誰かがあなたをエディットしてる

 年に一度の割合で携帯メールを送ってくる59回生某氏のそのメールの内容が毎回「新宿で4500円くらいで飲み放題が出来るオシャレ系の店教えて下さい」とか「渋谷の中華であんまり辛くない店あります?」とかみたいなやつで、お前F校の12期パイセンにして大恩ある教師(?)を食べログ扱いしてんじゃねーよ、と毒吐きながら毎回厳選したお店を探すんですけど。

 昨日の放課後で特講の採点を全部終わらせたのは、2軒ハシゴの飲み会の日はちゃんと寝ようと思ったから。0時就寝6時起床で、8時過ぎには学校入り出来ました(念のために朝は1時間年休を取っていました)が、未明の添削なんてそりゃ出来なかったわけで。ダブルブッキングと翌朝の添削以外では絶対に飲み会を断らないと決めている私ですが、昨日はちょっと添削で無理をしてでも飲み会を引き受けた、という成り行き(卒業生ですから)。

 さて、奨学金の申込みやら医学部推薦入試やらに必要名自己推薦文の添削が始まりました。入試イヤーは折り返し地点を過ぎ、添削に週24時間かかる過去問以外の、手続きに関わる文章の添削が始まります。気持ちは昂ぶって来ますが、ここは座右の銘であるところの「虎視淡々」で静やかに進んでいきたいところ。

 授業は文系東大コース二次対策、特講は放課後の一橋大学200字要約。放課後はその添削をガシガシ。終わらなかった分は翌朝に。
 文系諸君の勉強について、私ちょっと愕然とする事実を今日知ったのですが、これは墓まで持っていこう(大袈裟?)。って言っても、誰にも言わずに隠しておくという意味ではありません。死ぬまで忘れないという意味です。

 阿川佐和子『あんな作家 こんな作家 どんな作家』読了、★★★。阿川佐和子の「聞く力」黎明期、約20年前のインタビュー連載が文庫化。物故者は措いて、消えた(衰えた)作家と書き続けている作家との思慮やスタイルの違いが所々に浮き彫りになるのが恐ろしい。これが「聞く力」なのでしょうか……ん~、でも、どちらかというと、そのやりとりを「書く力」のような気がしますが。清水ミチコの観察眼とモノマネのクオリティが突き抜けていることの底にはおそらく「恐れ」という感情を持たないという事実があるのではないかと思うのですが、阿川佐和子氏にも同じ物を感じます。「聞く力」だけでなく「書く力」、阿川氏、それぞれの作家の文体模写が相当に巧い。