長い歴史を生き抜いてきた

 わお、12月12日(金)の矢野顕子さんさとがえる(TIN PANと共演)、大阪公演のチケットをゲットだぜハッピーバースデー34歳俺。こないだのブルーノートに続いて一年に二度目のアッコちゃんライブです。この日は、12(金)・13(土)と続く駿台マーク模試の初日で授業なし。金曜の午後から土曜を年休にさせてもらって、一泊二日の大阪旅行にしよう! ってまぁ、センター試験1ヶ月前の自分の状態なんて想像もつきませんから、仕事の都合如何ではチケットが無駄になることもありましょう。

 さて、本日からしばらくは上京旅行で遊び倒した分のリハビリ出勤。その職員室で事務作業をしたり生徒答案(東大)や小論文(慶応小論文)やを添削したり。そう言えば、来週月曜から2日間は教員免状更新の為の講義(と試験と)を福教大で受講(と受験と)しないといけないんです。面倒ですが、仕方ないですね。

 慶応大学法学部小論文は課題文要約&自分の考え、を1000字以内で。過去問初挑戦の生徒某の答案を添削します。添削の流れ。
 120分程度かけて添削をするのですが、その時に気づいたことや今後注意することを、B4プリント一枚の手紙にしたためる。その後、本人と30分程度の面談の形でその手紙について具体的に話す。他の仕事が全く無いとしても、一日に2~3人が限度ですね。前期試験・卒業式後の3月2日(63回生は卒業式が2日なので、今年度に限っては3月3日)からの高3国語担当者の勝負はこれの如何で決まります(後期試験は小論文だらけですから)。
 今回の面談で話したのは、形式的には「120字一文などは避けて短文・単文を重ねる」とか「一段落で書かずに形式段落・意味段落に分ける」とか。初めて小論文を書くときには、だいたいこのレベルからの注意が必要になります。内容的には、どうでしょう(ちょっと抽象的に書きます)。課題文は、二項対立のA・BのうちAのみが称揚されBが無視される現代を問題化し、両輪たるA・B統合のためにBの復権を、という流れでした。それなのに提出された解答では「現状はA・B統合である」と前提されている。だからアドバイスは「先ずは相手の問題意識を共有する姿勢で臨みましょうね」ってものに。今回の某氏の場合は、「姿勢」「態度」の問題というよりは、A・Bの定義自体に浅さ(というか混乱)があったために解答が支離滅裂になった。だから結論は「制限時間が16分も余った時に、課題分の問題意識を、それに対する自分の賛否はともかく先ずはきちんと確認する意識を持てば得をします」とだけ。
 もちろん、このやりとりを受けて同じ問題を解き直すわけですね。現代文の問題も小論文も、解答と添削の往復作業が全てです。

 教員は一人、生徒は200人。少なくとも高3担当の一年間については、人生あげますって以外に今のところ彼らを支える法を思いつかない。いい方法があったら誰か教えて下さい。

 夜は「もりき」で独酌……の予定がHさん合流であらお珍しや2軒目まで行ってカラオケ三昧。何が「人生あげます」だ楽しんどるやんけ。母君と同年代の方とのカラオケですから、選曲は古めで「世情」(中島みゆき)、「哀恋蝶」(泉ピン子)、「東京物語」(森進一)とかだったかな。

 無事にHさんにお土産「品川珈琲」を差し上げたのでこれにて旅行はおしまい、以下旅行中に読んだ本(10冊)です。
 山本夏彦『良心的』読了、★★★★★。
 内田樹憲法の「空語」を充たすために』読了、★★★★。
 『アンソロジー ビール』読了、★★★。
 富澤一誠『「大人の歌謡曲」公式ガイドブック』読了、★★★。
 畠中恵『すえずえ』読了、★★★★。
 木原浩勝『九十九怪談 第六夜』読了、★★★。
 峰なゆかアラサーちゃん』『アラサーちゃん無修正(1・2)』読了、★★★★★。
 秋本治こちら葛飾区亀有公園前派出所(191)』読了、★★★。
 山本夏彦は格別として、先ずもっての収穫は『アラサーちゃん』。絵柄が嫌だったのと『江古田ちゃん』の二番煎じだろうという先入観があったのとで何となく敬遠してましたが、読んでみたらこれがめっぽう面白い。書店のポップで「あるある系」って書いてあって成る程これは作者の観察眼と描写力の高さを言ってるんだろうってことで納得はできるんですけれど、やっぱりこの作品、ファンタジーですよ、ねえ? 内田樹先生の憲法の「主語」の話は大切。会議とかでも、誰かが意見を述べて語尾が「思われる」だった時はその内容は問わずに記憶から消すことにしてます。客観を偽装しつつ責任を回避する動機が透けますからね。