理想の 二人だわ

 一昨年の肺癌以来少し心が弱っておいでの母君は、連夜の大揺れ(小倉も揺れたそうです)の時には屋外避難をしたそうで、「誰も外に出て来ないから不思議だった」と。私はマンション、母君は公団住宅の1階の住人なので、本来ならば屋外に出るのが筋なのでしょう(と言っても、熊本レベルの揺れとは比べものにはなりませんが)。
 私は先日の有川浩のエッセイ集で読みまして、母君がそうなのかは存じませんが、「元気に飲み食いして経済を回せ!」と命じられましたので、本日から(も)夕食オンリー一点豪華主義の毎日で行こうかと思う所存。
 で、かっきり日常性は維持して6時に学校。昨日はもの凄く長い時間眠ることが出来たので身体は健康(揺れが続くと精神的には一寸鬱いでしまいますが)。

 デスクワークは授業準備と学級通信の作成と。今日の授業準備の中心は、4月末の表現実習「私の好きな歌」。
 好きな歌の歌詞を写経し、曲について200字の作文を書く。作文では、歌詞の一部を引用しつつ、歌と出会った時期・歌にまつわる体験や思いを書きます。
 事前説明のプリントでは、58回生の8年前の(彼らが高2の時の)作文を作例に配布するのですが、改めて読むと面白くて深い。イスラムの宗教歌を「彼らの『正義』が詰まっている」と評したのはSくん、「檄! 帝国花撃団」の絶対的勧善懲悪を「複数の異なる価値観で悩む僕たちに一時のやすらぎを与えてくれる」と皮肉ったYくん、シュガーの「ウェディング・ベル」を「敗者」の「さわやかな嘲笑」と見事な形容はSくん、等々。
 そんな中、当時私と学年200人全員とを爆笑させたのは「LOVEマシーン」で書かれたとある作文。08年、58回生高校2年Yくんの傑作を、以下に全文紹介します。
 【この作品に出会ったのはもう9年前のことだ。小学校に上がりたての僕は、一人前に6年生の子に恋をしていた。そんな時にこの曲は発売された。曲の歌詞はまだ幼かった僕には衝撃的で、「フーフー」の部分の官能的な吐息にも圧倒された。僕はすぐにこの曲の虜となり、女の子のことは直ぐに忘れてしまった。この曲の魔力がやっとのことで切れたのは、去年の夏の頃だろうか。マシーンを振り切った僕はまた、小学校6年生の子に恋をした。】

 15時まで働いた後、仕事・趣味の本の買い出しのために天神へ行くことに(西鉄大牟田線は動いています)。
 電車で西鉄天神駅に向かう途中で「今夜飲もうぜ」の募集をかけたら、58回生のFくんがこの指に止まってくれました。もう一人、春から福岡で研修医のIくんは「当直で無理です、来週!」となかなか格好いいお返事。じゃ、土曜日ね。

 天神ではタワレコからのジュンク堂矢野顕子さんのBlu-ray最新作を買い、定期的に聴きたくなるザ・ピーナッツのベスト盤も購入。ピーナッツは母君がお買いになったCDに夢中になった小3以来、ほぼ30年のファン歴。今回のCDは、ファン投票上位50曲を1位から順に2枚組におさめた企画盤。聴きながらの書店逍遙ですが、ラストライブ音源の「恋人よ我に帰れ」が最高に格好良くてず~っとリピート。好きな曲は挙げ切ることが出来ないほどですが、「東京の女」のラスト、「東京」の部分の歌唱はいつ聴いても圧倒的アダルト。

 ジュンク堂では久しぶりにまとまった量の本を買い込み。その後、西鉄旅行で飛行機の切符の手配をしました。
 えぇ、飛行機です。7月半ばに東京は舞浜で結婚記念パーティーを開く56回生Oくんにお誘い頂いて(っつか、飲みながら「僕も行っていいの?」って聞いたら「あ、いいよ」ってなって)、夕方からのパーティーだからその日は東京泊、翌日K市に戻るというパターンなのですが、戻る日11時過ぎからK市で仕事があり、新幹線では絶対に間に合わないということになったためです。
 飛行機は怖い、離陸着陸とか誤魔化した言い方しねぇで発射墜落と言え発射墜落と、と常日頃このように思っている私は例えば成人して以降は飛行機に数度しか乗ったことがありません。具体的には、大学時代の中国バックパックと、就職してからの2度の北海道スキー訓練引率。念に数度の東京旅行は全て新幹線往復です。
 中国の時のバックパックは同行のIくんに切符を手配してもらったし、スキー訓練引率は旅行会社の手配だし、ということで自分で飛行機のチケットを買うのは人生でも初めて。窓側がいいか通路側がいいかとか前方がいいか後方がいいかとか聞かれても墜落したときに死ににくい方がどちらかなんて分かんないからどこでもいいとしか答えられません。早割だったら往復で27000円で済むそうでこれは新幹線よりも遥かに安いけれどもだからって全然嬉しくない命あっての物種。それよりも、7月に向けて今から怖い分の慰謝料を請求したいくらいです。

 西鉄電車で二日市に移動し、ホークスが劇的な逆転勝ち(吉村選手というのが凄かったと、TwitterのTLでTQC勢2人が呟いてました)をした名勝負を生で応援してきたという58回生Fくんと合流。声を出しまくったんでしょうねぇ、喉がガラガラになってます。
 店は二日市の焼き鳥屋「月空」。私が最も好きなメニューであるところの牛モモタタキのカルパッチョをFくんも絶賛してくれたのでよかった。彼は若者にしては少食なので、注文の分量はとても少なかったように思うのですが、あれで良かったのかな(私の胃袋は8分以上になりました)。とまれ、歓談2時間は仕事疲れの癒やし。