教えてあげる君

 ゆったりと起床、入浴後の午前中は書斎で書き物と机仕事と。昼頃から出かけると「もりき」マスターから伺っていたので、念のため何も食べずに待機していました。
 自宅近くのセブンイレブンの駐車場で待ち合わせて、12時にマスターの車へ。運転手はマスター、助手席は奥様、後部座席に私。目的地は糟屋郡にある福岡県を代表する酒屋「久山酒店」。マスターの仕入れに便乗です。高速を使えばあっという間、高速に入る前に「シートベルトをしてる?」と何度も確認されたのは、最近捕まったことがあるからだそうです。

 「久山酒店」は「もりき」のセラーを支えている、ということは十数年前に「もりき」で日本酒の魅力を知って以来の私の人生を支えている店だということです。コロナで家飲みを開始して以来、ことあるごとにご一緒にと話しながらなかなかタイミングが合わず、今日が宿願の初訪問。
 店の前には「獅子の里」のラベル(梟2匹に「酒を食べてゐる」という山頭火のフレーズ)が描かれた大きな看板、入口上には「一期一会 久山酒店」と茶色字に緑色の文字で。セラーにびっしり並んだ4合瓶、一升瓶の全てに、店主さんがお酒の性質・特徴をメモしたラベルがかかっています(全て味見したものだけを並べているそう!)。
 福岡県では「とどろき」と「久山」とを知らなければモグリ。どちらも「王祿」専用の冷蔵庫があるのは共通していますが、日本酒のラインナップはやはりはっきりと違っています(あと、「久山」の方が酒を売るということにより特化している印象)。どちらの方が好みかはその人次第でしょうが、「もりき」贔屓の私はやはり「久山」に一票。今日は、自宅のセラー・冷蔵庫の空き具合の都合でどうしても4合瓶5本までに絞る必要があり、「つきよしの」も「亀泉」も「意宇」も「酔右衛門」も「角右衛門」も「風の森」も「玉川」も……と色々な蔵を諦めざるを得ず。未踏破の蔵を2つ、後は「もりき」で覚えた大好きな銘柄を3つ選択(コロナ禍以来の「日本酒チャレンジ」が660蔵を超えておきながら、「廣戸川」がまだだったことに今更気づいて驚きました)。
 「もりき」ご夫妻へのお店からのサービスにご相伴、コーヒー(これがとても美味しくて、やっぱり確りした酒屋さんは違うものだと感動)と「六花亭」のお菓子と。店主さんから近年の日本酒業界に関する様々な(熱い・深い)お話を伺いながら。コーヒーとお菓子とで3人とも大満足したので、昼食はパスすることになりました。

 本日購入した日本酒は、以下。他に、鹿児島「国分酒造」の「芋」も購入しています。
 福島「風が吹く」(純米吟醸生酒 氷温熟成 中取り)。
 香川「悦 凱陣」(純米吟醸 黒澤亀の尾仕込19,20号 むろか生)。
 新潟「今代司」(ブラック今代司 極辛口純米酒)。
 福島「廣戸川」(純米吟醸 無濾過生原酒)。
 栃木「鳳凰美田」(WINE CELL SPARKLING JUNMAI GINJO 2022)。

 夜は「もりき」ではなく二日市に出て焼鳥「月空」へ。40日ぶりの訪問で、和牛モモのタタキカルパッチョ風(茗荷天国!)に舌鼓。
 帰りの電車内でFacebookを開いたら、前述の「久山酒店」訪問についての(公開の形での)投稿に、見知らぬ誰かから「福岡と言えば、ひらしま酒店を忘れてはいけません。十四代が呑みたい時は、伺います」というリプライが来ていてテンションが爆上がりしました。Twitterは鍵、Facebookも殆どの投稿が友達限定なので、これまで10年以上SNSをやっていながら「クソリプ」なるもの受け取った経験が無かったのです。都市伝説なんじゃないかと思いかけていましたが、やっぱり居るんですね、クソリプおじさんって(若しかしたら女性かも知れませんが)。大満足。