獅子舞の夜

 40人募集で蓋を開けたら51人いるとか、明るさというよりも最早五月蠅さのレベルに達しているとか、外進組ではあり得ないくらい勉強しないとか、提出物とか掃除レベルの日常生活の不真面目さとか……担任の力量不足と出来なくても可愛い故の甘やかしとからか今年の高1Aは例年にない「規格外」、とにかく変なクラスです(誰だ、担任を決めた人は!)。でもって、極めつけが文系志望者の多さ。例年、高1Aから文系に上がるのって数人しかいないんですけれど、今年は現状でクラスの3人に1人ってところなんですよ(保護者の介入で減らされちゃうことは考えられますが)。わたしゃ健全なことだと思いますけれども、一体何でなんだろう、ほんとに。
 でもって、明日はその進路選択にも多少以上の影響を与えそうな進路講座(2回目)。私が(副担任と国語とを)担当した高校56回生からは、Oさん(東大農学部→ロッテ)、Mさん(東大法学部→日本銀行)、Tさん(東大法学部→東大法科大学院)の女子3人組がやって来ます。私自身は、ロッテ中央研究所で商品開発研究に勤しむOさんの部屋の監督を担当。「大量のお菓子を持ち込むんで、配るの手伝って下さい!」と下男やれメールが届いたので、「わん」と返事をしておきました。

 授業は6限中の5限で高1現代文。教科書本文(榎本博明)が「自己とは一つの物語である」というタイトルで本日終了、来週の月・水はそれに絡めて、「物語る自己」を論じた坂本多加雄天皇論』の一節を(教科書外から)投げ込みます。
 未来への決断に向けて自己の過去を物語る、という内容が予想以上に進路選択に関わるもので、授業の準備をしてからちょっとビビってますが……まぁ、多くの生徒は「テストのための教材」以上の価値を見出すことはないかな(というと見くびっているみたいですが、そもそも読解自体が難しい文章ですので仕方なく)。

 放課後はその進路講座の会場準備ですが、これは貼り物とプロジェクタ準備だけだったのでほぼ瞬殺。

 一旦自宅に戻り入浴・着替え、の後に「もりき」に移動して若手有志3人組の慰労会。給料日でしょ、明日は授業無しでしょ、いつやるの今でしょ、って感覚で。
 鴨葱、鴨刺し、鴨焼き、鴨鍋、鴨南蛮……の有明海天然鴨コース、に麦酒麦酒麦酒日本酒日本酒日本酒。ドリカム編成ど飲酒三昧ナイト、三者三様で所属の場所が違うんですが話題は全部学校のことです。気付けばアラフォー知っとるけのけっ、と人から言われても全く気付かぬレベルの酔い方で若作りの行動様式はタクシーが連れてってくれた文化街のライブバー、女子一人は喉風邪でマイク無しでしたが、他の2人は飲めや歌えやで夜が長い。中堅体育(えぇ、もう中堅と呼ぶしかないですよのアラフォー)先生なんて、「前前前世」歌ってる途中で隣の大盛り上がりグループの人たちが近づいて来たら、実に自然に肩くんでましたからね。あれが「パリピ」ってやつか(それとも「ヒッピー」?)。

 天久聖一『書き出し小説』読了、★★★。【続々と書き上がる大長編は全てが傑作だったが、彼はその書き出しだけを残して全てを焼き捨てるのだった。】 みたいな作り方してる人……いたら面白いけど流石に居ないか。