ウンガラガッタッタ こんな日本に誰がした?

 午前中は通常出勤で机仕事、午後から学校を出て西鉄電車で福岡へ。サンパレスまではタクシーではなくバスを使ったのですが、2両が連節したバスに乗ったのは初めてでした。20mくらいあります。運転技術が凄いなぁと思いつつ、乗ってるのはちょっと怖かったです。

 松平健・コロッケ『エンタメ魂スペシャル』@福岡サンパレス
 誰が考えたのかこの組み合わせ、ロビーのチラシやパネルを思わず写真に撮りましたが、これだけで既に寿感が突き抜けてます。小さなコーナーが幾つか続く構成。2人が好きなフォークソングを披露するコーナーだったり、若いころの写真を公開しながらのトークショーだったりというのはややチープでしたが、コロッケの物まね・松平健の歌謡ステージはやはり観応えがあり、
 コロッケの舞台を観るのは2度目。(本人も自虐ネタにするくらい)太り過ぎながらロボット五木ひろし(←やっぱりこれは面白い)などでの動きのキレは昔観たテレビのそれと変わらず。でしたが、モノマネの精度と歌唱力とについてははっきりと劣化していました。64歳ですから仕方ないのかも知れません。
 そして、一度は観たかった松平健。こちらは古稀を迎えなお壮健そのもの。上様のご衣装で『暴れん坊将軍』のBGM(歌詞付き)や挿入歌を披露した後は、金銀着物への早着替えでマツケンシリーズを。今回はバックダンサーが4人しか居ませんでしたが、「マツケンのAWA踊り」「マツケンサンバⅡ」の多幸感は素晴らしかったです。やったことは無いのですが、スロットで大当たりが出た時の興奮がず~っと続いている感じ。今回は披露されなかった「マツケンマハラジャ」(←オツカル様のカラオケ十八番)も是非生で観たく、次の目標はワンマンショーですね。あ、あと、オツカル様とのカラオケ用に「マツケンのAWA踊り」は是非マスターしたいところ。
 当たり前ですが客席の大半は人生の大ベテラン、なのですが今回のショーはまさかの130分間休憩無し。「ハルンケア」世代の女性の大勢が途中でトイレに立たれるのですが、彼女たちが暗いホール内の階段で転ばないか、帰った時にご自分の座席を忘れてないか(←リアルに何人もいらっしゃいました)、同じ客の立場ながらハラハラ。誘導の係員がこんなに忙しそうにしているライブは初めてでした。

 帰宅後は自炊。牡蠣を使った小鍋立て、野菜2品。先日職員室に遊びに来て少しだけお話をした70回生のSくん(最近ドイツ・チェコを長期に旅したそう)がくれた、チェコのビールを開栓、美味でした。

 新久千映『ミカコ72歳(3)』読了、★★★★。

 中村正史『東大生のジレンマ』読了、★★★★。学生・卒業生のインタビュー集。
 コロナ禍は東大の(恐らく、他大もでしょうが)学生の休学を増やした。後ろ向きな意味ではなく、前向きな意味での休学です。オンラインの生活は、通学やバイトやサークルに費やす時間を不要にし、そこで独り内省に耽った学生が「これ(このまま)でいいのか?」と人生の道(レール)を立ち止まる。東大生だったら親世代の望む(昭和的な)「大きな物語」(大企業に就職したり役人になったり)に乗ろうとすれば割と容易に乗れるのでしょうが、休学した彼彼女たちは全国や時には海外の地方を回り、長期の住み込みで調査や労働に励む中で、そのレールへの懐疑を強めていく(他の進路への確信を深めていく)、という幾つもの例。
 前述の「大きな物語」に乗らないという選択の別アプローチには、学生のうちに起業するというのもあります(休学も企業も、東大の中で「あり得る」選択肢になってきているという話です)。大学がそれを積極的にサポートする体制を取っており、22年には藤井総長が入学式の式辞を「起業の重要性」に充てたのだとか。起業した人々へのインタビューでは、生理用品の入ったボックス型装置を商業施設や会社のトイレに設置する事業を進めている「Omotete」のTさんが素晴らしかったです。
 地方回帰も起業も、個の力がしっかりしているからこそ挑戦できるし成功する可能性も高くなる。東大生頑張れ……と、オッサンが無責任に言っていいのかどうかは分かりません。東大関連のスタートアップを牽引している松尾豊教授(技術経営戦略学専攻教授!)の「日本経済には根深い問題がありますが、組織や個人が大活躍することはいくらでもできます」という発言が、色々な意味で記憶に残りました。