自分を信じた男2

 5月と8月との上京旅行の日程が確定しました。黄金週間は4月30日からの4泊5日、夏休みは8月2日からの5泊6日です。共に飛行機往復で宿泊は定宿の池袋北口。大体3週間前辺りからTwitterを中心に昼夜の飲み友達を募集します。

 本日は明日の入学式・始業式を前にした前日準備の日。課題テストの問題を印刷したり、新しい高3Bの教室の整美や掲示物張り出しを行ったり。クラス掲示するカレンダー(自費)には、5月黄金週間までの行事予定をちまちまと書き込んでいます。勿論、核は「男く祭」ですね。
 私の仕事(命であるところの授業関係)の方はといえば、課題テスト(10日出題)の問題は印刷済みで、初回授業(11日)の使用プリント9枚の原稿は印刷室に回しています。5月下旬の①定期テスト前までの授業については原稿が全て準備できていて、10月・12月に出題する予定の校内模試の問題は完成済みです(これ以降、より良い文章があれば即座に差し替えます)。知らない人が訊くと「凄え! 仕事進んでる!」と思われるやも知れませんが、これでも「回ってない」のが高3現代文です。本格的に動き出して、一度添削指導が始まれば、毎日が自転車操業になるのは目に見えています(大体、黄金週間明け、特講開始が地獄のトバ口ですね)。

 前々回の「月空」で牛モモカルパッチョを頼んだらバイト氏に魚と間違えられ、昨日の「月空」では瓶ビールを頼んで生が届き、今夜は居酒屋「T」でレバー串を頼んだらハツとレバーの炙り刺しが出てきました。私の特技「店員さんを呼んでも気づかれない」に、最近「気づかれたとしても注文を聞き取ってもらえない」というのが加わりつつあります。こういう人を主人公にした石川雅之の短編があってそれは面白かったんですけれども、自分自身がそういう属性の持ち主だっていうのはとりわけ教員としては致命的なんじゃないのか、と。

 明日は午前中が始業式、午後が入学式。夜は、母親世代の飲み友達・Hさんとシティプラザで『ラ・カージュ・オフォール』を観劇します。以下、5・6月はライブ観賞が多いです。
 5月7日はNOKKO、27日は新居昭乃、6月1日は戸川純(DJ掟ポルシェ)。これらチケットを取った時には、まだ新年度の授業・特講の時間割が決定していなかったので、場合によっては行けなくなる覚悟で買っています。が、昨日の職員会議で新年度の時間割が確定したので、今後のチケット購入に関しては時間割と相談が出来ることになりますね。ただ、今年度の私、水・木・金・土に16時~18時の特講が入ってるんですよねぇ。例えば6月1日の戸川純は金曜日、薬院で19時開演です。京大文系現代文特講を18時に終らせた後、タクシーを飛ばして西鉄に移動して23分の特急に乗ることが出来ればギリギリで開演に間に合うことになります。添削は、翌未明の書斎作業ですね。

 鳥集徹『医学部』読了、★★★★。医学部に行くには、知性と倫理観と体力とが兼ね備わっていないと駄目ですよ、手に職金儲け的な発想はアウトだしそもそもこれからの医者が儲かるなんて考えない方がいいですよ、という極々常識的な内容。学級文庫に入れたら、生徒にも教員にも怒られないでしょうが一部保護者に怒られてしまうかも知れません(入れますけど)。
 「近視眼的な考えで医学部を選択すると、後悔してしまう可能性もあるのだ」(131頁)の記述にわおカッコいいついて行きます! となった直後、「九州一の偏差値を誇るK大学F高」(136頁)の記述で醒める。うち、「九州一の偏差値」なの? そうだとしてそれって誇るべきことなの? そうだとして、うち、誇ってるの? そうだったら、それって「近視眼的な考え」だよねぇ。

ぼくちゃんたちってきれいずき~ ねっ?

 本日、新年度最初の職員会議……の中で、ちょっとびっくりする人事が発表されました。ご退職後に請われてテニス部の指導をお続けになっていた保健室超ベテラン先生が非常勤としてリターン。70代、どれだけお元気なんでしょう!
 その職員会議は、午前中から休憩を挟んで午後まで。昨年度の中1(新中2)~高3(卒業生)、及び生徒指導部・進路指導部・総務部・教務部・寮・図書館、という計12部署の昨年度代表(学年主任や部長)が昨年度の業務報告・反省を発表するのが前半。後半は、今年度の中1~高3、及び生徒指導部(以下略)、という計12部署の新年度代表が今年度の抱負を発表します。えぇ、長いですよ。ですから、休憩を挟んで午後までです。更に、新年度が動き出して黄金週間までの行事(入学式・始業式からビッグイベントの「男く祭」まで)についての説明等、業務報告も続々です。

 その後、職員室の机の移動、及び大掃除が行われます。私は高2の「シマ」から高3の「シマ」へ移動。職員室内の教員用机は、学年団ごとに固まって置かれており、それを各学年の「シマ」と呼んでいます。入り口手前から中1~高3、私は今年度は入り口から最も遠い奥、窓際族です。
 移動と同時に、机の上の片付けをします。私の机上は、本や資料屋が山積みになっていて、自分の机で仕事をすることが出来なくなっており、所謂公共スペースでプリント作成等を行っては顰蹙を買っております。で、机上が散らかっているのは、本が多いのと配布されたプリントを棄てないから、要は紙です。だから、積み上がった本を段ボールに詰めて国語科に移動し、その殆どが読み捨てで構わない業務用プリントを容赦なく棄てたら、あっという間に「そこで仕事が出来る机」に様変わり。「あれだけ散らかってたのをよくそんなに簡単に片付けられるね」と驚かれたり呆れられたりするのですが、汚れてるならともかく散らかってるだけで必要なのは移動と廃棄となのですからこんなの瞬殺に決まってます。だったら普段からそうしろという話なのですが、普段からそうしろと叱る人って、叱る序でに読まなくて良い業務プリントとか届けてくれたりするのよ。目の前で棄てるなんて、とても出来ません。
 というわけで、私「今日から自分の机で仕事ができます!」 主任「いつまでもつのやら」 私「少なくとも黄金週間くらいまでは保つと思います!」

 なんやで汗をかいたので、14時前に徒歩で自宅に戻りました。入浴のためですが、母君が毎週木曜の午後に絵画教室(F校美術先生の奥様が先生)に出かけるのをお見送りするのも目的。何度か通ったら、お一人でも忘れ物なく出かけられるようになるでしょう。自宅の鍵・携帯・眼鏡・財布・画材……等々、意外に必要携行品が多いので確認が必須です。
 入浴後に再び徒歩で学校に戻ってデスクワーク。夜は、二日市「月空」に出て独酌読書です。自宅に戻った時には、母君はとっくにお休みになってました。

山家には 少し早めの 鯉のぼり

 63回生文系A組を担任していた4年前、クラスの「遅刻八部衆」が一、今は京大文学部のBくんが脱遅刻! を決意して購入した自転車に乗ったら初日に校門前で車に接触した。
 私「神様が遅刻以外は認めないって言ってんのかよ!」
 ……と、病院に走る車の中でツッコんだあの朝。あれ以来2度目なのですが、救急車に乗りました。今回も私は付き添いで、今回車の中で横になっているのは母君です(2人家族で私以外なんだからそら母君に決まっていますが)。時間は深夜1時。

 「もりき」で飲んで帰った後、既に旅行疲れでお休みの母君に続いて私も22時就寝、だったのですが夜中に不穏な物音で目が覚める。倒れる音とぶちまける音とですから、大体様子は想像がつくもので、寝室のドアを開けて廊下を見たら案の定の光景でした。リビング転倒嘔吐(トイレまで行かれようとして間に合わなかったのか躓いたのかどちらかだと思われます)、偉いもので家具絨毯その他は全てよけており汚れているのはフローリングだけです。最初の感想は、「あ、掃除が楽そう」でした。寝起きなんてそんなもんです。
 さて、一目見て意識レベルがはっきりしているのは解りましたが、ご自分でも何が起こっているのか解らない程度には混乱なさっている様子。そういう時に私も同じではどうしようもなくなるので、仕方なく動転混乱するのは諦めました。
 私「手をお貸ししたら、立つことは出来ますか?」
 母「……多分無理。足が動かないし、寒くて」
 消え入る声、確かに身体中が細かく震えておられます。
 私「救急車、呼んで良いですか?」
 母君が頷いたので、正直この程度で救急車を呼んで良いものなのかどうかは解りませんでしたが、寝室に戻って携帯を手に取りました。

 以下、詳細は覚えていませんが、やりとり。
 救「119番消防です。火事ですか? 救急ですか?」
 私「はい、救急です」
 救「住所はどこですか?」
 私「はい、K市K町(以下略)」
 救「それは××マンションですね?」
 私「はい、そうです。部屋の中です」
 救「どなたがどうなさいましたか?」
 私「母が嘔吐で倒れて動けなくなりました。電話は、同居している息子がかけています」
 救「意識はありますか?」
 私「話は出来ますが、立ち上がれないというのでお電話を致しました。母は現在肺癌の治療で抗癌剤治療を続けている最中です」
 救「解りました。現在、既に救急車はそちらへ向かっていますので安心して下さい。その肺癌の治療について詳しくお話し下さい」
 私「4年前の秋に発症です。手術後は小脳の転移が続いたのでガンマナイフを2回、全脳照射を1回、これが昨年の5月で以降抗癌剤治療を続けています。現在はK大学病院に掛かっています」
 救「解りました。間もなくそちらに到着します。搬入先はS病院になりますが……」
 私「あ、偶然。この4月の次の通院から、大学病院からS病院へかかりつけが変わるんです。主治医の先生が転勤なさったので」
 救「……今日、お母様が食べた物は何ですか?」
 私「えっと、そういえば一日バス旅行だったんでした。そこで(以下略)」

 ここで、マンション入り口のインターフォンがなったのに応答。2人の救命士の方が担架を部屋に運び込み、見事な手際で母君を担架に乗せ(布みたいなのに刳るんでヒョイっ、と)、「ご一緒にどうぞ」と担架を運び出します。あ~、吐瀉物の掃除は後回しかぁ……と2人の後を(財布と携帯とだけをポケットに入れて)ついて行きます。
 2度目の救急車に乗ったあと、ず~っと気になっていたことを口に出しました。
 私「あの、すみません、私、酒気帯びでして」
 救「あぁ、そうですか」
 まぁ、確かに病人以外のことなんざどうでも良いですよね。

 体温や血圧やと一通りの検査が救急車の中で施されるのを眺めながら、驚くのは本当に救急車って止まんないのねということ。ずっと走り続けて、普通に車で移動したら絶対に10分じゃきかないS病院までの道を、本当に5分で走ってしまいました。乗り込むときに「S病院までは5分程度です」と言われて「流石に」って思いましたし、病人を乗せているからでしょうが正直体感する車のスピードは「遅いなぁ」だったんですけれども、止まらなかったら確かにそうなるのか、と納得。後で何人かの知り合いに、「ゆっくりながら止まらないのが一番早いってのが本当によく解りました。救急車って、人生ですよ」と話しては呆れられました。

 さて、S病院に到着後、母君は検査室(処置室?)に運び込まれ、私は待合にぽつん。即座にスマホ数独ゲームをダウンロードして、待ち時間を没頭で潰します。こういう時はこういうのが一番正しい。
 呼ばれて診察室に入ったら、夜勤の研修医(だから年若いです)さんが検査の結果を説明して下さいました。要旨だけ述べると、検査結果は異常なし。母君が昨日召し上がった物はメニューを含めて詳しくお伝えしているので、研修医先生は若しかしたら昼食の刺身などが、とお言葉をかけて下さいました。ですが、恐らく、要は食べ過ぎと旅行疲れだったんじゃないかなぁ、と。はしゃいで食べ過ぎて(多分、2~3日分の食事量です)、夜中にコパァ、と。子どもと一緒じゃないか! と心の中でツッコんだ上で改めて思うのは、やっぱり親孝行ってのは簡単じゃないんだということですね。

 「終ったら帰れよ」じゃありませんが、健康(検査異常なし)なら母子が病院にとどまる理由はないわけでして。母君は病衣一枚(汚れた着衣は全て病院で処分)でタクシー帰還後、自宅の寝室で昏々。私は襖一枚隔てたリビングで掃除、掃除、掃除! 旅行疲れと食べ過ぎとだけなら何よりですが、明日の私は普通に仕事で良いんですかねぇ。

 あ、そうそう、S病院には私を財布扱いして会う度に飲んだくれてる58回生Fくんが4月から研修医勤務してるんだった。今日の応対がFくんだったら帰りに両目を潰して「お前は何も見ていない」ってするところだったんですけれども、違う方で本当に良かった。
 あと、待合に居合わせた居酒屋「B」のマスターに黙礼されたのは滅茶滅茶気まずくて、これは行きつけを作りすぎた罰なんですかね、恥ずかしいったらありゃしない。

 3時前に再就寝。

 ……きちんと目覚めるかどうかすら心配したと言ったらどつかれてしまうかも知れませんが、とにかく母君が普通に(不調無く元気に)目を覚まされたのに安心したのが8時。朝食も普通に召し上がってお出でです。言動を見るに夜中のことは殆ど記憶に残っていない(霧がかかったような状態にある)ようで、それならそれでお教えする理由もありません。頻りに「昨日の旅行が楽しかった!」と仰るのは照れ隠しなのか本心なのか。
 取りあえず、昼過ぎまでは自宅書斎で仕事をして、大丈夫そうだったので学校に行って職員室でしか出来ない仕事をやって、夕方前に帰宅して母君の夕食・入浴・睡眠を見届けて、ダッシュ片道5分で肉料理「I」の晩酌往復(飲むよ、こんな時でも)。

 「日常性の維持」へ徐行運転です。というか、明日は職員会議で一日学校ですからね。

にがくてあまい

 今年度の「男く祭」では(でも)講演Pの顧問。今回のテーマはLGBT(若しくはSOGI)ということで、何冊かの本を読みましたし、1月期のドラマ『女子的生活』も観ましたし、4月期のドラマ『おっさんずラブ』も観るつもり……なんですけれども、『おっさんずラブ』は一昨年の単発ドラマが完成品だったので連ドラ化は間延びが心配です(例え脚本が良くても、落合モトキ→林遣都のキャスト変更は残念だし)。そして、それよりも何よりも、単発ドラマの時に「気持ち悪~」「やっぱ性別って大事」等、デリカシーの欠片もない主演コメント(HP残存)が光りまくった田中圭の今後の発言が気になります(『女子的生活』に関してお手本のように見事なコメントを発していた志尊淳を見習わなくては!)。

 本日の私は一日心身を貸し切りで、母君との日帰りバス旅行に出かけます。昨年11月に山口出かけたのに続くバスツアー第2弾、目的地は佐賀で、長い長いツアー名は「松浦鉄道『お花見列車』桜のトンネル・川上峡貸切『屋形船』と『伊万里牛セイロ膳』の昼食」。一時期の2時間ドラマと同じで、タイトルオンリーで全てを語り尽くす意欲に満ち満ちています。一人8000円弱の格安ツアー、キャンセル待ちに滑り込むことが出来たのですが、さて母君にお喜び頂けますかどうか。

 9時に西鉄K駅前を出発したバス、鳥栖で途中乗車のツアー客を乗せてから伊万里方面へ向かいます。今日のバスガイド男性氏は、前回の女性氏が移動中地域についての(観光メインの)蘊蓄を語り尽くす饒舌さだったのとは違って、喋るのはあまり得意ではない様子。しかも、例えば「伊万里牛」について話す時にも歴史や等級の話程度をサクッと終らせるような形ではなく美味しい料理法や肉の見分け方等あんまり旅行に関係ない方面に話が脱線していくタイプの人で、満席高速バスの視聴率(聴取率)はあまり高くありません。元はバス旅行に頻繁の客から添乗員に転じた(旅行会社の中にそういう採用制度があるそうです)と言っていた割には、観光蘊蓄が好きじゃないのかなぁ、という感じ。バスツアーはバスの中に居る時間が半分以上ですから、添乗員(バスガイド)の当たり外れは大きいな、と。

 ツアー最初の訪問地は、なぜ伊万里で博多名物なのかは解りませんが(旅行会社との契約があるんでしょうね)「鮮鼓堂」。カラシメンタイコが名物の土産物店です。
 私にとっては願ったり叶ったりのシャッターチャンスですので、義務のように絵恋ちゃんのアクキーを取り出して色んな商品(絵恋ちゃんの代表曲「カラシメンタイコ」にまつわるもの)と一緒にお写メり、お写メり。気が早いですが、事務嬢さん、Hさんへのお土産はここで買ってしまいました。絵恋ちゃんつながりで、虎ノ門のオツカル様職場にもカラシメンタイコ(高級品)を送りつけます。

 前回11月のバスツアーは雨模様の一日で天気に関しては残念だったのですが、今日は快晴、暑くも寒くもなく良い日和です。今年は少し暑くて桜が咲くのが早かったのですが、松浦鉄道浦ノ崎駅」(有志管理の桜街道が有名)の桜は美しく咲き残っていて、散り始めた桜は地面を薄紅色に変えて、正に見頃の絶景でした。浦ノ崎駅から伊万里駅までは松浦鉄道で移動、その後は伊万里駅まで先回りしていたバスに乗って有田ポーセリンパークへ向かいます。

 有田ポーセリンパークは、オープンしたての頃にF中学年行事で出かけた記憶があります。以来四半世紀ぶりの再訪ということになりますね。そのポーセリンパークですが、25年前は焼き物の絵付けをしたりヨーロッパ町並み再現の建物を見物したりと割と楽しかった記憶があるんですが、今はもう完全にバブルの遺物になってました。
 良い具合に荒廃したパークはとっくの昔に某焼酎会社に経営を移譲しており、ポーセリンよりも「のんのこ」焼酎の販売所という色合いが濃くなっています。焼き物の歴史や逸話を書いた看板はボロボロに錆びきっており。今日は平日昼時で敷地内閑散。ただし、大量の観光客に食事を提供できる設備はあるので、複数のツアーバスが客に昼食を食べさせる(土産物屋を覗かせる)ため「だけ」に立ち寄っており、我々母子にも食事と20分程度のお土産購入が可能な制限時間が与えられた上で食堂に連れて行かれました。

 昼食は確かに看板(ツアー名)通りの豪華さ(というか、分量)だったかな。小さなステーキ丼とそぼろ丼、伊万里牛のせいろ蒸し、茶碗蒸しに刺身にという定番の小鉢類……と、普段昼食を食べない私、鳥のように小食な私、は義務のように食べながら目を白黒させています。向かい合って食事の(同じツアーに参加の)お二人は、母君よりも一回り程度年上だと思われるご姉妹で、私たちが親子だと知ると「お母様思い!」「珍しい親孝行だわ!」と盛んに感心して下さいました。これ、親孝行なんですかね。
 嬉野茶や有田焼のスプーンなど、幾つかのお土産を買い込んでバスに乗ります。バスに乗る前にお手洗いにも行きましたが、病と薬の副作用とで動きに不自由のある母君は、お手洗いも普通の60歳の倍以上の時間が掛かりますので、制限時間がある行動を共にするとちょっとドキドキします(イライラする時期が過ぎる程度には病気との付き合いが長くなりました)。動きの不自由というのは、具体的には視力・握力の低下と歩行速度の鈍化ですね。

 ツアーは続いて「増田の小城羊羹」で羊羹と嬉野茶との振る舞い。まだ食えというんかいという話ですが、バスツアーに参加するような元気なお年寄り(女性率が圧倒的)というのは食べますね。車内でもず~っとお茶飲んだりせんべい食べたり、止まらない止まらないで見ている私も母君も目を白黒させています。しかし、確かに試食の羊羹は美味しかったので全部頂きましたし、母君のお茶請け用にお土産の羊羹もしっかり購入(一緒に丸ボーロも猛プッシュされましたが、F高63回生の担任として丸ボーロを買うお店は一択と決めておりますので、ここではお断りしました)。そういえば、この試食の時にも、隣に座った高齢のご夫婦から親孝行だと褒められ、何だか親孝行って簡単なのかなぁ、となったり。

 さて、最後に寄ったのは川上峡。川を横断する形で何百もの鯉のぼりが飾られており、その下を屋形船で15分ほど潜る(鯉のぼりを下から眺める)というのが趣向で、屋形船の乗り降り(揺れます)が母君に可能なのかと事前に心配していたのは何とか杞憂に終りました。下から覗く鯉のぼりは確かに圧倒的、数は力です。
 関係ない話ですが、「山家には少し早めの鯉のぼり」という句があります。有名人ではなく子どもが作った作品で、私がF校に赴任して初めて担当した学年(高校56回生で、当時は中3でした)の誰かが中2の時に詠んだものです。4月末の高良山歓迎遠足で見た風景を元にしているそう。赴任の翌日にそれを見た時にはその巧さに「へぇ!」と感心したのを今でも覚えており、以来鯉のぼりと聞いて思い出すのはいつもそれです。
 屋形船から降りてた後の休憩時間で、母君が露店のかき氷が食べたいと仰いました。そういうものをご所望というのは珍しいことなので、これは機嫌の良い証拠だと即座に買いに走りました。実際には3口、4口程度しか召し上がらない(残りは私が食べる)のですが、まぁ良かれと思って。

 K市に戻る頃には既に日は落ちて19時。お土産で両手が塞がったまま、タクシーで家まで一直線です。お腹はいっぱいで夕食が入らないという母君は、お疲れもあってそのまま就寝。私は母君がお休みになったのを見届けてから、20時前に「もりき」に入りました。Hさんも合流なさったので、そこで「鮮鼓堂」で購入のお土産をお渡し。
 1時間半ほど飲んで帰った後、私も22時頃に健康睡眠。

二度寝るねるね

 昨日が日曜日だったので、今日2日が新年度(平成30年度)初日ということになりましょうか。
 私の所属は引き続いて高校67回生で高3Bの担任、これは高2から高3へ上がるときにクラス替えが無いF高なので予想通りの人事です。担当科目は高3現代文(授業12コマ・特講8コマ)でこれも予想通り……なのですが、担当科目が高3現代文「だけ」だったのは予想外でした。私、高3の現代文を持つのはこれで5回目なのですが、過去4回は必ず中2か中3か高3かの週1コマの授業を併せて持たされていたんですね。例えば、3年前に高校64回生の高3現代文を担当した時には、当時中3だった67回生の漢文を持ちました(余りの真面目さに唖然としたことを当時の日記に書いています)。その前年、我らが高校63回生の高3現代文を担当した時には、まさかの決定で高3の漢文(文系記述2コマ、東大理系特講1コマ)も一緒に担当しました。現代文と漢文との高3の添削を一人にさせる(地獄!)というあの決定に(当の私を含めて)誰も反対しなかったのは国語科の汚点ですので、あれは絶対に前例にしてはならないと思っています……とまぁ愚痴は置いといて、その時の分なのかどうか分かりませんが今年度は高3現代文「だけ」でいいって言われたんですよ。楽ちん! ありがとう国語科! センター然り東大京大然り他大然り、とにかく大学の過去問を扱う高3現代文は国語科の冥利でメチャメチャ楽しいんですよ。今年度は「楽しい」上に「楽ちん」だと来た。訓読みも音読みも制覇です。やっほい。

 おっしゃそれなら仕事ぜよ、昨日までの飲んだくれ上京旅行から心機一転ぜよ、と午前中の職員室でデスクワークをガシガシと始め……

 ……た2時間後に、「お花見しませんか?」と事務嬢夫妻から連絡を受け、14時から文化センター内の公園で桜を肴に飲み始め、二次会は事務嬢夫妻ご自宅マンション9階ベランダで優雅に宅飲みをし、ベロンベロンになって全ての記憶を失いハッ! と目覚めたら自宅のベッドで0時。

 知らん、二度寝る!

アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい

 健康起床、入浴。荷物の学校配送手続きを済ませてチェックアウト。肩掛けのバッグ1つの軽装で、8時にホテルを出発したら渋谷着は8時25分。山手線は発車の感覚が短い(今発車した電車の最後尾が駅のホームから出て行く前に、次の電車の「間もなく電車が参ります」アナウンスが入るレベルな)ので、待ち時間を全く考慮せずに純粋に徒歩・電車の時間を足し算すればそれが移動時間なのです。徒歩10分、電車15分。

 朝の8時半に37歳(47回生)の私と、その教え子28歳(56回生)3人とがハチ公前で待ち合わせる。37歳私はど泥酔旅行の数日間で既に3㎏程度太ってる、28歳ライターOくんは「こんなに早く起きたの初めてだよ~」とか言いながら一番乗りでゲームしながら時間つぶし、28歳塾講師Yくんは昨日の飲み会でやらかして家に帰れずネカフェ宿泊の挙げ句「エクセルシオールに居るから迎えに来て~」、28歳エンジニアNくんだけが朝会っても昼会っても夜会っても変わらず飄々としたもんですが飲み始めたら最初に潰れるのはこいつと相場が決まってます。
 8時半なんて健康的な時間に集合した4人、塾講Yくんに言わせりゃ「朝活」なる時間帯に揃ったメンツで何をするのかと言えば……私「日曜の朝なら、大学生がまだ居たりするんじゃない?」 N「いやいやいやいや、大学生が本格的に動き出すのは来週末からでしょう」 O「ほとんど客は居ないと思う」 私「そっか。じゃあ、F校卒業生に会う確率はゼロだな。じゃ、気兼ねなく飲めるじゃん」 N「先生、朝からビール飲むの?」 私「どうせ昼に飲むんだし同じだよ。凄いクズっぽく見えるかも知れないけど、卓を囲んだら同罪だからね」

 はい、朝の9時から「いつメン」で麻雀です。徹マンよりは100倍健康的。吸わない、賭けない、残念ながら私のせいで「飲まない」ではないですけれども、11時30分のランチまでジャラジャラと4半荘のお遊び。各自持ち込み(「ZOO」は持ち込み可)の飲み物とおつまみ(重ねて言いますが飲んでるのは私だけです)とを食しつつ。あ、こないだ63回生Oくんからもらったおかきを開けたらとても評判が良かったです。

 いつものようにOくんが沈んでお開きとなり、渋谷「ZOO」から徒歩5分のお店(予約済み)までとぼとぼと移動します。
 N「流石に雀荘で卒業生にバッタリとかはないんでしょ?」
 私「でも、上京数泊の間に、お互いが気付くかは別にしても、必ず知ってるF校卒業生とは偶然のすれ違いがあるよ」
 N「必ず?」
 私「(理系、拘るね)まぁ、大体必ず……ほら(会釈)」
 Bunkamura近くのポルトガル料理「マヌエル」へと向かう途中で、向こう側からやって来たのは63回生理系Hくん。野球部の監督を務める人格者です。東大から渋谷へ徒歩ならBunkamura経由になりますので偶然の邂逅もありますね。

 と、オープン11時30分の店に4人で入り、ランチから合流の56回生Sくん(商社マン)を加えた5人で先ずは乾杯ビール(私以外の4人はワインを選択)。メインを選べるランチコースに飲み放題を付けて1人3500円。前菜4種、サラダ、メイン(鱈鍋)、デザート……を、絵恋チャンのアクキーと一緒に写メってオツカル様に送る、田舎教師の「えったんこ飯」デビューです。S「先生、何それ」 私「えっと、アクキー。話すと長いんだけど……」 地下アイドルの話は場が持ちます。
 さて、宴も闌の13時に、しかし私は万札1枚を置いて先に店を出ることになります。羽田発の飛行機の時刻が14時15分だから。75分で機上の人になれるのか私、小瓶ビール4本とワイン5杯で結構酔っ払ってるぞ!

 ……結論としては間に合ったんで流石俺って思ったんですよ。飛行機に乗るまでは。でもさぁ、朝からビール飲みながら麻雀やって昼も宴会コースとかいう巫山戯たことをやってたら、神様からのバチが当たるみたいでねぇ。
 上京中に必ずF校卒業生と偶然の邂逅があるってのを、実際にHくんとすれ違って証明したその3時間後にさぁ、飛行機の座席が在校生と隣同士になるという偶然の邂逅があるとかさぁ。多分、高校生だと思うんですよ。学校でお見かけしたことが何度かあるお顔だったんですよ。新高2とかかなぁ。
 その在校生の隣に乗り込んできた教員がさぁ、選りに選ってかなり酔っ払ってて絶対無敵に酒臭ぇ! という状況なわけですよ。何を間に合ってんだ乗り遅れろよ俺、という後悔も虚しく飛行機は離陸をし、大概飲んでるもんだから早々に寝落ちて目覚めたら福岡空港だったんで、珍しいことに飛行機は全く怖くなかったんですけれども……
 ……恥ずかしさで消えてしまいたいと思いました。名も知らぬF高のあなた、本当にゴメンなさい!

 福岡空港西鉄K駅→タクシーで「もりき」へ。ここでお土産を渡すところまでが上京旅行です。

 最後に、旅行中の読了本。今回は少ないですね。山口瞳を皆勤して、事前の直観通りの上質な(且つ好きなタイプの)文章だったことがとても嬉しいです。
 山口瞳山口瞳ベスト・エッセイ』読了、★★★★★。
 富澤一誠『あの頃、この歌、蘇る最強伝説』読了、★★★。
 佐藤さつき妖怪ギガ(2)』読了、★★★★。
 江口夏実鬼灯の冷徹(26)』読了、★★★★。
 たら子『天地創造デザイン部(1)』読了、★★★★。
 シタラマサコ『おそ松さん(6)』読了、★★★。

不恰好な雑草が爆音でタクトをとって

 健康起床、入浴、ネカフェで書き物。

 オツカル様との終日デートは渋谷ランチがスタートなので、先ずは山手線で池袋→品川と半周。駅構内の土産物売り場で、Hさんに「品川珈琲」、B組41人にはリンゴのパイを購入しました(どちらも配送手続き)。大体、1箱14個入りのがあったらそれで即決です(B組は41人学級なので。20個入りの箱を見ると「惜しい!」となります)。
 品川→渋谷。初訪問の「ラチュレ」のある青山までの徒歩移動中にオツカル様に追いつきました。

 さて、青山「ラチュレ」は渋谷地区の超人気店。先日の恵比寿「マノワ」(withでっくん)に続くジビエフレンチですね(ハンターでもあるシェフ氏は我々よりも年下だそうです)。平日は2200円のランチがあるそうなのですが、今日は土日ということで4800円のランチコースです。開店11時半と同時に入店しましたが、「あの……2人で予約を、イケモトの名前で……入っておりますでしょうか?」と敬語どもりが完全に不審者アウェイ感。入店前に「そこって、ドレスコードとかないよね?」と心配顔だったオツカル様ともども、背伸び失敗感が半端ではありません。その上、オツカル様はアイドルTシャツ、私は鬼太郎Tシャツと来てるんですから舐め腐ってるにも程があります。
 店の最奥、ベランダ側の明るい2人掛けテーブルに促されて着席、したらオツカル様「ベランダに鹿の角のオブジェがある」 私「僕の側からは室外機しか見えないから、多分2人の間でも既に格付けがされてるんだろうね」 オ「僕らが何か粗相をする度にチェックされて」 私「フィンガーボールの水を飲んで退場とか」 オ「会計の時に『今日は5つの失敗がありました』とか言われるから」
 アホな話をしている所へウェイター(ギャルソン?)氏がドリンクのメニューを。夜の絵恋ちゃんイベントを控えてお酒は飲まないと決めていたのですが、勿論高級店ですから水だって有料の覚悟。というわけで、750mlの炭酸水(またこれが色々種類があるんだわ)の中の、比較的酸の弱い物をチョイスしてもらいました。850円。ボトルで購入したら、ウェイター氏が適宜注ぎに来て下さいます。注文時に「(アルコールを)お飲みにはならないんですね」と言われて「この後仕事が」と返したのですが、鬼太郎Tシャツでどの口がってなもんです。
 因みに、炭酸水850円は、私「安いよね?」 オ「そう?」 私「だって、アイドルイベントには500円ツードリンクが義務みたいな暴利もあるって昨日言ってたじゃん」 オ「あ、ほんとだ。こっちの方が良心的だ」 850円を飲みきった後は、無料で水を注いでもらえました。

 ランチコース、結論から言えば食べたら無くなること以外に欠点が全くない感動物でして。
 前菜1品目の鹿の血のマカロンから度肝です。何しろ、本物の鹿の毛皮が皿の代わりになってますから見た目から、触り心地からして。マカロンは、卵白の代わりに鹿の血で泡立てているそうで。
 エンドウ豆のエスプレッソスープは、中にホタテが沈んでおり、表面には豆苗とシソの花が散らされています。
 サーモンのコンフィは、シェフ氏の師匠譲りだそうで、38℃の低温でしっとり。レモンソースと香草のオイル、サーモンはエディブルフラワーで覆われています。私「野菜嫌いからしたらさ、このエディブルフラワーってのもNGなの?」 オ「基本、ノイズ」 清々しいくらいに無礼です。
 蝦夷鹿・羆・猪・フォアグラ等で作られたパテと鹿のコンソメジュレとをタルトに。先日の「マノワ」では羆のコンソメジュレというのを食べましたけれども、獣とコンソメというものの繋がりが全く解らない2人です。
 そして、メインディッシュが一口食べて悶絶、あらゆる語彙力を取っ払われてしまった蝦夷鹿のローストだったんですけれども……ナイフを入れる前に時間を巻き戻し。私「そいやさ、今日は『えったんこ飯』しないの?」 オ「は?」 私「だから、『えったんこ飯』。アクキー持ってるんでしょ?」 オ「あ、そういう発想、全く浮かばなかった」 絵恋ちゃんのアクキーと食べている料理とを一緒に写してTwitterでアップするファン同士の交流を「えったんこ飯」というのですが、毎食必ずそれをやっているオツカル様をして「そういう発想、全く浮かばなかった」と言わしめるのですから「ラチュレ」恐るべしです。でもって、「蝦夷鹿モモ肉のロースト、スグリのソース」と絵恋ちゃんとの「えったんこ飯」、オツカル様史上最高額の「えったんこ飯」には即座にお仲間の「いいね!」がついていきますが、写メってる我々がお店の人たちからどのように見えていたのかなどは考えたくもありません。
 最後のデザートは苺パフェ、てっぺんに乗せられたジャスミンアイスが爽やかで心が洗われるようでした。

 このお店が面白かったのは、ウェイター氏による料理の説明が一々コミカルな(ネタ仕込んでます、という)ものだったところ。話芸もサービスなのかな。オツカル様も私もそういうのは大好きなのですが、緊張の余り上手に反応できなかったのが心残りでした。
 最後はシェフ氏とウェイター氏がお店の外にお見送りに来て下さったのですが、最後の最後でウェイター氏に「ずっと言いたかったのですが……Tシャツ、鬼太郎ですよね」 シェフ氏「あ、本当だ。明日からアニメですよね。息子が楽しみにして」 と弄られて、あれはオツカル様曰く「ドレスコードに引っかかったということなんじゃない?」 私「出禁かぁ! だってさ、最後にウェイターさん、『お客様方は、色々と行かれているのですか?』って言ってたじゃん。『色々なお店の経験がおありですか』じゃなくて、『色々と行かれて』だって。もうはっきりと言ってもらった方が良かったと思わん?」 オ「Crazy!」 イカレた二人、もう笑うしかありません。

 イカレた二人の本日2つめのメインイベントは、場所を新大久保に移して絵恋ちゃんのイベント「えれ会」です。「えれ会」とは、絵恋ちゃんとえれにすと(絵恋ちゃんファン)さんたちとの定期的な交流会。前半が絵恋ちゃんと相棒・Tさんとのトーク。後半が新曲のヲタ芸振り付け決定会議(アイドル自身とえれにすとさんたちが一つ一つ話し合いながら決めていくのです)とミニライブ。最後に物販があります

 お昼の「ラチュレ」と並べるとシュールさが際立ちますが、「えれ会」では毎回絵恋ちゃんが考えたスペシャルメニューが販売されます(1品買うごとに抽選券が1枚もらえて、物販後の抽選会に参加出来ます)。そのメニューが以下。
 ・春いものには巻かれろ(500円)
 ・ねばってあえて無視(500円)
 ・絵恋ちゃんのかけ布団(450円)
 ・推し変の春(600円)
 ・けっ酸こ(500円)
 いちばん上が春巻だということ以外何も解らないですけれども、ファンは取りあえず全部買って抽選券を5枚(2人で10枚)手に入れるのが義務なんだとか。「ねばって~」はオクラと鶏の和え物、「かけ布団」は桜ロールケーキでした(残り2品は甘めのドリンクです)。普通に美味しかったのに驚きです。ビールも進むし(飲みながら参加してます)。

 アイドルやお笑い芸人のトークイベントに特化した会場は、70人程度の観客で満席状態。何となくグダグダなトーク、アイドルとファンとのタメ口毒舌交流で決まっていく振り付けと練習時の一体感、ミニライブでのヲタ芸の盛り上がり……に若干引き気味ながら何せ曲が良い(好きだ)からどうしても惹かれてしまう私。
 先日購入したTシャツには、絵恋ちゃんさんが直接サイン(というか、持ち主の名前・あだ名を名前欄に大書)をして下さるということで、物販の時に書いてもらいました。ハンドルネームっぽくした方が郷に(業に)従ってるのかなぁと思ったので、一部F校関係者からの呼び名「いけのってぃ」というのを。因みに、物販ではずっと欲しくて手に入らなかったアクキーを遂に購入できたので、これから私は「えったんこ飯」をすることが出来るのです(っつっても、鍵アカなのでオツカル様に見せるだけですけど)。

 会場が最高潮に盛り上がったのは、新宿御苑をテーマにした『アド街』の放送を(物販の後ろで)流していたのに絵恋ちゃんさんが映った時。御苑には絵恋ちゃんが時々一日店長イベントを行うスナックがあり、そこで先日取材を受けたということで、どれだけ流されるか解らないまま放送を流していたんですね。したら、割とがっつり映っててえれにすとさんたち歓喜。「身長:毒リンゴ5個分。体重:毒リンゴ3個分」という情報(設定?)もきちんとテロップで示されていたのが好印象でした(お前は何を書いているんだと理性が囁いてます)。

 終了まではノーツイートだという条件で、終演後にファン一堂と絵恋ちゃんとで某所でお花見(夜桜見物)をすることになりました。先述した抽選会の商品の中には、夜桜と絵恋ちゃんとの写真もあったり。
 「えれ会」会場からコンビニ(500mlのビールを6缶購入、誰か飲むでしょ)を経てお花見会場へ。オツカル様の金魚の糞状態ですが、昨年の生誕祭打ち上げで良くして下さったとりっぴぃさんが私のことを覚えていて下さるなど、やはりアイドルのファンの方々は基本的に気遣いさんが多いんだなぁ、という感想。
 お花見の白眉は、アイドルファン(男性率高め)がワイガヤの集まりを一体何なんだと近づいてきた(ちょっと面倒そうな)酔客をオツカル様が一言であしらったシーン。酔「あ~、これ、みんな何やってるんすか~?」 オ「『ポケGO』で~す!」 酔「あ~、ポケモンね(興味喪失)。じゃ~」 私を始め周りのえれにすとさんたちは感心するやら笑うやら。

 あ、後、夜桜チェキを取るときの小道具として絵恋ちゃんが私の買った缶ビールを使ってくれてたから今日のノルマは果たせたと思いました。終電前に単独離脱して、新宿三丁目~池袋、ホテルで健康睡眠。

苦渋を砂のように噛んで 最後に振り返るとそこに

 健康起床、入浴、お気にのネカフェ。

 本日最初に向かったのは(ホテル→ネカフェの流れまでは「出発前」扱い)神保町で、10時半着。丁度春の本祭りが開催されていて、古書街の通りには多くの出店(ワゴン)が並んでいます(何冊かは拾い物がありましたが、掘り出し物というほどのものはなく)。昼に66回生(春から東大生)のIくんとお会いする約束になっているので、彼に送る本をここで買おうという算段でしたが、狙っていた霜山徳爾『人間の限界』は「春陽堂」に1冊1620円で置いてました。Iくんは理系ですが心理に興味があるという話でしたから、難解且つ詩的な随想でも楽しんで下さるのではないかなぁ、と。

 そのIくんは午前中に駒場キャンパスで健康診断だそうで、約束の時間に正門前に到着したら、予想通り構内にはテント列が並んでいます。理系が健康診断なら文系が諸手続からのテント列という流れなのかな。昼食は渋谷の予定ですが待ち合わせを駒場にしたのは、駒場から渋谷まで歩いて行く道を体験して貰おうと思ったから。駒場の裏門から松濤を通ってBunkamuraの方面までは歩いて10分強というところですね。正門から裏門へ向かうキャンパス内で、時代錯誤社がアジ芸を披露しながら「逆評定」を売っていたので、Iくんに買ってきて貰いました(自分で行くのは恥ずかしかったので)。既に「逆評定」を買われたというIくんが野矢茂樹先生の名前を知らなかったのですが、66回生はセンターの過去問で野矢さんの問題をやらなかったのかな。
 駒場裏門~松濤(今回の上京では3度目)~渋谷駅。「和洋中」で「和」を選んだIくんに、「肉(かつ吉)」か「魚(漁十八番)」かを選んでもらったら「肉」との答えだったので、迷路のような渋谷駅(ただでさえ広くて入り組んでいるのに工事中ときた)を潜って渋谷警察署方面へ(こちらの出口は、明日のオツカル様とのランチデートの方面ですね)。
 殆ど外食をしない(ご家庭できちんとした食事をする)というIくんは注文から戸惑ってお出ででしたが、そういうのもこれからの独居で慣れていくようになるんでしょうね。新しい部屋に住み、諸手続を終えて、サークルも決め、今は時間割の組み立てを熟考中。A~Fのどれを選択しよう、なんてワクワクは20年前の私の頃から全然変わってないんでしょうね。Iくんとは漢文(週1回の東大特講)だけの付き合いだったので、昔のF校の話だったり現代文の授業だったら紹介したような色んな雑談だったりを披露しながら、気づけばあっと言う間に2時間近くが過ぎてしまってました。これは飲み屋の時間の使い方……って、Iくん(定食注文)と違って私は昼に米は避けたかったので、結局単品のヒレカツにビールを注文してるんですね。未成年相手に昼から居酒屋気分ってのも、まぁ旅の恥ということで一つ。

 Iくんから「理想の教員は」と単刀直入に訊かれて絶句してしまいました。私の場合、教員とは「F校教師」のことですので、「理想のF校教師は」という質問に対して答えるという前提で、国語科恩師先生のことをご紹介しました。IくんがF中に入学なさった時には既に恩師先生はご退職なさっていたのでIくんは先生のことを全く知りません。さて、これは困った。私の答えは具体的な一人の人物なのに、その人物を知らない人の為に特徴を分析断片化しないといけない、語れば語るほど本質(というか全体像)からズレていくことになります。
 私「何でも知ってて話が面白くて板書が美しい」 I「僕には先生(私のこと)がそう見えます」 私「縮小再生産、劣化コピー、モノマネ芸人です」
 ん~、時は流れるとかいう感慨程度で済ませては駄目ですね。西原理恵子倉田真由美に「あんたの進んでる先に私はいないよ」と言ったアレです、っつっても解ってくれる人は少なそう。どうも、恩師先生が関わるとテンパってしまいます。先生を知る人から「似ている」とか「真似している」と言われたら、嬉しいと思う気持ちは確かにあるものの、人にそう言わせること自体が先生を貶めている申し訳なさがそれを諫めるんですね。

 渋谷→池袋の山手線もIくんと同行で、軽く誘ってみたら快くついてきて下さったIくん、ジュンク堂本店の広さ品揃えにびっくりなさっていました。ジュンク堂と神保町古書街とは、本が好きなら大学時代に何度も訪れることになるでしょう……あ、あと大学図書館も。

 結局、Iくんと別れたのは16時を大きく過ぎていたので、ホテルに戻って本日二度目の湯浴みをして着替えたら、直ぐに出発しないと間に合わない時間になっていました。新宿東口アルタ前でオツカル様と待ち合わせて、今日は夜デート、戸川純ライブ~カラオケの流れです。
 私「駅の中をどう動いたらいいか解んなかったからさ、『歌舞伎町 出口』で検索しちゃった」
 オ「それ、『歌舞伎町への出口』(順路)と『歌舞伎町からの出口』(人生)と、2種類の意味があるからね」
 ほんとに、なんでこんなに頭良いんだろうね。

 地下アイドル界隈のヲタ活で歌舞伎町~新大久保あたりの地図が完全にインプットされているオツカル様の先導で、先ずは軽い腹ごなしのラーメン……じゃなくて油そばだ。人生で初めて食べた油そばは、ローストビーフが大量に乗った珍し系。勿論、瓶ビールを1本ずつ飲みながら。ライブへ向けて軽めのガソリンです。

 戸川純(1日早い)バースデーライブ@新宿LOFT
 ①コレクター ②NOT DEAD LUNA ③リズム運動 ④lilac ⑤憤怒の河 ⑥諦念プシガンガ ⑦玉姫様 ⑧ロリータ108号 ⑨極東慰安唱歌~フリートーキング ⑪ヒステリヤ ⑫大天使のように ⑬赤い戦車 ⑭蛹化の女 ⑮あなたがパラダイス ⑯肉屋のように ⑰バーバラ・セクサロイド ⑱バージンブルース ⑲電車でGO ⑳レーダーマン

 先ず、入場時に観客全員にホイッスルが配られたのにびっくり。確かに「電車でGO」の時に客席数人が曲に合わせてホイッスルを吹くという「芸」はありましたが、あくまで少数有志のゲリラ活動だったはず。どうやら善意のファンの準備らしいのですが、絵恋ちゃんという地下アイドルとの対バン交流がファンに与えた影響なのでしょうか。今日は「好き好き大好き」は披露されませんでしたが、今では「好き好き大好き」の歌詞に続けて観客が「オレモー!」と返すやり取りが定着してきたとはオツカル様の談(これもアイドル界隈から流入した現象ですね)。私は吹きませんでしたが、オツカル様は曲中ベストなタイミングでホイッスルを鳴らしてました(結構うるさい)。
 次にびっくりしたのは1曲目が「コレクター」だったこと。ここ10年ほどご病気で喉の調子がお悪かった戸川さん、一昨年ほどから回復しつつあるように聞こえていたんですけれども、いきなりファルセット全開の曲を持ってくるというのはご本人にもその自覚(自信)が出てきたのかなぁ、など。
 そして今日最もびっくりしたのは⑫です。戸川さんが完全黒歴史扱いにしてベスト盤への曲収録を頑なに認めない『大天使のように』から、ちょっと前に⑤が解禁された時にも驚きましたが、まさかタイトルチューンまで披露されるとは。私がファンになったのは1998年なので今年が20年目なのですが、少なくとも何十回と観たライブでこの曲が披露された記憶は全くありません。
 デビュー曲⑦を当時の秘話と共に披露したり、沢田研二のカバー⑮(歌詞アレンジあり)等々、ファンサービスに徹したライブは⑲で終了の予定に急遽⑳を差し込むサプライズまで。⑳絶唱で完全に喉を潰したのを聞き届けたので、オツカル様を促してアンコールを待たずに会場を出ました(アンコールは予想通り「パンク蛹化の女」だった模様)。

 会場を出た後は、「カラ鉄」歌舞伎町店にてオツカル様とのカラオケ。終電まで2時間の曲目リストを更新するのがこの日記の私的楽しみ……なのに、痛恨、会計時に曲目一覧を受け取るのを忘れてしまいました。ですので、私が歌った歌は記憶にあってもオツカル様の曲目が分からない。このようなへまは二度としないと心に誓いつつ、仕方なく私の歌った14曲だけ、以下。

 ①フレデリック「KITAKU BEATS」(2016年)
 我らB組某女から教わったバンドのアルバム曲が、あまりにもフジファブリックで「銀河」でKANA-BOONだったので速攻覚えて歌ってみました。キーが高い!
 ②フランス・ギャル「夢みるシャンソン人形」(1965年)
 中学生の頃から大好きな曲だったのですが、追悼の意で初めての選曲。フランス語は分からないので、テロップは無視して日本語(岩谷時子訳詞)で歌います。スマホって本当に便利。
 ③中島みゆき「希い」(2017年)
 中島みゆきっぽい曲(「陽はまた昇る」)を歌う高橋優っぽい曲を敢えて中島みゆき本人が作ったらこんな感じになった、という感じ、と前置いて歌ったらオツカル様に「実に」と言われました。
 ④サカナクション新宝島」(2015年)
 縛りを無視して(2015年の10月以来)2回目に歌ったのはベスト盤発売記念なんですけれども、ちゃんと別の曲を練習してくれば良かったと後悔。ドリフターズ風のPVを初めて観ることが出来たのは儲けものでした。メンバーの中に、ビジーフォースペシャルの紅一点みたいな女性が居るんですね。似て蝶
 ⑤井上陽水ウナ・セラ・ディ東京」(2001年)
 懐メロは、店舗によっては演奏のボリュームが極端に小さくなったり音質が悪くなったりすることがあります。が、21世紀のカバーを選んだならば良音かつ今風のアレンジで歌うことが出来るのでベテラン世代にはオススメ。取りあえず、全然好きではないですが徳永英明の偉大は認めざるを得ません。
 ⑥由紀さおり「恋文」(1973年)
 歌い出しの前に「純和風の歌だけど、歌詞は『アズナブール』から始まる」と紹介したらオツカル様に受けました。イントロで笑ってもらったらもう歌わなくても良いみたいな気持ちになります。
 ⑦ハルメンズ「フリートーキング」(1980年)
 この歌も縛りを無視してもう3、4回目。勿論、戸川純ちゃんが今日のライブで歌ったからですが、滅茶滅茶にがなり上げて歌ったら声が枯れてこれ以降低音が出なくなってしまいました。
 ⑧YAPOOS「あたしもうぢき駄目になる」(1995年)
 連続で純ちゃんボーカル。今日の戸川純ちゃんのバースデーライブでは、ファンになって以降の私が少なくとも20年間一度もライブで聴いたことがなかった「大天使のように」が披露されました(『大天使~』はベストアルバムに絶対曲を入れない「黒歴史」アルバムなのですね)。信じられないことがしかし現実に起こったんです。が、「皆憎」のきっかけになった『HYS』の、しかもこの曲がライブで披露されることはこの先無いのではないかと思っています。
 ⑨チェッカーズギザギザハートの子守唄」(1983年)
 K市ではチェッカーズは「寄せて」歌わないといけないみたいな不文律がある(少なくともライブバー「A」では)ので、それが出来ない人間は遠く遠く離れた土地に来て初めて選曲が可能というね。
 ⑩松任谷由実「遠い旅路」(1977年)
 ユーミンならどの曲でもいけるし好きな曲は続々とあるので、オツカル様とのカラオケがあと100回200回と続いても、ユーミンだけはストックが絶対に切れません。
 ⑪エレファントカシマシ「good bye mama」(1998年)
 エレカシはアルバム『愛と夢』しか知らない(「今宵の~」も歌い出しから分かりません)ので、その1曲目を。キーが高い!
 ⑫敏いとうとハッピー&ブルー「よせばいいのに」(1979年)
 低音が出なくなっているので、この歌でもキーを原曲より2つ上げないといけませんでした。喉が痛い。
 ⑬はやぶさ「りふじんじん」(2016年)
 メンバーが一人活動休止になったというニュースをこないだ見たので、「頑張って」のエールのつもりで、縛りを無視して2度目の歌唱。
 ⑭玉置浩二「無言坂」(2012年)
 絶対やってるセルフカバーと当て込んで検索したら果たしてヒットしたのですが、演奏が原曲と違って滅茶苦茶ジャジーになってて歌い難いことこの上なし。今度リベンジしよう。

 オツカル様とは明日も一日デートです。
 終電山手線で池袋へ。健康睡眠。

だれがよぶんだろう 夕陽のむこうで

 健康起床、大浴場で湯浴みの後、お気に入りのネカフェで時間潰し(珈琲とお茶とを1杯ずつ)。9時半にネカフェを出て山手線ぐるり、池袋→渋谷は15分で着くので、そこからのんびりと歩いたら「タワレコ」にはほぼ開店と同時に到着します。
 タワレコでは、日本のアーティストを「あ~わ行、オムニバス」と一通り全て眺めながら欲しいCDを抜いていきます。今日は、NOKKOの新作、サカナクションのベスト盤、そしてB組某さんに紹介されたまま(K市に売ってなくて)手に入れていなかったフレデリックのアルバムを購入。別フロアのヒップホップの棚も覗いて、RHYMESTERの最新ツアー(福岡に観に行った『ダンサブル』レコ発)のBlu-rayを購入するかどうか迷ったのですが今回は見送り(いずれ買うでしょう)。レジで代金を払ったら、時間は10時40分になっていました。

 「タワレコ」から松濤(Bunkamura近辺)までは早足で5分。嘗て一度行こうと思ってフラれたカレー屋「リトルショップ」は行列必至の人気店なので、開店15分前に店に到着したところ一番乗りでした。が、5分後には4組7人が後ろに並んでおり、私たち(後でオツカル様が合流)を含めた5組で狭い店内はいっぱいになります。
 オツカル様の情報によればこのお店は兎に角デカ盛りで有名だそう。ライス・ルーは普通の店の大盛り以上、上に乗る具も肉野菜玉子が盛りだくさんなのだとか。ヲタ飲み三昧で体重が気になるオツカル様はジムに通い中、今日のカレーもライス少なめにして貰うなど気を遣ってお出でですが、具材は「全部乗せ」(←気が狂れてんのか、という種類分量)を選ぶらしくて完全なるマッチポンプ。そして、野菜嫌いのオツカル様は「全部乗せ」に乗ってくる野菜(茄子・トマト・キャベツ・ピーマン・菠薐草)を全てこちらに回してくれるというので、私は唐揚・玉子・キャベツのトッピングカレーを注文。
 少し経って出てきた皿を見て思わず笑ってしまう。これ、洗面器じゃん。私もオツカル様と同じようにライス少なめにして貰えば良かったと初手から後悔です。ただ、和出汁ベースの甘口カレールーは優しい味で、きちんと味付けされた具材とも合う。気づけば黙々とスプーンを動かし、具材とルーとは全て、ライスも殆ど全て食べきってしまっていました。ライスは「そんな量をわざわざ残すの? 一口二口なんだから食べればいいじゃん」という残り方だったのですが、逆にそれが入らない程にお腹いっぱいになっていたと言えば分かって貰えるでしょうか。我々の隣の人(体重三桁キロマン)はライス大盛りの全部乗せを注文していましたが、出てきたのは洗面器ですらなく最早鍋でした。

 午後から仕事のオツカル様と別れたら松濤で一人です。今日は夜の約束(20時前)も松濤のお店(55回生Tくんと「産直や たか」)なので、渋谷で時間を潰すか移動をするかを迷いましたが、Bunkamuraの美術展は「猫」がテーマで全く興味が無く、松濤美術館も特別展が準備中と、全体的に渋谷には縁が無い臭がしたのでさっさと池袋に戻ることにします。
 12時30分に聖地「ジュンク堂」池袋本店に入店。巡礼ですね。背表紙読書・シャワー効果の90分逍遙で万札を2枚吐き出し、荷物が重いので一旦ホテルに本を置きに行くといういつもと同じ動き方。

 山手線で上野に移動して、科博の特別展「人体」を観ました。科博の特別展は毎回ほぼ全てが撮影OKなのですが、今回は内容が内容だけに殆どのエリアが撮影禁止。実物の臓器展示は覆いが施されて、見たくない人は見ずに通り過ぎることが出来るようになっていました。実際、親子連れのお父さんお母さんが臓器に魅入ってしまい、連れてこられた小さい子どもが半泣きで「もう行こうよ~」とせがんでいるというシーンを3回は見ました。臓器の実物展示は倫理的に問題になるところで、入場口から至るところに学術的意義の必要性が掲示されていました。
 時代が変わったということですね。嘗ての「人体の不思議展」のような催しは、少なくとも日本では開催不可能になりました。私が学生時代、「男く祭」の公演に来た養老孟司は当時開催準備中だった「不思議展」の紹介代わりに人体のスライスを舞台に持ち込んできて観客の度肝を抜いたものでした。
 というわけで、「不思議展」と比べるならインパクトという点で劣る(悪いことではありません)訳で、NHKスペシャル「人体」と組んだネットワークシンフォニーなど新しい研究成果の紹介など見所はありましたが、一時間で全てを見終わってしまいました。

 西洋美術館(特別展は「ベラスケス」)は余りにも人が多かったので断念、売店で図録のみ購入しました(学級文庫に入れます)。

 上野から山手線で巣鴨。一度行ってみたかったかき氷専門店「雪華」に、閉店20分前に飛び込みました。とげ抜き地蔵の横、カレーうどん古奈屋」の隣にある人気店です。
 先ず、店内が暖房で南国の暑さになっているのに圧倒されました。入店直後から汗が噴き出します。ご丁寧なことにお茶も温かいものしかなく、暴力的にかき氷への渇望が誘発される仕組みになっているのです。私が頼んだのは「いちごまみれ」1050円(!)。皿に山と盛られた氷は真っ赤、皿の縁を半切りの苺がびっしりと取り囲んでいます。氷の中にも丸のままの苺がふんだんで、これ、全部で1パック分くらいあるんじゃないかという勢い。手作りのシロップを上から重ねがけしながら、しゃくしゃくと掬っていきます。二口三口であっという間に汗が引いていく極楽。これは、再訪必至で他の味も食べてみたい。
 店を出てとげ抜き地蔵で休んでいたら、目の前を番組収録中の久本雅美さんご一行が通り過ぎて行きました(写メはNGの様子)。道行く人に声をかけられて愛想良く返事をするマチャミ氏は、TVのイメージよりだいぶお美しい方でした(私のTVのイメージは10年ほど前のものですが)。大体、本物を前にすると「感動補正」がかかるのか、皆「TVより~」になってしまいますね。ピース綾部さんはTVのイメージよりもずっと真摯で誠実な社会人でいらっしゃったし、橋本環奈さんはTVより白かったです。

 池袋のホテルに戻って読書、入浴。19時にホテルを出発して再び渋谷、松濤へ。今日は、ほぼ7年ぶりに訪れる超人気店「産直や たか」。前回同様、55回生Tくんと二人で訪問です(前回はTくんが学生だったので私が払いましたが、今日は社会人のTくんと割り勘です)。
 飲み物込みで払う金額は一人10800円。おつまみはお任せのみ、飲み物は乾杯ビールの後は日本酒のみで種類はお任せです。日本酒は、料理に合わせて女将さんが持ってくる一升瓶からマイグラス(交換無し)に注ぐ方式。椀子蕎麦方式で次々に出てくる日本酒は、好きなだけ飲んで構いません。一種類飲み終わる毎に和らぎ水でグラスを洗う(その水を飲む)ので、必ず日本酒と水とを同じ量飲めるという仕組み。和らぎ水は、目の前に一升瓶で置かれた山口「貴」の仕込み水を2人で半分ずつです(要は、5合までなら飲んで良いという話……違うか)。
 料理は、魚介出汁で煮込んだ大根・アサリとハマグリの殻焼き・秋田八森の鮑・鳥取境港のズワイガニ・ホッケ一夜干し・宮城松島の牡蠣・白魚の生姜和え・豊後水道のサワラ・北海道バフンウニ・河豚の白子、で全10種。これで2時間は余裕で保ちます。私は白子だけは嫌いなのでTくんに回して、酔いに任せて白子の悪口を言ってたら新婚のTくんから「下ネタ禁止!」と叱られてしまいました。
 酔いに任せて……の日本酒椀子蕎麦は、以下。山形「十四代」、茨城「水府自慢」、栃木「鳳凰美田」、長崎「福田」、広島「宝剣」、新潟「麒麟山」、和歌山「紀土」、福島「飛露喜」、栃木「仙禽」、三重「而今」、山口「貴」。「貴」だけは(お店の名前になっているだけあって)山廃と純米との2種類が供されたので日本酒は全12種類。この後、私は「鳳凰美田」(今日は碧判が置いてありました)、Tくんは「仙禽」をお代わり。

 絶品漁師飯で日本酒椀子蕎麦の極楽、三昧境の2人は4勺を13杯ずつ飲んだわけだからほぼ5合です(和らぎ水、二人できちんと飲みきりました)。二人とも飲み過ぎ。店を出た後、沈着なTくんが珍しくちょっと陽気だったのはそれだけ満足している証拠です。
 ……で、店に入る前に前回(7年前)の反省をしていたんですよ、二人で。前回は折角の繊細な和食・日本酒の後で「HUB」経由の「光麺」とかいうルートで舌の全記憶を油で上書きするとかいう愚行をかましています。あの時は二人とも若かった。Tくんは社会人になり、私は職場に少なからず後輩もいる身ですよ。同じ轍を踏む訳には。

 T「……踏む訳にはいかないのに、僕らはなんで今ここにいるんですかね」
 私「……若いっつーことかねぇ。っつか辛っ! もうビールの味も分からんわ。一口食べてみる?」
 T「嫌ですよ! 『北極』っていちばん辛いやつでしょ? そんなの食べたら舌が死にますって!」
 渋谷「中本」にて、舌の全記憶を唐辛子で上書きしてから帰りました。明日のトイレが怖い。

思えば遠くへ来たもんだ

 ちょっとした野暮用が生じたので、つもりはなかったのですが朝食・入浴後に学校へ。いくつかの雑務をこなして直ぐに退勤、書斎で作業をしたり、鞄に荷物を詰め込んだりと午前中を潰しました。新幹線移動なら午前中に自宅を出ますが、飛行機ならそこまで急ぐ必要はないのですね。母君に留守をお頼みしてから自宅を出ます。本日から4泊5日の上京旅行、命の洗濯じゃぶじゃぶ。

 先ずは、西鉄駅近くのラーメン屋「T」へ。K市でいちばん有名なラーメン屋の本店で、既に旅行気分の昼飲みです。半ギョーザと大ラーメンとを注文して、瓶ビールは麒麟のラガー。最近は新興勢力の「M」がF校生の魂食の座を奪う勢いで台頭していますが、老舗の「T」も負けていない……証拠に、途中で67回生の生徒2人がやって来て学生ラーメンを注文。流石に教え子(自分のクラスではないのですが)が隣に座ったら2本目の瓶を注文する気にはならず、後で考えたら酒を程々に控えて夜に備えられたので良かったのかな。旅行前で上機嫌だったので、帰りは生徒2人の伝票も無理矢理奪ってまとめて代金を払いました。
 西鉄K駅から福岡空港までは高速バスで一時間弱。車内では読書を少し、いつもと同じように読了本は旅行最終日にまとめます。

 流石に何度か飛行機に乗れば、大体どのくらいの余裕をもって空港に着けば良いのかは分かります。1時間とか2時間とか前に着くみたいな必要はなくて、荷物検査が離陸の20分前まで(搭乗口に着くのが15分前まで)で良いのだったら、空港着も大体30分前で良いんですね。離陸の30分前に高速バスが空港着、5分で発券。20分前に荷物検査のゲートを潜って、ここで少し(人が多くて)手間取ったので搭乗口に着いたのは10分前でしたがまだ優先搭乗が行われていたのでもう少し遅くても全く問題なかったのかな、なんて。
 大体、やたら時間厳守を押してくるくせに飛行機って絶対時間通りに飛ばないのが生意気ですよね。今回も、離陸が30分も遅れて到着も25分の遅れでした。これで夜の約束に間に合うか間に合わないかが怪しい感じになったので、空港に着いた後、夜の店とOくんとに連絡を回して予定を15分後ろに倒しました。

 空港→浜松町→池袋。本当は品川経由で池袋に移動して、途中でHさんへのお土産の「品川珈琲」を買おうと思っていたのですが、飛行機の遅延でその時間もなくなってしまいました。というわけで初手から少々機嫌が悪くなりかけたのですが、そこへ嬉しいニュースが飛び込んできて相殺以上になりました。

 B組の某くんが、国際言語学オリンピックの日本代表に選ばれたとのこと。7月末にプラハで行われる世界大会に、代表選手8人のうち1人として出場するそうです。凄い!
 国際科学オリンピックは、数学や情報や物理学やといった分野が有名ですが、21世紀になって新たに言語学も始まったんですね。日本の参加はここ数年で、科学オリンピックの分野としては比較的マイナーな方かも知れません。ただ、この言語学オリンピック、とにかく問題が面白いので(クイズ・パズル好きにはたまらない発想力勝負)、TQC勢を通じてTwitterのTLで過去問を見たのをきっかけに最近興味を持っていたんですね。そしたら、まさか自分のクラスから日本代表が出るなんて。
 F校生が科学オリンピックで日本代表になるのは、数学で2年連続金メダルを取った59回生のKくん以来でしょうか。久々のビッグニュースです。

 さて、池袋北口のホテルにチェックインの後は、荷物をほどくのもそこそこに直ぐに移動、大塚駅南口で63回生Oくんと待ち合わせです。
 店は大塚「みや穂」。寺沢大介のサイン色紙が飾られていてちょっと笑っちゃったんですけれども、まぁそういうお店ですね。3800円のコース料理は完全におつまみ中心で、刺し盛り・サラダ・小鉢3種・メインの構成。今日のメインは鰹のレアカツでこれが絶品。〆は追加注文で絶品のウニ飯を。飲み物はビール・焼酎1種がある意外は全て日本酒で、ここは日本酒を飲むためのお店だ! とグランドメニューが激しく主張しています。Oくんが「辛いの」とか「熱燗が合うの」とか傾向を言うと、その求めと料理との相性とを考えてマスターが日本酒をチョイスしてくれます。ここでも「もりき」セレクションに偏りがちな注文をしてしまう私でしたが、奈良「風の森」は(前回来た時にはあったのですが)メニューから消えていました。ここ、この春で一升瓶の生産をやめて全て4合瓶に切り替えたのです(炭酸が残っている商品ばかりなので、美味しいうちに飲みきれるようにしたいというのが理由だそう)。事実上の値上げですし、冷蔵庫の中は全て一升瓶にしているお店にとっては見栄えの問題もありそうですね。「もりき」マスターも今仕入れている一升瓶がなくなった後は考えどころだと言ってました。
 二次会は池袋に移動して「知音食堂」へ。Oくんにはちょっと飲ませすぎたかなぁ、と後で反省。そう言えば、Oくんはサークルの飲みで北口の「大都会」(24時間営業の安居酒屋)を使ったことがあるって言ってました。興味がありながら入ったことのない店なので、今度Oくんと言ってみたいなぁ、などと。今度って言っても何年か先になりそうですけど。

 「今度」が何年か先になる理由は、Oくんが近く大学を休学して中期の英国留学に出発するから。今回は一年半ぶりにふらっと誘ったら乗ってくれたのですが、近々に長く日本を離れるならその前にお会いできて良い機会でした。ラグビー部では「分析」(頭脳)として頼られているそうですから、彼が1年抜けるのは部としては緊急事態だということになりますね(まぁ、どの道後継は育てなくてはならないのでしょうが)。
 話は大学のことや高校での思い出など。高2のスキー旅行ではいちばん上級の組に入る経験者だったから全員の前でパフォーマンス滑降をした、なんてエピソードを持ち出したら「よくそんな細かいことを覚えてますね!」と驚かれたんですけれども、そりゃ担任ですから覚えてるに決まってます。次に(数年後に)お会いしたならばその時には就職の話題になるでしょう。その時には、未だ中学・高校時代の細やかなエピソードを語る教員を見て、「思えば遠くへ来たもんだ」と実感して頂けるのではないかと。
 細やかなエピソード……例えば、Oくんが使ってた教室ロッカーが私が学生時代に使っていた物で、Oくんの名前を書いたラベルシールの下にうっすらと私のラベルの名前が透けて見えてたこと、とか。

 健康就寝。明日の昼はフリーの予定だったのですが、午前半休を取ったというオツカル様からランチに誘って貰えたので一気にテンションが上がりました(今回、5日のうち3日もオツカル様と会うんですね)。