得意話がまだ続く 色々こつもあるでしょうが

 twitterのTLで、学部時代の同期某氏が野矢茂樹氏監修のご著書を上梓、というニュース。「東京大学文学部言語文化学科日本語日本文学専修過程(国語学)」という長い長い所属名は今でも忘れませんが、その名の中における勉強の実はどうかと言われたら彼我の差は万里、ですので「同期」も烏滸がましいのですが、さらに現在の職業(国語教員)も同じだと来たらもう平伏する他。ところでそのご著書は論理学、学級文庫に入れたら喜んで読む生徒が直ぐに思い浮かびます(国際言語学五輪くんとか)。とりあえず、自分用に1冊、学級文庫用に1冊はマストですね。

 3時起床、書斎で昨日の特講の添削。予想通り、文系の平均点を1点強上回りました。あと2回、本日2限の東大文系授業、及び放課後の文系兄弟現代文特講、この2つの添削を終えたら、私は晴れて機上の人です。
 学校では2種類の授業(東大は今福龍太、京大は柳沼清剛)の板書準備。2限に東大文系11年は今福龍太「風聞の身体」。これは東大文系が大好きな岩波『図書』の文章(21世紀には小池昌代・今福龍太・蜂飼耳が出題)。授業後は自宅往復で母君に昼食をお出しし、学校に戻ってから添削。明日の保護者会(あぁ、67回生最後の学年保護者会の最中に私は機上の人!)で配布する資料を封筒に封入する作業を行ったら15時25分、6限の終了です。SHR・掃除を終えてから京大特講は09年の柳沼清剛「書き言葉について」。この問題は5題中1題が漢字なので解答時間はやや短め(5題とも記述の年と、内1題が漢字の年とがあります)。この添削は翌未明の書斎に回します。

 18時帰宅、母君の夕食を作って入浴。明日から私は上京、母君はショートステイということで、冷蔵庫の中が空っぽになるようにしました。とある方のご助言で時に味噌汁を作るようにしているのですが、今日は余りものも余りもので豚しゃぶ用の豚肉と白菜の芯とで作っている訳ですから罪が深く。

 母君がお食事を終えてから私は「もりき」へ。今日は鶏のタタキの後でサンマの塩焼き。上京するたびに「何か新しい日本酒を飲んで来い」と言われて今日もそう言われたのですが、日本酒を売りにしている店に行って「もりき」のラインナップ以外を注文することはなく、帰ってからいつもマスターに(お土産を携えているのに!)叱られることになります。今回も多分そうなるでしょう。
 っつかね、どこの店でも大体マスターの「口真似」をすると間違えないわけですよ。例えば神泉「佐乃家」で日本酒のペアリングを出してもらった時に最初が「亀泉」だったから大将に「CEL酵母ですね」って言ったら「よくご存じで!」って最後までめっちゃ食いつかれたし(その後の銘柄はひとっつも知らなかったのに!)、同「ぽつらぽつら」で日本酒ソムリエ氏に「お客様には『王禄』というお酒を」と言われて「島根だ。丈径ですね」って返したら「失礼しました」って謝られたし、池袋「酒菜家」で「山の壽」注いでくれた日本酒担当氏に蔵元の裏話(これは地元民だからこそ知るスキャンダル)をお教えしたらめっちゃウケたし、等々、私は何一つ知らないのにただあの時マスターがあんなこと言ってたな、という記憶だけで間違えない。
 「結局またウチで出すの以外飲んでないっちゃろ? 全然面白くない!」と叱られた後で、「だってしょうがないでしょ、それで間違えないんだから。東京だよ? 日本酒一合で幾ら取られると思ってるの? それで間違えたら大変なんだよ?」と、前述したような体験を挙げたらマスターが上機嫌になるのもいつもの流れ。ほら、何せマスターは親よりも親ですから、持ち上げ方にも気を遣うわけですよ。