健康起床、大浴場で入浴、お気に入りのネカフェで日記更新その他書き物、という「日常性のEASY」上京編。
日記は、現在２ヶ月半ほど遅れた日付の更新ペースになっています。担任を持っている場合は暫くエピソードを寝かせて、（仕事に関して）書いて良いことと良くないこととの弁別を終えてから書くという必要があるのですが、現在は副担任ですので、更新の時間差はそれ以外の理由によります。
さて、「日記更新その他書き物」と書きましたが、ここでの「書き物」は全てタイピング。ネットを熟々と眺めながら打つことになりますが、そのネットサーフィン（って、今でも言います？）の途中でふと、９月13日（金）にPICASSO（ピカソ）のライブが山口県は宇部市で行われるということを知りまして。２分悩みましたが、「駅すぱあと」先生にお伺いを立てると、午後に年休を取って（金曜日は授業がありません）電車・新幹線を駆使すれば何とか日付が変わる頃までにはＫ市に帰って来られる（土曜の仕事に支障がない）ということが判明したので、チケットを購入を決定。一般にはアニメ『めぞん一刻』の主題歌群で知られるバンドですが、90年代以降の作品（寡作）も好きで追跡していた人間としては一度ライブを観ておきたいところ（ある程度以上メジャーな人々を除けば、東京名古屋大阪以外の場所でライブを行ってくれるというのは得難い機会なのです）。
本日朝の待ち合わせは原宿。63回生我らＡ組「日常性の維持」担当、来春から超巨大企業Ｒ社の舎畜になるぜ恩師にも出世払いできるぜ、というＥくんともう何度目か判らないさし飲みを。Ｅくんのリクエストは「大人な彼女の誕生日にランチデート」ってことで、独身拗らせた人間に何でそんな店の紹介を要求すんだ頼るフリしたマウンティングかよ、こちとらそういうのは大好物なんだぜ？ と何だったらこっちからスライディングする勢いで嬉々として店探し。
で、選んだのは表参道の蕎麦「雷庵」。出汁屋で創作料理っつーなら大抵の種類の酒に合う料理が選べるだろうし、キッチン丸見えのカウンターならそれだけで話が弾むだろうし、その他こちょこちょと個人的な事情（お相手のご職業など）を鑑みて選択。
さて、ランチには早めの時刻に待ち合わせたのは、私が太田美術館の特別展「異世界への誘い 妖怪・霊界・異国」を観たかったため。
「妖怪」……江戸の人々は未知の自然現象への作業仮説として実在を認識していた、これは寺田寅彦の文章で昔読んだもの。
「霊界」……過去を、過ぎ去って消えてしまった「往にし辺」ではなく、今向かい合うことの出来る「向かし」として捉える人々にとって、「霊界」というのは空間的に現在と隣接する別世界として実在をリアルに体感できるものだった、というのはどこで読んだ文章だったか（多分、一橋大学の過去問）。
異世界を描く浮世絵群、「妖怪」「霊界」を描いたものの方に「異国」を描いたものよりも強く現実感を覚えたのは、私が水木翁フリークだからという理由だけではない気がします（水木翁の妖怪画の元ネタも数点ありました）。個人的に圧巻だったのは「霊界」の部、歌川芳房「清盛布引滝遊覧義平霊難波討図」の火焔稲妻。
太田美術館には手ぬぐい屋「かまわぬ」が隣接しており、前回訪問時は改装中だったのですが現在は再開オープン。Ｅくんはここの商品が（人に渡すお土産として）気に入っており、数学・ダブルダッチ夫妻（のお嬢ちゃま）へのお土産を購入した品物を学校で渡すよう託けられました。私も、母君へのお土産に手ぬぐい製品を数点。
美術館を出た後は、10分ちょっと歩いてランチビールの店へ（途中、ナチュラルローソンに入って、お金をおろすのとピカソのチケット購入とを）。一見して「でも、お高いんでしょ～？」と言いたくなるガラス張りの空間、蕎麦打ちから調理盛り付けまで全てが見渡せる完全なるオープンキッチンを囲む無垢材のＬ字カウンター（テーブル席も多数）。今日は事前にネットでランチコースの予約をしていたところ偶然カウンターのど真ん中に座らせてもらえましたが、私「もしこの店を誕生日に使うなら、電話予約だね」 Ｅ「なんで？」 私「キッチン観られる席の方が話のきっかけが作りやすいんじゃない？ 電話でカウンターを頼めば？」 Ｅ「お～、大人や～」 私「独り身ですけど」
クラフトビール（高い）を注文して乾杯、前菜の小鉢３種（真鮹・フルーツトマト・鴨）からしてお洒落感創作料理感の圧が凄まじい。コースの構成は「そば前／刺身／中皿／蕎麦（今回は海老とキス、野菜の天せいろ）／甘味」で、胃袋小宇宙のＥくんのためにだし巻き（高い）・酢がき（高い）を追加（勿論、蕎麦もお代わり）。Ｅくんはお酒控えめですが、こっちは食いにじゃなくて飲みに喋りに来てるんで、ビール（高い）・ビール（高い）・ビール（高い）の後は、蕎麦焼酎の蕎麦湯割（高い）に移行して三昧境へ。
オープンカウンターって、本当に何でも見えるんですよね。調理お運びの鮮やかな手つきに感心したり、客に見える位置に置かれてた小麦粉の袋に「co･op」のマークがついてたのが、私「ちょっと興ざめじゃない？ 別に『co･op』が悪いっちゃ言わないけど、こんだけ高い店だったら隠して欲しいかな」 Ｅ「性格が悪い」 私「この天麩羅、美味しいね」 Ｅ「性格が悪い」 お言葉ですけどね、何かの話の流れで私が「メンター」という語を使ったら「ちょ、何でそんな言葉先生が知ってるんですか」と半笑いだったような教え子に「性格悪い」とか言われる覚えはなくてよ。私「なんかさ、入社半年もしたらＲ社の社畜小屋臭まとってたりして」 Ｅ「何ですかそれ」 私「業界臭とも言う。あと、Ｅ、商社に入ったからって簡単に肥るなよ」 Ｅ「あ、それはちょっと、心配」
さよなら諭吉のお会計、の後でほよほよと歩きながら渋谷へ向かう道すがら、ちょっとトイレに行こうか、と大きな工事現場の裏にひっそり隠れるようにあった小さな公園の公衆トイレに２人で向かった、ら。私たちが入るまで彼・彼女以外無人だった公園の遊具に腰掛けた彼、の股の間にしゃがみ込んだ彼女が将に彼のジーンズのジッパーをおろさんとす、という「青、噛んで熟って頂戴」（未遂）と鉢合わせて「「おおぅ！」」となる。トイレを終えて２人が出てきたら、いっそ開き直ったみたいな顔で彼女は彼の膝に腰掛けて首に手を回しておりましたとさ（二人とも着衣でしたよぅ）。
公園を出てから二人で大笑い。
Ｅ「いや～、凄かった！」
私「もう、完全に『アクション！』ってとこだったね」
Ｅ「言い方。完全に『カメラを止めるな！』じゃないですか、それ」
私「『ビンビンだぜー！』」
Ｅ「昼間。それは、あかん」
私「っつかさ、土曜の真っ昼間にこれだけ人が多いなら、あ、ここ曲がったら『タワレコ』に出るわけね。これだけ人が多いならさ、絶対Ｆ校生居るよね。『40548F！』って叫んだら何人かは振り返るよね」
……とか言いつつ「タワレコ」前の道を渋谷駅方面に向かって歩いていたら、普通に67回生２人とすれ違って会釈を。こないだまで担任やってた生徒も居るのに会釈で通り過ぎるのはあれかなとも思ったんですけど、連れもいますし、っつか結構酔ってるし。
すれ違った２人は、こないだまで私が担任やってた今は横国１年生のＳくんと、東京の予備校で勉強中の某くんと……
私「っつか浪人生勉強しろやっ！」
Ｅ「めっちゃ遊んでたじゃないですか」
取り敢えず、私は担任ではないので、担任でいらっしゃった世界史先生に「元気そうでした」という連絡は送っておきました。後で「手の者」から得た情報によると、二人で「ポケモンＧＯ」をやっていたそうでだから浪人生勉強しろや。
15時過ぎの渋谷駅山手線で既に欠伸。今夜は大塚「みや穂」で63回生Ｔくん・Ｓくんと飲み会を入れてるんですけど、Ｅくんも来るかどうか聞いたら来るというお返事。店に電話したら対応可能ということだったので、数時間後の再会を約束して一旦別れました。
ホテルに戻って２時間の仮眠、スッキリと目覚めて大浴場で入浴、の後で池袋～大塚は僅か１駅の移動です。
大塚「みや穂」にて、63回生経産省Ｔくんの大出世払い初任給放出チャレンジ飲み会。官僚出世街道を加速して最早元担任なんかに会ってはくれなくなる前に、一回だけで良いから諭吉をスプリンクラーして！ とお願いしてお目通りが叶いました。
メンバーは田舎教師私、東大大学院Ｓくん、経産省Ｔくん、来春Ｒ社Ｅくん（おまけ）。やっぱ、みんな偉くなるのねぇ。Ｔくんは、官僚話も面白かったし、Ｅくんの彼女の職業に滅茶苦茶食いついてたのも面白かった（この人が他人を羨むこととかあんだねぇ、と）。Ｓくんはオリエンタルランドでのバイト経験があるんですけど、どんな角度から聞いても「でもミッキーは人前で頭をはずすことはないんやで」を地で行く返しのみで絶対にボロや粗を出さない様は、NGワード口にした瞬間爆発するチップみたいなんが脳に埋め込まれてんじゃねーか、ってくらいで感心頻り。
「みや穂」のおつまみコースは農園サラダ、刺し盛り、小鉢３種、メインの構成で、どれをとっても日本酒が進みます。メインは魚のカツ（マグロだったかカツオだったか）を使ったサンドイッチでしたが、これは食欲担当Ｅくんにあげました。単品で追加した雲丹飯（絶品）は一口だけ。今日は、昼の店と夜の店とが少しだけ被ってしまいましたね（だから、昼は日本酒を避けて蕎麦焼酎にしたんです）。
で、池袋・大塚エリアで飲み会をやったら、二次会は「嵐を起こしてすべてを壊すの」の勢いで一次会の舌の記憶を消し去る激辛料理と決まっており、４人で池袋「知音食堂」へ。青島ビール４本に、麻婆豆腐を辛めで作ってもらえば、４人で悶絶、一次会の「繊細」とか「雅味」とかそういうフレーズが全部脳から蒸発していきます。
全てを忘れて健康睡眠。
