気まずい 気まずい 就職しないと気まずい

 書くのは何度目かかも知れませんが、F校のスローガン「授業が命」に対して「生徒が命がけで授業に臨む」の意だという誤解が(一部で? 広く?)まかり通っているのが不思議。「命」などという語彙を比喩的に使う軽薄はあり得ないのでこれは確かに「命をかける」の意だとして、子どもが何かに「命をかける」ことを教育者が求める訳がないですよね。これは「F校に就職した以上、教員が命がけで授業をする」の意だと考えなければ理屈に合いません。「命をかける」のは大人で、子どもは将来自分が「命をかける」何かを選ぶその選択肢を広げるために勉強しているのです。綺麗事に聞こえるでしょうが、スローガンなんだから綺麗事に決まっています。後は実践如何。

 江口夏実鬼灯の冷徹(25)』読了、★★★★。

 本日は普通なら土曜日に行う高2Bの現代文を金曜日に変えてもらったので(時間割の同窓同僚数学、及び土曜日に移ってくれた国語科後輩先生に多謝)、高2全クラス現代文(5コマ)、及び高3文系東大漢文(1コマ)で6限中6コマが授業というギチギチの日程。変更を願い出た理由は勿論のこと上京旅行で、明日は1限の高3漢文を終わらせたら年休を取って速攻で学校を飛び出します(恐ろしいですが機上の人になります)。6コマの授業というと気力体力の消耗甚だしく、というように思う向きもあるやもですが、実際には趣味でやってる原研哉『白』を5回も読むことが出来るし、高3の漢文も月曜日になった特講と同じ内容だし、とそうはキツいものでもなく。というか、63回生高3の年度の土曜日が1~4限センター現代文、5・6限東大理系現代文、7・8限京大現代文だった上に日曜日に特講の添削が10時間かかったというあの地獄に比べたら、6コマ/6限の日程など物の数ではありません。

 昼休みでは終わりきれなかった高3漢文の添削を放課後にやろうかと思っていたら、真面目な受験生なら「近寄るな危険」の茶髪・金髪のロッカー2人が職員室に遊びに来ていて、この63回生2人(理系Kくん・Hくん)がまたエラいこと面白い子たちなんで話が盛り上がってしまいました。
 高1Cで担任をやって、文理分けでは絶対に文系に行けと最終決定日の前日夜まで説得した(確かあの時はライブバー「A」からの泥酔電話でしたが……あ、向こうから掛かってきたんですよ、一応)Kくん。担任の説得を振り切って理系に進んだ後で浪人時に文転というあるあるを経た彼は現在九大法学部でひぃひぃ言ってます。人と会話するときの頭の回転の速さは63回生でも随一で、顔色というか声色というか論理展開色というか、とにかく寸言から相手の出方を伺う天才、っていうとディスってる感があるか、でもまぁ彼と話してるとちょっと普通より頭使わないといけなくてこれが楽しいんですね。そのKくんが現在大学(2年生)でひぃひぃ言ってるのは1年の時の落単芸を経た落ち穂拾いが忙しいからでこれもまたあるあるですね。相手の出方を伺う天才は、でも端的にメンタルが弱くて諦めが早いから、今年来年は単位を溢さないよう、ちょっと意識的に自分をいじめないといけないかな(じゃないと4年次の就活に支障が出ますし)。まぁ、基本的には大丈夫だろうけど。
 片割れHくんは本物のロッカーで、F校卒業後は大学進学を選ばずにメタルバンドでギタリストをやったり、依頼された作曲をこなしたりして完全に自立生活を送っておられます。メジャーではない音楽活動というのはちょっと前の私には想像もつかない世界だったのですが、去年末から何度か地下アイドルの活動を見ている(それ系の新書も読んでいる)ので、「地下アイドルの活動みたいな感じ?」と訊いたら「プロデューサーのゴーストライターで作曲したこともありますよ」という詳述秘匿が必須のお返事も。「師匠」と呼ぶギタリスト氏との関係とか、仕送りなしの完全自立生活の苦労とか(20歳にして税金がとか保険がとか年金がとかいう台詞、隣のKくんには全くピンと来ない様子です)、渋谷パリピが集うバーでのアルバイトの話とか、一々が社会人の生々しさと音楽業界の不思議さとに満ちていて面白いんです。
 そんな2人が共通して(今更ながらと自分たちで前置きして)元担任団の国語教師を褒めて下さったのは「大学で自分の学部の勉強と教職とを両立させて教員になったこと」でした。Kくんに言わせれば1限・5限に行われる教職の授業にきちんと出席するというのは「あり得ない」話だそうで、Hくんに言わせればそも大学と就活というのが両立するというのが「あり得ない」。私の場合はちょっと特殊で、中1の時からF校国語科教員以外の道を考えたことがなかったから、中高6年は「顔を売る」就職活動だったし、大学5年(あれ?)は「免許を取る」就職活動だったわけで、特定の職場に向けて11年も就活やったんだからそらそこに就職しないとナイトってなもんです。
 いずれKくんは就活経てそれなり以上の企業に入るでしょうし、Hくんはその道に邁進するのでしょう(通りがかった元担任団、数学は「その道で頑張れ!」、英語は「直ぐに大学受験だ!」、と真逆なのもあるあるです)。素面で90分喋って飽きることがなかった二人だから(変な理由ですが)、どこに行っても大丈夫だと思います。今度は飲みに行きたいなぁ。向こうが学校に来ると、校門前の警備員さんを混乱させちゃうだろうし(風体が奇抜だから不審者相当の誰何だったそうです)。

 夜の「もりき」では、あらお懐かしやのセブンさんと遭遇。店舗オススメの惣菜・デザートをたんまりいただきました。

キレーな奥さんも子供もいませんけどねー

 よしながふみきのう何食べた?(13)』読了、★★★★★。最の高。表紙のインパクトは前巻程ではありませんでした。あと、作者ご本人がお描きになった本作の同人誌(R18)が2冊あるという話、入手する(読む)かどうかは非常に迷うところで、「見たい:見たくない=3:97」というレベルなのにこの「3」が強力なんだわ、という感覚は本作のファンなら「分かる!」と言って下さる方は少なくないのではないでしょうか。
 中村光聖☆おにいさん(14)』読了、★★★★。実写化……福田雄一山田孝之……『勇者ヨシヒコ』シリーズだけしか観たことなくて観た感想が「巧いなぁ、全然笑えないけど」だというこちらの感覚も「分かる!」と言って下さる方は少なくないのではないでしょうか……というタッグでドラマ化……むぅ。

 学級日誌にクラス某くんが日直感想、曰く「勉強意欲の無さを切実に何とかしたい」と。担任私、曰く「何回でも言う。意欲があるかないかと、やるかやらないかとは独立の事象。意欲は自己コントロールできません。やらない上にそれを意欲などという外部のもののせいにしようなど笑止。理系ならそのくらい理解しなさい」と。何か、私、長渕剛みたいになってますね。
 まぁ、「何とかしたい」という表現ですから、まだ自己を責任主体に置いている点においては評価できます(意欲がコントロール出来るという誤解と、意欲と実行とに関係があるという誤解とはありますが)。最悪なのはちょっと前に流行った「やる気スイッチ」とかいう言葉で、それさえ押せば意欲が滾々と湧いてくる魔法みたいなスイッチを誰かに探して欲しい押して欲しいとかいうような田分けたことを、冗談なら面白くない本気なら救いようがないと気づかずに口に出すタイプが我が愛する母校兼職場にも居るんです(少なくとも嘗ては居たんです)。脳内の辞書にその語彙が収録されている受験生は、それは滅びの呪文だと思って口にしない・文字にしないことですね。言葉にした回数が留年の年数、奇跡の幻影合格も留年で相殺必至です。

 印刷室で事務嬢さんが、第3回校内模試の解答・解説冊子を印刷しておられます。本当は一昨日やる予定だった印刷を。●●先生と▲▲先生とが原稿を締め切り通りに提出なさっていれば、もうとっくに終わっていたはずの印刷を。
 私「背中が語ってる」
 嬢「え、何ですか?」
 私「ったく毎度毎度原稿締め切りに遅れやがってんじゃねーよてめぇはどの面下げて自分の生徒に宿題を忘れんなとか言ってんだああん?」
 嬢「あ、背中、電光掲示板になってました?」
 他の先生がいらっしゃったら口が裂けてもというやりとりですが、私以外には印刷室担当の事務員さん(←捌けるお方)しかいらっしゃらなかったので、ノって来ました。

 さて、本日は授業なし。土曜からの上京旅行前に伸びすぎた髪を切ってもらうべく、12~15時で年休を取りました。この場合、以前は3時間年休という扱いでしたが、今年度からは12~13時は昼休みという扱いで年休2時間という風にカウントが変わりました(年休届けには「学校不在の時間帯」を記入するために、1時間のズレが出ます)。組織の雑さがどんどん改まって行きます、時代ですね。
 就職した卒業生に聞くと、多くの企業は半日(午前・午後)単位でしか年休が取れないようですね。F校のように1時間単位で年休を認めるのは珍しいのでしょうか。東京でミュージカルをご一緒する58回生Tくんは住商で、彼の職場も年休は半日単位だそう。電通の事件以来、嘗ては年間20日の10日以上消費すると白い目で見られた(ってのがオカシイと思いますが)年休も、8割の16日以上は使えとせっつかれるようになったということ。だったら、時間単位で年休を認めて消化しやすいようにして欲しいものですね。ちょっと銀行・郵便局に寄りたいから1時間だけ年休、みたいな。

 行きつけ「G」でカット。色々な事情が重なって現在は完全にワンオペでお店を回している(ために現在完全予約制)店長Kさんとはすっかり気心が知れ(稀にですが一緒に飲みに行くくらいです)、今日もカットの間はだらだらと趣味の話を。
 お互いに最近ハマっていることとして、Kさんはスマホのテニスゲーム、私は地下アイドルの絵恋ちゃんさんのネタを。最近(だったか自信はありませんが)ガチャピンとか色々なキャラが参入したのをCMで観た記憶があるそのテニスゲームで、Kさんは現在日本でランキング7位とかのチームに所属しているそう(全く裏取りをせずに書いているので、誤解がある記述かも知れません)。人気のプレイヤーになったら、その彼または彼女がプレイしている試合を観戦するツールに何百人何千人が熱狂するなんて話もあるそうです。
 私の方は、店内のタブレットを使って「絵恋ちゃん」「絵恋ちゃんと楽器」「絵恋ちゃんと楽器とえれにすと」等々のアーティストのライブ映像を流しつつ解説。「気さくが世を斬る」「頭痛い」「カラシメンタイコ」等々のインパクトにKさん大笑い。私も7割方はそうなのですが、Kさんの目にはお笑い芸人として映っておられる様子でした。

 学校に戻ってからは細々としたデスクワーク。我らがB組はまだ影響外にありますが、高1・高2でちょこちょこと体調不良が出始めていますね。生徒だけではなく担任団も。この方は大丈夫だろうと言うとある先生が風邪で欠勤なさったのに「へぇ」と思ったら、声をやられてしまったとのこと。感染性ではないなら高熱が授業を邪魔することはありませんが、声をやられてしまったらもうどうしようもありませんね。

 夜は「もりき」。

むかしむかし ちょっと昔 おんぼろお堂や古井戸に

 高3の英作文を添削しておられた英語ベテラン先生が「あっ!」と驚かれる。「通信機器今昔」がテーマの自由英作文で、「昔・携帯/今・スマホ」と例を挙げ2つの比較をネット環境の有無で上手に比較した答案があったのです。先生は「そういう時代なのかなぁ」としみじみのご様子で、普通ならもう少し大きなスパンで考えるんじゃないのかなぁ、と。コンピュータ担当の関西数学先生は「いや、その環境の有無は段違いの断絶だからその感覚は正しいと思う」というご意見。私はどちらかというと前者寄りで、「今昔比較」の「昔」は自分の生まれる前に置くスパンで物を考えた方が想像力が入って面白いかなぁ、という考え方。じゃないと、美空ひばり松任谷由実宇多田ヒカルとが同じ箱に入っちゃうんです。

 6時入りの職員室で授業準備は、09年東大現代文の出典、原研哉『白』の一節。F校が採用している教科書には載っていないので、原著から直接引っ張ってきました。
 ペンで紙に「書く」とはどういうことなのか、大学の二次試験が「今・スマホ」のインターネット時世にあくまで紙に書いて答案を提出させる形式に拘るのは何故なのか、を見事に論じて秀逸。これは、その年に受験生に解かせる問題として優れているのは勿論、これからの受験生に受験勉強を通じて何をやって欲しいと思っているのかという「書く勉強」の定義を示す文章でもあり、かつその実践指南でもあります。これを出した東大の「慧眼」を私は信じたい(事前の模試でこれを的中させた予備校の「嗅覚」も素晴らしかった)。
 朝8時のLL準備室で文系某さんに本文朗読を吹き込んで貰い(風邪で苦しそうでしたが頑張ってくれました)、これを使って本日は1・2・5・6・7限の5クラスで授業。採用教科書を教える「義務」から解放された、完全に「遊び」の言論としてのトーク(と板書)300分を走りきりました。

 合間の3限・4限・昼休みは小論文添削を依頼された生徒と面談したり、11月末の高2担任団一斉出張・年休の時の時間割変更を試作してみたり。現在時間割1年目(2年目があるかは知りません)の同窓同僚数学は「こんなの、2年やる仕事じゃない」と吐き捨てます。まぁ、彼は担任向きだから良いんですが、私にとっちゃこの時間割は30年やる仕事ですよ。毎日の時間割変更「15ゲーム」、やってるだけでアドレナリンが出てきます。これと国語の授業だけやってたら良いよ、なんて言われたらもう天国なんですけれども。

 夜は、近所の肉料理屋「I」にて読書独酌。この店、単品に飲み放題がつくだけでなく、(私が常連だからかも知れませんが)単品のハーフサイズまで作ってくれるようになって、私好みにカスタマイズされてるんじゃないかと若干申し訳なくなってくる程です(自意識過剰、趣味なんですさーせん)。

 29日に購入した漫画4冊は、1冊ずつではなくて1作1話ずつみたいな順番で読み進めています。明日あたり、一気に読み終わるかな。

ちょっとやそっとじゃ出来ないぜ 穴があったら

 8日に東京で観に行くミュージカル『パジャマ・ゲーム』、チケットが2枚あるから誰か行きたい人はいませんか~? とtwitterで募集をかけたら、予想外の方向から希望者が現れました。58回生Tくんは東大剣道部→住商で純体育会系という認識なのですが、舞台(ミュージカル? 宝塚?)がお好きなのかな。舞台の後で聞いてみよう。
 8日の夜は63回生の東大勢4人(Mくん・Eくん・Tくん・Hくん)と渋谷で飲みに行きます。その内Mくんは67回生の妹氏を高1A~高2Bと連続して「担任なう」なので、色々お話が盛り上がるかも。ポムポムプリンが大好きで蓮根に目がない妹氏の夢は、先日の3分間スピーチによればポムポムプリンから口に蓮根を押し込まれて窒息死することだそうですが(書いてて意味が解りませんが)、蓮根の形状から考えてその夢は叶うことがなさそうなので別のものに変えた方がいいのではないかと、これはお兄ちゃんから諭してもらった方がいいかも知れない(これは、押し込むのを蓮根ではない別のものに変えろという意味ではなく、夢そのものの内容を再考しようという意味ですので誤解なきよう)。

 6時入りの職員室で昨日の特講答案の添削を。これまでなら5時~6時でやっていた1時間分の作業は、昨日の18時から職員室で済ませています。という訳で、作業は時間に余裕を持って終了、SHR後は3時間の年休を取りました。

 またまたクラスの某くんから自転車を借りて、今日は母君の定期検診の介添えでF校親玉大学病院へ。母君は西鉄交通網に完全に慣れたご様子でリハビリステーションから電車・バスを乗り継いで病院へ、私はタクシー往復が(2000円×2と)財布に痛いこともあって自転車往復です。
 結論から言うと、レントゲン・採血共に異常なし。この調子で継続経過観察をしていきましょうというお話でした。タルセバ(抗癌剤)はずっと飲み続けないといけないですが、足の爪が膿むという副作用は、前回からタルセバの量を少し減らしたこともありだいぶ緩和しています(そのこともあって、15日にちょっと遠出のバス旅行に踏み切れたのですね)。診察後は薬を購入し(これがどえりゃあ高いのです)、病院近くのパン工場でブランチをご一緒してからお別れ、母君はバスで、私は自転車で病院を後にしました。某くんへの自転車のお礼は、今回は先のパン工場でラスクを購入しました。

 授業は4~7限の連続で高2現代文。本日で「文字禍」が終了し、明日からは原研哉『白』です。テンションは高いのですが、午前中の病院で体力を吸い取られたのと、5~7限150分ノンストップとが重なるとちょっと身体が重いですね。

 帰宅後は、入浴後に「もりき」。鯨の赤身が入っていたので、久しぶりに刺身で注文。美味。

痛快TV スカッとジャパン

 事務嬢さんと。
 私「12月に清水ミチコのライブに行くんですよねぇ」
 嬢「えっ、良いなぁ。前にHさんと行ったって言ってましたよね」
 私「今回は一人ですけど。面白いですよ」
 嬢「でしょうねぇ。私も一回観てみたいです」
 私「結構頻繁にあってるんですよ。今回は福岡市民会館で24日に」
 嬢「えっ、イブに?」
 私「……隠せ」
 嬢「え?」
 私「3秒前の羨望との落差。隠しなさいよ」
 嬢「いやだってそれはさすがにイブて」

 6時出勤でデスクワーク。本日は4限が高2現代文、中島敦「文字禍」の最終回。明日が別の4クラスで同じ授業をやって「文字禍」はおしまい。その次の教材は原研哉『白』から2009年の東大現代文出題箇所を。これは63回生の時にも高2で扱ったマストの教材です。「文字禍」~『白』の流れは無意識に決めたのですが、これ、どのようにでも絡めて問えそうですね。

 7限は04年理系漢文の蘇軾『東坡志林』を用いた高3東大漢文特講。これは問三の欧陽脩が「大笑」した理由というのが題意不明だと鉄緑会が(優れた過去問解説集の中で)批判していた問題ですが、これに限っては私は題意と正解とを一つに絞ってこれで正しいと確信しているのです。文句があるなら数学オリンピックに言いなさい! って、何を言ってるのかは殆どの人に解らないでしょうし関係ないでしょうし、まぁどうでもいいですね。

ほら また 戦争かい

 いつものように未明起床ですが、学校入りは6時。今日から、校門・職員室の開放が朝の6時からになるのですね。4時~5時半までは家の書斎で日記の更新なぞしておりました。
 学校ではいつものようなデスクワークを6時間、12時まで。今週一週間を乗り切れば、連休を利用した2泊3日の上京旅行、地下アイドルの聖誕祭・元宝塚主演の舞台鑑賞、という二本柱です。

 学級日誌日直感想に某女子が「きのこの山の方が絶対に美味しいと思う」と。何故戦争導火線に火を着けようなど考えるのでしょう。どちらにも与しない担任は、嘗て第三極の「すぎのこ村」が戦火に消えた悲劇を思えばこれ以上の争いは起こせようもないはずだと思うのです、というか「すぎのこ村」こそが絶対にいちばん美味しいと思うのです……だめ?

 お昼過ぎにK市立美術館を1時間ほど見学したあと(1周年記念ということで入館料が無料でした)、割と気になっていた海鮮居酒屋に初入店したらランチ1500円がイマイチだったのは残念(瓶ビールが「秋味」だったのは高感度大ですが、1本600円は高い)、午後はちょっとした気分転換でプティ観光の西鉄普通電車。三沢駅徒歩10分の如意輪寺、通称「かえる寺」へ。ご住職が20年以上をかけて集められた蛙グッズが敷地内を埋め尽くしていることで知られるちょっとした名所で、言っちゃ悪いですが僻地のお寺に、観光バスの訪問者がわんさの賑わい(日本人だけではなく海外の方も多かったです)。

 帰宅後は、宅飲みをだらだらと。
 pha『ひきこもらない』読了、★★★★。元ニートさんのエッセイ集。気分良く・身体楽々・柵のない生活、を送るための工夫に目茶目茶手間隙をかけている(エネルギーを使っている)ように見えるんですけれども、それはそっち方面の才がない私からの偏見で筆者はただナチュラルに生きているだけなんでしょうか。私は、この「工夫」が面倒くさいので半端者のワーカホリックに身を投じているんですね。遊牧の彼と定住の我、人生観や価値観はそっくりだと思うんだけどなぁ。

西にはあるんだ 夢のくにンニキニン

 10月1日からは校門・職員室が開くのは毎朝6時に。ということは5時入りの「日常性の維持」は今日が最後……にすべきだったのに、どうしても『サワコの朝』(矢野顕子回)が観たいという理由で自宅を出たのは8時前、学校着8時15分という為体。意志が弱い。

 2限が高3文系漢文、3限が高2現代文「文字禍」なのですが、4限に対外的なお仕事が入っておりまして。
 本日はF校会場に将来の受験生・保護者がお出でになる「学校説明会」の日。2限の時間を使って説明会、3限が授業見学(私の高2「文字禍」の授業さえ、常に誰かが覗いておられました。普通、中1と高1とじゃないのかなぁ)、そして4限が希望者による質疑応答です。教員数人がブースに分かれて、受験をご希望(ご考慮)のご父兄からの質問に答えるという時間。私は4組のお相手を致しましたが、その内2組が遠方からの受験をお考えで、お一人は東京、お一人は関西のお方でした。oh in中学を卒業後に(よりによって私が担任の)高1Aに入学した67回生某さんも言ってましたが、東京の受験界にF校受験の情報など伝わっている筈もなく、何だか特殊そうな国語の作文? リスニング? なんてどうなっているんだろうと(特に心配性なご家族の場合)気が気ではないという感じ。私も関東のお母様から国語が不安でと質問というかご相談を受けたのですが、「国語科の人間が応対したのは運命ですので」と前置きをして、お話しできる範囲のお話しをしました。

 さて、3限の授業見学。昔だったら少なくない生徒が爆睡してたり、窓の外のお子様たちに声をかけたり手を振ったりという生徒群だったのですが、今の子は(特に我らが67回生は!)真面目ですから。しかも3限が担任の私が我らが高2Bで授業をしておりましたので、生徒諸氏も気を遣ってくれているのか倒れることがありません。私は寝ている生徒を絶対に起こさないのですが、今日の授業見学で「生徒の態度が悪いから学校の印象が下がった」というのはないんじゃないかな。「授業の意味が分からないし国語の先生が挙動不審だったから学校の印象が下がった」というのはあるやも知れませんが。

 これは書いて良いのかどうか分かんないんですけど(前置き無意味)。67回生は中3で授業を週1、高1から担任なのですが、彼らは時々私が教員として強く(生徒から見て怖く)なったんじゃないかと錯覚しそうになる程に授業中の態度が真面目。内職睡眠は僅かで私語は皆無です。
 ただ、高1、特に高2になって以降、私の現代文で寝落ちする生徒が増えてきました。私、正直言ってこれにかなりホッとしています。だよね、意味分かんないよね? 面白くないよね? 私、ここにいる全員が興味深く聞けて理解もし易いトピック、みたいなつまんない話、してないよね? って感じ。

 西原理恵子毎日かあさん14 卒母編』読了、★★★★。これにて完結、ですが別のタイトル・コンセプトの作品が連載続行だそうです。
 久世岳『うらみちお兄さん(1)』読了、★★★。ん~、微妙。

俺の負けじ魂に火をつけた だから君にありがとう

 そう言えば、昨日は久しぶりに「みなさん」を瞬間視聴。フジの事前告知を見ても「まさか」とは思いませんでしたが、本当に件のキャラを出してきましたね。ふ~ん。まぁ、後は当然のごとく批判が起こって、それに対してTVを萎縮させるクレームだという反論をする愚か者が湧いて出て、という流れですね。

 さて、1~5限は連続授業。4コマは高2現代文「文字禍」で昨日の日記に書いたとおりこれは「遊び」で、残る1コマ高3漢文(文系東大)が昼休みと6限とを使った添削(4限の演習答案を帰りのSHRで返却)まで含めて「仕事」。
 「遊び」。2度目の「文字禍」授業には、森有正の「経験」と「体験」との話、竹内敏晴の演技論の話、プロトタイプ理論の話、レオニード・レオーノフ『穴熊』の話、等々を喋り倒し。いや、「好き好き大好き超愛してる」という作品愛が暴走する授業にならないよう、本当はもう少し軽い話と軽い板書とを準備してたんですよ。でも、1回目の授業を受けたクラスの某くんが3分間スピーチ……じゃなかったなあれは、12分間スピーチで「文字禍」・中島敦アッシリアについての詳細な講義をしてくれて、書籍からアンサイクロペディアまで使ったその講義が準備してた授業内容の2~3割程度を持って行くのを聞いてる内に、「アンサイクロペディアごときに負けてられっかよ」という対抗心がムラムラとですね。

 7限は高2学年集会でこれは担任としての「仕事」。脳内人事では私の担任業務は後1年半でおしまいですが(その後は30年連続で時間割がいい!)、その間に「仕事」と言うには「試練」過ぎるスキー研修引率がありまして。生徒には言ってますが、もし北海道往復の飛行機座席が私の隣になったら、飛んでる間中ずっと私から袖を握られる覚悟をしてて欲しい。飛行機怖い。あれは離陸と着陸じゃねぇ、発射と墜落だ。で、今日は2月に催行されるスキー研修の概要説明と各クラスの委員決め。集会後の教室で委員(5種類10人)を募ったらほぼ即決で手が挙がったのが有り難かったです。

 職員室にやってこられた警備員さんに呼び止められてお話を聞き、声に出して驚いてしまったのですが、セキュリティーの事情だか何だかの理由で、10月1日から校門・職員室開放が現在の朝5時から6時に変更になるそうです。これは未明添削にエネルギーの大部分をかける私にとっては大問題です。数日前に書斎にPCを入れたのは運命だったのかなぁ。冷暖房その他、書斎の環境を本格的に仕事用に整えるべきか否か。5時台に学校に来られることがある3人の先生(勤続年数が長い順に英語・国語・数学)にお伝えしたら、皆さん「え~っ!」という反応でした。ですよねぇ、1時間は大きいよ。

 夜は「もりき」。帰り道の本屋では漫画豊作。『聖☆おにいさん』『鬼灯の冷徹』『きのう何食べた?』の新刊に施川ユウキの新作、合計4冊。
 松任谷正隆松任谷正隆の素』読了、★★★。筆者の「モノ」に関する拘りを集めたエッセイ集、服も時計もオーディオも車もゴルフも楽器も香水も……全て興味の外の私には出てくる固有名詞の一切を知らないのですが、それぞれの「モノ」に興味を持つようになった原体験(半世紀前!)を語るその少年時代の精神を腑分けする生々しさは割と読み応えがありました。

小人の勝どきを 体(ボディ)雪崩れて

 夜中の3時に1tweet。
 【いつも通り早寝して、いつもよりも少し早い3時前に目が覚めたら、夢か現か政治がよく分かんないことになってて、どうせ今日は授業もなくのんびりした一日なので、二度寝して正しい現実に帰ろうと思います。自分でも何言ってるのか意味不明ですが、正しい世界に帰ったらこのツイートも消します。ぐぅ。】
 朝の5時半に1tweet。
 【二度寝から目覚めて、前のtweetを消す必要がないと知りました。「啓蟄の」ではありませんが「日本行方不明かな」ですね。本日は授業なしの机仕事、放課後は職員会議、夜は学年団4人(主任地理・担任世界史・私・副担任体育)で飲み会が入っています。「日常性の維持」……で、いいんですかねぇ。】

 本日は前述のtweetの通り授業がないので、ほぼデスクワークだけでいい一日なのですが、母君が私の扶養に入った後の新しい保険証が出来上がったので、それを母君にお届けするために午前中2時間の年休をとりました(10月頭の通院時に病院に提出する義務があるのです)。過去に何度かお願いしたことのある我らB組某くんから自転車を借りて、サドルを目一杯上げてから学校を出発です。

 今にもの曇り空でしたが、私は自転車で傘をさすというのが(倫理的にというよりも主に技術的に)出来ないので、ままよ(←掛詞に非ず)と飛び出し果たして天気はもってくれました(一瞬、数滴頬に当たったかな、と)。BGMはRHYMESTER『ダンサブル』でこれはもう兎に角格好いい、何度でも言います。
 ほぼ直前連絡でアポなしに等しい訪問だったので、母君のお部屋からはお渡しするものだけお渡ししてすぐに辞去。一緒に施設を出て、母君が買い物のために近くのスーパーに向かう道すがらに少しだけお話し。次にお会いするのは月が変わって3日、定期検診の病院でです。因みに、起動力という意味で母君の調子は大分上向いてきており、そろそろ施設を退所する時期をいつにするかと考えはじめておられる様子。当然私の家に同居するもんだと思っていたのですが、何やら不動産屋に連絡を取って独居の部屋を探しておられる様子。まぁ、他人ではありませんが「他者」ですのでご随意に、と言うしかありません。

 母君とお別れの後、予て興味を持っていたカフェ「S」に立ち寄って、中華粥のランチを。ちょっと高かったけれども小腹を満たすにぴったりでした。興味を持っていても1年立ち寄らなかったのは、朝も昼もとらない上に飲めない店には縁がないからですね。今日も別に昼食がとりたかった訳ではなくて、本丸はテイクアウトのちょっとしたスイーツ(エッグタルト、2つで300円)でした。
 某くんに自転車を借りたら、コンビニやスーパーやケーキ屋やカフェやで300円程度のお菓子をお礼にすることに決めています。自分で自転車を買うかどうかは(飲酒運転の誘惑があるから)悩ましい所ですが、今はまだたまに数百円のレンタル料で十分かなぁ、とか。

 午後は授業・特講準備のデスクワーク。高2現代文は中島敦「文字禍」、それが終われば原研哉『白』です。各教材3コマずつ計6回、教科書無視して遊び倒します。授業を受ける生徒の側は別に教科書教材の授業(講義)と変わる所がないでしょうけれども、私にとっては限りなく「遊び」に近い30コマ(5クラス6コマ)です。

いいですいいです 秋ですから(秋ですから)

 学級日誌の日直感想に某女子が「妹が修学旅行にiPodiPadは持ってくるなと言われたそうで、何だか時代に取り残されているような気がします」と。担任返して、「建前的には『修学』に不要だからということでしょうが、私は大勢が『時代に連れ去られている』事実の方が重いと思います。心身をよそに明け渡さない」と。
 ツイ廃中年が何を教師然と、と我ながら呆れます。さあ、こういうのこそ中島敦「文字禍」に叱って貰いましょう!

 と言うわけで、本日は1・2・5・6・7限で高2現代文を5クラス。昨日予定していた板書・内容をほぼ全て出し切りました。ノンストップで50分を5コマもやったんで体力は使っているんでしょうけれども、それを全く感じない多幸感。というか、5度読んで5度面白いんだから仕方がない。放課後は昨日の朗読吹き込みの続きで一日中「文字禍」漬けでしたけれどもそこでもやっぱり面白い。

 夜は「もりき」で牡蠣。今年初の生牡蠣入荷でしたが牡蠣しゃぶ鍋をリクエストしたらまだオススメは出来ないという返事だったので牡蠣鉄板に変えました。秋ですね。