変わり始めてく TYPHOON BRAVOが通り過ぎて

 本日は朝から福岡に出張、K塾福岡校に集まった浪人生が校内模試を受験するのを監督します。一節に因れば「東大より難しい」らしい120分のテストが4教科(国数英及び、文系社会・理系理科)あるのでこれは一日仕事、高3生は2日にわけて2教科ずつ受験する(半ドンが2日で前日から特講もなくなるので、はっきり言って楽な)のですが、浪人生は1日で受験するので大変(監督も大変)。どうあがいても帰宅が20時を過ぎるので、本日は昼・夜に二度の訪問看護・介護をお願いしています。母君の朝食をお出ししてから出発。

 8時に薬院駅前の「K塾」に入り、予め学校から宅急便で送っていた用具一式を受け取ります(英語リスニング用のラジカセ2台は塾からお借りします)。試験会場は隣接2教室を文系・理系に分けて使用し、同じ階に監督者(私)の控え室もあります。荷物を控え室に運び込んだ後は、最初に各教室の入口に座席表を貼り、黒板に時間割を書きます(セロテープやチョークも学校からの宅急便に入っています)。続々やって来る生徒に、注意事項と時間割とを書いた紙、受験票、答案成績送付用の封筒を配布し、受験票と封筒の宛名を書くよう指示します。控え室で問題冊子・解答冊子(試験終了後に配布)の数を確認。8時45分に受験票・封筒・受験料(1000円)を回収、8時52分に英語の問題冊子を配布し、解答用紙6枚への記名を促しました。
 例えば、8時55分~10時55分の英語。開始直後に控え室に戻り、事前に回収した封筒・受験票・受験料の回収状況を名票の名前とつき合わせながら確認します(60人超の受験者がいるので時間がかかります)。その後、9時45分開始のリスニングの電源を入れに2教室を周り、紙類諸々の残部整理、リスニングが終了した教室を回ってデッキを回収し、塾の事務室に返却に上がります。監督とは言い条受験教室の中には殆ど居らず、雑務をずっと続けるばかりですね。実際、浪人生の校内模試受験で不正なんかあるはずないんですから……と思ったら、寝てるのは居たわ、三つ子の魂だわ。

 控え室で雑務の最中、ふと思い出して検索してみたら、東京は神泉の人気店「かしわビストロバンバン」の支店が何故か福岡市にオープンしていて、今居る「K塾」の校舎から徒歩5分の場所にあることが判明しました。おおっ、近い! と驚いた直後に67回生我らB組Mくん(文化委員長)に晩飯どないLINEを。快諾戴けたので、夜は鶏料理とワイン(未成年はジュース)とに決定。Mくんを選んだのは、九医で家が近くて、その時私が着ていた服が彼が実行委員長を務めた(受験している浪人生が創り上げた)「男く祭」のTシャツだったからです。

 2限数学、3限国語の受験中も、前の時限の教科の解答用紙を(また1教科毎に何枚も何枚もありやがんだこれが)数えてチェックして、と作業は色々。昼飯食べるくらいの余裕はあったので、近くのホテルレストランで水炊きを食べました(そこそこの味でメチャクチャ高かったです)。
 4限の理科社会の合間に、3限国語の小説(私が作問をした幸田文)の採点をサクッと。採点基準が先日の現役200人の採点時に固まっているので、60人の採点にさほどの時間もかかりません。が、平均点は残念ながら現役を下回ったので評価は「やや悪い」。東大京大以外の理系は国語の記述試験を受けるのが一年ぶりとかでブランクがあるんですけどね、それにしてもちょっと情けないかな(医学部志望の浪人生は、国語があるから受験をしたがらない、受験をしない人も居ます。そういう弱さを克服して受験している事実は誉めて良いと思います)。あとさ、ご愛敬で入れた文学史の選択問題、『五重塔『夜明け前』山椒大夫』『道草』『金色夜叉』から露伴の作品を選べってやつ、きみら『夜明け前』を選びすぎ。島崎知らない? っつーか、去年、高3現役時のセンター演習で『夜明け前』解いたよね?

 全教科終了後に生徒は解散、私は受験会場の整備・解答用紙の回収チェックを行い、紙類残部やゴミの一式までを段ボールに詰め、着払いで進路指導室に宅急便手配。「K塾」を出たのは18時50分で、建物前で落ち合ったMくんと「かしわビストロバンバン」へ。東京は神泉の名店、何故支店が福岡の今泉にあるのか、という理由は店員さんさえ知らず、でも味は同じで満足です。かしわを使った料理から、〆のリゾットカレー(名物)まで。
 さて、67回生は九医合格が確か18人だったかな(浪人が8人で合計26人)。「最近、どう?」という私の質問に、Mくんが持ち味の実直で言葉を選びながら話した内容を要約すると、やっぱり「あの」67回生だけあって九医の中でも「今年の1年生はF校らしくない」と言われる真面目さだそうで。この間、九医のF校卒業生が1年生の歓迎会をしたそうなんですけれども、67回生一同、先輩の「F校ノリ」にドン引きだったそうです。そらまぁ、幹事が63回生のあいつと62回生の彼だっつーんだから、そうなるでしょうね。「女子は二度と行かないんじゃないかなぁ」というMくんの言、中学共学1期生の67回生が潮目になるんじゃないかと思いますけれどもね。男子校時代のホモソーシャルな校風は、やっぱり高校だけが共学化した学年の中にはずっと残っていましたから(私のようなF校卒業生を中心とした教員の中にもね)。
 でもって、67回生九医組、諸部活の体育会系ノリ・上下関係・スパルタ・飲み会、の全てに拒否反応、人が集まったのがゴルフ部だとか弓道部だとかだというのが如何にも「らしい」ですね(因みに、西医体は名物の一年生髪染めを本部が禁止通達したところ、学生側の抗議殺到で即時撤回したそうです)。Mくん自身はゴルフ部と起業部とに所属、流石は「ビジネスプラン・グランプリ」ベスト10の人。文理から悩み抜いた好奇心の方ですから、憧れのゲンゲン氏の醜聞は応えたと仰る。そのショックを語る時のMくんは「『東大王』の人はそんなことしないですよね」と言ってたんですが……(8/12記)。