愛の国から幸福へ

 太宰府店限定で「一蘭」が出している「合格ラーメン」というメニュー。麺が長い(伸びる)・器が五角(合格)形、等の特徴を備え……一杯890円っ! 東京でもあり得ないぼったくりで、学生ラーメン1コインが当たり前の感覚からしたら論の外なのですが、土地柄F校生もターゲットなので要注意です。受験生は「替え玉」出来ないだろうし、験担ぎでぼったくられて腹も膨れないなんてのは避けた方が良いと思うよぅ。

 本日は始業式、後に冬休み課題テスト。明日がテスト2日目ですが、両日とも4コマ(ほぼ半ドン)です。国語の出題があるのは明日。
 午後、書籍の買い出しで血痰ネーミングショッピングモール「You Meタウン」まで。これに託けて市内を90分のウォーキング。太りに太った年末年始の罪(脂肪)を滅ぼさないといけません。途中で「ミスド」読書をしましたが、勿論注文はホットコーヒーのみ。

 読書は、原研哉『白百』。
 東大現代文特講を担当する時には必ず最終回に09年(原研哉『白』)を持ってきます。喩えるなら名刀銘酒のキレ、思索も表現も共に澄み渡った名文です。その『白』の10年ぶりのスピンオフとも言える『白百』が刊行されました。白に纏わる百の随想は、しかし読んでみたら意外にも筆者の実生活・性格を色濃く反映しており、思弁の『白』とはその意味で一対。筆者の「食いしん坊」とフォルムデザイン(痩身)との間の葛藤など、人間臭さにクスッとさせられます。成る程、『白百』は棒を一本動かせば「自白」ですから。

 こないだ5日に「もりき」に行った時にマスターと話したのは、高校33回生同窓会の話。昨年末29日、常連のH先生が幹事となって「もりき」の鴨コースを食べる会を開く、とは事前に聞いていました。
 私「……で、同窓会、盛り上がったの?」
 マ「凄かったよ。16人」
 私「うわぁ、総揚げじゃん」
 マ「カウンター6人やろ、8人がけの小上がりに無理矢理10人入って。貸し切りやね。よう食うし。鴨だけじゃなくて酒もじゃんじゃん。Hくんとかが高か酒も持ち込んだりね」
 私「でさぁ、さっきから気になってたんだけど、あそこにある『めん●い』の袋って……」
 マ「その同窓会の中の人が関係者やったかな。えらい感動して食べてくれて、最後は握手まで。写真もいっぱい撮らっしゃって」
 私「あ~、成る程……」
 マ「何? 何かあると?」
 私「多分、その人、有名な人だわ。前言わなかったっけ? ホリ●モンが師匠って呼んで憚らない食通の人が居て、食べログとかでも凄い支持を受けてるっての」
 マ「あ~、聞いたような気が」
 私「多分その人だと思う。その人がもし食べログに記事をアップしたら、それがお客さん呼ぶかも」
 マ「え~、インターネットやろ? そんなのはこの店には関係なかろうもんね」
 私「おいちゃんはあんまりネットやんないもんねぇ」

 で、本日。東京土産を届けがてら「もりき」に行ってカウンターで独酌の最中。店の電話が鳴って、対応を始めた奥様のお顔がだんだんと訝しげなものになってきました。
 私「あ~、あれ、一見さんだよねぇ」
 マ「みたいだね」
 私「鴨のコースみたいだし、若しかしたら来たかも」
 マ「何が?」
 私「こないだ言ったじゃん。食べログに投稿なさったのかな(スマホ検索)……あぁ、投稿があるわ。ほら、ここ、うわぁ評価4.8だって」
 マ「何その数字。大きいと?」
 私「評価高い。この方は、銀座ミシュランで星の店でもこれより低いなんてことも。奥様、今の電話、一見さんから鴨でしょう?」
 奥「そう。初めての人なんだけど、『そちらの鴨は本当に天然の真鴨なんですか?』って聞かれたの」
 私「ほら、食べログ読んで直ぐ電話ってパターンだ。影響力高そうだから、後でおいちゃんたちもコメントを読んだら良いと思う。うわぁ、鴨、べた褒めだ。同窓会で補正が入ってるのかな(←失礼)」
 マ「それ見て電話って証拠はなかろうもん」
 私「ほら、投稿が今日の日付でしょ。それでその日の内に一見さんから直電なんて、影響に決まってるもん。今年、この後何件か一見さんが入るんじゃない?」
 マ「そんなもんなんかねぇ……」
 まだ腑に落ちない様子のマスターです。お店にお客が来てくれるのは良いこと、同窓会のお礼に、33回生から新年のプレゼントだと思ったらいいんじゃないかな。あ、でも、常連わいが入れなくなる程だと(妄想)困るなぁ。