怪気象! 妖怪ぐわごぜ

 たっぴぃ頑張った、3時半起床5時入りの学校で予定通り神速かまして、朝のSHRが始まる5分前に東大・京大とも添削を終了(特講の答案は翌営業日の朝返却するのを基本にしています)。の後は1・2・3・5・6限がセンター小説の授業、空いてる4時間目にそのセンターの採点と昨日浪人生が解いた校内模試(90枚弱)の採点を半分ほど。放課後7・8限は文系東大現代文特講でまたまた25枚の答案(今日は01年文系の岡部隆志)がやって来まして、これは明日5時の職員室で添削。

 本日のセンター小説は09年追試、フンドーキンのお嬢様にして漱石山脈のしんがり、数え100歳まで大作『森』(未完)を書き続けた野上弥生子の作品。「笛」と題された家族小説なのですが……。
 主人公は夫「良造」を亡くした「つね」。娘の「きみ」は入り婿「新作」を迎え「太郎」「次郎」の双子をもうける。残る家族は「きみ」の弟であり工場で働く「清太」。家の中が「新作」夫婦中心に回り始め、居場所がないと感じる「つね」の元に、空き家の住み込み管理の話が舞い込み……という流れなのですが、この家族構成たるや。

 以下、授業より。
 【どうみても、これは『サザエさん』だとしか思えないわけですよ。だから、「つね」じゃなくて「フね」です。「良造」は「波平」、「波平」亡き後磯野家の中心におさまるのが「きみ」改め「サザエ」とその夫、この「新作」っていうTSUTAYAっぽい名前の人が「マスオ」ですね。勿論、「太郎」は「タラオ」と読む。でもって「清太」は「カツオ」で、彼が結婚を約束しているという「芳枝」という人は「花沢さん」か「カオリちゃん」かワンチャンあるで「早川さん」。あ、「ワカメ」は見せパンがセンター試験には相応しくないので退場して貰いました。代わりに入ったのが「タラオ」の双子の弟の「ジラオ」】
 【野球ばっかしてると思ってたらいつの間にかチューインガムがタバコに変わり恋人と結婚の約束までしていた、という衝撃の事実をカツオとサザエから内緒にされていたフネの目から涙】
 【波平を喪いサザエを嫁がせ、カツオだけは握っていたと思っていたのにそれすら独立したら、誰の妻でも誰の母でもなくなったフネは磯野家に完全に居場所がなくなると自己喪失、ガチしょんぼり沈殿丸状態に】
 【「カツオは握っていた」と板書したら寿司ネタになってしまうし、「カツオ」を「息子」に変えたら下ネタになってしまう】
 まあまあウケました。ってか土曜に7限授業やって日曜出張の合間にその添削やって月曜は5時入りで添削と7時間授業特講で火曜も5時入りで添削って何なんだよこのスケジュールはこのくらいの遊びがないとやってらんねーっつーの、って感じ。

 朝から飲まず食わずだった(嘘。仲良し事務嬢さんが昼の外出ついでにコンビニで買ってきて下さったカボチャスープを飲みました)夕食は、市街地の野菜料理屋「B」で独酌。ここ一週間ほど全然身体が太ってくれないので、今日は野菜皿(みょうが・アスパラ・セロリ・ポテトサラダ)、肉皿(牛すじ赤ワイン煮のバケット付き)、米皿(海鮮ドリア)、デザート皿(ミルクレープ)と食い尽くしました。これでど~よ。

 町山智浩『言霊USA 2015 マリファナも銃もバカもOKの国』読了、★★★★。まさかこんなに早く、町山さんがアメリカの方が最近の日本よりはまだマシ、とお書きになる日が来るなんて、ねぇ。