個人の内面を中心にして、同心円状に広がるプライバシー

 白井聡の弁明、キツいですね。一応は行為に対する抽象的な「反省」を口にしつつ、公開の場で「死んどけや(大意)」と言った相手への具体的な謝罪は無しで、どころか「偉大な知性」じゃなかったのが悪い、と捨て台詞です。
 10年の東大現代文『ポスト・プライバシー』には、社会的自己像に背く内面を秘匿するのは近代以降の個人の責務とあるんですけれども、その点、「謝れない」というメンタリティの暴露は悪手。死ねと言って謝れないメンタリティは、白井氏自身が常々批判している相手であるところの政権の人たちと正に「違う穴の狢」。
 白井氏、書き手(社会的な人物像)としては好きなので、残念でした。

 午後からの台風の影響を考えて、今日は5限短縮授業で生徒を下校させる(放課後の部活・体育祭準備・特講も中止する)ことになりました。時間割変更は昨日の内に作っていたので今日の作業は無く、未明3時に起床して昨日の特講の添削をしてから通常通りに出勤。
 短縮授業、例えば高2の水曜日は7限なのですが、体育と私の現代文とをカットして5限にしています。体育は天候の都合上切るのが当然ですが、現代文を切ったのは別に私が楽をしたいからではなく、時間割の突発的な仕事が入ってきた時に対処できるようにです(本当は、授業の回数、減ると困るんです)。
 実際、今日の昼の時点で、明日の広島~博多間の新幹線が(車両点検のため?)始発から8時までストップすることが発表されました。明日は、1限がカットで2限から始まるとか、1・2限がカットで3限から始まるとか、そういう可能性が高そうです。そこで、2限~6or7限で回す時間割、3限~7限で回す時間割、の2種類の案を作成しておきました。生徒には通常通りの1~6限の授業準備をさせておき、交通網の都合によっては短縮授業にするという流れです。今回は、高2が短縮授業になった場合、どうしても物理的に成り立たない部分が出来てしまい、古文の先生に2クラス合同で(場所を特別教室に移して)80人相手の授業をして頂かなくてはならず頭を下げました。
 というわけで、デスクワークだけで一日が終わったのですが、休み時間を使って高3の生徒2人と面談を。1人は志望理由書の添削、1人は東大現代文の過去問についてで所謂「物心二元論」の説明(と言っても、その言葉自体に傍線部が施された12年の河野哲也ではなく、00年度の加茂直樹についての質問でした)。

 9/2は「自粛御膳」を中止、明日の新幹線ストップに備えてK市ホテルに宿泊なさる先生を交えて3人で飲み会(私以外の2人は数学科の大先輩です)。オススメのお店を頼まれたので、ホテル向かいの焼鳥屋「S」にて。突き出しの蒸し野菜からビンゴのようで何よりでした。ここは何食べても美味しい。但し、そこそこあった日本酒は全部チャレンジ済みでした。
 2軒目はその並びにある居酒屋「T」。もとよりおじ様に弱い私、しかもそれが海せ……じゃない「包容力がお召し物を纏っておられる」お方だときたらイチコロで、毒舌未満の単なる愚痴がここぞとばかりの「王ロバ」状態で止まらず、程度を晒してしまいました。スッキリ!
 で、2軒目にも「日本酒チャレンジ」未踏破の蔵のお酒がなかったので、結局帰宅後のセラーから1本取り出して消化。茨城の「森嶋」、炒り豆を肴にして。