甘い罠は そこらじゅう 背後振り返るな!

 国語科恩師先生が仰有る「日常性の維持(男の意地)」を、私は「虎視淡々」という造語でよく表現します。この程度の造語なら誰でも考えつきますが、最近「虎視眈々と淡々と」って歌が発売されていることを知りました。親近感。今度買ってみようかな。

 生徒達は自宅で「日常性の維持」が出来るか? 本日、高3にインフルエンザが出ました。14・15日のセンタープレは中止して生徒は強制下校、センター本番(17日)まで学年閉鎖です。朝、各教室でセンター本番の注意を放送で聞き(本来なら学年集会ですが、200人を一堂に集めるなどとんでもないので)、使わなかったプレの問題と解答とを配付した後、生徒を帰しました。

 10時には生徒が完全下校。さて、試験監督も担任業務も無くなった高3担任団、ちょっと暇になってしまいました。溜まっていなくもないデスクワークをこなした後、16時くらいから真剣に無聊限界状態になってきた。
 というタイミングで、うちのクラスのAくんからメールが。
 A「今日帰り西鉄K駅通ります?」
 私「なぜじゃ?」
 A「今ミスドでお勉強中なんだけど、特別教室に忘れたファイルがいるかもしれないの」
 私「何のファイルかな?」
 A「青いスヌーピーのファイルです。古文漢文が入ってるからなんとなく手元にあれば落ち着くかなと」
 私「ミスドお勉強はいつまで?」
 A「んー出来るまで! K塾にはインフルエンザ的に行きたくありませんので 先生の時間でちょうど良いと思います」
 成る程、担任相手に退勤途中で持ってこい、と。可愛いな。
 私「あんまり長居するなら、追加注文するくらいの配慮はしなさいよ。コーヒー20杯お代わりしたBちゃんは出禁になったらしいから(笑)」
 A「今6杯目かな? ドーナツは3つ目」
 私「後で別の飲み物を追加注文、かな」
 A「あーすみません」
 というわけで、17時定時に退勤して西鉄まで。暇だからな!

 ミスドではAくんとCくんとが並んで勉強の様子ですが、Aくんの席が空いてる。
 私「トイレ?」
 C「そう」
 Cくんにファイルを託し、入店時に買ったバニラシェイクをテーブルに置いて退店後、Aくんからメール。
 A「って冷てぇよ」
 私「僕の好物なのです。どうぞ」
 A「ありがとうございます。Cにも買ってくれれば良かったのにん」
 私「半分やれよ」

 山田詠美『4 Unique Girls 人生の主役になるための63のルール』読了、★★★★。観客が自分一人しかいなくていいなら、誰だって主役になれるんでしょうけれどもね。