かんさいだき 常夜燈

 本来なら明日から生徒出校、例えば私が授業を担当している学年ならば中3で漢文の冬休み課題テスト(100点満点の国語の20点分)の出題がありますし、高3ならばセンタープレの監督があります。のですが、その明日、及び高3センタープレ2日目の明後日、を丸っと年休にしてしまうという暴挙を、ちょっと果たしちゃおっかなぁ、と。高3センタープレの監督は別の先生にお願いしたらいいすぃ~、中3課題テストの質問も他の国語の先生で大丈夫だすぃ~、何より私担任じゃないすぃ~。
 高3センタープレの監督割を組む同窓同僚先生からは「んだこらこのくそ大事な時期に舐めてんのかあぁん?」と睨まれましたけれど、そこをなんとかと伏してお願いして貰って、明日明後日の年休をゲット! なぜ年休かというと、完全プライベートで2泊3日の大阪旅行に行ってしまおう、という計画があるからで、要するに私の新年・冬休みはまだ終わらせない、大阪で中島みゆきさんのコンサート「一会」を観るのだぁっ! という算段。

 生徒にとって冬休みの最終日、である本日、午前中にちょっとした会議があったんですけれどもそれはもう予定通り午後にはみ出すことなく終了致しまして、他の先生から「えっ、もう帰るの? 仕事ないの?」と驚いた様子で声をかけられるのに「えぇ、今からあ~くしお~さかに行きましてなかじまみゅ~きさんのこんさ~とを楽しもうかとおほほほほ」と答えながら風のように退室、旅行中は朝も昼も夜も食う、と昼食はK市内の「梅の花」でランチコースなんていただいて(こういうのが蓄積して「正月太り」になります)、K市→新大阪は新幹線直通が走るようになって最高、と車内では読書・CD・スマホRPG(最近、一つダウンロードしました)。

 梅田の定宿ホテルに入ったのが17時。荷物整理や読書やで時間を潰して、17時35分にホテル発。夜の約束をしているお相手は我らが63回生関西組Bくん&Mくんで、ホテルから徒歩10分の中津駅に17時45分という時間設定、完璧。
 ……と思ってんですけど、大学生の時間感覚を舐めてたわ失敗。大学生なんて待ち合わせに遅刻しかしない生き物だということを計算に入れていませんでした(一昨日の東大3人のパンクチュアルなことと言ったら、あれは例外ですね)。っつーか、Bくんに至ってはF校在学中は「遅刻八部衆」だったんですからねぇ。45分の待ち合わせだ、っつーのにMくんは50分過ぎて駅に着きました、というメールを送ったっきり18時過ぎても来やがらねぇし、Bくんに至っては連絡も無い、と。中津駅3番出口で予約の店に遅れますという電話をかける私、寒い。

 これについては私にも非があって、中津駅は御堂筋線しかないと思ってたら阪急があったのね、という土地勘のなさが申し訳なかった(私は御堂筋線のつもりでしたが、大学生は二人とも阪急の駅に到着)。んでも、二人ともその中津駅に集合時間より5分だ15分だ遅れて到着してんだからやっぱりど遅刻じゃねーか、と。中津駅徒歩5分のおでん屋「J」に最初の予約から15分遅れて入店。
 私はビールから日本酒、未成年にはウーロン茶。カウンター横並びで、目の前のおでん鍋から大将がお任せで4品ずつ入れてくれる方式(お腹いっぱいになったらストップ)。鱧の練り物、いとこん、海老芋、ロールキャベツ、シュウマイ、エビ天……と、練り物まで含めて全て大将手作りのおでんはどれをとっても逸品。流石美味しんぼ店。若い子の食べるペースにはとてもついていけなかったけれども(その代わり、ビールと日本酒はガブ飲み)、〆の茶飯は頑張って食べました。舌が喜んでるのに胃がギブ出してる、みたいな経験を時々するようになって、これが本当に老いなのね、としみじみ。

 とは言え、15分弱歩いて2軒目に行ったら、「ちょっと趣向を変えて」とか言いだしてステーキだピザだを注文してるんですけれどもね。場所が変われば飲み物食い物あらゆる物が別腹になる。
 2軒3時間半で、高校時代の思い出やら大学時代の生活やら、まぁ抽象的に言えばそういうようなお話を楽しく。神戸大学のMくんに神戸のオススメスポットは? と聞いたら「六甲山で羊を触る!」と秒で返されたんですけど真っ先に思いつくのそれ? 神戸ってそんな街だったっけ? と。私、兵庫県は通ったことはあるけれども駅を降りたことはないんですよね……あ、嘘だ、灘中学受けて落ちてるわ。いや、だから、大人になってから観光したことがない、という意味でね。「六甲山で羊」覚えとこ。

 健康就寝。明日は夕方まで観光(神戸? 大阪? 京都?)、夜は大阪フェスティバルホール中島みゆきさんのコンサートです。