今日のめぐみを 祝い 踊る

 半ドン仕事、実習生T先生は丁度折り返し地点。何というか、忌憚ない意見をくれる生徒からは「お前要らんやん」と言われ、大人しく大人らしくの生徒からは「先生も頑張ってると思います」と言われ、後者の「も」っていう係助詞に肺腑をチクリとされる、そんな一週間でしたが、取りあえず「係助詞」なんて言葉を久々に使ってみたら変換候補に「系女子」ってのがあって、こういう語彙(「語彙」というより「変換候補」か)を集める仕事って本当に大変なんだろうな、としみじみ。私も頑張ろう、って何をだ。

 「男く祭」感想文、最後はコーラス大会学年優勝高2B某氏のこんな文章。タイトルは「コーラス大会を振り返って」。
 【小学校の頃、音楽の授業が無性にだるかったことを覚えている。合唱が特に面倒くさく、替え歌を作っては態度が悪いと怒られていたものだった。そんな音楽でさえ、高校に上がり必修の「科目」ではなくなった途端に楽しくなってくるから不思議なものだ。
 僕は今回、中学生の時芸術選択が音楽だった縁でコーラスの一曲「走る川」の伴奏をさせてもらった。僕には「合唱曲の伴奏→楽」という先入観があったが、今回それを見事に打ち砕かれた。
 まず、これは高1でも同様だが、練習期間が短い。楽譜をもらってから2週間しかないというのは、歌う側としても大変だった。また、伴奏は簡単だと思っていたがやってみると案外、というか予想していたよりはるかに難しい。それに加えて、半年近く全くピアノを弾いていなかったので指が全然動かない。このような事情もあって、クラスの合唱の方は完成しつつあるのに僕の伴奏の方は一考に進んでいないという悲惨なことになった。それでも、D組の「モルダウ」の伴奏の方が圧倒的に難しいのにD組の伴奏者は完璧に弾きこなしているので何も言い訳できない。
 こんなふうに大変だったが、なんとか本番の2日前にある程度完成した。そして迎えた本番。舞台に上がった途端頭が真っ白になり、普段なら何ともない所で派手にミスる、ピアノだけの間奏の所で音を外す、舞台近くの客席から、こいつ下手だなという高3の声が聞こえてくる、挙句に足が震えだしてペダルが踏めなくなる、というふうに悪循環に陥り、練習の成果の半分も出せなかった。コーラスの後落ち込んでいた僕に「いや、お前はよく頑張った」と声をかけてくれた人がいて、本当にいい人だと思った。
 僕が大崩れしたにもかかわらず、結果的にBが優勝したのは、B組の皆のおかげだ。クラスの皆には本当に感謝している。
 こうして皆でコーラスを仕上げて歌うのも来年で最後だ。来年文化祭が終わったときに達成感に浸れるように、将来「あの時は楽しかったな」と振り返られるように次年度も悔いの残らないよう頑張りたい。】