当劇場へお越し下さいまして 誠にありがとうございます

 5時。私の寝室にはクーラーがなく、扇風機は時々回していますがとにかく汗だくの起床。クーラー稼働のリビングも暑いです。冷や汁を作っておいたのは完全なる正解。入浴後に書斎でデスクワーク、母君の朝食は冷や汁。茄子の煮物をHさんから戴いたものと、カットスイカ、柴漬けをつけて。

 本日は授業がなく(放課後に東大理系漢文特講はあり)、一日中デスクワーク。昼休みに自宅往復で昼食作成。放課後の特講の後は直帰して母君の入浴介助・夕食作成。明日未明の特講添削を控え、夜の独酌は控えめに。

 教育実習生の62回生Eくん(地理)に、「僕のことを覚えていますか?」と訊かれました。62回生は、初担当の56回生以降現在の68回生までほぼ全ての回生において高3の授業を担当した私が唯一それを行っていない回生です。ですが、中1で授業を持ちましたし、後はEくんの弟くんも高1・高3で授業を担当したし、覚えていますよ、とお答え。「逆に、私の記憶ってありますか?」と聞き返したら、彼らが高3の時に校内模試(文系随筆)で出題した上田三四二「武器について」が美しかったと応えてくれました。これは嬉しい。62回生については授業に行かなかった分せめて、という思いから2度の校内模試(古文1回、文系随筆1回)出題では結構気合いを入れたのです。

 授業準備3種類、扱う教材と一緒に紹介する読み物(資料)を選定。
 高1内進B~E組『万葉集』の授業なら、河野裕子アメリカ滞在時にこれを携行したという内容の文章がエッセイ集『たったこれだけの家族』の中に収録されています。高3漢文は吉田泰の読書論でこれには橋本治『浮上せよと活字は言う』がぴったり、と直ぐに出てきました。
 が、高1外進A組『十訓抄』の付録に苦戦。「祭主三位輔親が侍」は、神宮祭主の庭に毎朝訪れる鶯を無風流な伊勢武者が殺してしまうという説話。何を付すべきか決まらぬまま取り敢えず河野裕子橋本治の2冊を取りに国語科のマイ本棚に行き、そこに何かないかな……と、橋本治の隣に宮地伝三郎の全集があります。目次しか読んだことがなくそれすらも朧気ですが、動物生態学者の身辺雑記なら何かあるのではと開くと、中に「さげ木の庭」という一文があるのを見つけました。五分五分の確率だと思いながらページを開くと、著者自邸の庭に鶯が飛んできてくれています。こういうラッキーはとても嬉しい。