祭上げる familiar angel ただ無口な

 矢野顕子とTIN PANのライブアルバム『さとがえるコンサート』は、再生環境が無いのですがBlu-ray付きの限定版を買います。大貫妙子『40th ANNIVERSARY LIVE』はBlu-rayではなくDVDで購入。後者は買うかどうか迷ったのですが、松任谷正隆の参加と「CALNAVAL」「Mon doux Soleil」の2曲で買い。大人って、自由にお金が使えるからいいなぁ。

 本日から一泊二日で東京出張。飛行機は墜ちるので乗らず、新幹線で一路東へ。今日は、某予備校が主催する東京大学入試研究会、全国の国語教師が、国語(現代文・古文・漢文)の今年の問題についてカリスマ(←真に「カリスマ」の称号に値する)予備校講師の解説を拝聴するという行事。
 東京に着いたら即お茶の水へ。徒歩3分の某予備校校舎にて、先ずは早速現代文のお話、新書も書いてるスーパースター、S先生の授業を初体験です。

 茶髪にジーンズの還暦前、というと「そういう人ね」と分かる出で立ち、一応つけてるかつけてないかというネクタイも「そういう人だ」と主張していますね。そのS先生、しかし語り口は非常に穏やかで少しリリカルな程(勿論顧客であるところの教員の前だからでしょう、生徒向けのトークでどういう状態なのかは分かりません)。
 で、驚いたのは、国語教員なら大丈夫とのご判断なのか、ヴォルテールアンジェリーナ・ジョリーや「荒れ野の40年」等を挙げつつ(穏やかな語り口ながら)露骨に現政権を批判されたこと。事務方が見守る中での話だったので、許されるということなのでしょう。この某予備校がそういう所なのか、それともそれだけ大物だということなのか。
 入試の解説自体については、予備校が発表した解答速報から想像していた話を大きく超えることはありませんでした。小出しのトリビアにはいくつかほう、と思うところがあり(小出しのトリビアと思わせぶりな語り方、というのは現代文・古文・漢文の先生方に共通していた傾向でした)。

 場所を変えて、ホテルの大広間で懇親会。私は先ほどの研究会で渡された名札(学校名・名前・教科が記されている)を事務の方に返却してからホテルに移動したのですが、この懇親会(数百人単位の参加者ですげぇ! と思いました)にもつけて来ないと意味がなかったんですね。大勢の有名高校の先生方と挨拶、名刺交換。F校からは私と英語科ベテラン先生とが参加していたのですが、私は専ら英語科ベテラン先生の後ろにくっついてへ~こらしてました。ビールとワインはガンガン飲みました。
 京都のあの学校の先生とか、愛媛のあの学校の先生とか、勿論東京のあの学校の先生とか、学校名だけで目が潰れそうな煌星、にひたすら名刺を渡してぺこぺこ挨拶をし、パーティートーク(学校での扱われ方を自虐的に話して酔客を笑わせる)に辣腕を(←誤用)振るう。
 流石の大手予備校で、パーティーでお知り合いになった先生方20名程を丸ごと引き受けて懇親会は二次会まであるということ。明らかにスナックの居抜きだね、という居酒屋での二次会で、今度は役職名で目が潰れそうな某予備校の事務員煌星、に接待される。その煌星の中に、明らかに(こういう付き合いになれた「有名な」高校教諭の間で)姫的存在だな、と思われる女性がおられ、隣りに(もの凄い密着度で)座られたので、少しだけお話をさせて頂く。
 私「S先生というのは、何を話すも自由なほどお偉いのですか?」
 姫「やっぱり別格ですね。授業の数も相当多いですもの」
 私「東大を中心に?」
 姫「東大という最難関から、早慶みたいな下のクラスまで」
 早慶を下のクラスと呼ぶ世界の恐ろしさに少しだけ酔いが醒める。
 愛媛の学校の進路の先生、面白かったし博識だったしやり手そうだったし、お話させて貰えて良かったなぁ。

 本日の読書。
 行きのK市→博多の新幹線車内で読んだ内田樹白井聡『日本戦後史論』が面白く(★★★★★)、そこから想起した山本七平『空気の研究』が博多駅構内のキオスク的書店に売っていたので衝動買いして、久々の再読。これまた面白い。というか、歴史って繰り返すんですねぇ。