが動いている間中ずっと「ガガガガガガガガ!」と騒音を立てるのに緊張感が爆上がり。ではありましたが、2階のフロントは清潔だしコーヒーその他のサービスもあったし、荷物預かりをお願いしたフロント係の方(話す日本語が美しい東南アジア系の女性)の応対も親切でしたし、やっぱネットの評判なんて当てになんないな、という感じ。
池袋→新宿→芦花公園。駅から歩いて徒歩5分で到着なのですが、歩いている途中で横を通った「成城石井」の窓に大きく「カラス注意」の張り紙が掲示されているのを見て、ここを訪れるのが2度目だったことを思い出しました(貼り紙自体は覚えていませんでしたが、カラスの多い林に隠れるように「成城石井」の入口があるという絵面を覚えていました)。6年前の『筒井康隆展』がここだったか。今回の上京旅行、最初の観光は「世田谷文学館」。少し前にユーミンも訪れたという『伊藤潤二展 誘惑』を観ます。
来る途中の新宿駅で山手線を降りたら、入れ替わりに乗車する西欧人の女性が着ていたのが「双一」のキャラT(誕生日ケーキに「呪いあれ」のメッセージ柄)で、思わず「伊藤潤二!」と声が出てしまいました。人気がワールドワイドだとは聞いていましたが、夏休み盛況の会場内で聞こえてくる言語は、日本語・英語・フランス語・中国語と多様です。
展示はとにかく「原画万歳!」に尽きます(その他にも色々とあったのですが)。第1章「美醜」は『富江』を緒とする美少女グロ、第2章「日常に潜む恐怖」では『うずまき』や代表的短編の名場面、第3章「怪画」はタイトル通りの一枚絵、第4章「伊藤潤二」はコミックエッセイ作品のカット。大好きなキャラたちの原画がこんなに近くにあるなんて、例えば「寒気」の英夫、「首吊り気球」のチハル、「なめくじ少女」の夕子、「死びとの恋わずらい」の四つ辻の美少年、「噂」の淵、『うずまき』の黒谷あざみ……場内は撮影OKだったので接写小僧になって撮りまくりました。
四つ辻の美少年のカラー原画はため息の出る美しさ。その隣に置いてあったおみくじBOXは「辻占の恋みくじ」と名付けられ、一人1枚引けるようになってたんですが、選りに選って私は「学問・大凶」といういちばんアカンやつを引き当ててしまいました。あと、私、昨年末の『紅白』であのちゃんを初めて観た時に直観的に「伊藤潤二が描きそうな顔だなぁ」と思ったんですが、黒谷あざみの右眼球が顔に空いた穴に吸い込まれていくシーンを見てその理由に思い至りました。そっくりです。
原画以外にも展示は多様、海外で発刊された書籍一覧だったり、キャラクター再現フィギュアだったり、自室再現だったり、中学時代のオリジナル漫画だったり、出口には自分の顔写真の右半分が黒谷あざみ同様に崩壊していく様を見ることのできる体験コーナーまであって、超超盛り沢山。
因みに、メイン会場とは別の小会場では企画展『巴里土産 小堀杏奴 油彩画展』(小堀鴎一郎協力)もあって、原稿・手紙等との合わせ技の見応えでした。
大満足で会場を出て、芦花公園駅前のファミマで明後日の小林幸子のライブチケットを発券(10列目花道横の良席でした)。新宿乗り換えで池袋へ。東口ホテルにチェックインして、部屋風呂(狭かったですが不快ではなく、ネットで古くて不潔と書かれていたタオルも普通のものでした)に入った後、着替えて「ジュンク堂」聖地巡礼へ。
最初は地下(漫画コーナー)、エレベーターで9階(芸術)、エスカレーターを下りつつ8階(学参・児童書)、4階(人文・教育・心理)、3階(文庫・新書)、1階(雑誌・新刊)を中心に店内逍遙(私は「背表紙読書」と呼んでいます)、気になった本をポイポイと籠に放り込みます。会計(配送が必要なので必ず有人レジ)後に、配送しなかった数冊の本を(真向かいの)ホテルの部屋に置くために店を出……ようとして、ゲリラ豪雨が大変な事になっていると知りました。同時に、スマホに今夜約束の61回生Hくんから「雨が酷すぎてちょっと遅れます」というメール。
店舗出て左に走ればすぐのところにあるセブンイレブンで傘を購入し、ホテルに本を置き、池袋から1駅の大塚駅へ移動(大塚駅のホーム、雨漏りなんて言葉じゃ片付かないくらい屋根の下に水がじゃんじゃん降り注いでました)。
南口から徒歩数分の日本酒バー「みや穂」が今夜の待ち合わせ場所で、私は約束の18時に3分遅れ、その10分後にHくんが到着しました。おつまみコースに日本酒ペアリング。平日も予約満席の人気は流石です。有機野菜サラダ、小鉢3種(もずく酢・おひたし・無花果和え)、刺盛り、つみれ汁、鰹フライ。日本酒は、「亀泉」~「まんさくの花」~「上喜元」~「魔斬」~「田酒」。料理の味は相変わらず素晴らしいですが、通い続けた結果日本酒の揃えにはそろそろ飽きも感じます。
年に3~4回会って飲むHくんとは最早「飲み友達」の感覚で(9月に彼が八女に帰省する時にも飲みに行く約束をしました)、高校時代の懐かしい話をするなど一切無く、単に最近あった益体もない話をするだけという関係。そして、彼と東京で飲む時には2軒目に池袋「知音食堂」に行くというのがほぼお約束になっています(ゲリラ豪雨は「みや穂」を出るときにはすっかり止んでいました)。
「知音」で青島ビールと麻婆豆腐(辛め)。これが1軒目の雅味を消し去り、3軒目(カラオケ)のための声を潰す二重の愚であるということは分かっているのに、どうしても止められないんですね。因みに、年に4~5回を20年続けた結果、私、いつの間にかオバちゃんに顔を覚えられていたということを知りました。「だって、あなた、よく来るじゃない」
達郎とみゆきとに目がないHくんとのカラオケ90分、今夜は「中島みゆきのほかの歌手への提供曲(及びそのセルフカバー)」というやや無理筋の縛りをかけてみました(何とか持ちこたえました)。
私①中島みゆき「ピエロ」(1979年)
H①中島みゆき「本日、未熟者」(2007年)
私②中島みゆき「紅灯の海」(1998年)
H②工藤静香「慟哭」(1993年)
私③日吉ミミ「世迷い言」(1978年)
H③TOKIO「宙船」(2006年)
私④中島みゆき「あり、か」(1989年)
H④ももいろクローバーZ「泣いてもいいんだよ」(2014年)
私⑤前川清「涙」(1988年)
H⑤吉田拓郎「永遠の嘘をついてくれ」(1995年)
私⑥中島みゆき「NIGHT WING」(2014年)
H⑥研ナオコ「窓ガラス」(1978年)
9月に会うとなったら名残惜しくもねぇわな、というか3軒5時間も遊んだらそら十分だわな、と満足の解散。ホテルに戻って健康睡眠。