酒が飲める飲めるバッテン 酒が飲めるバッテン

 体育先生の車は唐津まで辿り着けるんですかねぇ、と心配になってくるような雪道をざくざく踏みならしながら徒歩出勤。午前中に、入試に関わる事務作業を行ったら12時には仕事は終了。

 さて、本日の旅行はベテラン体育・私国語・先輩国語の3人旅。先ずはドライブの道すがらのんびりお昼ご飯でも食べ~の、唐津では温泉につかり~の海鮮で酒のみ~の、とかのんびりとしたことを考えていたら、体育先生が「おい、ぼやっとすんな直ぐに出るぞ、5時間は覚悟しとけ!」と。5時間?
 免許を持たず車を運転しない私は、道路状況について完全無知、朝の雪道だって革靴で歩けるレベルだし、K市内で路線バスが再開してるくらいだから何だかんだで余裕なんじゃないの~? くらいの認識だったんですよ。
 そしたら、高速道路が全線で通行止め、下道も雪と渋滞とを覚悟、という話。はい? 雪がやんで24時間以上経ってるのに、高速道路が封鎖されてるの? そんな必要なくね? ってか高速チキってね?

 唐津は(高速使って)1時間半、って聞いてたのでホテルに予約を入れた段階ではチェックイン15時。ですんで車が学校を出ると同時にホテルに電話をし、チェックイン遅れますのお電話。
 で、言っても雪なんざ大したことなくね? という認識は車で30分ほど走って小郡~津古あたりに来た頃から完全に覆され。辺り一面銀世界、小郡の手前で、雪の中で横転して身動きがとれなくなってるトラックすら見えましたからね。途中で寄ったセルフのガソリンスタンドでは、お姉さんが必死に雪かき。体育先生曰く「朝の通勤で通った時にもあのお姉ちゃん雪かきしよったぜ」と。

 例年なら、入試がどうだったとか来年の人事はどうなるだろうかとか話が盛り上がるんですけれども(私以外の2人は中1担任で多分持ち上がるだろうから、その場合現在高3来年の保証なし、の私が遊ばれたはず)、今日の道路事情ですから「雪が凄い!」というのと「どのルートを取れば比較的安全で早いか?」というのだけが話題に。あ、後、流しっぱなしのRKBラジオのCMが過払い金の請求ばっかりだというのは面白かったですね(10、20、30!)。
 唐津に入る海沿いのハイウェイが通行止めではなかった、ということで途中からはスムーズに車を走らせることができ(それまでの下道は、渋滞してるし雪でガタゴトだし)、何だかんだで16時前にはホテルに到着することができました(唐津は雪の影響が全く残っていませんでした)。走行3時間半。

 さてこの一行、特にベテラン体育先生がそうなんですけれどもとにかく明るくてポジティブ。例えばホテル着15時半過ぎという苦渋ドライブ(運転は体育先生)にもその体育先生が「居酒屋が17時半の予約やろ? 今から温泉入ったらジャストの時間やんか。俺ら逆にラッキーじゃね?」と。
 ここで、予約してた海鮮料理屋から「荒天でイカの仕入れが出来ずに予約のイカはキャンセルしてほしい」との連絡、体育先生にお伝えしたら案の定「ひえぇ」と一瞬残念がられましたが、他の魚は全て手配できたという店の言をお伝えしたら「じゃいっか」とあっさり。でもって宣わく「っつーか、前々から生け簀に入れるとか冷蔵庫に入れとくとかしときゃいいだけなのに当日じゃないなら出さない、ってのが逆に信頼できる。楽しみ~」と。この度量に惹かれるんだわ。

 イカ、じゃない以下140字。
 【ポジティブ組の口癖は常に「逆に」。英語が弱い63回生に高1から入った体育先生は「逆に伸びしろがある。高校で勢いつけてガーンって行くよ」とさらり。なかなか勉強しないと私がぼやいた高2の時は「バカお前逆に考えろ、高3の大っ事な受験期に体力有り余っとる上にまだ勉強に飽きてないんぞ」と。】

 チェックインのお部屋は1人なのにツインベッドのオーシャンビュー。時季外れ最高。部屋に荷物を置いたら直ぐに入浴です。
 早速大浴場に行ったら、16時前のお早い先客がお一人様……だったんですけれどもこちらの方がドリフのコントかやくざ映画かでしか見たことない程お見事な背中の刺青。「お断り」組故に気を遣われたのか、我々3人と入れ替わりで退場なさいました。別に気にしないのに。「悪いことしたね」と3人で。泡風呂・海(虹ノ松原!)の見える露天風呂・60度の低温サウナ、を一通り堪能。別に温泉とか好きじゃなかったはずなんですけれど、体育先生に洗脳されて(あと多分歳のせいで)、最近悪くないと思うようになってきてます。

 タクシー15分で向かった海鮮料理屋「S」は、入って直ぐの大きなL字カウンターの内側がでっかい生け簀になってて、イカこそとれなかったものの、鰆・マダイ・サザエ・タコ……ととりどり。最初の刺し盛りにはその鰆の炙りが入っていたんですけれどもこれがビックリするくらい美味しかった。勿論、名物の鯨は赤身とベーコンと。
 ビールで乾杯(2回お代わり)の後は、私は日本酒、残る2人はボトルで「赤霧島」。つまみはイカシュウマイ、自家製すり身揚げ、ぶり大根、サザエの壺焼き(私は遠慮)、カマ煮付け……。途中で私も焼酎お湯割りに移行して結局3人で「赤霧島」は5合瓶を2本空けてしまいました。上げ膳据え膳とはいえ飲み過ぎ。

 コンビニで飲み物と食べ物とをたんと買い込んで、ホテルの私の部屋で二次会。広い部屋でテーブルも大きく、太りおさめとばかりの男衆
 話題は、最後の辺りが酒霧にかき消されて覚えてないってのもあるけれど、その殆ど全てが仕事、っつーより職員室の先生のあんな話やこんな話なんで、一切書くことができないのです。ごめんね、お休み。