風に任したんよ 人がおるんヨネー

 1泊2日の旅行なので、着替えその他荷物は殆ど必要なく、職務を言い訳に暫くサボっていた読書用の本を多めに鞄に入れてから出勤。あ、あと、卒業生(浪人生)の添削答案も入れました。本日、終業後に1泊2日で広島行きは、私国語・国語科先輩、そしてリーダーのベテラン体育先生の3人。
 でもって、その「終業後」というのが、実は9時15分。朝イチの某業務を瞬殺したら、本日と明日はフリー! というスケジュールなんですね(我々3人同様に仕事が終了した先生も、まだ入試その他の業務が残っておられる先生もいます)。

 ですんで、終業直後に体育先生の車に乗っけてもらって学校を出たら、9時54分K市発の新幹線に余裕で乗車出来ます。博多乗り換えで、11時30分には広島着ですね。思ったよりも混んでいましたが、自由席で十分座る余裕はあります。車内では読書が捗りました。
 今回の入試慰安旅行は宮島・広島。正直、私はあんまり牡蠣に興味がないのですが、とれとれを現地で頬張るランチはお酒が進みそうで楽しみ。えぇ、旅行ですから昼酒だろうが朝酒だろうがばっち来いです。

 私の唯一の広島体験はもう30年近く前で子どもの旅行、体育先生もお久しぶり、ですが国語科先輩が広島大出身ということで地理にお詳しく、3人は先輩の先導で新幹線から普通列車に、宮島行きの港に着いたらフェリーに乗り換えて。おぅおぅこれは写メってTwitterにアップしないと、と現代病の私は寒い中甲板で頑張ってフェリーから鳥居をパシャリ、宮島に降り立ったら先ずは道端の鹿をパシャリ。
 12時前後のお昼時とは言え真冬の平日で、観光地お土産通りは人が多すぎず少なすぎずで良い賑わい方。割合としては、ヨーロッパ系の外国人観光客が多かった印象。

 さて、先ずはメインの牡蠣を食すべく、有名店(だそうです)「牡蠣屋」へ。屋号を覚えない私でも流石にこれは忘れようがない。店内に入口脇では、店員さんが大きな網の上にいくつもの殻付き牡蠣を豪快に並べて焼いています。2階のテーブルに上がったら窓の外のワインセラーには瓶がずらりで要するにここはオイスターバーなわけね。生牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣グラタン、牡蠣のオイル漬け……と、凡そ店に或る単品を全部食い尽くすぜハイ・ヌーン、という勢いで大男3人。ビールで乾杯の後、私はビール攻め、残るお二人は広島の日本酒に手を出されていました。でもって、牡蠣、うんまいの。10年振りくらいに食べた生牡蠣は、やっぱり慣れなくて1つでギブアップした(他のお二人はバクバク)んですが、火を通してるやつはいくらでもいけます。ビール旨し、特にオイル漬けがあったら白米何杯ってあの勢いでビールが進みますね。ただ、生のグラスを4杯くらい飲んだあたりでお酒は体育先生からストップがかかって「待て、次の穴子屋で飲むからその辺で押さえろ」
 お土産コーナーで、牡蠣のオイル漬けやら牡蠣エキス入りの醤油やらを購入。これは、K市の母・Hさんへ。その買い物途中、向かいの店でTV番組の食レポロケをやっていた人を見た体育先生が「タツカワ! タツカワ!」と仰有った人が誰なのか分からないまま写メでパシャリ。で、撮ったは良いけど、私「この人、何の人だか全然知らないんですけど」 体育「馬鹿、お前、広島でそんなこと言ったらうちくらされっぞ!」

 Twitterを通じてオツカル様に聞いたら、「今年から福岡でもうちくらされる可能性があるんだよなあ」って。野球の人だそうです。今年からホークスに関わると、これは体育先生から伺いました。それで、あぁ松村邦洋がモノマネしてたなぁ、という記憶が微かに。
 私「らしいっすね。『ホークスのお膝元の風上にも』とも叱られやした。あのね、あのね、あのねのね~、の人だよね?」
 オ「高田文夫をバウバウと言うが如し」

 厳島神社を散歩観光。廻廊から遠くに大鳥居が見えるんですけれども、潮が満ちればこの廻廊まで水が上がってくる訳ですよね。1000年前に、海の上に浮かぶ神社を潮の満ち引きを計算しつつ建てるという工程……全く全然これっぽっちも想像できませんね。酔ってるからかも知れませんけど。現代文の授業で「自然と人間との調和」ということは良く言うんですが、まさに百聞は、ってことです。

 続いては穴子! こちらのお店は「穴子屋」という名前ではなかったので屋号は失念。専門店ではない普通の観光居酒屋で、私は穴子の天麩羅、残りお二人は穴子飯を注文。3人でシェアしながら、飲み物はビール、から熱燗。飲みっぱなしですね。穴子飯は、九州筑後のせいろ蒸しよりもご飯があっさりしてて食べやすかったです。げふ。

 高速フェリーなら宮島~平和公園。行きとは違う経路で帰ろうという体育先生の提案で、40分で一気に広島入り。年末にオツカル様と鑑賞した『この世界の片隅に』、或いは「熱線の人形の影くつきりと」という歌会始入選歌を思い出す原爆ドーム。後者F中2年生(入選当時)の入選歌は、今ドームを見上げてお出での国語科先輩のご指導で生まれたんですね。

 さて、タクシーでホテルに移動したら、ちょいと仮眠を取った後で、ホテル内の大浴場でのんびり湯浴みなぞを。狭いながら露天風呂なんかもあって快適でした。で、このホテル、部屋の居心地も悪くなく、テレビもベッドも大きくアメニティも充実、幾ら素泊まりでもこれで6000円は破格だろうと満足なんですけれども……

 ……話は遡って一週間ほど前。
 体「楽天トラベルなら1泊6000円で駅近くの新しいホテルが取れるっちゃん。大浴場もあって凄くいいとこ。俺が人数分予約しとくから」
 私「あ、お手数ですいませ~ん」
 ってやり取りをしたその翌日には、もうホテルのHPにアクセスできなくなってました。大炎上待ったなし。部屋には「例の本」、ちゃんと置いてありましたよ。まぁ、知らずに予約したんだから仕方ないと思っておきましょうね。わざわざ予約し直すほどの潔癖ではありません。このチェーンは初めてで、多分今回が泊まるのは最後になるでしょう(わざわざ燃えてる場所に近づくこたないわな)。サービスは良かった。

 夜は、ホテル徒歩3分、店長の本名から店名がついた「仕事人」にて3人で乾杯……の筈だったんですが、生牡蠣を食べ過ぎたのか、体調がすぐれないという国語科先輩が早々にリタイアでホテル帰還。
 私「生牡蠣、食べ過ぎたんですかねぇ」
 体「現地で食べてあたるこたないやろ。俺もガツガツ食ったけど、元気やもん」
 私「国語先輩が特別にデリケートとか」
 体「っつか、俺らがおかしい」
 私「ですよね、生牡蠣がうんたらとか言う以前に、そもそも飲み過ぎで食い過ぎだということを忘れてはいけない」
 私、昼にグラスビール4杯、瓶ビール1本、熱燗2合飲んでますからねぇ。で、夜の「仕事人」でビールから冷酒、体育先生は余裕の芋焼酎
 「仕事人」の面白いのは、刺し盛りがボール皿にびっしり詰まった大根(ツマ)の上に敷かれていること。刺身を全部食べたら、ここにオリジナルのドレッシングをかけてサラダになるんですね。これだけで酒がどれだけでも入ります。今日の観光の話や入試業務の面白話を肴に深夜まで。

 ホテル1階のコンビニで酒・つまみを買い込んで、二次会は体育先生の部屋で深夜まで。体育先生はトマトが駄目、なんですけれどもレッドアイだけは大好物で、トマトジュースとビールとがあればどれだけでも。
 あぁ、今夜も楽しかったねぇ、と徒歩10秒の自室に辿り着いた瞬間に失神グナイ。