不恰好な雑草が爆音でタクトをとって

 健康起床、入浴、ネカフェで書き物。

 オツカル様との終日デートは渋谷ランチがスタートなので、先ずは山手線で池袋→品川と半周。駅構内の土産物売り場で、Hさんに「品川珈琲」、B組41人にはリンゴのパイを購入しました(どちらも配送手続き)。大体、1箱14個入りのがあったらそれで即決です(B組は41人学級なので。20個入りの箱を見ると「惜しい!」となります)。
 品川→渋谷。初訪問の「ラチュレ」のある青山までの徒歩移動中にオツカル様に追いつきました。

 さて、青山「ラチュレ」は渋谷地区の超人気店。先日の恵比寿「マノワ」(withでっくん)に続くジビエフレンチですね(ハンターでもあるシェフ氏は我々よりも年下だそうです)。平日は2200円のランチがあるそうなのですが、今日は土日ということで4800円のランチコースです。開店11時半と同時に入店しましたが、「あの……2人で予約を、イケモトの名前で……入っておりますでしょうか?」と敬語どもりが完全に不審者アウェイ感。入店前に「そこって、ドレスコードとかないよね?」と心配顔だったオツカル様ともども、背伸び失敗感が半端ではありません。その上、オツカル様はアイドルTシャツ、私は鬼太郎Tシャツと来てるんですから舐め腐ってるにも程があります。
 店の最奥、ベランダ側の明るい2人掛けテーブルに促されて着席、したらオツカル様「ベランダに鹿の角のオブジェがある」 私「僕の側からは室外機しか見えないから、多分2人の間でも既に格付けがされてるんだろうね」 オ「僕らが何か粗相をする度にチェックされて」 私「フィンガーボールの水を飲んで退場とか」 オ「会計の時に『今日は5つの失敗がありました』とか言われるから」
 アホな話をしている所へウェイター(ギャルソン?)氏がドリンクのメニューを。夜の絵恋ちゃんイベントを控えてお酒は飲まないと決めていたのですが、勿論高級店ですから水だって有料の覚悟。というわけで、750mlの炭酸水(またこれが色々種類があるんだわ)の中の、比較的酸の弱い物をチョイスしてもらいました。850円。ボトルで購入したら、ウェイター氏が適宜注ぎに来て下さいます。注文時に「(アルコールを)お飲みにはならないんですね」と言われて「この後仕事が」と返したのですが、鬼太郎Tシャツでどの口がってなもんです。
 因みに、炭酸水850円は、私「安いよね?」 オ「そう?」 私「だって、アイドルイベントには500円ツードリンクが義務みたいな暴利もあるって昨日言ってたじゃん」 オ「あ、ほんとだ。こっちの方が良心的だ」 850円を飲みきった後は、無料で水を注いでもらえました。

 ランチコース、結論から言えば食べたら無くなること以外に欠点が全くない感動物でして。
 前菜1品目の鹿の血のマカロンから度肝です。何しろ、本物の鹿の毛皮が皿の代わりになってますから見た目から、触り心地からして。マカロンは、卵白の代わりに鹿の血で泡立てているそうで。
 エンドウ豆のエスプレッソスープは、中にホタテが沈んでおり、表面には豆苗とシソの花が散らされています。
 サーモンのコンフィは、シェフ氏の師匠譲りだそうで、38℃の低温でしっとり。レモンソースと香草のオイル、サーモンはエディブルフラワーで覆われています。私「野菜嫌いからしたらさ、このエディブルフラワーってのもNGなの?」 オ「基本、ノイズ」 清々しいくらいに無礼です。
 蝦夷鹿・羆・猪・フォアグラ等で作られたパテと鹿のコンソメジュレとをタルトに。先日の「マノワ」では羆のコンソメジュレというのを食べましたけれども、獣とコンソメというものの繋がりが全く解らない2人です。
 そして、メインディッシュが一口食べて悶絶、あらゆる語彙力を取っ払われてしまった蝦夷鹿のローストだったんですけれども……ナイフを入れる前に時間を巻き戻し。私「そいやさ、今日は『えったんこ飯』しないの?」 オ「は?」 私「だから、『えったんこ飯』。アクキー持ってるんでしょ?」 オ「あ、そういう発想、全く浮かばなかった」 絵恋ちゃんのアクキーと食べている料理とを一緒に写してTwitterでアップするファン同士の交流を「えったんこ飯」というのですが、毎食必ずそれをやっているオツカル様をして「そういう発想、全く浮かばなかった」と言わしめるのですから「ラチュレ」恐るべしです。でもって、「蝦夷鹿モモ肉のロースト、スグリのソース」と絵恋ちゃんとの「えったんこ飯」、オツカル様史上最高額の「えったんこ飯」には即座にお仲間の「いいね!」がついていきますが、写メってる我々がお店の人たちからどのように見えていたのかなどは考えたくもありません。
 最後のデザートは苺パフェ、てっぺんに乗せられたジャスミンアイスが爽やかで心が洗われるようでした。

 このお店が面白かったのは、ウェイター氏による料理の説明が一々コミカルな(ネタ仕込んでます、という)ものだったところ。話芸もサービスなのかな。オツカル様も私もそういうのは大好きなのですが、緊張の余り上手に反応できなかったのが心残りでした。
 最後はシェフ氏とウェイター氏がお店の外にお見送りに来て下さったのですが、最後の最後でウェイター氏に「ずっと言いたかったのですが……Tシャツ、鬼太郎ですよね」 シェフ氏「あ、本当だ。明日からアニメですよね。息子が楽しみにして」 と弄られて、あれはオツカル様曰く「ドレスコードに引っかかったということなんじゃない?」 私「出禁かぁ! だってさ、最後にウェイターさん、『お客様方は、色々と行かれているのですか?』って言ってたじゃん。『色々なお店の経験がおありですか』じゃなくて、『色々と行かれて』だって。もうはっきりと言ってもらった方が良かったと思わん?」 オ「Crazy!」 イカレた二人、もう笑うしかありません。

 イカレた二人の本日2つめのメインイベントは、場所を新大久保に移して絵恋ちゃんのイベント「えれ会」です。「えれ会」とは、絵恋ちゃんとえれにすと(絵恋ちゃんファン)さんたちとの定期的な交流会。前半が絵恋ちゃんと相棒・Tさんとのトーク。後半が新曲のヲタ芸振り付け決定会議(アイドル自身とえれにすとさんたちが一つ一つ話し合いながら決めていくのです)とミニライブ。最後に物販があります

 お昼の「ラチュレ」と並べるとシュールさが際立ちますが、「えれ会」では毎回絵恋ちゃんが考えたスペシャルメニューが販売されます(1品買うごとに抽選券が1枚もらえて、物販後の抽選会に参加出来ます)。そのメニューが以下。
 ・春いものには巻かれろ(500円)
 ・ねばってあえて無視(500円)
 ・絵恋ちゃんのかけ布団(450円)
 ・推し変の春(600円)
 ・けっ酸こ(500円)
 いちばん上が春巻だということ以外何も解らないですけれども、ファンは取りあえず全部買って抽選券を5枚(2人で10枚)手に入れるのが義務なんだとか。「ねばって~」はオクラと鶏の和え物、「かけ布団」は桜ロールケーキでした(残り2品は甘めのドリンクです)。普通に美味しかったのに驚きです。ビールも進むし(飲みながら参加してます)。

 アイドルやお笑い芸人のトークイベントに特化した会場は、70人程度の観客で満席状態。何となくグダグダなトーク、アイドルとファンとのタメ口毒舌交流で決まっていく振り付けと練習時の一体感、ミニライブでのヲタ芸の盛り上がり……に若干引き気味ながら何せ曲が良い(好きだ)からどうしても惹かれてしまう私。
 先日購入したTシャツには、絵恋ちゃんさんが直接サイン(というか、持ち主の名前・あだ名を名前欄に大書)をして下さるということで、物販の時に書いてもらいました。ハンドルネームっぽくした方が郷に(業に)従ってるのかなぁと思ったので、一部F校関係者からの呼び名「いけのってぃ」というのを。因みに、物販ではずっと欲しくて手に入らなかったアクキーを遂に購入できたので、これから私は「えったんこ飯」をすることが出来るのです(っつっても、鍵アカなのでオツカル様に見せるだけですけど)。

 会場が最高潮に盛り上がったのは、新宿御苑をテーマにした『アド街』の放送を(物販の後ろで)流していたのに絵恋ちゃんさんが映った時。御苑には絵恋ちゃんが時々一日店長イベントを行うスナックがあり、そこで先日取材を受けたということで、どれだけ流されるか解らないまま放送を流していたんですね。したら、割とがっつり映っててえれにすとさんたち歓喜。「身長:毒リンゴ5個分。体重:毒リンゴ3個分」という情報(設定?)もきちんとテロップで示されていたのが好印象でした(お前は何を書いているんだと理性が囁いてます)。

 終了まではノーツイートだという条件で、終演後にファン一堂と絵恋ちゃんとで某所でお花見(夜桜見物)をすることになりました。先述した抽選会の商品の中には、夜桜と絵恋ちゃんとの写真もあったり。
 「えれ会」会場からコンビニ(500mlのビールを6缶購入、誰か飲むでしょ)を経てお花見会場へ。オツカル様の金魚の糞状態ですが、昨年の生誕祭打ち上げで良くして下さったとりっぴぃさんが私のことを覚えていて下さるなど、やはりアイドルのファンの方々は基本的に気遣いさんが多いんだなぁ、という感想。
 お花見の白眉は、アイドルファン(男性率高め)がワイガヤの集まりを一体何なんだと近づいてきた(ちょっと面倒そうな)酔客をオツカル様が一言であしらったシーン。酔「あ~、これ、みんな何やってるんすか~?」 オ「『ポケGO』で~す!」 酔「あ~、ポケモンね(興味喪失)。じゃ~」 私を始め周りのえれにすとさんたちは感心するやら笑うやら。

 あ、後、夜桜チェキを取るときの小道具として絵恋ちゃんが私の買った缶ビールを使ってくれてたから今日のノルマは果たせたと思いました。終電前に単独離脱して、新宿三丁目~池袋、ホテルで健康睡眠。