心はもうホームにすべり込んでいる

 年度末なので、今年度使用した様々な書類・プリントの整理(というか破棄)を。その中に、2カ月前のF校入試関係の資料もあり、ついつい仕事の手を止めて問題を熟読してしまう。今年は中学入試の文法問題に、5つの受け身から迷惑の受け身を探す択一が出題されました(某塾の問題講評で「難しい」と言われていました)。
 荒井由実「たぶんあなたはむかえに来ない」。サビの「こんな激しい雨/たぶんあなたはむかえに来ない/フラれてしまった」という歌詞。「フラれる」が掛詞だというのは初めて聴いた中1にも解せるわけですが、この掛詞は何だか変だという、それだけでは済まない違和感が「しこり」となって残り続けまして。で、駒場1年18歳の時、国語学の持ち出し講義を受講していた時、「あなたにフラれる」と「雨にフラれる」とは同じ受け身でも種類が違う(後者、迷惑の受け身)と初めて教わり、6年間の「しこり」がスウッと消えていく快感を味わいました。
 中1でF校の国語科教員になると決めた私が大学(東京大学文学部言語文化学科日本語日本文学専修課程国語学)に進学したのは偏に国語科の教員免許を取るためで、それ以外の勉強は二の次三の次でした。実際、何だか変だと思った「しこり」を6年間抱えたまま、自分で調べたり誰かに聞いたり(当時はネットなんて便利なものは普及していません)しなかったという時点で、私には研究者としての素質はゼロなんだと思います。国語学も面白いとは思えなかったんですけれど(中高の教科としての「国語」や大学入試の「国語」の方が千倍万倍面白いです)、18歳の時の「スウッと」の快感は覚えていますし、入試模試定期テストを作成するときに講義で聞いた話が直接間接に役立ったことは何度かあります。

 西鉄K駅構内にあったスーパーマーケットが改装閉店(狭い狭い臨時売り場だけが継続)していたのは大変不便だったのですが、このたび遂にリニューアルオープンを果たしたということで、仕事上がりに早速。野菜・鮮魚・精肉コーナーは全て拡充(鮮魚コーナーには生け簀も新しく)、レパートリー激狭の私には「臨時売り場」が相応だと判っていても、大きいことは良いことだ、観て回るだけでも楽しいものです。
 帰りには、我が家の「三河屋さん」ことK酒店で瓶のクラシックラガー20本を注文(夜に配達してもらいました)。

 夕食は、自宅近くの居酒屋「R」で独酌。店に行く前にHさん家に寄り道して、中島みゆきの近作2枚(『世界が違って見える日』「心音」)をお渡し。多分、この中からは数曲しか披露されないでしょうが、「予習」でライブ前の気分を盛り上げるのは大切なことです。