かみさまにそむいたインゲル どこまでおちる

 3時前に起床。旅行の荷物は、本とCDと衣料品のみ。旅行中の読了本は、いつもの通りに最終日(13日)の日記で一気に更新予定。衣料品も、今履いてるジーンズの上に着るTシャツを8枚ほど持っていくだけです。下着は現地の100円ショップ調達で十分。Tシャツは、家から5分のディスカウントストアでここで私が買わなかったら間違いなく廃棄処分になるという3枚980円の中国製、保健所の犬を救うような気持ちで3セット購入したやつ。1枚は今着てて、残る8枚はキャリーバッグ。

 5時半に家を出発。5時半といったら早い、早いといったら飛行機、飛行機と言ったら安全、ブッブ~、たまに堕ちることもあるから、だめー! ということで飛行機嫌いの私は当然のごと新幹線で東へ向かいます故、K市から博多まで電車に揺られた後、博多駅で切符を購入(そこの緑の窓口で、見たことのあるカッコメンがいるなぁ、と思ったら高2の生徒でした)。のぞみの中では、駅弁食ったり本を読んだりCDを聴いたり、いつものごとく。車窓から富士山が見えるころには完全に東京モード(即ち大学生モード)。前半2日は出張とはいえ、かなり職業意識的なハードルが下がった状態の私を乗せて新幹線はお昼の品川駅へ滑りこむのです。で、お昼だからそうは煌々とさせんでも駅は暗くもなかろうと思うものの、しかし「あの当時」に比べてすっかり明るくなった構内をキャリーバックのタイヤを転がしながら、定宿のある池袋目指して山手線に飛び乗る……のではなく、今回は東京出張最初の仕事であるところの「学校の代表としてK市から東京を訪れるF高2年生3人を羽田空港でお出迎えする」という任務を果たすべく違う路線(名前失念)の電車に乗ったわけです。とりあえず、だったらお前も飛行機で行ってそこで合流しろよってツッコもうとする人の顔面に手鼻かんでぶつける程度には飛行機が嫌いです。

 到着予定が当てにならない時点でもう既に新幹線に敗北している飛行機、パタパタと「ザ・ベストテン」みたいにめくれ倒れる数字が、まぁ遅れに遅れて20分、私より大きなキャリーバッグを転がして空港ロビーへいらっしゃいませの男子生徒3人は、しかしもう既にして疲労がたまっている様子。もうちょっと「ビバ東京!」とか「首都圏童貞卒業!」みたいな晴れ晴れした顔をせんもんかね、と思うけれどもとりあえず4人で空港内のレストランに入ってカレーの昼食。3人が3人とも残しやがってもう既に旅行(←生徒3人にとっては純粋に旅行なのです)に辟易してる感がありあり。
 これ、言い方は悪いかも知れないけれど好意的な気持ちで書いてるってことを前置きして言うんですけれども、3人ともK市在住の素朴でまともな田舎者なので、例えば空港から浜松町へ向かうモノレールの中でこ汚い川とかその堤防に一面の落書きアートとかバベルの塔なんて言うも馬鹿馬鹿しくなりそうなお高いビルなんてのを見ながら「これはやばい!」「これは俺らが来たらいかんところ!」ってビビりと嫌悪感とを露にしてるのは、正しい(少なくとも自然な)反応だとは思います。引率のおじちゃんはもうすれてしまったけれどもね。

 K市から福岡空港、から羽田空港、から浜松町、から東京、から本郷三丁目。「乗換えが多すぎるだろ!」と文句の3人に付き合って、私のマイルール「東京に来たら必ず何か新しいことをしてみる」を発動する。今回は、ニモカカードのチャージで旅行中のすべての乗り物に乗る(これまではどこででもいちいち切符を購入していました)。これがまぁ楽なこと楽なこと。驚いたね。便利だね。
 本郷三丁目のでっかい交差点の横、鳥居をくぐった先にあるホテルに3人はチェックインで、引率教員はここで一旦彼らとお別れ。その前に3人とも1時間くらい自由時間が与えられていましたが、疲労と悪天候(雷ゴロゴロピカピカ情け容赦ないみたいだ)とで、本郷赤門見物も5分ほどで終了。3人のうちの1人が奮ってましたね、「どうせ将来通うんだから今見とく必要はない」 言ったなお前、今のところ3人の中で東京にいちばん負けてる癖に、と担任はホクホク。

 さて、本郷三丁目から定宿のある池袋まではたったの4駅でお近い。チェックインの後は何をおいてもまずジュンク堂。先ずは挨拶代わりの1回目訪問なので、地下に降りる、エレベーターで最上階に行く、そこからレジのある1階に下りていく、という順路で1時間強の背表紙読書。2万ほど使って買い物は終了。
 56回生S氏の幹事で総勢9人の飲み会。9人って多いな、大昔にY氏幹事で13人とかでやった時に次ぐね。京大で東京知らずのSくんなのでしょうがないとは言え、予約してくれた店(全員初来店)は最低でした。池袋にあれ以下の店があったら教えてほしい。久々に悪所って意味で屋号覚えたもん。だってさ、コンロは2台出てきたのに、鍋が9人で1台だけってどう考えてもおかしいでしょ? というわけで、閉めの雑炊もデザートも待たずに全額払って全員を退店させる。でもって、昔、てっちゃんだったかしんちゃんだったかに連れてってもらった地下の安居酒屋で飲みなおし。話自体は面白かったから会合に文句はありません……けれども、まさか初日から徹マンになるとは思わなかった。と、言うわけで、本上京最初の徹マンは池袋から移って渋谷にて。これ以降は明日の日記です。