私の 耳に私の歌が通りすぎてゆく

 定期テストの結果が徐々に出てきています。2学期に観察した個々の生徒のあれや、これや、と併せて、通知表担任所見180字で遊び倒す準備を(頭の中で)している真っ最中。今回は旅行等々の都合もあり、22日日曜日に一気に(10分×44人=8時間弱)書き上げる必要があります。

 高2現代文4コマの授業は鷲田清一
 現代人に欠如した「思考の肺活量」について述べる。分からないけれども大切なことを見つけ、それとじっと対峙し、分からないまま正確に対処すること。政治・ケア・アートの思考の例を挙げてその大切さを説く文章は大変に説得力があるのですが、一点面白い所がありまして。鷲田氏がその「思考の肺活量」の対極に置いたのが、未知の問題は捨て、既知の問題に必答し、グレーゾーンの問題に時間いっぱい集中するという「受験勉強の思考」。でも、ちょっと待って鷲田さんその具体例に頷く訳にはいかない。それは、テスト中の思考ではあるけれども、受験勉強即ち家での予習復習時の思考ではあり得ないんですもの。鷲田さん、ひょっとして所謂お受験勉強についてはあんまり真面目にやってらっしゃらなかったのではないでしょうか。だから、受験勉強の記憶がテスト中のものしかないのかも、など考えたり。

 A組生徒某氏の工芸作品(タイトル「二面」)が、高文連の芸術祭全国大会推薦作品に選ばれる(演劇部に続き)素晴らしい快挙。の第一報が昼休みに入ってきたので、5限の数学開始直前にA組に行きメンバーにお伝え。数学先生も生徒一同も大盛り上がり。ところへ開始のチャイムに遅れて入って来た作製者某、満座の拍手で迎えられ、訳の分からないままに「ありゃす、ありゃす」と。
 で、翌朝、作製者某だけが全国出品の事実をまだ知らなかったことが判明。
 私「何の拍手と思ったんだ」
 某「いやノリで……」
 私「とりあえず、君の作品は来年7月に茨城に飛ぶから」
 某「え~! お婆ちゃんにあげるつもりだったのに!」
 メチャいい奴やん! と教室爆笑。おめでとう。あと、授業に遅れんな。

 忘年会シーズン。明日は担任団が2学期慰労会を兼ねた忘年会を(勿論幹事は私)、土曜日(終業式)の夜は学校全体の正式行事としての忘年会。

 川原泉『ワタシの川原泉Ⅱ』読了、★★★★★。私の1位は「オペラ座の怪人」なのですが、読者投票では「美貌の果実」に破れて2位でした。