臨床例として次に

 国語科先輩先生からお借りして、黒澤いづみ『人間に向いてない』読了、★★★★。社会派(?)の変身譚(カフカに捧ぐ)として面白く読みました。部屋・家庭・サークル・社会……と集団を入れ子構造で考えるなら、果たして「引きこもり」の定義ってどこからどこまでを指すのでしょうねぇ(そうそう、部屋の中には更に「個の内面」なるものもあるという入れ子構造でしたね)。時々地の文が現代文の評論のような書き方になっていて特徴的。あと、プロフィールが(出身県以外)明かされていないので年齢が分からないのですが、作者氏は戸川純を知ってるのかなぁ。ソロ名義の「あの曲」とかYAPOOS名義の「あの曲」とかを想起させられるストーリーでした(批判に非ず。作品は十分なオリジナリティーを持っています)。
 メフィスト賞なのにノベルスではありませんでした。今はそういう風になってるんですかね。

 まだ結果(順位・平均点)どころか答案も返ってきていませんが、週末の②校内模試の「手応え」で一喜一憂している生徒が……実際は「一喜」は皆無で「一憂」ばかりなのですが……散見されます。幾ら「今夏別乾坤!」の覚悟で勉強したとしても、直後の模試で手応えを期待するのは無理筋でしょう、と言っても納得できない生徒は居ます。感情的に落ち込むのはこれはもうどうしようもないので落ち込んどけとしか言いようがありません(落ち込んでても勉強は出来ますので)。ただ、直後の模試で手応えが悪かったことが夏の勉強の徒労無意味或いは方向性の間違いだったという結論に直結するならそれは違うぞ、と言いたい。これは感情論ではなく事実の誤認だからです。
 因みに、作り手は既に(というかとっくの昔に)③・④校内模試を見据えています(多分)。私は③の文理共通現代文、④の文系現代文の問題を完成させ、今は解答解説を推敲中。他大の人には若干申し訳ありませんが、完全に東大に寄せて作りました。20年前のTQC東京大学クイズ研究会ではないですが、正に「東大風」です。こないだTwitterのTLに「予備校の東大模試は東大入試の二次創作だから予備校はコミケ」というネタが流れてきましたが、正にそれが私の理想です。

 今日は授業が2コマのみ。終業後は自宅に戻って母君の夕食を準備し、私は電車で二日市に出て「月空」の焼き鳥。