どんなに淋しくても きみはひとりでお帰り

 早朝職員室で授業準備、本日は2・3限が高2現代文で、教材は加藤周一「日本文化の雑種性」。国語科が採用している教科書には入っていませんが、これは是非扱っておきたい文章なので教科書外から引っ張ってきました。日本が独立をかけて西洋と対峙する3度の経験といえば、則ち明治文明開化・敗戦・グローバル社会。現在進行形で危機の最中にいる我々が、過去2回の開化・敗戦の経験から得る示唆は貴重だと思いますので、漱石「現代日本の開化」と加藤周一「日本文化の雑種性」はマストだと思うのですね。63回生の時は漱石は扱って加藤周一を忘れていたのが痛恨、今回はリベンジです。

 さて、3限終了後はSHRを副担任の先生にお任せして年休。母君のご要望で昼食と買い物とにお付き合いしました。買い物は家電ですので、市内人気のうどん屋「T」の後で、隣接する「ベスト電器」に行く流れ。偏食少食の母君はうどんの「小」でも漸く半分ちょっと食べられるだけでしたが、それでも肉うどんの出汁を美味しいとお喜びだったのでまぁ良しだと。家電購入も、体調が上昇してリハビリステーションを出た暁に使いたいという電気スタンドでして、未来志向を喜ばしいと思っておきましょう。
 ステーションに母君をお送りして少しだけお話。和紙の折り鶴を折るところを実際に見せていただいたのですが、1枚の折り紙を3×3の9等分にした小ささの紙を器用に折られる手捌きに「ほう!」となりました。

 母君とお別れの後は、生まれて初めてのハローワークにてとある書類の(再発行の)申請を。母君を私の扶養に入れる手続きに関するものなのですが、書類を揃えるだけでもあっちに行ったりこっちに行ったりと忙しいんですね。

 夕方のネカフェで日記を更新したり仕事をしたりしながら、ふと思いついて事務嬢さんにメール「今夜、ちょっとだけ飲みません?」 スムージーの写メを送りつけてミキサーを買わせて、サンマと「秋味」との写メを送りつけて魚焼く網を買わせて、散財待ったなしのリアル飯テロで旦那様がお稼ぎになったおぜぜを蒸発させておきながら、その旦那様が現在短期出張中の北海道でミサイル騒ぎに巻き込まれた話が面白いからそれでも肴にして二人で飲もうぜ、と人妻を誘う私は独身教師の鑑だな。
 で、訪れたお店は柳川市の人気店がK市移転の居酒屋「H」。柳川にお詳しい化学先生が推すだけあって美味廉価の良店でした。でもって、酒好きの二人が飲み始めたら「ちょっとだけ」なんかで終わるはずもなく……嬢「先生、最近気に入ってるバーがあるんですけど、『ちょっとだけ』行ってみません?」と、この辺りから事務嬢さんの本領発揮。

 ……眠さに耐えられない私、今日は負けたくない、今日こそは負けたくないのに……
 私「事務嬢さん、帰ろ~」
 嬢「帰り~」
 という定番のやり取りの後でギブアップ、先に独りでバーを出て帰宅。一回くらい、酔い潰した事務嬢さんをタクシーでご自宅までお送りして、「気をつけ給えよ、僕には妻も子どもも居ないんだから」みたいな紳・士・然! が出来んもんなんかと毎回。