酔いがまわればそれぞれに 唄の一つも飛び出して

 日付が変わったばかりの書斎に入って添削をガシガシ。添削に際しては、解答の書き直し例は赤いボールペン、アドバイスは青いボールペンで書くという風に、2本のボールペンをしょっちゅう持ち替えながら行っています。ペンを机の上に放り出す時にする音がうるさいので、以前深夜のファミレスでやっていた時代には必ずタオルを持っていって、その上にペンを投げていました。2本のペンを持ち帰る時に、ペンの先端が右の掌にチョンと触れるんですけれども、そのせいで、添削を始めてしばらくすると右の掌、ちょうど小指の下辺りはボールペンのインクの染みでべっとりになります。赤と青、それと2色が混じると本当に紫になるんですね、紫の染み。今乗っている自転車のグリップは真っ黒なのでわかりませんが、以前乗っていた薄い灰色のグリップの自転車の場合、右側だけグリップが紫色に染まっていました。という訳で、夜明けの入浴時は、どこよりも一生懸命右手を洗うことになります。
 母君の朝食をお出しして、7時30分に自宅を出発、何とか予定通り7時55分にBOXに答案を返却することが出来ました。間に合わなかったことはありませんが、ギリギリにならないことも滅多にありません。不思議。

 現在作成中の文集について、高3に携わっておられる英語科と国語科との先生2人(どちらも私の2歳下の後輩)に、一昨日ちょっとしたお手伝いをしていただき。そのお礼に、数百円程度のお菓子を購入したやつを本日お渡ししました。
 後輩「えっ、良いんですか? ありがとうございます」
 先輩「いや~、昨日あげるのが筋だとは思うんだよね。二日も空けたらお礼感が下がるしね。でもさ、昨日あげたらなんか意味深になるやん? ってことで今日あげま~す」
 後ろで英語パイセンが噴いておられました。

 しばらく学校でデスクワークの後、10時過ぎから年休を取って自宅へ。今日は、火曜日のMRIの結果を、主治医のY先生に伺う日なのです(いつもとはちょっと違う遅めの時間の受診です)。病院では、先ず胸部レントゲンをとり、今日は珍しく45分ほど待たされてから診察室へ。1年ぶりのMRI(脳の腫瘍の様子を診る)に母君は緊張しきりでしたが、結果的には脳の腫瘍は1年前と全く変わらず、首から下にも新たな癌の発生はなし。「腫瘍自体はあるので完璧とは言えませんが」という前置きつきで、Y先生からは「最も優秀な結果だと言っていいと思います」との有難いお言葉。前回のMRIは母君が私の自宅にお戻り(お移り?)になる直前でした。1年間の同居生活(途中9ヶ月は私が食事担当)で母君のお身体を損なうことがなかったというのは、まぁ家族としては嬉しいというか誇らしいというか、ちょっと恩着せがましい気持ちになりますね。今後も継続の投薬治療。
 そうそう、料金を支払うために待合に居たら、完全仕事モードの58回生Fくんとお会いしました(研修医1年目が終わろうとしています)。「F先生」と呼んでやろうかとも思ったんですがまぁそれは勘弁してやって、そう言えば今夜は彼のF高サッカー部及び医学部時代の先輩である56回生Tくんと飲むので、私に気を遣って母君を見ないようにそそくさとすれ違おうとするFくんを呼び止める。
 私「あのさぁ、4月からTくんがK市に来るんで飲みにいこうって言ってた」
 F「マジすか」
 私「でね、今日は家探しでTくんがK市に来るから、飲む」
 F「あそれ連れてって俺明日休みで夜も暇」
 私「聞け。56回生の主任英語とか担任化学とかも一緒だから、来るなら2次会からじゃない?」
 F「あ、そすね。じゃあ、電話待ってます!」
 病院の中で勤務中の教え子に話しかけるのは初めてでしたが、内容が下らない。

 病院から徒歩2分(母君とご一緒だと7分)のピザ屋で昼食。以前別の店のパスタでお腹を壊されたことがあったのでちょっと心配ですが、美味しい美味しいと召し上がっておられたのは良かった(食事をご一緒するのも久しぶりです)。何か身体に不調があったらすぐに携帯に電話をするようお願いして、タクシーで自宅経由の学校入り、夕方まで再びデスクワーク。

 母君に夕食までお出ししてから向かった先は炭火焼「I」で、まだ新規のお店ですが早くも予約が取りづらい人気店になっています。今日も、4人がけの個室に強引に6人で入るという強行軍。メンバーは教員3人(56回生主任英語先生、担任化学先生、副担任国語私)、生徒3人。Tくんは福岡で(4月からF校親玉大学病院で)医師、Mくんも親玉大学病院で医師、Nくんは市内で機械技師(って言っていいのかな)。話題は、Nくんの破鏡にまつわるドロドロした話だとか、Mくんの超遠距離恋愛の相手がコスタリカの美人さんだという話だとか、先日東京で結婚式を挙げたBくんの話だとか、そらそうですよアラサーっつったらそんな話ばっかりになって然るべきなのよ私はどこで間違った。
 さて、事実なんだからここに書いたことがばれたとしても開き直る、56回生主任英語先生のスパークっぷりが相変わらず眩しい。先生はF校を代表する強面でいらして所作も堅気の人のそれとは若干乖離している風に見られがちなんですけれども、最近は完全にスマホに人格を乗っ取られたFacebook芸人状態で、今日の飲み会でも店員さんに「この角度から集合写真、連写やもんね~」と指示を出しつつばえそうなポーズ取りに余念がなく、何に使うんですかと生徒につっこまれたら「帰りの電車で(Facebookに)アップするもんね~」と行動は完全に乙女のそれで、『おっさんずラブ』の黒澤部長みたいになってました。

 さて、屋台でラーメンを食う! とどこまでも元気な主任先生一行を華麗にスルーして(屋台「T」に6人は多いですしね)卒業生3人の中からはNくんをピックアップ、2人で文化街に歩いて行きます。お母様がかつてお店を経営してらしてそこにバーテン・黒服として入ってたこともあるNくんは文化街に詳しい、かつバンドマンで歌がうまい、ライブバー「A」のマスターとも顔なじみ、という好条件。二次会から呼ぶと言ってたFくんとは初対面だけれど、NくんもFくんもコミュ力高いから問題ないよね、ということでFくんも呼び出して3人でカラオケ三昧。最後はうどんまで食って健康に(太りに太って)帰宅しました。
 隣の席の誰かが米津玄師を入れた時に、米津を歌えるかという話になって、私が「Flamingo」なら、Nくんが「Lemon」なら、Fくんがタイトル失念の別の曲なら、と3人それぞれ別々の1曲だけなら歌えるという状態だったのは面白かった。誰もアルバムを買ってない(正確に言うと、私はアルバムを買ってはいますがまだ聴いていない)。私はシングルを買いましたが、他の2人は気になった曲を集中してYou Tubeで観てるという感じなのかな。

 後日オツカル様(←同じ年)から、今どき円盤(CD)で音楽を聴いてるのはよっぽどの時代遅れだと言われました。
 私「そういう自分、相当たくさんCD持ってんじゃんか」
 オ「ヲタクがアイドルから手売りしてもらうやつは別」
 私「じゃあ、時代遅れかアイドルヲタクかどっちかなんだ。っつか、きみらが追ってる地下アイドルのはCDじゃなくてCD-Rだったっけ」