2コーラス目入っても歌わないのか、長渕!

 F高程度のユルい部活でも熱中症が散見される温暖化。の中、岐阜県の高校で100m走100本以上をコーチに命じられた野球部部員が入院一週間(一時は集中治療室)というニュース。そのコーチが26才の若さだというのに「その世代にすら馬鹿がいるの?」とびっくり、でもってそれを報じるテレビ報道の中で「事故」という言葉が使われていたのに二度びっくり。

 早朝入りの学校で添削、本日は1限・4限が高2現代文授業ですがセンター演習のみなので楽は楽。放課後に中3生と面談が1件。

 16時15分から職員会議だったのですがこれは14時開始で良かった。だって、夏課外中は高校が半ドン(13時過ぎまで)で中学は登校しないんですから。中学の先生方を夕方に呼びつける理由がない。勿論、高3だけは放課後5・6限に当たる時間に特講がありますが、特講担当の先生は僅かに3人です。3人のために大勢の先生を待たせたり遅い時間に呼びつけたりするのは、「過重労働の削減」を校長先生が目標に掲げた職員室には不似合いですね。因みに、通常の職員会議が16時15分から行われるのは、6限終了(15時35分)後にSHR・掃除が行われるのを計算した時間帯です。本日は課外中で高3も6限後のSHR・掃除がありませんから、5・6限の存在を踏まえたとしても開始は16時前からで良かった。これは「日常性の維持」ではなくて、単なる惰性です。
 筆が滑り過ぎじゃないですか先生、と言われそうですがこれは私がイライラしているからで、そのイライラの原因も職員会議資料の中に。毎年、大学命令で全職員が「ストレスチェック」を受検することに決まっています。毎回変わるID・パスワードによるログイン、結構な数の質問、にイライラしながら今年もこないだ受検したんですよ。したら、今日の職員会議の資料の中に「ID・パスワード誤送信に伴うストレスチェック再受験について」というペラ紙があってストレスゲージは一気にMAXに。だから筆が滑ったのも私が悪いんじゃないの。ストレスチェックが悪いの。

 夜の「もりき」では小アラを仕入れてたので久しぶりに単品の刺身を。盛り合わせではない刺身は「大人」の注文なので私は滅多にしません。頭の部分をぶつ切りにして取っておくというマスターに、それを使って次回煮麺を作って貰うようお願いしてから帰りました。

またすぐに涙に乱される この気持ちわかって

 本日から早速5時入りで「日常性の維持」。課題テスト高2の採点・集計、解答解説プリントの作成・印刷、学級日誌他担任業務。

 朝、先日東大国語に関して面談をした高3某くんが添削を提出に。めっちゃ敬語。その後で彼は高3数学(数学科若手7年目)先生のところへ質問に行ったのですが、そこではめっちゃタメ口。そりゃあ週1授業だけの私と6年間担任の数学先生では親しみやすさが違うでしょうけどね、「その扱い」はずっと私のポジションだったわけなのよ、と一抹の。
 っつか、考えたら現高2(67回生)のメンバーもめっちゃ敬語だわ。56回生みたいに「授業始めま~す」って言ったら「私語をするな!」とか言われる扱いじゃないわ。こないだ担任したばっかの63回生ですらタメ口ベースなのに。何なのこれ、これが教員として一皮むけたってことなの? 脱皮なの? 加齢なるメタモルフォーゼってやつなの? と、最近頓に思う毎日。

 半ドン課外授業の内3コマが高2現代文(テスト返却とセンター演習)、高2が半ドン下校(体育祭準備)の後は6限に高3理系東大漢文特講。少々添削してから帰宅、入浴。
 で、お風呂から上がったら猛烈にお腹が空いてきたので、こんな日は美味しい肉一択、とすれば土曜日にフラれた二日市「月空」しかない、という流れで18時過ぎに二日市着。バス・電車による移動はちょい面倒ですが、牛モモカルパッチョを一口、それをビールで流した瞬間に「ぷしゅー」となります。もりもり食べてぐいぐい飲んで、最後にはマスターご子息の元担任の我儘でめっちゃお客さんが多い最中にメニューにない納豆ご飯とか作ってもらって、何が加齢なるだポンコツめ、と自らを機嫌よく罵りながら帰宅。21時過ぎには就寝。

うぬぼれワルツ

 「もりき」マスターから朝届いたメールに「分かりました、昨日の女優は木の実ナナでした」とありました。
 「目の大きなベテラン女優」で木の実ナナを思い浮かべろってのは無理筋だろうと思う一方で、脳内いっぱいの木の実ナナに何時間も「お前は誰だ」と問い続けなければならない地獄の苦役に対する同情も頻り。

 昨日ライブのために出かけた西鉄天神出口にて。苦手なものは基本的にスルーですが、苦手なもの2つが衝突してるとついつい目が行ってしまうのが性の悪さというものでして。
 北口出口炎天下、「24時間テレビ」(←苦手なもの1つめ)のための寄付を募るユニフォーム女子高生たち……の肉声を真横で掻き消す極悪スピーカーは、「ありがとう自衛隊」(←苦手なもの2つめ)の幟旗に櫻井よし子の顔写真。これは流石に女子高生の方に同情、というか櫻井さん、あんた日テレ「今日の出来事」のキャスターやったやないの、ユニフォーム着てテレビに出たことあるんじゃないんですか、と。

 早朝6時半に母君が来宅なさって、ベランダ・トイレ掃除や瓶缶ゴミ纏めなどを、なさるものですから私も合わせて掃除機掛けやら本の整理やらを。早朝の一時間でかなり家の中がきれいになってしまいました。家電衣類等の買い物の要を訊かれて(退職金が出たので何かプレゼントして下さりたいご様子)思い浮かばずでしたが、8月課外期間残り僅かは半ドン帰宅が可能な日もありそうなので、どっかで時間を作ってお昼でも、とは思います。

 9時過ぎに学校に出かけ15時過ぎまで仕事。一旦帰宅して入浴、夜は近所の肉料理「I」に17時開店とともに入って2時間(単品飲み放題が2時間制なのです)、帰宅後は20時過ぎに就寝。

ハローナイストゥーミーチューマイネームイズシズカクドウナイストゥーミーチュー

 課題テスト2日目。テスト中は自重していましたが、テストが終了した本日放課後に、学級文庫に様々な本を追加しました。密かに、2016~2017年に東京で観た種々の展覧会パンフレットが面白いと思うのですが、手にとってくれる生徒はいるでしょうか。
 ①セラミックス・ジャパン(渋谷区立松濤美術館
 ②怖い絵展(兵庫県立美術館
 ③ベルギー奇想の系譜(Bunkamura ザ・ミュージアム)
 ④月岡芳年 妖怪百物語(太田記念美術館
 ⑤アルチンボルド展(国立西洋美術館
 ⑥大テレビドラマ博覧会(早稲田大学演劇博物館)

 課題テスト監督(後の学級文庫補充)で一日の作業はお仕舞い。生徒もテスト明けでリラックス(弛緩?)状態の帰りのSHRにて。
 担任が「餌付けーしょん」とかするもんだから、休み明けにクラスメイト全員にお土産を買ってきてくれる生徒が時々居るんですが、今日のSHRの冒頭でクラスの某くんが例の邪鼠(じゃそ)・邪鳥(じゃちょう)など描かれた缶からチョコレートを取り出して「東京のお土産を/」という所を皆まで言わせず反射的に「千葉じゃん!」と叫んだの、あれはやり過ぎでした(ウケたけど)。ごめん。

 卒論面談を約束していた生徒が遅刻でキャンセル(後日に延期)になり、14時過ぎに帰宅後は入浴・着替え、天神へ向けて出発。
 K市から天神までは西鉄特急電車で30分、だったのですが今日からは32分、途中大橋駅にも停まるようになったのです。昨年私のクラスの高1Aだった遅刻魔某くんは「大橋に特急が停まるなら遅刻しない」とか言ってましたんで、多分二度と遅刻をすることがなくなるでしょう(今は私のクラスではありませんが)。
 西鉄電車内では、中島みゆきのニューシングル。タイトル曲「慕情」はまぁ普通に良い曲なんでしょうけれどもそこまで食指はという感じ、これぞシングルカップリングの2曲目「人生の素人」の方が好み。演歌なイントロに即魅了、「皆、人生は素人につき」というパワーワードを5回がなり上げる歌唱にもグイグイ引き込まれて30分ず~っとリピートでした。

 天神に移動の目的はライブ観賞で、ジュンク堂経由で訪れたイムズホールで行われるのは「変人」と題されたモノマネライブ。原口あきまさが座長で、ホリ・ミラクルひかる・山本高広を加えた4人でツアーを組んでいるそうです。私の目的の演者はミラクルひかる(ライブで観るのは2度目)。
 ライブは、コント有り歌有り大喜利有りの盛りだくさんで満腹。ミラクルひかるは他3人に比べて声量がないんですがやっぱりどの真似も(ユーミン以外は?)そっくりで素晴らしい。山本高広は風邪なのか声が完全に潰れる絶不調でしたが、こういう言い方はあれですがそこまでお目当てというわけではないので残念さもそれほど(しかし、ちゃんと歌えてたらクレイジーケンバンドはそっくりだったと思います)。ホリ・原口両氏の芸達者も堪能。
 ラストの曲では4人がステージを降りて客席を駆け回りました。観客と次々に握手やハイタッチ。私もミラクルひかると握手が出来て嬉しい……何故か、原口あきまさは他の人とは握手なのに私だけ「頭ぽんぽん」でした。
 全体的な印象としては、4人であることを活かした構成が、時に4人であることに頼った構成に傾きがちになってたという印象。これはライブを腐してるんじゃなくて、かえすがえすも1人で武道館を完璧に支配する清水ミチコはスゲぇなぁと思った、という話。

 折角福岡に出るんだから誰かと天神か博多かで飲みたい、と思っていたのですが本命(56回生Iくん)が旅行中で残念で、声を掛けてくれた58回生Iくんも「22時からなら」とオッサンを完全に殺しにかかった条件だったのでゴメンなさいとお応えして、結局K市に戻って「もりき」に行きました(二日市下車も考えたのですが、電話したら「月空」はやっぱり満席で)。
 マスターとあれこれ話しながら飲んでたんですけれども、途中でマスターがとある女優の話をしたいのに名前が出て来ないという還暦症状に陥りまして。「ほら、あの目の大きな、最近あんまり出ないけど有名なベテラン女優」ってのを延々繰り返してもこれだけでぴったしカンカン出来る訳もなく。「あ~悔しい、顔は完全に出てるのに」と、頭の中に顔が浮かんでるだけじゃあスマホで検索も出来ないですよねぇ。解ります、その苦しみ。

僕の脳裡に灼きついたものがあった。

 とある高3生、東大現代文の語彙に難渋。
 生徒「こんな言葉遣いする人、居ます?」
 教員「ってか、色んな筆者が普段からこのような話し方を」
 生徒「キモッ! 意味分からんくないです?」
 教員「今の君の言葉が『彼我の間に於ける架橋すべからざる齟齬』とかになって」
 生徒「本当ですか? どこに居るんですかそんな人」
 20年くらい前の東大総長室には間違いなく。

 もうすぐ産休~育休のダブルダッチ先生。
 私「動くの?」
 ダ「もうガンガンです!」
 私「不思議だねぇ」
 ダ「命凄い! って思います」
 眩しい。体験経て、彼女の保健の授業は質が変わったりするんでしょうか。
 私「そんなに動くんだ」
 ダ「もうぐるんぐるんローリングしてますもん」
 私「……臍の緒でダブルダッチしてんの」
 ダ「1本しかないじゃないですか! ……そっかぁ、縄跳びしてるのかぁ」
 お祝い、何にしようかなぁ。

 通常出勤、高3関係以外殆どの先生が出張でいらっしゃらない職員室で、年休を出して通常業務。添削・授業準備・学級通信作成、午後からは約束の高3生と1時間半の面談で、内容は1984年の東大現代文(西部邁)についての質問にお答えしつつ、東大現代文で聞かれる概念・論理構造について紹介するというもの。
 高1・2は自宅学習で、明日が課題テスト2日目です。

 16時過ぎに少し早めの夕食は、100円均一の回転寿司チェーン「H」にて。味には文句は全くありませんが、無人店内でタッチパネル注文の形式は読書には向きませんでした。1皿注文するごとに何度もパネルをタッチしないといけない、注文品が流れてくるたびに軽快な音色で知らされてそれをキャッチしないといけない、等々読書寸断のシステムだったのです。
 帰りには、自宅近く(徒歩25分)のTSUTAYAを経由して中島みゆきのシングル、桑田佳祐のアルバムを購入。

どこかで「春」が

 ある人物が、その場のノルマを例えば(保険の意味で)2割超でこなしたら、後でその余剰分が巡り巡って離れた別の場所で(意図したわけではなく)役に立つ、ということってありますよね。で、そういうのを積み重ねるから結果的に職場などの集団内の色々な所で役に立つ人というのも居るでしょう。ただ、その人は必ずしも「全体が見えている」とは限らない。逆に、視野散漫を避けてその場その場に集中注力しているという(良い)意味で視野が狭かったりすることもあるんじゃないかと。
 褒め言葉として「全体が見えている」という言葉が使われるのを時々耳にするんですけれども、私はその褒め言葉は外れていることが多いんじゃないかと考えています。他者に対しても、この褒め言葉は使わないよう心がけています。常套句としての褒め言葉が誤解を拡散したり傲慢を生まないようにするという意味で。

 さて、高校生は本日が夏休みの後期課外初日。昨日書いた通り、高1・2は課題テスト初日、高3は校内模試初日……だと思っていたら、何故か例年と違って今日は授業(模試は明日から2日間)だそうでしかも1限が私の文系東大漢文の授業である、ということを1限が始まった5分後に知らされて蒼白。半泣きでプリントを印刷して開始10分後の教室入室、時には「落ちつきを纏ってるわ~、逆にこういう時に出るわ~」とか地獄のミサワみたいなことを言いましたけど、シャツはびっしょりでした。夏休みボケというか何というか、恥ずかしい限りです。
 というわけで、本日は半ドンの授業終了後に、高2課題テスト現代文200枚と、高3東大漢文30枚とがやって来ました。前者は来週月曜から始まる授業で返却、後者は明日の帰りにでも返却したらいいのかな。

 我らが高2Aのメンバー、登校初日ですが割かし元気(テストは嫌そうです)。ハードルが低い私なんて、無遅刻で全員揃ってるだけで100点付けたい気分ですけれども。
 63回生Tくんをオープンキャンパス案内人として紹介した某くんは、私への東京土産に「東京海老ふらい」なる名物をお持ち下さって。余りにも酒の肴然としてて、こいつ解ってるな、若しかして「全体が見えている」んじゃないのかなんて考えてしまいました。

 明日は職員研修出張で大牟田、高3は出校で校内模試ですが、高1・2は早速自宅学習です。高1・2は土曜日に課題テストの2日目(月曜日から授業開始)。
 でもって、東大志望の高3某くんと明日(校内模試初日の終了後に)面談をすることになってしまいまして(教科相談その他)。となると、予定していた研修出張をキャンセルしなければなりません。あくまでこれは個人の見解ですが、職員研修と高3入試面談なら私は後者を取ります。ただ、研修出張キャンセルは後ろめたくはありますから、明日は終日年休を出すことにしました。年休を出して朝から出勤して、採点や授業準備や面談やの通常業務を行うことにします。

 新久千映ワカコ酒(9)』読了、★★★★。
 退勤後は、主人公のレベルが99まで上がってしまったのでいよいよラスボスを倒すしかなくなった「DQ11」のエンディングも。

根暗なマイ・ハートに一つ花が咲いた

 職員研修会2日目。9時~11時、13時~15時で会議その他研修、空き時間でデスクワーク。明日から高校生は後期夏課外、高1・2年は課題テスト、高3は校内模試です。
 16時に学校を出て一旦帰宅、入浴・着替えの後に出発。着いたお店はイタリアン「B」、つい18時間ほど前に退店したお店に恥ずかしながら帰って参りました。

 63回生担任(化学・国語・体育・数学)、及び元B組4人の計8人。卒業生は、Nさん・Nくん・Hさん・Yさん。元B組は8月中旬にもクラス会をやったと聞きましたけれども仲が良いですね。この夏も、担任の体育先生を通じて元B組諸氏とよく飲みました。
 話題は勿論、63回生時代のあれこれや彼らの現況、及び職員の側の(とてもここには書けない)秘話、等々。笑いばかりの放談は、1次会でおさまるものではなく2次会はフレンチ居酒屋「L」にて。左党のNさんと2人でシャンパングラスの冷酒を飲み尽くしました。

 大学生と話すと、たまに引っかかる言葉が登場します。今日は、Nくんが口走った「インキャ」という言葉。文脈から推測するに多分漢字は「陰キャ」で、昔で言う「根暗」かな。学生のネット用語なのでしょうが、大学生をフォローしていない私のTwitterのTLでは見たことがありませんでした。

重き荷は重く 坂道は果てもなく続くようだ

 本日・明日は職員研修会。久々にネクタイの出勤です。徒歩通勤はTシャツ1枚で、学校に着いてから汗だくのシャツを脱いで仕事着に着替えます。夜は、職員慰労会(幹事は私)でこれは新校長先生発案の新しい行事、慣例化するかは今回次第でしょうが、一昨日までの時点で28人という結構な人数が参加を表明しており、昨日(予約の人数変更の〆切)になって4増4減で帳尻が合ったのは幸先の良いスタートだと言えそう。
 研修会の内容自体はここには書きませんが、校長先生が基調講演の中で「教員の過重労働を減らしたい」と明言なさったのはちょっと驚きました。私の知る限りの歴代校長が遂に言えなかった(言わなかった)ことをいきなり仰有ったからです。
 そう言えば、今朝リビングで開いた本の話。三谷尚澄『哲学しててもいいですか? 文系学部不要論へのささやかな反論』を野矢茂樹先生の帯推薦文に引かれて読み始めたら、第一章に詳述された「標準的な日本の大学教員」の「教育・研究以外の業務」内容が、F校教員の授業・授業準備以外の業務内容と完全に同じだったのが、面白うて「やがて悲しき」でした。こういう領域の業務を「過重労働」と考えて良いんでしょうか。

 さて、本日の慰労会は、市内繁華街にある居酒屋「K」で、30人規模の大人数なら2階フロアが貸切になるということで選んだお店。大人数の場合は生ビールが単品ジョッキではなくピッチャー(グラスは小)になるのがやや残念ですが、注いで注がれての交流が起こるのは悪くないかな、とも。料理は見た目にも工夫がきいてて美味……私「あっ!」 事務嬢「どうしたんですか?」 私「しまった、同窓数学の刺身アレルギー対策、予約の時に言いそびれた」 嬢「対応してくれる店なんですか?」 私「多分。でも、流石に当日は無理ですよねぇ」
 仕方がないので、彼の魚料理と私の肉料理とを交換しました。こういう仕事というか気働き(←自分で言うな)というかは「過重労働」性を感じないんですけどねぇ。

 さて、問題は2次会、半分が参加すると仮定して15人前後。居酒屋「K」から徒歩3分の場所に、和食から雰囲気を変えてイタリアンと野菜専門のお店「B」があり、ここは二次会コース飲み放題込み3000円が質量とも断トツ。普通なら迷わず一択なんですけれども……63回生で一緒に担任をやった数学先生をお呼び。
 数「何ですか?」
 私「二次会、どう考えても『B』が最高なんですよ」
 数「そうですねぇ」
 私「でも、僕等2人、明日の一次会が『B』じゃないですか。先生さえご納得なら……」
 数「あぁ、私は全然構いませんので。あそこは美味しいし」
 私「甘えます!」
 と、軽く根回ししてから「B」に電話。2時間飲み放題込みのコースで、結局3時間近く居座った長っ尻の夜なのでした。退店時には、数学先生と2人でマスターに「明日もまた来ますので」とご挨拶。明日は、63回生4人と担任4人(←これが揃うのは珍しい)との8人で飲み会が入っています。

 無駄な抵抗ですが、日付変わった夜道を徒歩で帰宅。太るな、俺。

あの日に帰りたい

 朝、母君が自宅にお出でになり、昨日買ってきた顔彩の用具をお渡ししました。帰ってから早速始められるそう。自転車のサドルが高いと仰有ったので少し下げてさしあげて帰りをお見送り。ちょっとふらつく後ろ姿を見ながら、やはり30分を職場往復していた時代の体力ではないのでしょうねぇ、としんみり。

 母君が帰られた後はそのまま学校へ。デスクワークの合間に、バスケ部のOB戦ということで来校していた63回生Uくん・Tくんとお話。
 63回生文系(を中心に、4年で卒業して就職する人たち)は普通に進学しているならもう就活なんですよね。我らがA組Uくんも今夏インターンだそうで、第一志望はと訊けば「デベロッパー」なんて横文字で返して来ます。「不動産でいいじゃん」という私には慶応ボーイが眩しい。でも、就活は気が重いというUくんの「小学校から今までの生い立ちは? って訊かれて詳しく答えたらその直後に不採用って言われる世界よ? 怖いやん」という言は確かにそうで、大学時代に1秒も就活をしていない身には返す言葉も浮かばない重さがありますね。
 Uくんは文化委員長でもあったので、中学共学化の完成年度である現高2の文化委員が「男く祭」の名称を変えるか変えないかの責任を負わされているという「問題」(←これを「問題」だと捉えているのは私の個人的な意見です)についても話す。私「ただ偶然完成年度に文化委員だってだけで、40年も続いてる祭の名称に責任を持てとかさ、残酷すぎない?」 U「あ~、可哀想かも」 文化委員3人が自分のクラスの生徒なもんで可哀想だと思うというのは担任として当然です。でもって、毎年の文化委員が知恵を絞って考えているテーマ(副題)が共学化の歴史を反映している事実もあるんだし、もちょっと落ち着きゃいいのに、とこれは卒業生として。
 因みに、UくんもTくんも高校部活時代と全く体型が変わっていませんでした。これは大事なこと。不動産でも商社でもいいけど、体育会系の企業で不規則な仕事・食生活を続けた結果激太りみたいな人をいっぱい見てきたから、私「絶対太ったら駄目だよ?」 U「俺は太らんって」 私「その見てくれスペックで太るとか勿体ないどこじゃ済まない悲劇だからね」

 清水茜はたらく細胞(5)』読了、★★★★。擬人化マンガの良作、スプラッタとギャグのバランスの取り方が見事。がん細胞の復活はちょっと早くない? と思いましたが。
 福嶋聡『書店と民主主義 言論のアリーナのために』読了、★★★★。勉強として初めての福嶋聡。書店人としての矜恃でヘイト本等の「そこにあることさえ不快な本」も陳列するというのは成る程なぁ、なんですけれどもじゃあ自分が「ぼくたちを鍛える」という理由で「そこにあることさえ不快な本」を読めるかというとどうも「気持ち悪い」が先に立って手を出すのを躊躇ってしまうという。書店人と違って、教員は個人の好悪で触れる本を選択できちゃうから、視野狭窄は戒めなければならないと思うものの……。

 夜は、2年振りで訪れた焼き鳥「O」。かつてはK市焼き鳥3傑として週1は訪れていたんですが、市内移転・店舗拡大以来何となく足が遠のいていました(その間、K市3傑は別の店「S」に変わって)。でも、串も一品も相変わらずのクオリティだったし、何より2年振りに入ったのにマスターが開口一番「あっ、先生、こないだ相方の先生が来たばっかりですよ!」って。そうそう、マスター、こういう人だった。天才だと思う。

 書き忘れていましたが、自宅の冷蔵庫には勿論「秋味」が冷えています。季節ですね。ビールなら何を飲んでも美味しいという暑い季節が過ぎ去ったら、これじゃないと感溢れるシリーズが有難い訳で、私の場合は「秋味」~「冬物語」。行きつけ「もりき」の瓶ビールはこの季節にはクラシックラガーから秋味に変わります。毎年3~4ケースは入れるらしいんですけれど、最低でも1ケースは私が消費してるんじゃないかな。

ずっと ずっと 描いてよ

 母君が電話で「ガンサイ」を始めたい、と仰有る。リハビリステーションに教えて下さる先生がお出でになり、道具を借りてやってみたら大変面白かったの、と。聞いた私は「ガンサイ」の意味が分かりません。漢字で書いて「顔彩」よ、と言われても浮かぶのは化粧関係のものばかりで母君は個人的な志向と介護職という職業もあり化粧には全く興味が無い方なので恐らく違う、となれば一体何であるのか見当もつきません。
 ただ、何であろうが母君がご自分の意思とご自分の体力とご自分の財力とでおやりになりたいことなのだったら、それと独立の息子がそれを邪魔立てする道理はありませんので「はいはいどうぞおやりになって下さい」とお応え。「で、その『顔彩』をなさるにあたって息子さん(←一人称)は何をすればよろしいか?」

 昼前の西鉄電車でK駅から天神へ移動。昼食は、K駅構内のうどん屋「Y」で済ませました(母君が絶賛していた「ちゃんぽんうどん」というのを食べてみたかったのです。味は普通でした)。
 天神から徒歩10分のところにある「山本文房堂」という専門店が目的地で、ここで買うのは母君から頼まれた筆・絵の具・紙(はがきと色紙と)。「顔彩」というのは日本画の一ジャンル(?)なのだそうで、母君は和紙に筆で花の絵をお描きになりたいと仰有るんですね。K市には、そのような画材を売る専門店がありません(美術の先生に伺ったら、小売店はどんどん潰れているようです)ので、福岡天神に出て初めて専門店に辿り着けるのです。母君は、地理に不案内ですし体力的にも不安なので(抗癌剤の副作用で足の親指が膿んでいます)、代わりに私がお買い物をする次第。漢字を聞いても何のことか解らない素人なのですが、壁面に瓶に入った絵の具がずらりという専門店ですから、店員さんが一から詳しく(筆の選び方から、どのはがき・和紙はにじみやすいにじみにくい等々の紙毎の性質の違いまで)教えて下さり、迷うことはありませんでした。

 その後は、ジュンク堂とネカフェとを廻って、最後に初訪問の天神LOFTへ。ここでは母君にお土産の和紙千代紙を購入したのですが、同じフロアに「九大生ノート展」なる展示があってちょっと面白かったです。高校時代にどんなノートを取っていた生徒が九大に合格したのかを、主要五教科全てのノートを展示して見せようという試み……現代文以外。
 リハビリステーションに画材をお届けするか電話で伺ったら、明日の朝自転車で私の自宅に取りに来たいと仰有ったので、天神からは自宅に直行。帰りの電車と自宅ソファとで、瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』を読了、★★★★。面白かった。中3生4人の精神年齢が高すぎて気になったり、陸上部顧問のとある生徒への台詞が残酷すぎてドン引きしたりというのはありましたが、瑣事かな。最新作『君が夏を走らせる』が面白かったので、その前日譚である本作も読みたくなったのです。ただ、5年前の小説なのに文庫ではなく単行本で買ってしまったのはうっかりでした。

 夜は「もりき」。大阪旅行のお土産の梅酒を届けがてら。