夜の叫び生命のスタッカート

 連休2日目。8時過ぎのゆったりした出勤でデスクワーク。今日は、16年度の東大第四問(文系現代文)の堀江敏幸の解答例・解説の作成が主な仕事。

 昼頃に我らがA組出身のFくん・Aくんが来校し、一時間ほど茶飲み話。Fくんは持ち込んだペットボトルのお茶、私が珈琲、珈琲の飲めないAくんは紅茶。一浪の勉強の結果Aくんは慶應大学、Fくんは早稲田大学に進学。国立は残念だったけれども、一浪の意味が十分にあった立派な進学です。
 A「今日って、高3が学園祭の準備しよる日やないと? 誰もおらんけど」
 私「えっと、F高の卒業ライブとか?」
 A「あっ、それなら仕方ないか。Fはそういうの興味ないやろ?」
 F「俺は全然。音楽は……MONKEY MAJIKくらいなら。先生、MONKEY MAJIKって知ってます?」
 私「♪あらんざわ~」
 F「そうそうそれ。それだけ。あ、あと……野猿とか」
 私「猿が好きなだけやないか!」
 A「おおっ、ツッコミが的確で早い!」
 F「素晴らしくない? Nレベルじゃね?」
 A「Nレベルかも……いや、Nはちょっとレベルが違う。Nやばいもん」
 F「そね。Nは凄いもんね」
 A「Nの次ということで」
 天然でボケといて何でそんな上から目線なのか知りませんけれども、確かにNくんは63回生のお笑いコンテストが「N-1グランプリ」とその名を冠される人ではあったな。彼も早稲田で東京行きだったかな。
 そうそう、我らがA組(を中心とする文系)には東京進学組が異常に多いんですよ。6~7割の卒業生が東京に進学することになるんじゃないでしょうか。というわけで、お土産の本には「虎視淡々、日常性のeasy!」のフレーズを添えて、文学部Aくんには森銑三『傳記文學 初雁』、近代文語文の勉強経験のあるFくんには斎藤緑雨『緑雨警語』を選択。したら。
 F「え~っ、近代文語文!? いやや~。先生もっと面白いの」
 私「あのね、今面白がれる本は自費で買いなさいよ」
 一橋Iくんも同じ反応しましたけど、旅立つ人間には、これから先面白いと思える人間に成長して欲しい本を送るに決まってますよね。
 そうそう、AくんFくんのお二人、「ウェイだけにはならない!」と頑なに否定なさってお出ででした。

 夜は、K市の母・Hさんと二日続けてご一緒。今日はHさんちのご自宅にお呼ばれで、お酒は私、料理はHさん。おでん鍋に、2月末に自衛隊Aくんから貰った愛知の味噌(その名も「献立いろいろみそ」)をつけて食べる(これは田楽につけても良し、豚カツにつけても良し、の万能薬味)。鯛の焼き物、お浸し、かき揚げ、帆立と牛蒡の炊き込みご飯……と私を太らせるための料理のラインナップが凄い。ご飯は2膳頂いて、「明日のお弁当」とHさんが用意してくれたタッパー2つは一家族分の行楽弁当かという分量で(炊き込みご飯の)お握りだけで5つですから。秤に載せたら1㎏を超えており、これは明日の朝と昼とに分けて食べる必要があります。日本酒は「明鏡止水」は我々の口に合わず燗つけ、「雁木」は冷酒で。

 21時過ぎに帰宅、健康的な(胃袋パンパンな)就寝。