おこたり諫むる 夏は来ぬ

 本日は4限授業で半ドン、ですが高校生は明日の文化祭(F高会場で中央ステージ・体育館・校舎内展示・バザー・ライブ・チャリティーバザー等々)の準備が昼から。全員で教室の備品移動を行ってから、各自の持ち場の準備を行います。教員は、担当クラスの備品移動の監督をすればよいのですが、これは63回生が高3だった時代にP(プロジェクト)長のOくんが大改革を行った結果、待ち時間が9割を占める2時間イベンから20分の瞬殺イベントへと生まれ変わったので全く苦痛でなく(OくんはこれだけでもF校生になってくれて良かったと思います)。

 さて、備品移動後、私は監督担当のバザーの生徒たちが準備作業をやっているのを尻目に、ちょっとだけ学校を抜け出して母君のお見舞いに出かけました。
 入院生活に彩りを。午前中の授業がなかった時間、1時間ほど学校を抜けてタクシーで「ヤマダ電機」往復。母君の命で、ミキサーとCDラジオとを購入。朝の電話で母君から「童謡のCDなんて持ってないの?」と訊かれたんですけれど、持ってるんですよこれが。かなり前、中2古文の導入教材として「夏は来ぬ」の歌詞を書きとらせるという作業を行ったんですが、その時に買ったCDを国語科に保存してあったのが思わぬ所で役に立ちました。
 というわけで、午後のお見舞いはミキサーとCDラジオとをお土産に抱えて。ミキサーは重いものが持てずボタンを押す握力(指力?)が落ちている母君に代わって私が操作するしかありませんが、CDの方はお聴きになりたい時に自由に。
 ミキサーで何を作るのか? というと、スムージーです。脳腫瘍・全脳照射・抗癌剤との波状攻撃で、母君の食欲は無きに等しいところまで落ちています(元々一日三食の方ではないのに加え、現在も味覚障害が続いているので)。で、冷蔵庫の中には母君が残したフルーツやらサラダやらヨーグルトやらが冷やされてるんですね。それらを丸ごとミキサーの中にぶちまけて、牛乳と氷を注いで攪拌しまくる! と、あら不思議それなりに飲める味の液体になるんです。

 タクシーで学校に戻って、担当バザーの準備の監督(というか冷やかし)を夕方過ぎまで。一応、アイスクリームやクッキーやの差し入れなんかをして大人アピールをしてみたり。

 夕食は「もりき」。常連のH先生(F校の先輩であるお医者様)ご夫妻と、先述の「夏は来ぬ」歌詞書き取りの話で大いに盛り上がる。相当ゆっくり流しても、古語は子供には全く分かりません。というか、この文章を読んでおられる方の中にも、「夏は来ぬ」を「なつはこぬ」と誤読しておられる方もいるやも(「なつはきぬ」です、念のため)。
 聞こえた通りを何とか意味の通る日本語にしようとした結果、「忍び音もらす/夏は来ぬ」が「強火で燃やす/茄子は切る」になった話、「玉苗植うる/夏は来ぬ」が「玉苗ウール/夏は絹」になった話、で笑えるのはもしかしたらかなり上の世代の方々だけなのかも知れません。

 釈然としない①
 本日の「ヤマダ電機」、こないだ冷蔵庫を買った時にポイント会員の登録を半ば強引に(というかそれが料金支払いのプロセスの一環であるかのように)勧められ、スマホのアプリを起動して結構面倒くさいことやったんですね。で、興味もないからそのアプリは即日でアンインストールしてたんですけれども、今日の会計でもまたもやポイント加算を勧めて来る(中年男性、同じ店員さんです)。もう面倒臭かったので「ポイントは要らないので、普通に会計して下さい」とお願いしたら、「簡単ですから」「お客様が損をしますから」とあれこれ返してきて「普通に会計」するのを事実上拒否するんですね。10度程やり取りをして、「本当に必要ないので、お願いだから普通に会計をして下さい!」と他の店員さんが振り返るような声で叫ばなくてはならず、何故私がクレーマーみたいな構図になってるんだ、と。3回断られたら引っ込む程度の慎みは持たんかい。

 釈然としない②
 3月末に校内企画P長から直々に「池ノ都先生は人気でいらっしゃるので『体験授業』を今年も是非!」と頼まれて諾、授業も準備していたんですが、4月に新校長としてM先生(F校の先輩でもいらっしゃいます)が着任された直後、「著名な先生の授業の方がお客様もお喜びになりますので」と、高3担任の某先生を通じて今度は間接的にクビを宣告されました。ので、今年は「体験授業」はしません。まぁ、準備した授業は高2現代文で扱って「供養」しましたけれどもね。「皆さんは『体験授業』を受ける謂れはないでしょうが、『体験・体験授業』をやってもらいます」って前口上で。