りはめより100倍恐ろしい

 そう言えば、数日前にF校を特集した番組が(BSで)放送されたんでしたね。私も取材されたので、数分くらいは映っていたかも知れません。取材のされ方から番組のコンセプトや自分の映り方は想像出来ますが、想像なのでそれについて思うことは書きません。勿論、番組は観ませんので、どうぞイジりは御容赦の程。

 8時出勤で3学期の時間割変更案の修正作業、高3のボランティア添削も数枚。高3フロアのロッカーの上に、添削の提出・返却BOXを置いてあり、提出箱に出して貰った答案は、翌(営業)日にその横の返却箱に返ってきているというシステム(高3担当時の恒例です)。図々しく「添削堂主人」を名乗っているのですが、今日は昼前のそのBOXに「添削堂2020年営業終了のお知らせ」を貼り出しました。これにて今年の仕事納め。コロナの影響もあるとは言え、今年はあんまり働いてないですね。来年は頑張りましょう(高3の国語を本格的に担当しますし)。

 一旦帰宅して入浴、着替えて旅行(福岡市内2泊)準備、西鉄の特急でK市から薬院へ。先週宿泊したばかりのホテルにチェックインの後、暗くなった夜道を目的の道まで徒歩10分、傘をささないといけない天気です。
 薬院でお気に入りの居酒屋「F」はカウンター割烹(個室も1室だけ)、同じくお気に入りの居酒屋「G」から独立した年若い大将が采配の美酒美肴を楽しめます(内装や料理のコンセプトは「G」よりも若者寄り)。オープン18時の待ち合わせに10分遅れて到着したのは63回生Tくんで、今夜のさし飲みは向こうからのお誘いです。

 本当はTくんの他に同回生がもう一人来る予定でしたが、東京のコロナ激増を受けてご家族からNGが出たとのこと(Tくんは社会人ですが、もう一人はまだ大学生ですからね)。
 そうなんですよ。Tくん、今日の昼に東京から帰省したばかりなんです。それで薬院で飲もうって言うんだからかなりの度胸ですよ。経済産業省のバリキャリ候補(なんだよね?)ですから、「移動も少人数の会食も直ちに感染に直結するわけではない」というお役所建前スタンスを自らの身体で証明しないといけないのかしら……
 私「……というその証明に、恩師を巻き込むなよ」
 T「いやいや、僕、相当感染対策してますって。今回の帰省だって、この飲み会以外一切外出しないんですから」
 私「え、それは喜んで良いの? それとも、もの凄い恩を着せられてるの?」
 という会話も心持ち小声で、東京帰り(とその連れと)は肩身が狭いですな。

 赤い折り紙で「唇」を折ると、特に海外の人に喜ばれるというのは神保町の折り紙博物館で聞いた話なんですが、今夜の居酒屋「F」の突き出しはその「唇」に自家製の薩摩揚げを挟んでるんですね。薩摩揚げが(突き出しだけに)唇から突き出した舌になってて、それに齧りつくというのは見方によっては結構エロい……
 私「……ので、さっきの店員さんが『キスするように召し上がって下さい』と言う時のはにかみがオープンから2年経ってもなかなか消えない気持ちもよく解る」
 T「どこを見てるんですか」
 刺し盛り・マグロカツ・ネギ焼き・もつ煮込み・西京焼き。

 12/29の薬院泊2軒目は、洋風居酒屋「かしわビストロバンバン 今泉店」。一昨日も昨日も「2軒目自粛」とか言いながら本日の二次会、わざわざホテルまでとったらそりゃ行かないと損だよというような根性がリスクを高めるんですけれども。「毒を食らわば」という態度がいちばん駄目なのも判ってるんですけれども。
 「かしわビストロバンバン」、普段はワイン派だという官僚くんの話に乗っかって選びました(霞が関からの帰りに銀座でワインってどんだけ高い店で遊んでるのよと聞いたら、安い店は幾らでもあるというお返事)。東京は神泉に本店があるその2号店が何故今泉に、というのは店員さんの誰に聞いても謎なんですが、料理もワインも本店同様リーゾナブルでハイクオリティ(ただ、名物だったリゾットカレーはメニューから消えていました)。木を隠すなら森、東京帰りのひそひそ話はワイガヤの店を選んでかき消そうという作戦だったんですが、「密」の見本みたいな座席配置が見事に満席という店内には流石のTくんも若干引き気味だったかな。

 2軒4時間、官僚のお世界の(抽象的な)お話や63回生の思い出の(具体的な)お話や、楽しく過ごしました。やや飲み過ぎ(ワインと日本酒とのちゃんぽんですし)。
 ホテルに戻ってそのままベッドに沈み込みました。