かけめぐる青春 ビューティ・ビューティ

 健康起床、入浴、母君の朝食準備。学校入りは7時半で、最初にやったのはB組教室の机の上に東京土産(おかき小袋1つと、湯島天神の鉛筆)を置いて回ること。湯島天神の鉛筆は格言が入っているのですが、場合によっては試験会場に持ち込み不可かも知れません。例えば、「満願成就」と書いてあったとして、東大では09年の第一問(原研哉『白』)で「成就」を書き取らせる問題が出ていますから、カンニングになります。まぁ、お守りということで。
 SHRの後、1~4限が課外授業、5・6限が特講。私は午前中の4限が授業無しだったのでデスクワーク。途中、自宅に往復して母君に昼食を出しました。昼食はお弁当箱に朝のうちに詰めるということをやっていたのですが、どうも味気ないとお感じの(プレートでお出しした方が喜ばしい)ご様子なので、出来る範囲で学校・自宅を往復するつもりです。

 さて、9月下旬に某予備校の模試にまつわる会議が東京でありまして、担任団から1名代表で東京出張に行かないといけない。まぁこういう場合は英語か数学かだよねぇ、という話になるのですが、こういう出張に行きたがる先生と行きたがらない先生がおられます。で、英語パイセンは「行きたがらない」方の先生。移動は大変、会議は面倒、それなら福岡で授業をやっていた方が100万倍はマシ……みたいな感じのパイセンが、何故か今回9月末の東京にはスッと手を挙げ「私が……行きます!」と。
 私には理由が解る。「会議に託けて……『おっさんずラブ展』、観に行くんですね? 解りました、チケット争奪戦、協力致しましょう!」
 チケット争奪は苛烈な争いになることが目に見えており必死必至で緊張感ひしひし。本日12時の受付開始とともに、二人並んでPC室に陣取って、クリッククリッククリッククリック……「「つながらねぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!」」 あれだけ愛と互助の精神とにあふれたOL民が、しかし今日はみんなライバルみんな敵! いっかな動かないPCと死闘を繰り広げる先輩と後輩。日付時間指定入場制なのですが、「ああっ、会議当日のチケット、会議に間に合う時間帯が売り切れました!」「私は会議の後の時間帯を狙うから、イケノトくんは前日の夜を狙って! 最悪前乗りするからっ!」 授業より真剣。

 ……2時間で売り切れたチケットですが、私は前日の夜、パイセンは当日の会議後、それぞれ1枚ずつ予約が取れました。肩で息をするってこういう感覚だったっけ、など。
 さて、出張費は会議当日日帰り往復分。私が予約を取ったチケットで「OL展」を観るなら、パイセンは自費で東京に前乗り泊をする必要があります。で、そんなの迷うはずもなく2度観るだろうと思っていたら、パイセンからまさかの「迷っている」発言が。愛が枯れたのかと問えば然にあらず。Twitterには2時間完売のチケットが取れなかった民の慨歎の声が溢れ、メルカリ等ではど腐れ転売ヤーによる高額出品が続々と、という状態を見たら自分だけが2回も味わうのが罪なのではないかという思いが、と仰る。OL民の優しさがまさかパイセンにまで感染するとは……などと口が裂けても言えないので、こんなやり取り。
 パ「どう思う? やっぱり罪よね?」
 私「でも、もしも僕が辞退した分のチケットが転売ヤーに渡ったらそれこそ罪も罪、確実に800円で価値を味わい尽くせる人間がチケットを手にしておく方が良い、という考え方も出来るかな」
 パ「そっか……そうよ……そうよね、うん、そうよ!」
 パイセン、早速ホテルの手配。青春です。

 1~4限の課外は授業無しですが、5・6限には東大理系現代文特講(97年・坂本多加雄)があり、いつもは18時に終わる(6限授業後の2時間で行われる)特講が今日は15時半に終わったので、その後2時間半を添削に費やしました(半分以上終わりました)。
 自宅に戻って入浴、添削の続き。母君に夕食をお出しして洗い物。入浴後の母君がお休みになった後、タクシーで小料理屋「A」に行って独酌。帰りに、めちゃめちゃ美味しい肉じゃがをお土産にいただいたので、これは2回に分けて母君の食事に供します。