靴下の裏にも名前を書いてください

 出発前は、「何でスキーだけで3日とかやるんよ~」「北海道まで行くなら観光させろよ~」と、とりあえず何か不平不満を言わないと気がすまんのねあんたら、という状態のお生徒さんたちだったんですけれども。スキー旅行3日目、リフトで隣り同士になった某生徒と。
 教員「自分で、昨日より今日、今日より明日、って段々巧くなってるのが分かるでしょ?」
 生徒「マジで! あと何日か欲しい!」
 教員「ね?」
 最初は歩くのも一苦労だった生徒が、結局3日目には一番高いところまで行ってたりして。高校生にもなったら「これまで出来なかったことが出来るようになる」なんて体験は滅多に出来るものではありませんからね。大事にしたいですね。勿論、普段からスキーに慣れ親しんでいる生徒も少なからずおり、例えば今朝のインストラクターによるデモンストレーションに混じって見事な滑降を披露していたり。種々特技を持った生徒が集まってるなぁ、と感心。

 特技と言えば。最終日夕食時には、生徒お笑いコンビ2組による演芸披露。理系生徒2人によるお医者さんコントは、ツッコミ「先生、私の病気はどれくらい絶望的なんですかっ!?」 ボケ「数乙の定期テストにおけるA組(←我等文系)とBCD組(←憎き理系)との点数差ほど絶望的です」というやり取りに理系爆笑文系激怒っていう図式がハイライト。でもってその絶望的文系の代表2人による「2億4000万の瞳選手権」(昨日といい今日といい、うちのクラスって「おかげ」好きだな)は、ドン滑りが心配で食堂入り口の外で覗きこむように見守ってたんですけど(我ながら本当に息子を見守る母親みたいになってます)、結構ウケてたので安心。担任団の物まねは鉄板ですね。
 演芸の興奮冷めやらぬお笑い班は、レストランのテーブルにず~っと残って色んな人の物まね合戦。笑いに次ぐ笑いに横で腹を捩じらせながら、余りの長居っぷりにさっさと帰れよテーブル片付けてーんだよフェイスを隠しもしなくなったホテル店員さんの顔色をちらちら伺っておりました。

 夜の班長会議……の後に文化祭の責任者会議が開かれているあたり、高3がもう始まってるっていう感じですね。
 最終日の夜は生徒部屋見回りは緩く(就寝直後の1回だけ)、明日寝過ごさない程度にお楽しみなさいな、と(中3京都修学旅行の時とは人間が違いますからね、信用に足るって感じ)。さて、彼らは夜更かしをして何をするんでしょうか。47回生のスキー旅行男子校時代の私は、就寝後の「ミュージック・フェア」で矢野顕子を観たいって理由で担任と押し問答した、くらいの可愛らしい夜更かししてた思い出。共学化した今はどうなんでしょう、恋バナにでも花を咲かせてるんでしょうか。

 国語「怪我も問題行動も、ほんとにな~んにも起きませんでしたね」
 体育「こんなん初めてやないやろか。これでいいっちゃろか」
 ってやり取りがあったくらい、担任団が疲れない研修旅行でした。
 国語「だから心配は、明日の天気だけですよね」
 飛行機が飛べない可能性もゼロではない、現在(沖縄北海道を除く)列島荒天真っ最中。
 化学「……で、みんななんで俺の方を向くと?」
 体育「雨男って、雪も降らせると?」
 化学「知らんわ!」