スルメ味の戦争責任

 出勤したら、職員室入り口近くの鏡スペース、ちょうど中学1年生のフロアの入り口に当たる部分に、2枚のウェルカムアートが飾られていました。「祝・入学!!」のメッセージとともにアニメーションっぽい絵の(黒板にチョークの)女性が描かれたもの。荒波をバッグに鉢巻きを締めたたい焼きの絵には「大漁得点」のメッセージが。
 聞けば、新中2の美術部部員が入学する新中1のために書いたものなのだそう。1年前の入学時、高校72回生が各教室に黒板アートを描いてくれていたそのお礼を、上に返せないから下に贈ろうという発想。上から貰ったものは下へ、素晴らしい誠実さです。こういう祝福を受けたなら、新中1も自然と学校生活の充実を目指せるんじゃないかな。

 午前中が始業式、午後が入学式。私は終日机仕事。
 定時に帰宅、入浴。夜は最近推してる自宅近くの居酒屋「R」で独酌。

 帰宅後の飲み直しは、『世界ふしぎ発見!』の最終回(総集編・名場面集)を観ながら。
 野々村真初のパーフェクトは2005年、今でも泣けます。当時、録画して何度も観なおした(当時はまだVHSでした)のを記憶。生徒に怒涛のいじ(め)られ方をしていた就職当初、イジられ枠20年の真くんの涙(と周囲の祝福と)を観て、20年間くらいは頑張らないといけないのかなぁ、と勝手に自分に引き寄せてました。実際に20年経った今は、己の汚れっぷりに苦笑するしかないんですけれども。
 まだ若かったころ(っつっても60代とか)の黒柳徹子話し言葉も素晴らしかった。独りでさんざん喋って周囲を唖然とさせた後、「あたくしちょっとやかましゅうございましたねごめんあそばせ(←淀みなく早口)」って、TVで観たセルフツッコミ史上最も美しい日本語なんじゃないかと(それでいてちゃんと面白いし)。昔の『徹子の部屋』は、番組映像や文字起こし(朝日文庫)に触れたら、それだけで「国語力」が上がるんじゃないかと思います。
 で、話は再び真くん初パーフェクト。この回、番組の最後は万歳三唱で終わったんです。エンドロールが流れる中、出演者は全員起立して(観客は客席に座ったまま)、草野仁の先導でみんなが「バンザーイ! バンザーイ!」と両手を挙げるのを、カメラは割と速い速度で「引き」ながら映す。凄い祝福ムードだったんですけれども、そのカメラの引き方と客席・モニターの配置との関係で、万歳が始まるのとほぼ同時に黒柳徹子(だけ)が画面から消えるんですね。これは私の想像(希望的妄想)なんですけれども、黒柳さん、両手を挙げなかったんじゃないかなぁ(客席を巻き込んだ行為だったから事前練習があったと思うんですけれども、その時に万歳をお断りになったんじゃないかなぁ)、なんてことを、20年前は考えもしなかったんですけれども今夜改めてそのシーンを観ながら考えてしまいました。