愛の挨拶

 定期テスト3日目、監督と採点・集計と。昼過ぎには集計まで終え、20~22日の採点休みを待たずとも、明日(定期最終日)の帰りには答案を返却できる手筈を整えました。これで、今夜の63回生飲み会(薬院泊)、及び明後日からの京都・倉敷2泊に集中できます。こちらの2泊はそれぞれの地の夜の居酒屋も予約済み。初訪問の倉敷の店は当て勘で選んで未知数ですが、京都の「神馬」は何年も前から予約に失敗し続けた人気店なので超楽しみです。倉敷の大原美術館は、おそらく県から新型コロナの感染者が1人でも出たら休館を余儀なくされることでしょう。21日、大丈夫かなぁ(とりあえず、Twitterの公式アカウントを見る限り今は大丈夫そうで、谷村新司が来館という呟きを投稿してました)。

 67回生続々、現役で合格して今春2年生に進級する卒業生は口を揃えて「何も出来ない! 暇!」と言い、1浪で合格して今春大学に進学する卒業生は口を揃えて「新年度がどうなるか分からない! 謎!」と言います。これだけ先の見えない新年度船出は2011年度以来、というか(比べるものでもないですし、こういう言い方は被災地に大変申し訳ないですが)今回は全国・全世界が混乱の只中にあるということで一層の不安が(かく言うF校も他人事では)。

 15時過ぎに退勤して自宅で入浴、その後で西鉄特急で薬院に出て駅近くのホテルにチェックイン。ちょうど待ち合わせの時刻だったので、荷物だけ置いてホテルを出発。
 Iくん(法学徒)とはしょっちゅう飲んでますけど、Mくん(医学徒)とは4年半ぶり。お久しぶりのご挨拶と、息災のご確認と(何せ前回お会いしたのは大学1年の時のバイク事故の後、病院のベッドに寝たきりで体の中には骨折固定の鉄が埋まってたような時でしたからね)。高校時代に全く繋がりがなさそうに見えていた2人ですが、中学時代にサッカー部で同じだったから元々知らない仲ではなく、大学時代に雀荘で偶然会って意気投合して以来は飲み仲間だという関係だとか。Mくんって確か将棋がめっちゃ巧い人だったから、麻雀も強そうだなぁ、と勝手に想像。

 Iくんの魚のリクエスト、博多だったら間違いなく「太郎源」を予約するとこでしたが薬院天神エリアのご希望だったので、魚も出そうな居酒屋「ぐりこ」へ。刺し盛り、天麩羅、煮物、と一通り。Mくんの事故後4年間の話、高校時代から聡い方ではあったので心配無用とは思っていたものの、入院のハンデを超えて順調に進級というのを本人から直接聞けて安心しました。ビール、日本酒、旨し。
 最早飲み友レベルのIくんとは、同じく薬院の上人橋にある「ふじ」という居酒屋に行ったことがあり(私、結構お気に入りです)、知らずに予約した「ぐりこ」がその師匠筋であることが後で分かりました。何となく近しい気はしたんですが、今日の「ぐりこ」の方が敷居は低いかな。

 2次会は、ちょっと離れた警固へタクシーで移動。こちらは、エリアに行くなら一度行ってみたいと私が前から思っていた店で「グラタンとワイン Clos」。マカロニ無し(追加は可)のおつまみグラタンが軸の本格的伊・仏料理を楽しみつつ、ワインは泡白赤ともお店お任せのフリーフローが頼めるという珍しいお店。エビグラタン・サツマイモのグラタン・ステーキ・チーズのベーコン包み鉄板…等々、2軒目とは思えない食べ方を。端的に良い店で今度は絶対1次会からと決めたのですが、私たちが入った時にはカウンターに1人、テーブル席に2組、と店内広々の割には寂しい客足。コロナの影響でしょうか。
 実際、途中で流しのヴァイオリニスト(!)が登場したのは完全にコロナの影響だそうで、音楽の生業は疫病の流行下で壊滅的なダメージだとのお話。「リクエストをどうぞ!」と言われてもわたしゃ「じ…『情熱た/」を途中で「あ、それは最後にやりますんで!」と斬られるレベルの素人ですから困った。ここで助け船を出してくれたのはMくんで、ピアノも嗜む彼がリクエスト曲をチョイス……って何だよおいこの医学部スペック高過ぎねぇか? Mくんが選んだ曲は「愛の挨拶」というタイトルで、Iくんと「知らないよねぇ」「知りませんねぇ」と言ってたら弾き始め2秒で「「電話の保留音のやつやん!」」ってなりました。
 美味しいお料理、プロの選ぶワイン、の上にプロの演奏するヴァイオリン(これは偶然)、ってかなり贅沢じゃないですか。雰囲気で酔いが倍増しになった私は、流しの演奏家のBOXに漱石を3枚(3人分)投入しました。

 方向音痴の上に酔っ払った40絡み、ホテルを予約しておいて本当に良かった。酔い覚ましではないですが教え子2人の先導で薬院駅まで歩いて(結局2人は終電帰宅になったそう)、ホテルに戻って健康な入眠、0時。