テレビジョンのブラウン管は受像する 電化の暮らし

 4時半起床、入浴。スイッチ一つで自動でお湯をためている(42度で200リットル)間は、松本隆トリビュートライブの映像。自動音声案内のお姉さんが「お風呂のお湯が沸きました。保温運転しません」と告げるのに「せんのかい!」とツッコミながら服を脱ぎ、広いお風呂に。保温運転させる方法があるのでしょうが、まだ調べていません。
 頂き物のT-falでお湯を沸かしてインスタントの(一杯立ての)コーヒーを飲みながら、書斎の机で浪人生の添削作業。脱衣場では、全自動洗濯機が稼働しています。大学3年生に上がる時だから20歳、毎日が上げ膳据え膳だった福岡県人寮を出た時以来、15年ぶりの文化・文明的生活をしている自分に戦いてしまいます。家の中で(風呂ではなく飲料用の)お湯が沸く環境が整ったのは就職以来だから12年ぶりですね。こんなに優雅な生活を送るなんて私に一体「何権」があるというのでしょうか。
 と、こうまで文化・文明の暮らしが整ってきたら、「ウェイ勢」ならぬ「アウェイ勢」「飢え異性」だった大学時代以来の欲望がフツフツと……沸き上がって来ませんね、我ながら驚くほど。

 63回生文系組とメール。大学生とは食事のお約束ですが、浪人生とは実務的な(勉強の)話題ばかり。次第一直線Eくんには勉強用の(大昔の)青本・赤本を郵送。高3の時にお貸しした矢野顕子『ごはんができたよ』を大絶賛して下さったNくんには、過去問と一緒にそのアルバムをプレゼント(私はこの間、紙ジャケットで再発されたものを買ったので)。Bくん・Iくん・Mくん等々の郵送添削物は、本日模試会場でお会いした時に直接お渡し。

 という訳で、本日は薬院K塾に終日出張、63回生浪人組の④校内模試受験を監督。合間に昨日の東大・京大特講の添削……をしなければならないのですが、回収した答案の確認・整理の作業が膨大なものになるので添削が出来るかは微妙。昨日の時点で、受講生には初めて月曜朝に返せないかも知れません、と謝罪。最悪でも帰りのSHRで返却します、と言ったら「結局早いんやないか」と笑われましたが、だって月曜の放課後は文系東大特講があってまたまた添削がどちゃっとやって来る。こちとら自転車フルで漕ぎ倒しとるっつーの。
 でもって、最初の英語の問題を配ってから始めた添削ガシガシ……で早速見つけちゃったよ、09年東大は原研哉『白』、の解答例(池ノ都試作)にちょっとした不備。(四)の解答は要素が足りないかな。あ~恥ずかしい。というか、58・63・64回生の皆様ごめんね~。明日学校で解答例を書き直そう……って何が「不可逆な定着」だっつー話ですが。
 さらにさらに、もう一つ見つけちゃった、というか気づいちゃったよ。私、間違いなく風邪のひき始めですわ。会場からの往復で薬院西鉄ストア、眠くならないと箱に書いてあった葛根湯を購入。薬は嫌いですが夜までの業務が優先なのでやむなし。昨日の暴飲暴食が身体に祟ったのでしょうか、太ろうと思って裏目。

 1限目の英語が終わった後は、答案の枚数をチェックしたり順番を揃えたりと兎に角確認整理作業が多くて添削の暇がなかなか取れません。それでも「細切れの時間が大事」という中1時代の英語先生(ということは、今の上司)の言葉を思い出しながら合間添削サクサク……時間が取れない中で、いざ事に当たった時の集中力やドライブ感がいつもより上向きだなぁ、と思えるのは同じフロアで全力受験している63回生の影響を心身が受けているからでしょうね。
 とは言え、その3時間目。昼休みを挟んだ午後の科目で小さく事件は起きる。我らが高3Aを代表する「遅刻八部衆」は、京大に進学した一人を除いて根こそぎ留年(大学に一年遅刻)なんですけれども、その「八部衆」の中のNくん・Bくんが昼休みの長さを勘違いして3限に10分遅れてやって来ました。三つ子の魂を見せつけられちまったぜ。

 試験の全てが終わったのは19時20分。全員ではなく選択受験の理系国語が最終時限に行われ、その答案を回収していたら、京大志望Hくんから「第一問の現代文、先生でしょ?」って。雰囲気でそれと察して下さったなら光栄。
 20分に最後の試験が終了、する前にそれ以外のあらゆる答案を全て整理して学校に配送する荷物の手続きもしてK塾の方に諸々の借り物をお返ししてご挨拶まで終わらせてしまっていたので、最後の試験を回収したらそれを枚数確認の上で紙袋にぶち込んだら即座に塾を飛び出す。何百枚もの答案は重い重い、ですがよろけながらダッシュして駅まで5分、19時31分発の特急に滑り込んでK市に帰還20時。

 西鉄K駅で(N鉄タクシーではない)タクシーに乗り、自宅経由で(答案その他大事なものを玄関に置いて)「もりき」へ入ったのが20時15分。先客はHさん(K市の母)とH先生(F校の先輩であるお医者様)。私を含めた常連3人以外無人でしばらく追加の来客がなさそうと踏んだマスターが、以前店舗リニューアル(っつっても壊れた冷蔵庫を買い換えただけですが)を記念して私が持ち込んだシャンパンを皆で開ける(&空ける)ことを提案。日本酒グラスで乾杯。ダブルHさんたちは牡蠣鉄板を召し上がっていたのでこれはシャンパンも大丈夫。私は、自分史に書いてもいいレベルの口内炎を慮って、メニューにはありませんが野菜炒めを作ってもらいました。後は、金曜日に取り置きをお願いしていたブリカマの塩焼き。秋味・シャンパン・日本酒(「久礼」と「鳳凰美田」)。

 帰宅就寝は22時。いつもより1時間ほど遅い入眠。結局、添削の進捗状況は京大が文理とも終わって、東大が60%というところ。明日は4時30分起床、6時入りで添削を終了させることが出来たら、いつものように朝のSHRで答案を返却できます(最終回だけ返却が遅れる、ってのは締まりが悪いから嫌ですよね)。寝る時の体感では、多分体調は大丈夫。業務が忙しくて余り多くはありませんでしたが、63回生の人たちと話せたので機嫌も良いです。