少しだけ 少しだけ で 少しじゃないのが梯子酒

 緑川ゆき夏目友人帳(22)』読了、★★★★。

 中学体育大会は月曜日に延期が決定しており、本日は中学・高校とも通常授業。台風の影響が本格化するのは明日で、今日は嵐の前の雨がしとしと。ですので、明日の日曜は学校を完全に閉鎖して、生徒は絶対登校禁止になります(寮生は寮に缶詰になるのかな)。

 昼前に、61回生文系Uくん&Hくんが職員室に。Uくんは社会人1年目、Hくんは夏休みの大学4年生、共に東大なのですがこの1年の差は浪人の有無で、これはこの後の飲み会で多いに弄くり倒すことになります……飲み会。そう、2人を見つけた瞬間に「この後昼から飲みに行こうぜ!」と声をかける私も私だけど間、髪を入れずに「「諾」」と返す2人もどうかと思う。
 台風接近に伴い生徒は半ドンでほぼ強制下校(高3の特講は行われました)、校内は昼過ぎには閑散。我々3人は午後15時過ぎにタクシーで学校を出発。

 結論。飲み過ぎ。
 えっと、昼から開いてる居酒屋「K」で乾杯して、本当は焼き鳥が食べたかったというUくんを焼き鳥「Y」にご招待して、最後は文化街の小料理屋「S」でしょ? 15時半から飲み始めて結局終電コースです。

 さて、Uくんは東大文系現役。現役時に東大文系1人という絶後の惨敗を喫した61回生のその「1人」がUくんで、高3時にその漢文を担当した私と2人で、哀れ1浪のHくんをディスり倒す1次会。61回生文系は1浪で大量に合格したんですけど、その内の半分以上は現役で合格してても全然驚かない人だった……というか、Uくんよりも成績が良かった、のに現役時にスベった理由は一言、私「高校で大学生みたいな生活してる奴らが大学の門をくぐれるかっつーの」 U「あれは幾ら何でも反省した方がいい」
 担任が日本史担当だった文系クラスの東大志望者の半分が日本史特講をサボるみたいなね。ついて行けないとかじゃなくて、数学が出来る集団だったから1科目くらい手放しても合格できるだろうという奢りがあった。これが「大学生みたいな生活」ってやつですね。15年前なら(或いは東京の受験生なら)いざ知らず、今は(或いは福岡田舎の受験生は)特講に毎回出席しない程度に不真面目・非真面目な場合は根こそぎ落ちるんじゃないかなぁ。

 とは言え、ディスられまくったHくんも既に東大教務部への就職が決まっているそうでこれは端的に勝ち組。就職後は内部の話を色々聞かせて貰えるんじゃないかと、これは職業的にも個人的にも楽しみです。東大生(というか大学生)の口癖は「教務課無能」ですが、職員の半分は東大出身なんですって。まぁ、だから「有能」なのかどうかは知りませんけれど。

 社会人1年目のUくんは、企業電話相談をプロデュース(ブースを貸したり、実際に対応するオペレータを動員したり)する会社で経理をやっているそう。そういう会社、業種としては何という名称で括られるんでしょうか。よく分かりませんね。「今時オフラインの会社」とUくんは謙遜気味にお話しですけれども、かなり大きな企業とも付き合いがあるそう。固有名詞を巧みに避けて企業内容を説明するのを聞きながら、あぁ、頭いいなぁ、って。
 いや、業務内容を聞いて最初に浮かんだ質問が、私「どうすんの、オペレーターに動員した人がとんでもない舌禍起こしたら」 U「そう、そこの危機管理が無茶苦茶大事なんです」 ウィルスみたいなもんですよね。でもって、そういうヒューマンエラーがとんでもない致命傷になりますよねぇ。だから、最初に各企業と契約を結ぶときのケース想定には限界まで細心の注意が払われるそうです。
 そういえば、我らが高2某くんが2年前の中学卒業論文で某食品会社のCM史を研究した時には、そこのHPのQ&Aを何度も利用しました。「今時オフライン」の会社はもちろんオンラインにも対応している訳で、もしかしたらその時にお返事をくれたのも某食品会社の担当者ではなく派遣オペレーターだったかも知れないんですかね? U「殆どの質問・クレームはマニュアル対応出来ます。一部の特殊なものだけは企業に投げる形じゃないでしょうか」

 さて、次はHくんのお話。文Ⅲフラ語出身の彼の学生生活でいちばん面白い(興味深い)話は、なんと4年生になった今でも駒場教養学部)時代のクラスコンパが継続されているという話。東大は入学後に第2外国語を基準にクラス分けされるのですが(私はチャイ語即ち中国語を選んで文Ⅲ6組でした)、その時のクラスメイトの繋がりが今でも続いている、だけなら驚かないんですけれども4年生の彼らが下クラ(同じクラスの後輩)として面倒を見た3年ともまだ繋がっている、剰え3年が面倒を見た2年、2年が面倒を見ている1年とも繋がっているという事実。私「1~4年の縦全体でクラコンやるってこと!?」 H「結構来ますよ」 そんなの聞いたこともない。H「僕らのクラスだけみたいなんですけど。僕らが入学した時にそう(クラコンに3期上が来る文化が存在)でしたから、それが自然なんですね」
 時代が徐々にクリーンになっていく(若者が飲まなくなっていく)に従って、徐々にその繋がりも緩いものになって行っているそうではありますが、その縦ノリ(?)文化全盛の最後を通れたというのは羨ましい話だと思います。

 総括型で最初と最後とに結論を書きますけれども、結論、飲み過ぎ。
 終電コースの帰り道をHくんと歩きながら、10月からの教育実習の話を……そうそう、Hくん、来月から国語科の教育実習生なんです。中3・高1に入るそうで私とは仕事をしないんですけれども、実習中の3週間は寮に滞在するそうなんで飛んで火に入る訳でして、夜は色々連れて行くから、とお約束。