あの日に帰りたい

 朝、母君が自宅にお出でになり、昨日買ってきた顔彩の用具をお渡ししました。帰ってから早速始められるそう。自転車のサドルが高いと仰有ったので少し下げてさしあげて帰りをお見送り。ちょっとふらつく後ろ姿を見ながら、やはり30分を職場往復していた時代の体力ではないのでしょうねぇ、としんみり。

 母君が帰られた後はそのまま学校へ。デスクワークの合間に、バスケ部のOB戦ということで来校していた63回生Uくん・Tくんとお話。
 63回生文系(を中心に、4年で卒業して就職する人たち)は普通に進学しているならもう就活なんですよね。我らがA組Uくんも今夏インターンだそうで、第一志望はと訊けば「デベロッパー」なんて横文字で返して来ます。「不動産でいいじゃん」という私には慶応ボーイが眩しい。でも、就活は気が重いというUくんの「小学校から今までの生い立ちは? って訊かれて詳しく答えたらその直後に不採用って言われる世界よ? 怖いやん」という言は確かにそうで、大学時代に1秒も就活をしていない身には返す言葉も浮かばない重さがありますね。
 Uくんは文化委員長でもあったので、中学共学化の完成年度である現高2の文化委員が「男く祭」の名称を変えるか変えないかの責任を負わされているという「問題」(←これを「問題」だと捉えているのは私の個人的な意見です)についても話す。私「ただ偶然完成年度に文化委員だってだけで、40年も続いてる祭の名称に責任を持てとかさ、残酷すぎない?」 U「あ~、可哀想かも」 文化委員3人が自分のクラスの生徒なもんで可哀想だと思うというのは担任として当然です。でもって、毎年の文化委員が知恵を絞って考えているテーマ(副題)が共学化の歴史を反映している事実もあるんだし、もちょっと落ち着きゃいいのに、とこれは卒業生として。
 因みに、UくんもTくんも高校部活時代と全く体型が変わっていませんでした。これは大事なこと。不動産でも商社でもいいけど、体育会系の企業で不規則な仕事・食生活を続けた結果激太りみたいな人をいっぱい見てきたから、私「絶対太ったら駄目だよ?」 U「俺は太らんって」 私「その見てくれスペックで太るとか勿体ないどこじゃ済まない悲劇だからね」

 清水茜はたらく細胞(5)』読了、★★★★。擬人化マンガの良作、スプラッタとギャグのバランスの取り方が見事。がん細胞の復活はちょっと早くない? と思いましたが。
 福嶋聡『書店と民主主義 言論のアリーナのために』読了、★★★★。勉強として初めての福嶋聡。書店人としての矜恃でヘイト本等の「そこにあることさえ不快な本」も陳列するというのは成る程なぁ、なんですけれどもじゃあ自分が「ぼくたちを鍛える」という理由で「そこにあることさえ不快な本」を読めるかというとどうも「気持ち悪い」が先に立って手を出すのを躊躇ってしまうという。書店人と違って、教員は個人の好悪で触れる本を選択できちゃうから、視野狭窄は戒めなければならないと思うものの……。

 夜は、2年振りで訪れた焼き鳥「O」。かつてはK市焼き鳥3傑として週1は訪れていたんですが、市内移転・店舗拡大以来何となく足が遠のいていました(その間、K市3傑は別の店「S」に変わって)。でも、串も一品も相変わらずのクオリティだったし、何より2年振りに入ったのにマスターが開口一番「あっ、先生、こないだ相方の先生が来たばっかりですよ!」って。そうそう、マスター、こういう人だった。天才だと思う。

 書き忘れていましたが、自宅の冷蔵庫には勿論「秋味」が冷えています。季節ですね。ビールなら何を飲んでも美味しいという暑い季節が過ぎ去ったら、これじゃないと感溢れるシリーズが有難い訳で、私の場合は「秋味」~「冬物語」。行きつけ「もりき」の瓶ビールはこの季節にはクラシックラガーから秋味に変わります。毎年3~4ケースは入れるらしいんですけれど、最低でも1ケースは私が消費してるんじゃないかな。